狂った世界とその日常   作:電磁パルス砲

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活動報告にて挿絵追加など色々言ってるので見てくださると飛びます。

前回のあらすじ

アルビノ狐に捕食されかけてるぜ!!
どうすればいいんだ!!

たすけて!!!!!




人は簡単に食う(物理)していいものでは無い

宣戦布告から数十分後。

 

俺はかなりの窮地に立たされていた。

 

 

幾度となくナイフで切り付けられ、体もフィルムもボロボロだ。あと少しで決着をつけなければ二度目の人生に終着点が見えてきてしまう。

……正直に言うとこの空間では死ぬことはないが、それでもかなりの重症だ。

 

がらんとした部屋の中、荒い息と奴が退屈そうにナイフを弄ぶ音が響いている。

 

 

「逃げてばっかじゃつまんないんだけどなぁ」

 

 

そう言いながらこちらを見るその瞳は冷ややかで、虫でもみるような目つきだった。

 

腕から黒い血が止まらない。彼の刃には血を止まらなくさせる効果でもあるのだろうか。

息を深く吸い、狐の体をフィルムで束縛しにかかる。俺の動きに気付いた彼はナイフを構えなおし、眼の前に迫るフィルムをさばき始めた。

 

 

しかし、それは囮だ。

 

 

足元に這わせたフィルムを絡ませ、動きを封じる。次に腕を封じようと意識をそらした瞬間。

 

 

「……あーあ、めんどくさ」

 

 

狐はそう呟き、先までさばいていたフィルムをまとめて食いちぎった。

 

「ぐ、ぅ……!」

 

引きちぎられた所から、腕と同じ真っ黒い液体が滴る。

 

 

びき、と背に貫くような痛みが走り、意識を一瞬手放してしまう。その隙に距離を詰められ、ナイフの柄で鳩尾を勢い良く、的確に突かれた。

 

眼の前がぼやけ、焦点が定まらない。頭が割れるように痛む。

 

崩れ落ちるとともに押し倒されるように倒れ、首元にナイフをあてがわれる。息一つでもすれば、すぐに首を切り落とされてしまいそうだ。

バリバリとフィルムを嚙み砕き、飲み込んだ狐が口を開く。

 

「んー、やっぱり……おなか、いっぱい……」

 

それは拍子抜けするような、とても自分勝手な一言だった。

 

 

ぼんやりとした目を細め、ナイフを後ろへ雑に放り投げる。

 

「……もういい……おやすみぃ……」

 

そして突然の豹変に追いつけず、仰向けになったままの俺の隣で丸まり、無警戒に眠り始めた。

 

…………。

 

 

待て。

 

ちょっと待て。

 

 

 

本当に頭が追い付かない。何が起こったのか一度まとめよう。

 

 

襲われる(物理)

死ぬ直前まで追い詰められる

今殺しに来たやつが隣で勝手に添い寝してる

 

やばい。余計わからん。

 

 

落ち着けきっとパニックになっているんだ深呼吸深呼吸……。

 

よし、落ち着いた。誰が何と言おうと俺は落ち着いた。異論は認めない。

 

 

 

 

 

取りあえずめちゃくちゃ背中が痛いので背中のフィルムをどうにかしなければ。再生するとは聞いたが、それにしてもどうするんだろうか?

 

……もう傷が塞がっている。なぜだろうか。

……まぁいいか。これが管理人の不死性というものだろう。

 

さて、この白い塊をどうしようか。

襲って来たとはいえ客人を床で寝かせているのは少し申し訳無い。

布団しいて寝かせるか。それだけ大量の尻尾に包まれていれば平気かもしれないが。

 

そう思い布団を用意しようとすると、視界の隅で白い塊がもそりと動いた。狐は眠たげに目を擦り、目を開ける。

 

 

尾はそのまま4つだが、瞳は前のどろどろとした赤色ではなく澄んだ赤になっていて、敵対する意志は見られない。

 

「……俺何してたっけ…って、人ぉ!?俺ぇ!?」

 

目が合うと、焦った様子で尾と耳を隠そうとしている。ついでに自分と同じ姿のやつを前にして、さらに混乱していた。先程とは全く印象が違っていて少し心が和む。

 

「あー、大丈夫だよ?」

 

怖がらせないように笑いかける。ここ数年奏(自分)としか話ていないから、ぎこちなくなっていないか不安だ。

目の前にいる白いのも自分だが。

 

話を聞くと彼、悠也は狐憑きらしい。 

厨二病だと笑えればよかったのだが、見た目にそのまま出ている通り本物だ。

ほぼ呪いに近く、天狐を抑えるためには数ヶ月に一度、人肉を食べなければいけないらしい。そしてこれまでにも数回失踪事件(殺して食った)を起こしているそうだ。

なにそれ怖い。

 

「最近は変な場所に出てくる化け物とかも食べてるんですが、それでも中々抑えるのが厳しくて……」

 

……ん?

 

「今言った化け物って……。」

 

「ああ、化け物っていうのは、俺と同じなら知っていると思いますが」

 

 

 

「動く人形みたいなやつとか、黒コート着た強いやつです」

 

「思いっきり敵!!」

 

 

なんてこった。敵食ってたのかこいつ。

 

「黒コートのは美味しかったですね~特に火薬のせいか銃が肉厚なうえにスパイシーで」

 

「死神食うなよ」

 

 

なんという化け物だろうか。聞いてみればソロ討伐とのことで、暴走時の動きがよかったのも頷けた。

 

……人喰うんだったら、食われると聞いて喜びそうな人が一人、心当たりがある。

死ぬ回数も減らしてしまったことだし……まぁ、追加の発散にはちょうどいいか。

 

「喰われたら喜びそうな奴いるからたまに来るといいよ」

 

「え、いいんですか!いただきます!……そんな人いるんだ、世界は広いなぁ」

 

そんなエサ貰った犬みたいな目をするな。そしてしっぽの風圧が凄い。

 

あと、世界は広くても食われて喜ぶ人はまず居ないと思うな。ここ君の所と別世界だし。

 




悠也
人懐っこくかわいいが、実は中々のシリアルキラーなギャップ萌え。
アルビノは後天性で狐に憑かれた時になった。
胃腸に加護でもかかっているのか、大食いなうえに敵の一部なら何でも食える。

らぎ
とんでもないバランスブレイカーが誕生していて内心少し焦っている管理人。
この世界の管理が終わったら、次はここ担当するかもしれない。
あと、いつかしっぽを死ぬほどモフりたい。


知らぬ間に生贄にささげられていた。
本人がモフモフ好きなのもあり、死ぬほど喜んでいた。


小説書いていたら外が明るい。
眠い。
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