久しぶりに課金かなぁ…
神聖法皇国ルベリオス
それは魔王ルミナス・バレンタインの表向きの姿である唯一神ルミナスを信奉するルミナス教を管理者として、
吸血鬼族は血液を吸い、そこに含まれる生気を糧とする。
その量は多量に必要というわけでなく、血液の持ち主が幸福であればあるほどに美味と感じる。
だからこそ、ルベリオスは豊かに発展しており、品質に差がでないように平等に管理されているのだ。
また、圧倒的な上位者であるルミナスからすれば人間の価値に差はなく、それが平等な管理を実現していた。
法皇たるルイは
それを知ったヒナタが相討ちになりつつもロイとルイを粛清した後、死に瀕していたものの、そこに現れたルミナスによってロイとルイ共々治療され、彼女から与えられた七曜の試練を越え、ルミナスへと挑んだ。
「
そして、魔王達の宴から一月後。
ヒナタは魔王達の宴から帰還したその日にルミナスより、そこで起きたことを共有され、その際に発された「ヴェルドラを御する事のできるリムルとテクトへの手出しを禁ずる」という神託を持って会議の場へと赴いていた。
月に一度開かれる法皇両翼合同会議。
集まったのはヒナタ直属の
上段の御簾の奥に法皇ルイ。
上座には議長としてヒナタ。
その右手側は上座から光の貴公子と呼ばれる男
副団長のレナード・ジェスター
そこから五人の隊長格
ヒナタに次ぐ最強の騎士と称される男
“空”のアルノー・バウマン
魔法の力が込められた
“地”のバッカス
治癒魔法の使い手であり、
“水”のリティス
炎術師にして、炎槍「
“火”のギャルド
正統派な騎士の多い聖騎士団では珍しい、風魔法と双剣術を得意とする邪道よりの男性魔法剣士
“風”のフリッツ
と続いていく。
それに対してヒナタの左手側には法皇直属近衛師団。
彼らは個人主義であり、装備に統一感などまるでない。
その中でも特筆する実力者三武仙と呼ばれる者達。
長命種の血を継いでおり、少年のような姿をしているが、この場にいる誰よりも経験を重ねた男
“蒼穹”のサーレ
サーレの右腕であり、たいていの金属を上回る硬度を誇る肉体そのものを武器とする「万物不動」の剛性を備えた男
“巨岩”のグレゴリー
ヒナタ以上の新参でありながら、前任のラーマを倒しその地位を得た女性
“荒海”のグレンダ
この三人が隊長格と対面する形で座っており、この場に座る十名が魔王と対になる十大聖人と呼ばれていた。
彼らは過酷な修練を積み、上位存在へと至った人間であり、半ば精神生命体へとその存在を昇華している。
それにより操れるエネルギー量は人間の枠を越え、魔王種に匹敵する力を振るえる人類の守護者と呼べる者達へとなっていた。
最後にきたヒナタにサーレが突っかかる一幕はあったものの、ジュラの大森林周辺の調査にあたっていたリティスの報告から会議は始まった。
現地まで赴いたリティスが見たのは整備された街道と安定しているジュラの大森林。
安全保障条約のもと魔物の姿もなく行き来ができ、口だけの約束でないことが確認できていた。
また、封印の洞窟は立ち入りが禁止されており、その他の場所でもヴェルドラの存在は確認できなかったという。
その他周辺諸国の報告が続き、最後にサーレの番が来る。
彼が担当したのはファルムス王国周辺であり、ヒナタが最も重要視していた地域だった。
サーレはヒナタの前任の法皇直属近衛騎士団筆頭騎士であり、ヒナタに地位を追われた形になるため仲がいいとはお世辞にも言えないが、互いに実力を認めているからこその配役だった。
ファルムスでは一見平穏に譲位が行われたが、新王として即位したエドワルドは傭兵を集めだしているという。
周辺諸国も国境警備に力をいれていたらしい。
だが、これが魔国連邦からの干渉によるものであるという証拠は上がらなかった。
王都には常に魔国連邦からの使者がおり、不穏な気配はあるものの、様々な勢力に声をかけ戦力増強を図っているエドワルドが戦争賠償を払う意思がないと考えられることに対する警戒と考えれば不自然というほどでもないからだ。
だがしかし、状況を読み解けば、定められた結末へと動かされているのを読み取ることはでき、一連の出来事は魔国連邦の策謀であることは理解できた。
とはいえ、これに干渉する術をヒナタは持ち合わせていないのだ。
「この際だから話しておくわ。神ルミナスより神託が下りたの。暴風竜を御せるのが魔王リムルと魔王テクトである。そのどちらか一方でも崩せば混乱が起きる、と。故に「魔国連邦の魔王二柱に手出しすることはまかりならぬ」そうよ。皆も心するように。そして、ハッキリと告げておくわ。今回の件、我々は裏方に徹して、決して魔王とは表立って事を構えないものとします」
ヒナタの言葉に場は騒然となる。
魔王の謀略をただ見ているだけという状況に、魔王に対抗する戦力であるという自負から会議は紛糾するも、ヒナタはあくまでファルムスでのことは内乱であり、民を守ることに尽力するべきだと告げた。
ファルムス軍にレイヒムが参加しており、ヒナタ自身もリムル達と相対しているため、ルベリオスが敵視されている可能性も指摘されたが、ヒナタは自らの独断であるということにすると宣言した。
必要とあれば謝罪も辞さないというヒナタに再び騒然となる中、扉が叩かれ枢機卿であるニコラウスとレイヒムそして、七曜の老師が入室した。
入ってきた七曜の老師は三人。
火曜師アーズ
月曜師ディナ
金曜師ヴィナ
この三人はもはや老害と思われる七曜の中でも、ヒナタの主観で特に腐敗の進んでいると思われる人物だった。
彼らはリムルについての情報に興味があるといい、レイヒムを促す。
説明をしようとするレイヒムは恐怖に震え、目を血走らせていた。
そうして語られたのはあの戦場で起きた大虐殺。
自らの悪事も含め、あらゆる事実を語るレイヒムの報告に騎士たちに動揺が広がっていく。
だが、光を収束させるという性質上、空気中に塵を散布するだけで対処は容易になると考え、ヒナタの中でリムルの脅威度を落としていると、それを感じ取ったのかレイヒムが語気を強めた。
改めて注目を集め語られたのは、「
死にぞこない痛みに叫ぶものも恐怖し逃げ惑う者も隔てなく一瞬で絶命した光景にレイヒムはこれ以上ないほどに恐怖した。そしてその直後、遠くから聞こえていた悲鳴もまた同じように消え失せたのだ。
少なくとも二万がたった一体の魔物に滅ぼされ、同等と思われるもう一体と相対したと思われる者も生存者はゼロ。
故に、四万人がそれぞれ二万づつ二体の魔物に滅ぼされたと考えられ、それは一つの推論を生む。
此度生まれた二柱の魔王はどちらも覚醒している
覚醒した魔王と魔王種では隔絶した力の差があることはこの場に集うものからすれば周知の事実。
これ以上の脅威となる前に討伐すべきではという意見も上がったが、ヒナタはそれを神託の名の下にはねのけたのだった。
報告を終えたレイヒムが退室し、ヒナタも会議の終了を宣言しようとする。
その時、唐突に七曜が声をあげた。
『おお、そうじゃ。レイヒムが魔王リムルからの伝言を預かっておるといっておったので受け取っておったのを忘れておったわ』
わざとらしい声でそう言うと、七曜は映像を記録する魔法道具を取り出しヒナタの手元へと移動させる。
ヒナタは眉を顰めるが、この場に有力者が揃っていることもあり、リムルの姿を確認するためにも再生を始める。
映し出されたのはリムルのみ。
美しい少女のような容貌は無表情に保たれており、見るものに冷たい印象を与えていた。
再生されたメッセージはたった一言。
『相手してやるよ。俺とお前の一騎討ちでな』
簡潔で、誤解のしようもない内容に対応策が話され始める。
まず、軍を率いていくのは論外である。
国家を巻き込む総力戦となれば二柱の魔王にヴェルドラと戦うことになり、ルベリオス単体では勝利は絶望的と言わざるを得ない。
故に一騎討ちに応じるのが妥当ではあるが、ヒナタの考えではリムルから交戦を望むのは違和感が強い。
かといって正確な事情を読み取るには情報が足りず、ヒナタには不可能だった。
だからこそ、ヒナタはその場での最善と思われる選択をする。
「やれやれね。相手から指名された以上、私自らが説明に出向くしかないわね」
ヒナタの結論にニコラウスが慌てるが、ヒナタの意思は変わらない。
一度話をしなければならないと告げ、話を終えようとしたヒナタに待ったをかける者がいた。
七曜である。
『ふふふ。その意気や、良し!』
『神ルミナスの御加護が、お前を守るであろう』
『魔王リムルは確かに脅威』
『話し合いが不調に終わっても心配は要らぬ』
『お前ならば、倒せるであろうよ』
『だがヒナタよ、お前は忘れている』
『左様。あの邪竜の存在をな』
『如何にお前とて、あの邪竜は倒せぬ‼』
『自惚れるなよ、ヒナタ』
『あの邪竜には、いかなる攻撃も通用しないのだ』
『しかしヒナタよ、安心するが良い』
『お前に、コレを授けよう』
『この、
一方的に言い募り、一振りの剣を差し出す七曜にヒナタは内心で嘆息する。
ヒナタにルミナスが厄介に思うヴェルドラを排除させたいのかとも思えるが、ヒナタは別の思惑を感じ取った。
彼らはヒナタを排除したいのだと。
七曜はルミナスが認めた元人間達であり、ルミナスの手によって長く生きることができている。
それ故に、他の者へとルミナスの興味が移ることを恐れている。
だからこそ、後進の育成にも熱心ではなく、ともすれば排除に動くとヒナタは読み取ったのだ。
ヒナタからすれば人間を守る戦力を低水準に留める七曜はルミナスにとっても害悪だと感じるが、判断を下すのはルミナス本人であるという考え、ひとまず剣を受け取った。
「謹んで、お預かり致します」
七曜は剣を受け取ったヒナタを見て満足そうに頷くと
『上手く事を運ぶが良い』
『もしもの場合も、その剣がお前を守るだろう』
『万が一失敗したなら、その責任はお前が取るのだぞ』
そう言い残して去っていった。
聖騎士達はなにか言いたそうにしていたが、ヒナタはそれを手で制し、会議の終了を宣言する。
そしてその数日後、ヒナタは一人で魔国連邦へ向けて出発したのである。
ヒナタの道程は順調だった。
イングラシアまでは転移門で移動し、そこからブルムンドへと向かっていた。
その道中にアルノー、バッカス、リティス、フリッツの四人の隊長達が追いつき、押し問答の末に同行している。
そして十日が過ぎ、ブルムンドへと入り、その発展ぶりに驚愕していた。
魔物との取引で目覚ましい発展を遂げたという事実を目の当たりにし、自身が掲げる教義を無視したことでの発展に困惑していた。
そして今、ヒナタの前にはラーメンが鎮座していた。
テーブルの端に置かれた割り箸を割り、久方ぶりの故郷の味に浸っていると、同行していた隊長達も驚愕と同時に味わっていた。
ヒナタが迷わず手に取ったため思わず手にした割り箸をぎこちなく扱っていた彼らは、店員のすすめでフォークを準備してもらい、麺を味わっていた。
最後に残っていた餃子をかすめ取ろうとしたフリッツとヒナタの間で若干のやり取りの後、追加しようとするも品切れと言われて隊長達は肩を落とす。
餃子が魔王から卸されている商品で品薄だと宣伝を兼ねて大きめの声で説明する店員に感心しつつスープを飲み干し、会計をしようとしたヒナタの視界に信じられない物が目に入った。
「あ、あれは……!」
「興味がお有りですか? これも餃子と同じで魔王様から直々に卸してもらったばかりの商品なんですよ。お湯を注いでこちらの砂時計の砂が落ちきるまで待てばラーメンが食べられるという物なんですが、ちょっとお値段が高すぎるし、お湯の用意が大変なので売れてはないんですけどね。日持ちはするらしいので、こうして置かせて頂いています」
そこにあったのは紛うことなきカップラーメンだった。
流石に紙製の容器ではなかったが、側面に描かれた図解を見る限り間違いなくカップラーメンであり、ヒナタは逡巡の末購入した。
ラーメンの味に魅了された隊長達も一つずつ購入し、在庫が全て捌けた。
ちなみにこのカップラーメンの値段は普通のラーメンの五倍以上であることを追記しておく。
そして、森中という悪路を進むために十分な英気を養い翌日。
舗装された街道を通り、のんびりと進んでいた。
街道には対魔結界が張られており、魔物の気配はない。
更に、十キロごとに水飲み場、二十キロごとに交番、四十キロごとに宿屋が設置されており、宿屋ではヒナタがかつて日本で見かけた食品が魔王の試作品として並んでいた。
これらもヒナタを筆頭に聖騎士が購入して、本人が知らぬ内に広告塔のようになっている。
Bランクの冒険者でも油断すればあっさりと死ぬ環境だったジュラの大森林が、まるで行楽地のような気楽に利用できそうな環境に整えられていたのだ。
その夜は宿屋に泊まり、全体で意見をまとめると、魔国連邦が人類との共存を望んでいることに疑いはなく、神敵認定がされていない現状にホッとしていた。
後は事前に行った会議で決まった通り、ヒナタが謝罪し、リムルがそれを受け入れるかどうかである。
しかし、悪意は円満な解決を望まない。
次回「迫りくる者達」
感想・評価・お気に入りありがとうございます。
カップラーメンその他試作品の開発元はテクトです。
雑学程度の知識をシラヌイが補正して開発部門で実験しています。
値段に関しては新技術の開発にはお金がかかるので仕方ないとしか…
紅蓮の絆編は書いた方がいいのか
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書くべき
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書かなくてもいい