・九分九厘捏造です。
・少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。
某所の同好の同胞たちへの感謝と敬意とこめて。
ノスロナ♀の同士たちに届くと信じて。
読んでくれてありがとうございます!!
ドラウスにとって、ノースディンは数世紀来の親友だ。お互い気が置けない仲だ。
なので、実のところ、ノースディンが女性を連れ込んでいる場面に遭遇するのは先日が初めてのことではない。
確かに前回からは数世紀程度の期間を経ての事件ではあるものの――その数世紀前の時点で窘めるのを諦めてしまうくらいには、よくあることだったのである。なんならノースディンの方も開き直っていったのか、最後の方は女とまぐわったまま返事を寄越してきていた記憶すらある。
思い返してみれば目眩を覚える爛れっぷりだ。猥談をこよなく愛する腐れ縁さえ呆れ果てるだろう。
とはいえ――決して正当化できるものではない所業であることは認めた上で――あの頃のノースディンの中に女を取っ替え引っ替えするだけの理由があったことは知っているし、仕方のないことだとも思う。
どうしようもない状況へのもどかしさに空回る苦しみ自体は、ドラウスにも覚えがあるものなのだから。
だからこそ、あの瞬間、羞恥や怒りに顔を染めたノースディンがあられもない格好で慌てふためくロナルドを背に庇ったことに驚いて――感動したのだ。
やっと大切にできる存在に出逢えたのだ、と。
もっとも
「うわぁぁぁぁああああああ!? ごめっ、ごめん!! ごめんよぉおおおおおおおお!!! もう何も見てないし俺はミラさん一筋だからぁぁあああああああ!!!」
「いきなり来るなバカウス!!!!! 連絡くらい寄越せ!!!!!!!」
「なんでもいいから二人とも出てけ!!!」
浸れたのはほんの一瞬のことで、その後はなんだかんだでノースディンと共にロナルドが許してくれるまで謝り続けることとなった。自業自得なので、もちろん反省はしている。
同時に、親友のため――そして親友が選んだ相手のためならなんだってやろうと決心したのだった。
果たして――決行する日は思いのほか早くやってきた。
「改めて聞くが……本当に転化するのだね?」
最愛の妻にこそ及ばないまでも愛らしく整った顔ではにかみながら、ロナルドは頷く。
「する。そんで、ずっと傍でこいつを口説かせる」
「っ! 君ときたら……本当に……」
隣に並ぶノースディンが天を仰ぐ。どんどん感情の繕い方が弛んでいく親友の様子は実に微笑ましくて、喜ばしい。
「……あ、でも」
「うん?」
「吸血鬼になったら、体質も変わるんだろ? その……」
蒼穹の瞳がじっとノースディンを見上げた光景は、まさに奇跡に等しかった。ドラウスでさえそう思うのだ。ノースディン本人にとっては一入だろう。
しみじみと状況に感じ入っていると、こちらに向き直ってきたロナルドが神妙な面持ちで口を開いた。
「体温が変わるのは、困る」
「体温……?」
「? どういうことだ」
この質問はノースディンにも相談していないものだったのか、彼もまた不可思議そうに眉を寄せる。
すると、ロナルドは言葉で答えるのではなく一歩踏み出しながら手招きしてきた。念のためノースディンに視線で問えば頷いてきたので、ドラウスは腰をかがめた。
耳元で、ロナルドが声をひそめる。
「ノースってさ、確かに能力が能力だけど……だからって、寒いのがずっと平気ってわけでもないだろ?」
「! ああ、なるほど……そうか……そういうことか……」
他でもない親友が愛すると決めたのだ。元より否やを唱える気など更々ない。
ただ、それはそれとして――その相手が彼女で本当によかった。心の底から溢れる祝福に、ドラウスは身を任せる。
「ならば、失いたくないと強く願っていなさい」
ロナルドを、そしてノースディンを抱き寄せながらドラウスは謳ったのだった。
「竜の
○補足という幻覚
・ノースディンが魅了を使ってるのは御真相様の話を聞いて「吸血鬼と人間を繋ぐ愛はすごい」と感銘を受けた影響から「人間と共存するなら仮初ではあるけど愛を用いよう」と思ったから。
・ドラウスがミラさんと結婚したのを機に夫婦っていいなと羨ましくなったけど今度は魅了があるのかネックになってヤケになったしばらく爛れてた。
・でも魅了が効かない相手がいたら…という希望を捨てきれずにいたらいつのまにか女たらしになってた。
・ロナル子ちゃんは兄貴絡みでの罪悪感や退治人であることを優先するために女らしさを諦めてたので魅了が効かないというか満更でもないしぶっちゃけ効くには効くんだけど即座に自力で解除してた。結果としてノースディンに対してだけはめちゃくちゃ貪欲に育った。
・かくしてY談おじさんも胸焼けする割れ鍋に綴じ蓋ップルが爆誕したのだった。