黒角少年のボーダー活動史   作:猪のような

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いつの間にか色ついてるやん、怖ー…早く色んなキャラと絡ませたいが、どうすればいいか分からん…はよランク戦にいかなきゃ…


第四話 尊敬されたい木虎さん

 

 

 

 

カトラが雪波隊に加入し、早2週間。

 

「カトラ、最近はどうだ?」

 

「……防衛任務が無い時は、基本此処にいる。ボーダーで相手してくれる人、双葉しか、いない…」

 

「お、おぉ…そうか…だから最近小南とずっと戦ってるんだな…」

 

ボーダーでの暮らしにも大分慣れたカトラだったが、あまりにも強過ぎた所為で個人戦で相手をしてくれる人が殆ど居なくなってしまったのである。

 

「カトラ君、小南ちゃんが居なかったらシュミレーターでずっと戦ってるんですよ」

 

「まぁ、一日中待ってて誰も相手してくれなかったらそうなるよ」

 

「巡り合わせが悪いだけだと思いますけどね」

 

「流石に平日はねぇ…」

 

カトラは学校にも行けず、平日もやる事が特に無いのでずっとシュミレーターで時間を潰している事を心配する玉狛の面々。

 

「ちょっと迅、なんとかしなさいよ」

 

「なんとかって…まぁ、明日は本部に行ってみるといい。多分、相手してくれる人が現れるよ」

 

「明日…分かった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜そして翌日〜

 

 

 

ザワザワ…

 

「お、何だ何だ、妙に騒がしいな」

 

「あ、嵐山さん!こんにちは」

 

「嵐山さん、こんにちはー」

 

「こんにちは。雪波ちゃん、大崎ちゃん。部隊員増えたんだってね、おめでとう」

 

「「ありがとうございます」」

 

「それで、結構人が集まってるけど、一体何があったんだ?」

 

個人戦のロビーに訪れた嵐山は妙に騒がしいロビーの様子に疑問を抱き、雪波達に訊く。

 

「あはは…あちらを見てもらえば分かります…」

 

「ん?」

 

ロビーにある個人戦の様子を写す大きな画面の方に雪波が指を差し、嵐山がそれに釣られて画面を見ると…

 

「木虎…?それにあの子は…」

 

画面には近接戦を繰り広げる木虎とカトラの姿があった。

 

時は数日前に遡る…

 

「はぁ…一体どうして…」

 

A級部隊である嵐山隊の隊員である木虎には、ある悩みがあった。それは彼女の対人欲求に起因するのだが…

 

年上→舐められたくない

同年代→負けたくない

年下→慕われたい

 

という、対人欲求持っている木虎には、ある悩みがあった…

 

「双葉ちゃん…」

 

そう、黒江双葉に冷たくされている事である…!理由は不明だが何故か黒江に冷たくされている木虎はなんとかして黒江から慕われたいと思っていた。

 

「何か、何かないかしら、双葉ちゃんに慕われる為の何か……っ!」

 

個人戦のロビーに訪れながらそう呟いていると、ロビーには黒江の姿があった。そしてその隣には…

 

「双葉ちゃん…!と、あの子は…誰かしら…」

 

黒江と会話している少年。そう、我らがカトラ・エリミナである。木虎はバレない様に二人に接近する。

 

「やっぱり強いね、特にレイガストの使い方。あんな使い方する人、ボーダーじゃ見た事ないから」

 

「そもそも、レイガスト使いが少ない…」

 

「そうだね…確かにレイガスト使ってる人って、私は二人しか見たことない」

 

「レイジも、使ってました」

 

「じゃあ三人だね」

 

「そうですね」

 

「ねぇ、これから食堂で一緒にご飯食べない?お昼まだでしょ?」

 

「分かりました」

 

二人は仲良さげに会話しながらロビーを出る。そして木虎はそれについて行った。

 

「そういえば、部隊に入ったんだね。何処に入ったの?」

 

「雪波隊、です」

 

「ああ…加古さんが頭文字がKならスカウトしてたかもって言ってた」

 

「ん、雪波隊長は、凄い人」

 

(雪波隊…そういえば、大崎先輩が新しい隊員をゲットしたって自慢してたわね…)

 

やがて食堂に着き、料理を持って二人が座った席の仕切りで区切られた隣に座る木虎は二人の会話に夢中になっていた。

 

「最近はどう?」

 

「基地じゃ黒江さん以外、誰も相手してくれません、から。最近は支部のシュミレーター室に、篭ってます…」

 

「そうなの?」

 

「はい…初日に暴れたのが、まずかったみたいで…」

 

「……私もまだ1、2本しか勝てないし、仕方ないと思う」

 

誰も相手してくれない事を寂しそうにしょんぼりしながら言うカトラを黒江が慰める。

二人はご飯を食べ終えると、黒江がカトラに言う。

 

「私には敬語使わなくていいよ」

 

「え…」

 

「だって歳もあまり離れてないし。ちょっとよそよそしい」

 

「…分かった」

 

「うん。後、双葉って呼んでいいよ、私はもうカトラって呼んでるから」

 

「うん…ありがとう、双葉」

 

「どういたしまして」

 

微笑ましい光景を見せながら仲良く食堂から去っていく二人を見て、木虎はこう思った。

 

(これだわ…!)

 

作戦を説明しよう!

先ほどの会話を聞くとカトラは基地では現在、黒江以外には相手にされていない!となれば!

 

1.カトラに接触し、個人戦の相手をする。

 

2.カトラに自分の良さを見せつける。

 

3.カトラに慕われる。

 

4.カトラを通じて黒江とも仲良くなる。

 

(完璧だわ…!)

 

一気に後輩二人から尊敬される完璧な作戦!(そう思っているのは木虎だけです)木虎は早速、時間が空いている時は個人戦のロビーに足を運んだ。しかし…

 

「どうして……」

 

木虎は嵐山隊の作戦室で落ち込んでいた、何故なら、カトラが現れなかったからである。そもそもカトラが基地に来るのは防衛任務か黒江に呼ばれた時のみ。それ以外でボーダーに居る事は無かった…

 

「こうなったら…!」

 

木虎はあまりやりたくなかったが、覚悟を決めてある場所に向かう。目的地に到着し、ドアをノックする。

 

「は〜い…って、木虎ちゃん?どうしたの?」

 

木虎が訪れたのは、カトラが所属する雪波隊の作戦室だった。

 

「雪波先輩…お願いがあります」

 

「え、う、うん。何…?」

 

「スゥー…カトラ・エリミナ君に、会わせてくださいっ!!」

 

そう言ってバッと頭を下げる木虎に驚く雪波と、後ろで会話を聞いて大体察した大崎であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど…うん、いいよ!私達もカトラ君にはもっと色んな人と接して欲しいから!」

 

「ありがとうございます!」

 

木虎から事情を説明され、快諾した雪波はスマホを取り出し、カトラに連絡を取る。

 

「……もしもし、カトラ君?今、支部にいる?……うん、分かった…いや、作戦室には来なくていいよ。私達もそっちに行くから……はい、また後でね」

 

「ど、どうでした…?」

 

「今、本部に向かってるんだって。個人戦やるらしいよ」

 

「お、丁度いいじゃん。じゃあ私らもロビーの方に行きますかね」

 

そして三人は一緒に個人戦のロビーに向かった。

ロビーに着くとカトラが座って待っており、個人戦の様子を画面から見ていた。

 

「おーい、カトラくーん!」

 

「!…大崎さん、雪波隊長。こんにちは」

 

「こんにちは、カトラ君。今日は黒江ちゃんに誘われたの?」

 

「いや、シュミレーターも飽きたから…それに、今日は行った方がいいって、迅が言ってくれて…」

 

「そっかそっか!それにしても今日も可愛いね〜、ほれほれ」

 

大崎はそう言ってカトラの顎の下を撫でると、カトラは目を細めて「んっ…」と声を出す。

 

(猫…!?)

 

「あはは…最近の蓮華のマイブームなの、気にしないであげて…私もたまにするし…」

 

するとカトラが木虎に気付いて撫でられるのを中断して立ち上がる。

 

「あの、そちらの方は…」

 

「ああ、ごめんね。今日はカトラ君にこの人を紹介したかったの。じゃあ、どうぞ」

 

「初めまして、カトラ・エリミナ君。私は木虎藍、嵐山隊の隊員よ。よろしく」

 

「カトラ・エリミナです。よろしくお願いします、木虎先輩」

 

「!」

 

(うわ、見てよ彩葉。カトラ君に先輩と呼ばれた木虎ちゃんの表情。キラッキラだよ)

 

(よほど嬉しかったんだね…)

 

「あの、木虎先輩は私に何か用が…?」

 

「あ、え、ええ!こ、こほん…最近、凄く強い少年の隊員がいるって聞いたから、少し気になっていたの」

 

「はぁ…」

 

「それで、えっと…」

 

そのまま見つめ合って固まってしまう二人。初対面でいきなり個人戦に誘ってはちょっと引かれるのでは?と木虎は思い、ちらっと二人に助けを求める視線を向ける。

 

(……このまま眺めているのも、いいか…)

 

(よくないでしょ、もう…)

 

「カトラ君、今日は個人戦しに来たんでしょ?木虎ちゃんに相手してもらったら?」

 

「え…」

 

「木虎ちゃんはA級部隊の一員だし、色々学べると思うよ。どうかな?」

 

「えっと…木虎先輩が良ければ…」

 

「も、もちろん大丈夫よ!早速やりましょう!」

 

そう言って個人戦ブースに向かっていく二人。かくして、ボーダーに入ってまだ日が浅いカトラと、木虎の対決が始まったのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどなぁ…ここ数日少し様子が変だったのはそのせいか…それで、今は何本目なんだ?」

 

「それが一戦が長引いてて、今は3本目でどっちも一本取ってます」

 

「ほう…」

 

説明を受けた嵐山は戦っている二人をジッと見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

(初めてガンナートリガーを相手にするけど…結構厄介…)

 

カトラは木虎に対して攻めあぐねていた。

 

(小南のメテオラと違って攻撃の動作が早い…的確に攻撃のタイミングを潰してくる…それに木虎先輩は速さで翻弄してくるタイプ……こういう相手は、初めて…)

 

家々の屋根を飛び移りながら二人は斬り合う。

木虎がスコーピオンを振るい、カトラはそれをレイガストで受け止める。

レイガストに穴を開け、そこに弧月を突き出し、木虎に攻撃するが木虎は後ろに飛んで回避する。

 

「…レイガストの扱い、随分慣れてるわね」

 

「ありがとうございます」

 

二人は睨み合い、それぞれの武器を握り締める。先に動いたのは…

 

「旋空…」

 

「…!」

 

「弧月っ!」

 

カトラの弧月から放たれた斬撃を木虎はジャンプで回避する。カトラはそれを読んでいたのかレイガストを小さなナイフ状にする。

 

「スラスター」

 

「くっ!」

 

木虎はハンドガンをカトラに向けて撃つが、カトラはシールドを展開してそれを防ぎ…

 

「オン!」

 

木虎に向かってレイガストを投擲した。そのレイガストはとんでもない速さ木虎に向かっていき…

 

「ぐぅ…!」

 

木虎はスコーピオンをレイガストに振るい、なんとか軌道を逸らしたが、スコーピオンが粉々に砕ける。

 

「今…!」

 

カトラは体勢が崩れた木虎に向かってジャンプし、弧月を振るおうとするが…

 

「まだよっ!」

 

「!!」

 

木虎は地面に向かってハンドガンに取り付けてあるスパイダーを発射し、地面にそれが刺さる。カトラが弧月を振るったところで地面に引っ張られ、ギリギリで回避した。

 

(危なかった、一旦距離を取って仕切り直しを…ッ!?)

 

地面に向かいながら木虎はカトラを見ると、カトラは()()()()()()()()()

 

(シールドを、足場に…!?)

 

シールドを落下中の木虎に向ける様に展開し、それに弧月を突き刺して足場にしていた。

 

ドォン!!

 

カトラはシールドを使って木虎に向かって飛ぶ。弧月はシールドに突き刺さったままだが、その左手にはレイガストが握られており、それはカトラの左腕をガントレットの様に覆う。

 

「無茶苦茶ね…!」

 

「逃がさない…!」

 

木虎はスパイダーを引き抜いて落下しながらカトラにハンドガンを向け、発砲するが、カトラはシールドを展開して防ぎ、左腕を引くと、腕を包んでいるレイガストから仕込み武器の様に刃が出て来る。

 

「スラスター…!」

 

「っ…!」

 

木虎がスコーピオンを構え、シールドを展開したが…

 

「オンッ!!」

 

バリンッ!!

 

カトラが突き出した刃はシールドを貫いて砕き、スコーピオンを折り、木虎の胸に突き刺さった。

 

『トリオン体活動限界。ベイルアウト』

 

木虎は悔しそうな表情をしながらベイルアウトしていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひぇ〜…」

 

「ふむ…これで2対1か…」

 

「…あの、嵐山さん」

 

「ん?なんだい」

 

「カトラ君を見てたらいつも思うんですけど、レイガストってあんなに強い武器なんですか?」

 

雪波はカトラがよくレイガストを攻撃に活かしているのを見ると、レイガストは意外にも強いのではないかと思ってしまう。

 

「うーん…いや、あれは彼の発想能力のお陰かな」

 

「カトラ君の…」

 

「レイガストはシールドモードとブレードモードの二つの形があるけれど、普通にそれ以外の形にも変形できる。基本の二つの切り替えが楽だから殆ど見ることは無いけどね。それに…」

 

「それに…?」

 

「変形を駆使して様々な形で攻撃する点においてはスコーピオンが圧倒的に良い。軽いし、変形速度も速いからね。それに身体の何処からでも刃を出せるというのもね」

 

「なるほど…」

 

「ただ、レイガストの変形がスコーピオンの変形より優れている点が一つだけあるんだ」

 

「それは…?」

 

「レイガストの方が大きいから、形のバリエーションだけで言ったら実はレイガストに分がある。彼はそういう点を上手く利用しているんじゃないかな」

 

「なるほど…」

 

「二人共、次始まりましたよ」

 

画面では四試合目が始まっており、再び戦いが繰り広げられていたのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ…!」

 

試合が終わり、木虎はブースで四つん這いになっていた…

 

カトラ ×◯◯××△◯××◯

木虎  ○××◯◯△×◯◯×

 

「勝った、けど、けれど…!」

 

出来る事ならもっと差をつけて先輩の凄さを分からせてやりたかった木虎藍である。

トリオン体のスペックに差があるとはいえ、10本戦って一本分しか勝ち越してないのは彼女のプライドが許さなかったようだ。

 

「はぁ…」

 

木虎は項垂れながらロビーに出て、カトラ達の方に向かう。

 

「お、よぉ木虎!良い試合だったぞ」

 

「あ、嵐山隊長、見てたんですか!?」

 

「なんだか盛り上がっていたからな。ほら、飲み物。俺の奢りだ」

 

「あ、ありがとうございます…あ、エリミナ君」

 

嵐山から飲み物を受け取っていると、カトラが木虎に近づいてくる。

 

「木虎先輩、対戦ありがとうございました。また対戦したいです」

 

「そう、それは良かった」

 

「「…………」」

 

(…二人共、これは?)

 

(何かこの二人会話続かないんですよね〜)

 

(また助けてあげた方がいいかな…)

 

雪波が何か手助けしよとしたその瞬間…

 

「あの、何か改善する点は、ありましたか?」

 

「え?あぁ、そうね…」

 

カトラが木虎にそう切り出し、木虎はカトラに気になった点などを指摘していく。三人はそんな二人を見て顔を見合わせると腕を組んでうんうんとうなづいていた。

 

「───一先ず、こんなところかしら」

 

「ありがとう、ございます……その…」

 

「どうかした?」

 

「……木虎先輩が良ければ、これからも先輩から、色々教わりたいです」

 

木虎に何かを感じたのか、カトラは木虎にそうお願いをする。その言葉を聞いた木虎の反応は…

 

「ええ、もちろん良いわよ。私に任せなさい!」

 

笑顔で即答。快諾であった。

 

「それなら今から食堂に行きましょうか。昼食がてら色々教えるわよ、次いでに奢ってあげるわ」

 

「え、そんな、そこまでしなくても…」

 

「いいのいいの!嵐山隊長、これで失礼します。お二人もありがとうございました」

 

そう言った木虎はカトラの手を引き、笑顔で食堂に向かって行くのだった…

 

「見てよ、あの満面の笑み。しかも躊躇なくカトラ君の手を握りおってからに…」

 

「本当に嬉しかったんだろうね…カトラ君も、木虎ちゃんが相手してくれた事が嬉しいんだろうね…」

 

「今の二人に犬の尻尾があったらめっちゃブンブン振ってるだろうね」

 

「分かる」

 

「良かったな、木虎…」

 

その後、二人は食堂で更に仲を深め、次いでに木虎はカトラの顎の下を撫でることに成功した。

 

なお、黒江との関係が変わる事は無かった。

 

「なんでよぉー!!」

 

 

 

 

 

 




カトラ君って舌しまい忘れそうだなと思う今日この頃です。今回はカトラにも絡ませやすい木虎さんに頑張っていただきました。作者はカトラ君のおねショタが見たいので女性キャラとの絡みが多くなってしまうかもしれない(今更)…それでは次回もお楽しみに。
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