帝国王宮-大会議場。
御前会議の開始を間近にして、その場所は異様な緊張感に包まれていた。
参加する将兵、文官の表情は強張り、関係のない者に至っては近づこうともしない。
普段の会議とは明らかに違うということを誰もが感じていた。
皇帝の入室が告げられ、全員が一斉に頭を垂れる。
御簾の奥に何者かの気配が現れた。
統一皇帝、ルドラ・ナム・ウル・ナスカ。
最強の軍事大国である、ナスカ・ナムリウム・ウルメリア東方連合統一帝国の頂点。
その本音は誰にも語られることはなく、その姿は御簾の向こう側にある。
側近以外、誰も目にしたことのない至高の存在は、そこにいるだけで他者を圧倒する。
唯一にして絶対。
皇帝に対して意見出来る者など、ごく少数の限られた者達だけなのである。
会議室に集っているのは二百人近い。
“三将”-各軍団の軍団長にその副官
帝国皇帝近衛騎士団の精鋭
政を担う大臣
中枢たる大貴族院
錚々たる面子が頭を垂れ、徐々にその動作によって起きた音が収まっていく。
音が消えた。
それを合図に、丞相が儀典官に目配せした。
「皇帝陛下の御な~り~!!」
それを受けて、会場内にいた全員が、一斉に挨拶の言葉を述べた。
静寂を打ち破る、怒号の如き大合唱をもって、歴史に刻まれるであろう大遠征の是非を問う、御前会議が始まった。
議題となる大遠征についてだが、反対する者はいない。そして、名目も問題ではない。
皇帝が望むから奪う、それだけのことだからだ。
問題はどう動くかであった。
慎重論、正面からの蹂躙、降伏勧告や脅迫的圧力による外交干渉から始めるべきと、各人の思惑によって議会が進行する。
各地を支配する魔王達も邪魔だが、彼等は自分の領土に踏み込まれない限りは動かない。
やはり障害となるのは暴風竜-ヴェルドラだった。
つまり、議論はジュラの大森林へと帰結するのだ。
そこで一人の人物が立ち上がった。
「恐れながら、陛下。ワシは反対で御座います」
立ち上がるのはガドラだった。
魔王との約束をたがえぬよう皇帝への恐れもなく堂々と具申する。
「何を弱気な! またその話ですか、ガドラ殿」
ガドラを笑ったのは左目を眼帯で隠した瘦せぎすの男だった。
彼こそ“三将”が一人-機甲軍団長カリギュリオ。
好戦派の筆頭であり、慎重派のガドラとは毎度のごとく口論となる男である。
「西側を叩くだけならば、問題はない。しかしじゃ、ジュラの大森林には邪竜ヴェルドラがおります。二年前に邪竜に復活が確認されたばかり。慎重になるのは当然であろう」
ガドラの反論には同調よりも軟弱だと笑う者の方が多かった。
前回のヴェルドラによる災禍から三百年以上が経過し、その恐怖も風化しかかっているのだ。
カリギュリオはそれを見極め、煽るように言葉を発する。
「老師、貴方の慎重な姿勢には見習うべき点がある。しかし、何度も言っておることですが、ヴェルドラ対策は万全なのです。我等の新兵器ならば、彼の邪竜を従える事が可能なのですよ!」
「笑止! 夢を語るでないぞ、カリギュリオ殿。それが失敗する可能性を否定出来ぬ以上、慎重になるのが当然であろう。まして今や、あの森を支配するのは新たな魔王ですぞ! それも二柱も。魔王間で連携はないというが、支配地域を同じとするのであれば連携は当然。彼の邪竜も復活後は魔王リムルと魔王テクト両名と手を組んだ模様。そもそも、魔王には相互不可侵で当たるのが常道でしょうぞ!」
元よりジュラの大森林へ方針を取ったのは、その方が安全だからだ。旧クレイマン領に繋がる“死の渓谷”であれば、大軍の移動もかなうが、それをしないのはミリムの支配領域を冒すことになる。
現在のジュラの大森林の状況を考えれば、“死の渓谷”からの侵攻を放棄したように避けるのが正しいというのがガドラの主張だったが、カリギュリオはそれを鼻で笑った。
「それではガドラ殿は、帝国の悲願を諦めよと申されるのかな?」
西側へと大軍を送るのであれば、現状手にしている情報で考えればジュラの大森林を突破するのが最も選択肢としては現実的である。そのため、カリギュリオのこの言葉は軍部からの支持を得る。
「カリギュリオ殿の申す通りですぞ、老師。偉大なる帝国軍の前に、魔王など脅威ではありませぬ!」
「陛下の前で不遜ですぞッ!! ガドラ殿は皇帝の意に背くおつもりかッ⁉」
「否ッ! 考えてもみよ、魔王を相手にするより、ドワーフ王の協力を取り付ける方が得策ぞ。被害も出ぬし、西側の掌握も容易になるというものじゃ!」
ガドラは一喝し、反対意見に反論する。
しかし、そんなガドラの主張を笑う者がいた。
「笑止なのは貴様だ、ガドラ殿。ドワーフ王は剣聖と誉れ高き男。先代も英雄であられたが、今代も並々ならぬ実力を有しておられる。その仲間達も名だたる英雄であり、新参の魔王を屠るよりも手強き相手であろう。我も手合わせ願いたいほどだが、今はそれが本題ではない。英雄と戦うよりも、魔王を討伐するという方が、世論に対して見栄えがいいという話よ!」
そう吼えたのは魔獣軍団長-獣王グラディムだった。
立ち上がっただけで圧倒的な威圧感を振りまくこの男は魔獣をも力で支配する帝国内屈指の武闘派である。
階級は大将であり、帝国内で二番目に強い男と言われている。
グラディムの序列は二桁なのだが、その強さ故に早々に序列強奪戦から外れたためで、本人は自分こそが最強だと自負している。そのためグラディムは最強とされる元帥の存在が面白くなかった。
獣人族の血を引いているという噂もあるがそれは定かではない。
理屈ではなく本能で動くタイプなので、ガドラとしては苦手な相手だ。
「グラディム殿か、その比較は間違っておるぞ。ワシは、ガゼル王を味方にせよと申しておるのだ!」
「馬鹿め。ドワーフ王国をも併呑するというのなら、貴様の言い分も理解出来る。帝国の覇道の前に立ち塞がる愚か者など、ことごとくを叩き伏せれば済む話だからな。しかし! なにが調略だ。そんな温い事を言っておるから、戦力が整った今も行動に移せぬではないか!!」
「何を馬鹿な! ドワーフ王国は天然の要塞ぞ? 攻め落とすなど」
「黙れぇーィ!! 陛下の御前で泣き言を抜かすなど、そんな事だから軍団長を罷免されるのだァー!!」
グラディムの言うように、三十年ほど前まではガドラも魔法軍団を率いる立場だった。しかし今では解体され、有能な者は技術局に、その他は各部署へ転属させられている。
その要因は、魔法という技術は才能に因る部分が重きを占めていたからだ。いかに演算に優れた者でも魔力が乏しければ活躍は出来ない。とはいえ、一握りの才を持つものを育て上げれば戦闘においては有能ではあった。
しかし、魔法に代わる武器が開発される。
それが、小型魔導兵器-“
魔石をエネルギー源として、銃身に刻まれた魔法陣を発動させるこの武器が、個人の才能の差をなくした。一種類の魔法しか放てないのが難点だが、それ以上に誰でも魔法を放てるというのは有用だった。
また、近接戦闘では“
これらの兵器により魔法軍団は役目を終え、解体という結果となったのだ。
「はっはっは、老師殿。老いましたな。貴殿の魔法知識は帝国の宝。我が機甲軍団の新型魔導兵器の開発にも協力して頂いておりますが……グラディム殿の言う通り、今の発言は不味い。臆病風に吹かれましたかな?」
カリギュリオの蔑むような嗤いに誘われ、貴族院や軍部の一部が忍び笑いを漏らす。
しかし、ガドラは毅然とした態度を保っていた。
「貴様等、理解しておるのか? かの邪竜は、暴風と司るこの世界の最強種なのだぞ?」
「老師こそ、理解しておられぬ。帝国軍は以前とは違うのだ。大勢の異世界人の方々の知識-科学なるものを学び、こちらの世界とは異なる技術体系を得た。この、新たな技術により、我が帝国の軍事力は一世代前の何十倍にも増大しておる。貴殿のような時代遅れの魔法使いなど、今の戦にはついて来られまい。皇帝陛下の温情にすがり、大人しく隠居しておることだ」
「な、何をッ⁉」
ガドラは憤るが、それは演技であった。すでに魔国連邦に降っているガドラは、リムルの方針で戦争回避のための進言をしているだけで、それがしくじろうとも構わないのだ。なぜなら、もう一つの計画はほとんど成功しているようなものなのだから。
それに、ガドラは魔国連邦の技術を一部ではあるが認識している。帝国でも量産の叶わない特質級以上の武具の量産や孔開きの武器程度しか見れていないが、新参でも見られた範囲であると考えればそれ以上のものがあることは明らかである。
それを踏まえて考えれば、帝国の優位性を担保する軍事力もどこまで通用するか分かったものではなかった。
一応皇帝への恩義も感じているし、元同僚にも不幸になって欲しくはないので戦争回避には尽力しているが、失敗すればそれまでというのがガドラの考えである。
そのため、ここまでの会議で開戦へと方針が固まったのを感じたガドラはテクトに指示されたダンジョンへの誘引へと舵を切ったのである。
しかして
「ガドラが慎重すぎるというのは一理あるわね。かつての惨劇が目に焼き付いて盲目的になっていると言えるわ」
思考のために沈黙したガドラと代わるように口火を切ったのは参謀だった。
ここまでの議論に参加していなかった女傑が唐突に口を開いたことで空気の流れがわずかに変わる。
その淀みに呑まれて生まれた隙を縫うように参謀は言葉を続ける。
「警戒しすぎているというのは事実だけど、ジュラ=テンペスト連邦国を相手取るにあたって一つ、問題があるのよ」
「問題ですかな?」
参謀に応じたのはカリギュリオだった。彼の値踏みするような視線を何もないかのように流しつつ、参謀は続ける。
「何でも、都市を丸ごと迷宮の中へとしまい込むそうよ」
「迷宮ですか?」
「そう。正確には地下迷宮だということだけど、入口となる大門を残し、都市を一時的に消し去るらしいのよ」
参謀の言葉に会議室がざわめき出す。これが事実であれば、軍が通り過ぎるのを待ってから姿を現し、防備を固めた西側との挟撃が容易に行える。補給線も断たれた上での挟撃に対抗するなど無謀にもほどがある。
参謀は纏まりの無くしていく会議室を見回すと柏手で注目を集め、話を続ける。
「信憑性については保証するわ。ガドラがその目で確認しているもの。だからこそ、ガドラはかの国を警戒しているわけだけど。なんにせよ、遠征を行うにあたって地下迷宮の調査は必須となるわ。そこで、カリギュリオ殿の率いる機甲軍団に地下迷宮の調査をお願いしたいのよ」
「は?」
突然の指名にカリギュリオはぽかんとした顔になる。
そしてそれはガドラも同じだった。
というのも、ガドラが魔国連邦を出立する前にテクトへ語った強欲な指揮官の心当たりがこのカリギュリオである。そのために情報を流すように買収されている研究所員にも伝わりやすいよう、研究所にテクトから預かった物品を持ち込んだり、カリギュリオとつながりを持つ高位貴族を通じて迷宮産の武具を手にできるようにしていたのだが、その工作を完全に無駄にされた形となっていた。
そして当のカリギュリオだが、こちらも混乱の坩堝にあった。ガドラの持ち込んだ魔晶石や孔開きの武器を手に入れたカリギュリオはその利権を確保するために、迷宮の掌握を目的として他の軍団に先んじて魔国連邦へと攻め込むことを目論んでいた。
しかし、現在ガドラが懇意にしているのは“異世界人”の多く在籍する混成軍団だ。故にそちらへと融通を利かせると考え、この御前会議で一番槍を奪い取れるよう議論するつもりだったのだが、機先を制された形となっていた。
これが面白くなかったのがグラディムだった。
「待て! 我等魔獣軍団を差し置いて機甲軍団を推薦するのはどういう了見だ!」
グラディムは立ち上がり、参謀を睨みつける。近い席に座る者達が思わずうめくほどの圧を発しているが、それを向けられた参謀は何も感じていないかの様な表情である。
「貴方達の力は承知しているわ。けれど、百層にもなるという広大な地下迷宮を攻略する以上、兵站の問題は不可欠。でも、貴方の魔獣軍団はその性質上、この問題をクリアできない。違うかしら?」
「ぐっ」
参謀の言葉にグラディムが歯噛みする。魔獣軍団は兵だけでなく魔獣も同行するのが特徴である。それらは調教を施され、完全な支配下に置かれているが、必要とする食料は兵の比ではない。道中の魔物を食せばいい話ではあるが、敵がコントロールできる戦場でそう都合よく事が運ぶはずもなく、迷路と罠に任せて疲弊させる方針を取るのは自明の理であった。
グラディムは兵站に対する解決策とその反駁に思い至ってはいなかったが、これ以上の議論で参謀を動かすことはできないと悟って口をつぐむ。それを確認すると参謀は頷き、御簾へと視線を向けた。
「では、地下迷宮については各軍団長殿にもご納得いただけたようですので、皇帝陛下へ作戦の奏上をさせていただきたく思います」
「言ってごらんなさい」
芝居がかった参謀の答えたのは女の声だった。皇帝は直系血族の男児が継いでおり、それは今代も変わらない。返事を返したのは御簾の奥にいたもう一人、元帥だった。
元帥とは帝国最強を意味する。
その正体を知る者は、ごく一部の側近のみで、名前すらも公にはなっていなかった。
常に皇帝の側でその御身を守っていると言われ、今回も御簾の奥で皇帝の側に控えていた。
「ドワーフ王国は交渉には応じないでしょう。故にまずはドワーフ王国へと攻撃を仕掛けます」
第一声から会議室がざわつく。ドワルゴンの防備が鉄壁で難攻不落であることは周知の事実。皇帝の下命があれば制覇する所存ではあるが、だからと言って西側を責めるほどの余力を残せるかわからない戦闘は出来なかった。
「こちらには戦車があります。いかにドワーフ王国が魔法防御に優れているといっても、ドラゴンすら屠る大火力をそう何発も受けきれる道理はないでしょう」
続いた言葉にざわめきは収まっていく。開発した兵器に対する自負がドワルゴンを攻め落とすことが可能であるという試算をはじき出したからだ。
「攻めるのは帝国と隣接するイーストではなく、ジュラの大森林に抜ける
否-それが会議室に集う軍人たちの総意である。西側の制覇だけでなく数百年無敗を誇るドワルゴンまで落とせるとあって、先ほどとは違うざわめきが会議室に響いていく。
「しかし、攻めるにあたり、イーストからは何もしないのでは圧力が足りない。そこで我が混成軍団が首都防衛も兼ねてそちらを陣取ります。また、戦車と銃火器で蹂躙するのだから、ドワーフ王国に機甲軍団全体を当てる必要はありません。そこで、残った戦力には地下迷宮の調査をしていただきたいのです」
「なるほど、心得た」
本当に迷宮調査については譲るつもりだと理解し、カリギュリオは神妙な顔で頷きながら内心でほくそ笑む。それを埋めるようにグラディムが声を荒げる。
「待て! 貴様、我等魔獣軍団に機甲軍団の活躍を指をくわえてみていろとでも言うつもりか⁉」
距離さえ近ければ掴みかからんばかりの勢いで怒鳴るグラディムに対して、参謀は冷ややかなまま応じる。
「そうは言わないわ。貴方には西側諸国を直接攻めてもらう」
「何を言っている! 進路を埋めておいて、どこを通れと言うのだ!」
「あるわよ、道なら。空という道が。ねぇ、カリギュリオ殿?」
薄く笑みながら告げられた言葉にカリギュリオは戦慄する。他の軍団にも極秘で開発していた機密兵器の存在を知られている事実に背中に僅かに汗をにじませながら、平静を装って答える。
「確かに、我が軍で開発した“飛空船”なる最新兵器を運用する「空戦飛行兵団」であれば、魔獣軍団の輸送もできるだろう。とはいえ、対“暴風竜”戦でも必要な切り札でもある。協力するとしても、我が方では運搬しかできませぬが、宜しいですかな?」
この問いはグラディムに対してだった。開発されている飛空船は四百隻になる。魔獣軍団の兵と騎獣の三万づつを運搬するには支援部隊と物資を考えると三百隻は必要となった。しかし、残りの百隻だけでも最大限武装させればその他の兵器を考えると制空権という概念のないこの世界の戦場では十分と言えた。
譲れない線を弾き出し突きつけるカリギュリオに対し、グラディムは思案する。
魔王や暴風竜と戦うのは武人の誉れではある。しかし、参謀からもたらされた作戦は魅力的に映った。
海路を―それも予測されている可能性のある沿岸部ではなく沖合を移動しての攻撃は過去に類をみない電撃作戦となる。
魔王の軍勢とドワーフ王国による防備で油断している西側諸国の勢力では防ぐことはできないと考えられる。
つまり、成功はほとんど約束されているようなものなのだ。それに加え、聖騎士団や法皇直属護衛師団といった英雄とも戦える。
西側諸国に名だたる英雄を駆逐し、誰よりも先にその地を制覇する栄誉を得られるのだ。
思考がそこに思い至り、グラディムは獰猛な笑みを浮かべる。
「いいだろう! 我等を無事に戦場まで運んでくれるというのならば、その作戦に乗ろうではないかッ!!」
獣王とも呼ばれる男の吼えるような同意に乗せられ、大会議室の熱気がさらに高まっていく。
戦勝ムードさえ漂わせ盛り上がる様子を作戦を提案した参謀は冷めた目で見ていた。
そのことに気づくことなく、カリギュリオはグラディムに確実な運送を約束し、グラディムも鷹揚に頷いて見せる。
それを確認して参謀は元帥へと向き直った。
「各軍団長の承認も頂けたようですし、決定ということでよろしいでしょうか?」
「宜しくてよ。それでは、直ちに準備に取り掛かりなさい!」
「「「ハハ──ッ!!」」」
元帥の命令に命令に全員が諾と応じる。
かくして皇帝ルドラが一言も発さぬままに、帝国によるドワルゴン、魔国連邦、西方諸国の三方面同時侵攻作戦が決定されたのだ。
そして即日で皇帝の名の下に開戦の詔勅が発された。
帝国は熱気に包まれる。
長き雌伏の時を経て、帝国が再びその武威を示す時が訪れたのだった。
参謀は部屋に戻るなり乱暴にソファへと座る。ゆっくりと深く息を吐き、先ほどの御前会議を思い返していた。
「時間をかけすぎると転がし切れないから前に出て端折ったけど、存外うまくいったわね。あとはタイミングを見て動くだけ、か……残りはお祈りね」
独り言は誰にも届くことなく虚空に溶けて消えていく。
「帝国内は探し終わったし、行く末を見届けた後は西側に移るとしますか。……早く会いたいです……」
次回「」
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