黒角少年のボーダー活動史   作:猪のような

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弧月って刀身を伸ばすだけならB級でも出来るんでしょうか、そこが気になる今日この頃です。後、メイントリガーに弧月二本とか入れられるんでしょうか。調べても分からないので気になって仕方ありません。


第三話 雪波隊

 

 

 

 

 

「そういえば…結局分かりませんでした」

 

「あら、何が?」

 

カトラと迅と別れた後、加古隊の二人が作戦室に向かう途中で、黒江が疑問に思った事を言う。

 

「トリオン体の身体能力差です。トリオン体の身体能力は全員同じ、それなのにあの子とは明確な差があった。アレは一体…」

 

「ああ、アレね…二人が戦ってる時に、私は迅君から聞いたわ」

 

「本当ですか?じゃあ、アレは…」

 

「彼のトリオン体の身体能力の高さ…それは…」

 

 

 

 

「アイツのブラックトリガーの影響、だな」

 

「ブラックトリガーの?」

 

その頃、玉狛支部でも林藤支部長が宇佐美などに同じ話をしていた。

 

「カトラは元々高いトリオン能力が、更によく分からないあの角で強化されている。更にあのブラックトリガーがそれに手を加えていたって感じだ」

 

「具体的には…?」

 

「カトラのブラックトリガーは、装備するっていうより、一体化するって感じの性質だ。カトラ自身気付いて無かった事だが、その影響か、カトラのトリオン器官にブラックトリガーの一部が混じっていた」

 

 

 

「では、何故それがトリオン体の強化に繋がるんですか?」

 

「彼がトリオン体じゃなくても身体能力が常軌を逸脱しているのも同じ。ブラックトリガーが彼のトリオン器官から彼のトリオンを使って身体に影響を与えているの。つまり…」

 

 

 

「カトラの身体はトリオン体じゃ無くても体内のブラックトリガーのお陰で強化されている。それがトリオン体になれば…」

 

「トリオン体が強化されて、身体能力が他の隊員より高くなる…」

 

「そういうこった。もっと詳しい事は分からないが、カトラの身体が異常な理由はこれだな。取り敢えず表向きはサイドエフェクト扱いだから、よろしく」

 

 

 

 

「なるほど…けどそれって、普通の隊員にするにはかなり問題があるんじゃないですか?」

 

「そうね、多分その辺りは迅君が何かしてるんでしょうけど…まぁ、私たちが気にする事じゃないわ」

 

「そうですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、カトラは迅に連れられてある部隊の作戦室に向かっていた。

 

「で、僕が所属する部隊って、何?」

 

「まぁまぁ、もう直ぐだから…ほら、着いたぞ。ここだ」

 

「……雪波隊…?」

 

雪波隊・作戦室とあるその扉を迅がノックする。

 

「はーい!どちら様ですかー…って、迅さん!?」

 

中から現れたのは、黒髪のショートで眼鏡をかけた女の子だった。

 

「よっ!雪波ちゃん、久しぶりだねー」

 

「え、どうしたんですか急に…」

 

「何々ー?あ、迅さーん!お久しぶりでーす!」

 

「おー大崎ちゃんも久しぶり」

 

次に出て来たのは茶髪でロングの女の子だった。カトラが三人が軽く話しているのを見ていると…

 

「っと、今日は二人に紹介したい子が居てね」

 

「その後ろの子ですか…?」

 

「取り敢えず、中で話しません?」

 

という事で雪波隊の作戦室にお邪魔する事になった。

 

 

「という訳で、カトラ。右の眼鏡の子は隊長の雪波彩葉ちゃん。左の子は大崎蓮華ちゃんだ。二人共、小南の同級生だぞ」

 

「小南の…カトラ・エリミナです。よろしくお願いします…」

 

「よろしくね、エリミナ君」

 

「よろしく〜」

 

自己紹介が済むと、雪波が迅に質問する。

 

「それで、迅さん。その子、隊服からして訓練生ですよね…?どうして私達の所に…?」

 

「ああ、この子はもうB級だ。訳あって今日からボーダーに来た子だけど、初日でB級になる優秀な子だよ」

 

「え、初日でB級!?凄いねー君!てか何歳?」

 

「11」

 

「子供じゃない!」

 

「んーデジャヴ…ああ、それで今日君達にお願いしたいのは、カトラを雪波隊に入れて欲しいんだ」

 

「えっ!?」

「本当ですか!?」

 

迅の言葉に二人は驚愕する。カトラは出されたお茶を啜っていた。

 

「ほら、君達って俺から見てもかなり出来ると思うのに、他に隊員が入らなくて苦労してるでしょ?漆間隊みたいに一人でも充分戦える訳じゃないし」

 

「それで、エリミナ君を…?」

 

「けど良いんですか?他に選択肢も…」

 

「良いの良いの。カトラも良いよな?」

 

「…二人がそれで良いなら、やれる事はやる」

 

「って言ってるけど?」

 

迅の言葉に二人は身を寄せ合って小声で話し合い、少しすると雪波が意を決した様な表情で迅を見る。

 

「分かりました、そのお話、受けさせてください」

 

「ん、じゃあこの話は終わり。次にさっき言ったカトラの訳ありの部分だ」

 

「エリミナ君に何か…?」

 

「カトラ、トリガーを解除してくれ」

 

「……分かった」

 

カトラがトリガーを解除し、元の角がある姿になる。

 

「え…?」

 

「角…?」

 

「なんとカトラ君は、実は向こうからやって来た近界民(ネイバー)です!」

 

「「……えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迅とカトラから説明を受けた二人は頭を抱えていた…

 

「まさか…そんな事情があったなんて…」

 

「まぁまぁ、別に悪い事じゃないんだからさ。けど、秘密にしないといけないから二人共それはよろしくね」

 

「分かりましたけど…」

 

「何かとんでもないもの受け入れちゃったような…」

 

(受け入れるんだ…)

 

カトラの正体を聞いても別に嫌がったりしない二人を見てカトラは少し意外に思う。

 

「それじゃ、メンバー登録は明日しときますね」

 

「ありがとう。後、これ、カトラがうちで訓練してる様子とか、カトラの偽のバックストーリーとか置いておくから、後で目を通しておいて」

 

「分かりました…あの、どうしたのエリミナ君。何か気になる?」

 

「いや…ネイバーなのに普通に受け入れてもらえるのが…意外で…」

 

「いやいや、流石にそこは俺ちゃんと選んでるからね?」

 

「あはは…私達、別にネイバーに何か恨みがある訳じゃ無いの。蓮華がオペレーターになるって言って。私はその時ボーダーからスカウトされてて…どうするか迷ってたんだけど…」

 

「私が背中を押してやったんだよ〜。彩葉は頭は結構いいけど優柔不断だからね。私はなんとなく興味があったから、どうせならって感じで」

 

二人がボーダーに入った理由を聞いて、カトラは少し納得する。

 

「やっぱ彩葉ってスカウト受けるだけあって素質あってさー。割と直ぐにB級になって、二人で部隊を結成したけど、やっぱ戦闘員が一人じゃ限界がね…ガンナーだから点取るのも向いてないし」

 

「あはは…色んな工夫はしてきたけどね…イーグレット使ったり、近付かれた時の為にショットガンも使ってみたり…」

 

「雪波ちゃんは割とどの距離でも戦えるのが強みだからね。イーグレットの腕も悪くないし、割と戦えるけど…」

 

「下位の上辺りを延々と彷徨ってるんだよねー…」

 

段々と二人の話から雪波隊の現状へと話題がシフトしていき、三人は更に話し込む。

 

「一回だけ中位に上がった時なんかヤバかったね!」

 

「うんうん、那須さんのバイパー凄かったなぁ…ログで何回も見たけど、実際に目の当たりにするとかなり衝撃を受けたなぁ」

 

「…っと、流石に長居し過ぎたね。そろそろお暇するよ…カトラはまた明日、本部に来させるから見かけたらよろしくね」

 

「はい。また明日ね、エリミナ君」

 

「…これから、よろしくお願いします」

 

こうして、カトラは雪波隊の一員に加わる事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雪波隊?あの子達の所にカトラを入れるの?」

 

「ああ、結構面白いことになると思うよ」

 

「ふーん…まぁ良いんじゃない?カトラなら割とどこでもやっていけそうだし」

 

カトラが雪波隊に所属することになった事を玉狛の面々に報告するが、特に驚かれたりはしなかった。

 

「カトラがネイバーって事は言ったの?」

 

「ああ、二人共そこは別に気にしなかったよ。な、カトラ」

 

「…二人共、良い人」

 

「でしょうね、あの子達結構のほほんとしてるし」

 

「取り敢えず、カトラはもうB級隊員なんでしょ?この後トリガー構成とか考えようか」

 

クローニンからそう言われ、夕食の後にカトラのトリガー構成を考える事になった。

 

 

 

 

 

「取り敢えず、メインは弧月で良いよね」

 

「うん」

 

「他のトリガーについては…宇佐美、頼むよ」

 

「はいはーい!」

 

メガネをきらりと光らせて宇佐美がトリガーに関する解説を始める。

 

「まず基本として、ボーダーのトリガーにはメイントリガーとサブトリガーの二つがあるんだよね。それぞれ四つの枠があって、カトラ君は今弧月をメイントリガーに入れてるから、メイントリガーの枠が一つ埋まってるの」

 

「なるほど…状況に合わせてメインとサブにある装備やオプションを使い分ける、ってこと?」

 

「そう!カトラ君は理解が早いね!」

 

「…じゃあ、何入れよう。僕、ボーダーのトリガーについてはまだあまり知らない…」

 

「ふーむ…取り敢えずシールドはメインとサブ、どっちも入れちゃおう。後バックワームもサブに入れよっか

 

「そうだね、ボーダーの隊員は皆そうしてるし」

 

「じゃあ、後二つずつ…あ、あれ欲しい」

 

「あれ?」

 

「盾になる武器」

 

「レイガストか、メインとサブ、どっちに入れるんだ?」

 

「サブ」

 

「分かった」

 

カトラがボーダーのトリガーについて学びながら、自分にあったトリガー構成を考えていき、そして最終的に…

 

「じゃあ、一先ずこれで良いんだな?」

 

「うん、ありがとう」

 

メイントリガー

・弧月

・旋空

・シールド

 

サブトリガー

・レイガスト

・スラスター

・シールド

・バックワーム

 

カトラのトリガー構成はこの様な装備になった。

今日は一先ずもう寝る事になり、明日、本部に行く前にシュミレーターで試してみる事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ、分かってだけど、無双してるね」

 

「モールモッドじゃ相手にならないわね…」

 

「こうなったら、夜叉丸シリーズを出すしか…!」

 

訓練室にいるカトラはレイガストや旋空の使い心地を試しながら四方から迫るモールモッドを相手取っていた。

 

『カトラ君!今から私が作った改造モールモッドを出すから戦ってみて!』

 

「分かった」

 

 

 

 

「ダメだー!カトラ君強すぎるー!」

 

「ゴールドは旋空で真っ二つ…ブラックは狭い所に誘導して機動力を無くす…相変わらず周囲にあるものも上手く利用するわね…」

 

「しかもレイガストのブレードモードの形をロングソードみたいにして二刀流してたし、ホントにレイガスト今日が初めて…?」

 

結論、夜叉丸シリーズでもカトラには勝てなかった。

 

 

 

「じゃあ、僕そろそろ行ってくる」

 

「おー、行ってらっしゃい。誰と行くの?」

 

「?…一人で行く」

 

「ほー、一人…一人!?」

 

カトラは頷くとその場を去って支部から出て行ってしまった。どうやら本部までは走って行く様だ。戦闘体でなくとも常人離れした脚力であっという間に離れて行く。

 

「ちょ、カトラくーん!待ってー!!」

 

宇佐美も慌ててカトラを一人にしまいと自転車に乗って後を追い始めた。その光景をゆりは微笑みながら見守っていた。

 

 

 

 




はい、という訳で、オリジナル部隊です。はい…いや、正直やっちまったな感はあります。だって他に同じ事してる作品あんま見ませんもん。けどねぇ!何か、カトラ君には他の部隊全部とランク戦で戦って欲しいなって思ったら、こうするしかないじゃないですか!という訳で、次回もお楽しみに。
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