転生先はヘイト買いまくりのバンドリ世界でした 作:クローズ
さて、「市ヶ谷有咲暴言を吐く!」事件(勝手に命名)を録音で乗り越えた俺は、どうにかしてポピパと繋がり、そして接点を持って仲良くしようかと考えていた。
まぁでも、あの調子なら当分無理だろうし、何より自分の転生特典が嫌われる前提のものだし、まあ難しいだろうなと思って、とりあえずベッドに入った。
寝付けないので動画サイトで、ヒーリングミュージックがてら最近知ったASMRなるものを流そうとして、ふと一個のサムネに目が止まった。
「......Roselia?」
バンドリにハマった人間がだれもが一度推すバンド(自分調べ)で有名なRoselia。
あの雰囲気は男の子ならハマっちゃうよね、わかるわかる。
おっと脱線。
で、そのサムネには「孤高の歌姫」......失礼、「《元》孤高の歌姫」こと湊友希那の顔がアップで映っていた。
相変わらず顔がきれいだななんて思いながら、そのサムネをタップ。
最近増えてきたスキップできない15秒広告2連続を広告報告をすることによってスルーし、動画を見る。
どうやら初ライブの無断録画のようだった。
こういうの、見つかったらどうなるんだろう。
それにしても、だ。
「......相変わらず、かっこよ」
そう、かっこいい。
ガールズバンドど侮るなかれ、Roseliaはめちゃめちゃにかっこいい。
あと顔面偏差値がバケモン級。
是非ともお近づきになりたい、所だが。
「学年違うし......何よりこの体質じゃなぁ......まあいいか、寝よ」
そう呟いてから一度ため息をつき、スマホの充電を落として充電コードにつなぐ。
充電されていることを確認し、毛布を深くかぶる。
「ふぁ......おやすみ......」
翌朝。
聞き慣れたアラームを多少乱暴なタップで止め、気だるげに体を起こす。
寝起きで重い体に鞭打って、顔を洗ってからリビングに出る。
現在時刻は午前7時。
家を出るのは8時なので、今から飯を食って着替えてもまだ余裕がある時間だ。
「お、今日は早起きだな」
「あぁ、おはよう父さん」
親との会話をそつなくこなし、胃袋に食パンを詰めてから自室に戻る。
え、母さん?
いるよ。普通に話す。
けど帰ってくるのも遅いし、家を出る時間は俺はもう学校にいるし、何なら今寝てるし。
母さんに、というか家族にまで嫌われたら、俺の人生バッドエンドじゃない?
まあそんなことはどうでもいい。
自室に戻って制服に着替える。
この頃やけにズボンがすんなり入る。
痩せたかな?
そんなことを思いながら、カバンを背負って家を出る。
「行ってきまーす」
「眠いなぁ......」
そう呟きながら通学路を歩く。
俺の家から学校までは徒歩5分というめちゃめちゃ近い距離なので、わざわざ自転車を使う必要がない。
「お、おはよう」
「あぁ、おはよう」
友人と合流。
別に待ち合わせてないが、俺もこいつも大体同じ時間で家を出るので、こうしていつも鉢合うわけだ。
「にしても今日は暖かいなぁ」
「そうだな。ま、視線は冷たいけど」
「そうか?むしろあったかく見えるけど」
「は?」
花咲川は元女学園なので、当然女子が多い。
まぁ、俺は2年だから男女比率は2:8ぐらいだけど、1個上は純度100%の女子。
もうね、3年で転入してくればハーレム展開待ったなしだったんだけどね。
じゃなくて、今こいつ俺に向けられてる目線があったかいとか抜かしたか?
とうとう目腐ったか?
「嫌でもほら、実際にさ......」
「なーに馬鹿なこと言って」
「おはよう~!」
「え?」
普段じゃ絶対聞かない高めの声。
振り返ってみると、猫耳のような髪形をした女子がいた。
知っている、この子はポピパの戸山香澄。
......いや、待て。
今、俺におはようって言った?
そんなわけなくない?
「あれ?無視しないでよ、
「え、俺?」
「そう!おはよう!」
「あ、あぁ、おはよう」
なんだ?
これは夢か?
香澄に話しかけられている?
いや、もしかしたら挨拶だけかもしれない。
「どうしたの?」
「あぁいや......その、あんまり人としゃべらんからさ......」
「じゃあこれから、いっぱい喋ろうね!じゃあね~!」
「お、おう......」
まじで話しかけたぞ、香澄。
俺に。
「なぁ、未来」
「あぁ、正直、驚いてる」
......俺、本当に好感度マイナスカンストしてんだよな。
香澄の喋りこれであってんのかなぁ...
なんかこころ味があるんだよなあ