転生先はヘイト買いまくりのバンドリ世界でした 作:クローズ
「ちょっと、それ触らないでくれない?」
「え、いや...掃除の過程上仕方ないんですけど...」
「ごちゃごちゃうるさい!どいて!」
...俺、これ怒られる要素なくない?
人間誰でも、掃除は学校の中で一回はやったと思う。
学校の中で行われる掃除っていわれて、主に教室を思い浮かべると思う。
そして、教室の掃除で、机を動かさずそのまま掃除することって、ほとんどないと思う。
故に、机を持ち上げることは、義務ともいえることである。
人間、義務と言われたことはやり遂げねばならないが、義務を否定されたときはどうしたらいいんだろうか。
結果、俺はその場に立ち尽くした。
それによって、また怒られたのは、言うまでもない。
無いが、これだけは言わせてくれ。
...怒られるならネームドキャラが良かったかな。
ま、俺のクラスにバンドリのネームドキャラはいないんだけどね。
「はぁ...」
「お、でけぇため息。なんだ?さっきのこと、まだ気にしてんの?」
昼休み。
弁当を開け、自席で食ってると、友人が話しかけてきた。
「ちょっとだけな。不可抗力だし」
「お前のメンタル、見習いてえわ...」
「そもそも嫌われることないお前に、そんなメンタル必要ねえだろ」
俺は、友人が異性から嫌われる場面を見たことがない。
少なくとも、この教室内で。
他の場所は知らないけど。
「にしても、なんでそんな嫌われてんのお前?」
「そんなの、こっちが聞きてぇよ」
神にな。
なんてもんつけやがったんだ特典で!
未だに文字化けして読めないけど!!
「うーん...お前、顔は良いし性格もいいんだけどなぁ...」
「いきなりどうした。あとやめろ俺を褒めるな。お前も標的になるぞ」
確証はないけど。
「いやだってさぁ...お前みたいなやつなかなかいないぜ?」
「それはどういう意味だ?」
「そんだけイケメンで性格がいい奴って意味と、こんだけ嫌われてるって意味で」
「...別にいいよ。もう慣れた」
そう言って、俺は席を立つ。
別に嫌われることぐらい、何でもない。
嫌われたところで、人生に影響はない。
彼女こそできないだろうが、別に何の問題もない。
だって、愛情なんて知らないしな。
まぁ、暗い話はこの辺で。
そんな話してたら暗すぎて鬱になっちゃうし。
さあ、明るい話をしよう。
「お」
目線の先には、レジャーシートを敷き、その上に座って昼ご飯を食べる5人組がいた。
今じゃ話題のガールズバンド、「Poppin'Party」だ。
特に関わることもないから、噂程度でしか聞いてないけど。
遠くから眺めるだけでも、女子5人が仲良くしていると、それは目の保養になると言う奴だ。
...ま、大体バレていやな顔されるんだけどさ。
何でだろうね。
「...あ、バレた」
案の定、俺から見た一番手前に座ってた生徒会書記、「市ヶ谷有咲」に、明らかに嫌悪感のある顔をされた。
ただ遠くから目線に入ってるだけでも、俺の目線はずいぶんと嫌悪感があるらしい。
しかし、ずっとこちらを見つめるだけで、注意などはして来ないようだ。
ありがたい。
いくら耐性があると言っても、可愛い子からの嫌悪感ある目線というのは耐えがたいものがある。
「まぁ、俺ってそういう人間だし」
そうやって呟いて、俺は教室に戻った。
どのみちあと2限だけだ、こんな地獄、すぐに終わるさ。