転生先はヘイト買いまくりのバンドリ世界でした   作:クローズ

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1010 あぁ、やっぱりか

意識が起き上がってくる。

四肢の感覚が戻ってくる。

五感がはっきりとしてくる。

それにより視界が段々晴れてきて、周りの雰囲気が分かってくる。

夕方の、建物内。

ここは、学校だ。

紅い光が窓から入って、廊下を照らしている。

 

しかし、人工的な明かりは一切ついておらず、光源は夕日のみで非常に暗い。

ここは、一体?

しかし、この感じは。

 

「......そうか」

 

ここは、俺が先輩から逃げてきた順路の途中。

つまり、()()()()()()()()()

しかし、なぜ?

 

心当たりがあるとすれば、それは帰宅途中に聞こえてきた声と襲ってきた頭痛。

どっちかか、それとも両方か。

なんにせよ、こんな気味が悪いところからは早く出るに限る。

 

「さて、厄介のに見つかる前に、さっさと出よう」

 


 

「あれ......ここ、さっきも見たぞ」

 

目線の先には交通安全のポスター。

左を向けば教室が並ぶ廊下が見え、右には掃除用具ロッカー。

今しがた階段を上ってきたところだが、この構造は2階以外ない。

2階にしか階段際にロッカーを置かないのだ。

つまり、ここは2階であり、俺は2階から2階に上がってきた、というわけだ。

 

「何言ってんだ、疲れてんのか?」

『誰かいるんですか?』

「!?」

 

呟いた瞬間、それが聞こえた。

追いかけられたあの声だ。

反射的に階段の陰に身を隠す。

見つかってはいけない、直感的にそう思った。

 

『あら......さっきこのあたりから声が......』

『氷川さん......どうしました?』

『あぁ、白金さん。このあたりで人を見ませんでしたか?』

『いえ、見ていませんね......』

『そうですか』

 

まずい。

先輩が増えた。

相手は白金燐子先輩。

言わずと知れたRoseliaのキーボードで、人見知りだが内に秘めた闘志は何とやら......という人だ。

ちなみに言うと転生前の俺の推しでもある。

まぁ、そんな情報はどうでもいい。

問題はここからどうやって出るか、及びここがどこだか確かめることだ。

 

「けど......2階から2階に移動するんじゃなぁ......あ」

 

階段で移動するからループしてしまうんだ。

なら、飛び降りればいい。

 

「バレないでくれよ......っ!」

 

踊り場にある高めの窓をゆっくりと開け、そこから身を投げる。

この下が花壇であることが、唯一の救いかな。

 

「っと......外、だよな」

 

あたりを見渡してみても、人影はない。

とりあえず安全は確認したので足を踏み出す。

 

『なぜ逃げる?』

 

頭に響く声、ここに来る前に聞いた声とは違う声。

 

『なぜ逃げる?』

「......こんな世界、間違ってるからだ」

『貴様が望んだのだろう。「この世界の人間に好かれたい」と』

「あんた、偏愛も狂愛もひっくるめて愛情っていう人間だろ」

『惜しいな、人間ではない』

 

なんだか頭痛がひどくなった気がする。

しかし、そんなことより、だ。

一刻も早くここから出て、自分の家に帰る。

仮に俺の立てた仮説が合ってるとすれば、その家は()()()()()()()()()

 

『......気づいたか、この一瞬で』

「あぁ、わかったよ。全部、すっきりとね」

 

 

 

ーーこの世界は、裏だ。

 

 

 

 




なーんか話がややこしくなってきたね
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