親友とリゼロの世界に飛ばされたお話   作:ノラン

111 / 171



今回のお話は難産でした。リゼロは心情描写が重要視されてくるアニメ……この辺はちゃんとしないとダメだなって気がするので、色々と頑張りました。

尤も、読んでくださっている方々のご期待に添えるような内容に成れてるかは怪しいですが。個人的には至らない点が多々あったかなと思ってます。

やっぱり、先輩の方々ってすごいんですね。






友人として

 

 

 

 

「悪夢に魘されてる、か」

 

 

そう、一人でに呟いたのは台車を推し進めるハヤトだ。窓から流れてくる環境音を除けば無音の世界で一人、彼は難しそうに顔を顰めている。

 

ラムから聞いたレムの寝不足が衝撃的すぎて頭の中を駆け回り、お陰で先程からそのことしか考えられず、色々と考えて早数分。

 

自分の意識が闇の中に沈んでいる間に、割と危険な状態に陥ってしまったものだとため息をついた。

 

レムがテンを傷つけたことに対して異常なまでに罪悪感を抱いているのはなんとなく察していたが、これは自分が察した範囲を軽々と飛び越える事態。まさか、悪夢に魘され続けているとは思わなかった。

 

擬似的なPTSDと言っていいのか、どうなのか。罪悪感から生まれた罪が悪夢という形と成って彼女の心を壊し続け、その延長線上にある身体をも壊そうとしている。

 

否、既に心身共に憔悴し切っている。今のレムは、極端な言い方をすれば、ひょっとすれば命すら危ういかもしれない。

 

心の病は体の病と違って簡単に治るものではなく、時間をかけたとしても完全に治癒されるかどうか分からないのだから。

 

心的なストレスは精神だけでなく体にも悪影響を齎し、最悪の場合、死に至らせることだってある——その可能性がゼロではないことが、こんなにも恐ろしく感じるとは思わなかった。

 

 

「早く起きろよ……。なんでお前は肝心な時に限っていねぇんだ。お前がいねぇとレムが……」

 

 

レムのことを考えていると、今も眠っている親友の姿が嫌でも脳裏を過る。過ると、台車の取っ手を握る両手が勝手に強く握り締められていくのが分かった。

 

拳から始まった感情の揺らぎは次第に腕から身体全体、更には心にも伝播して。意図せずに身体が強張り、震えかける声が溢れぬように下唇を噛み締め、最後には表情が悲痛に歪む。

 

一人でいると、誰にも見せない自分が表に出てくる。男としての自分が、周りに弱々しい自分を見せることを断固拒否するから。誰にも見られない環境に身を置くと、その自分は姿を見せる。

 

誰にも——テンにしか見せることのできない弱々しい自分が、自分らしさを抉る。

 

 

「早く起きやがれ……っ! ほんと、まじで、テメェのせいでコッチは大変なんだぞ」

 

 

親友の痛々しい現状を知ったハヤトが心を痛めないわけがない。誰よりも情に厚い人間が、世界で唯一の相棒と呼べる存在を蝕む悲劇に何も思わないわけがない。

 

正直なところ、あの場でテンのことを聞いているとき、危なかった瞬間は何度かあった。

 

込み上げる感情を堪え切れずに瞳から雫が流れてしまいそうになる瞬間は何度も訪れ、実際に瞳の奥が灼熱で熱せられるような不快感はずっと続いた。

 

しかしその自分は意地でも見せないと踏ん張った。自分が弱々しい姿を見せていてはダメなのだ。テンは必ず目覚めると信じて、希望を見据え続けなければならないのだ。

 

それまではひたすらに踏ん張る。彼が起きた時には既に何もかもが終わっていた、なんて事にはさせないために。

 

踏ん張ることには限界があるのも、一つの事実として知りながら————、

 

 

「ぬぁぁぁ! 考えるな考えるな考えるな! 弱気なことを考えんじゃねぇぇぇ! ンなことしてるから頭が混乱するんだろうがぁぁ!」

 

 

視界が暗転し始め、視野の狭まりを感じ、思考の海に溺れそうになった瞬間、台車から手を離すハヤトは自身の頭を両手で掻きむしる。

 

「俺のバカやろぉぉ!」と、整えた髪が乱雑に乱れるのも無視して彼は頭の中を物理的にクリアにするように、外側から内側へと働きかけた。

 

ごちゃごちゃ考えるなど自分らしくもない。それはつい先ほど心に強く言い聞かせたはずだ。考えれば考えるほど良くない方向に思考は加速し、自分のやるべきことが分からなくなる。

 

単純に、簡単に、考える。これ大事。

 

色々と考えるからアレやコレやと嫌なことが頭から離れていかなくなる。そうなると、今のラムのような状態に陥る。そうなると、行動に迷いが生じてしまい、結果的に動けなくなる。

 

故に。単純に、簡単に、考える。

 

 

「しっかりしろ、カンザキ・ハヤト。くだらねぇ感傷に惑わされるな。てめぇはてめぇのやるべきことをしやがれ。『今』と全力で向き合え。落ち込んでる暇なんざねぇぞ」

 

 

エミリアとレムから笑顔が消え、お姉ちゃんのラムですら感情に迷いが生じている今、自分がへこたれてどうする。自分が折れれば、それこそ終わりだ。

 

そんなことさせないし、認めない。

 

このタイミングで自分の目が覚めたのには意味があるはずだ。否、なかったとしても意味のあるものにする。ラムに喝を入れて、彼女の迷いを晴らさせてみせる。レムと話して、彼女の感情を解き放ってみせる。

 

 それに、

 

 

「男なら、弱い姿ぁ見せんな」

 

 

それが、ハヤトが弱々しい自分を隠そうとする理由でもあるのだから。

 

安心して身体を預けてもらえること。誰にでも頼られて、「この人の背中なら安心できる」と思われること。無条件に信じてもらえること——ハヤトが思い描く、男の理想像。

 

以前、テンに話した時は「夢を見すぎじゃない? 現実を見なよ」と一蹴りされたが、ハヤトはその理想像を追い続けて今の今まで頑張ってきた。いつかは成れると信じて、ずっと走り続けてきた。

 

涙は見せない。弱音は吐かない。心傷は悟らせない。絶対の絶対に自分の中だけで留める。外に知られれば自分の追い求めた自分が遥か彼方に遠のいてしまうから。

 

故に、弱い姿は何が何でも見せない。弱さの欠片が溢れたとしても直ぐに拾う。拾えなかったら、溢れた分だけ、否、溢れた以上を強さで取り戻す。

 

そうやって、自分が想い描く自分に手を伸ばし続ける。ハヤトが男らしいと言われる所以は、その理想像を追い続ける事にあるのだから。

 

 

「負けるな。『今』に負けるな。『今』を耐え抜けば『未来』がある。『未来』あれば希望がある。絶望なんて俺がひっくり返してやる」

 

 

パチンと頬を叩き、ハヤトは再び己に喝を入れる。口にした言葉を鼓膜と心に刻んだ彼は「うし!」と声を上げると、弱りかけた精神に気合を入れ直した。

 

気持ちの切り替えを済ませたハヤトが見るのは一つの扉。他の扉と見比べても変わりない扉だ——ハヤトにしか分からない感覚を放っていることだけを除いて。

 

そもそも今、ハヤトがなにをしているかと。

 

彼は今、食堂に顔を出さなかったベアトリスに食事を届けるためにロズワール邸を歩き回っていたところだ。

 

少し前から顔を出すようになった彼女も今日は来なかったようで。

 

理由は分からない。が、パックがいるのにも関わらず姿を見せないところから察するにハヤト自身が関係している、とは、ロズワールの見解。

 

結果としてハヤトが配給係として駆り出され、屋敷を歩き回ることになった。

 

尤も、彼は禁書庫が発する言い表しようのない違和感を温もりとして肌で感じ取れる不思議な体質。

 

以前よりも増した温度を頼りに、彼女の領域をドンピシャで当てることができる。

 

 

「ーーよぉ、ベアトリスぅぅ! さっきぶりだなぁぁ! 朝メシを届けに来てやったぞぉぉ!」

 

 

だからこそ、今こうして、彼はベアトリスの下へとたどり着き。扉を押し開けた。

 

遠くから反響してくる賑やかな幼女の声に、満面の笑みを顔いっぱいに弾けさせて。

 

 

 いつものように。いつも通りに。

 

 自分の弱々しい姿を悟られぬように。

 

 元気に振る舞いながら。

 

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲

 

 

 

 

少し時間は進み、あと数刻もすれば世界が正午を迎える頃。陽光を遮る遮蔽が意味を成さなくなりつつある時間帯。使用人三人は昼食の支度をするために厨房に集結していた。

 

この時間になると必ず屋敷の使用人は厨房に集まるが、実はこの時間以外で屋敷で働く者たちが仕事において一ヶ所に集まる時間はなかったり。

 

朝食や夕飯の支度は、日によって各々の仕事の進行度合いが変化してくるため、決まった時間に決まった人間が支度をできるわけでもなく。

 

やれる人間がやる、という形が定型。尤も、テンとハヤトの使用人スキルが上昇したことで最近は朝食と夕食の時間も四人が揃うことが少しづつ増えてきていたりもしていた。

 

要は。この時間は、使用人達が確定で同じ場所で働く唯一の時間と言っても過言ではないということ。

 

だから、普段は使用人四人が仲睦まじいドタバタな日常が繰り広げられる。この時間しか四人で話せない(遊べない)から、ほのぼのとした会話が無限に続く。

 

 のだが、

 

 

「ーーーー」

 

「ーーーー」

 

「ーーーー」

 

 

今現在、ハヤトは軽く戦慄している真っ最中であった。

 

横に長い机の前で椅子に座りながら朝食に使用した銀食器を磨くラムの隣。同じ机を使う彼は同じく椅子に座り、野菜を細切りにしながら心の中で鬱屈気味に唸る。

 

彼は厨房に充満するどんよりとした雰囲気に、別世界にでも連れてこられたかのような感覚を味わっていた。

 

普段の厨房といえば。四人が集まれば下らない話題一つでどこまでも話が広がる、和気藹々とした雰囲気に包まれているもの。例えるならば、仲良しな人達で集まった時のような明るい場所だ。

 

それがどうだろうか。今、ハヤトは一言も発さずに作業を進めるレムの背中とラムの横顔を交互に見て顔を顰め、その変わりようを痛感している。

 

活気溢れた空間はたった一週間で寂れ、ハヤトが会話の種を撒いても花は咲かない。レムラム姉妹からは「はい」「そうね」と、返され単調な返しが喜怒哀楽の抜けた声と共に返され、撒いた種が虚しく散っていく。

 

レムは相変わらずで。ラムもレムがいる場所では調子も狂うらしい、二人だけの時に炸裂した毒舌は刺さることはおろか、刺す気配すら見られない。

 

空気が重い、とはこのことかと思う。漂う空気が纏わりつくと、自分自身も釣られて沈みそうになる。一度、廊下に出て外の空気を吸いたいと不意にも考えてしまった。

 

 

「ずっと前からこの雰囲気なのか?」

 

 

そんな空気を吸い込むと胸が圧迫される不快感を得たハヤト。彼は気を紛らわすために隣に座るラムに声を潜めて話しかけると、

 

 

「そうよ。……ラムの心労も理解できた?」

 

「できた。できたくなかったけどよ」

 

 

声量を最小限に抑えたラムの声を鼓膜が拾うと顰めっ面は程度を増した。たった数十分居るだけで既に息が詰まっていく感覚に襲われたハヤトにはラムの頑張りがよく分かったのだ。

 

この重苦しい雰囲気の中でレムと二人っきりというのも中々に苦労する。色々と抱え込んでいるラムならば息が詰まって仕方ないだろう。

 

レムはそうでもない。というよりも、心ここに在らずな彼女は異常なまでに寂れた厨房を気にする余裕はなさそうな感じがハヤトにはしていた。

 

今のレムは、何を考えているのか全く読めない。表情豊かだった少女はいつの間にか感情の欠落した少女に成り、表情筋が死んでしまったのではないかと思う程に表情に色がなかった。

 

 

「……どうにかしてやりてぇな」

 

「そのためにここに居るんじゃなくて?」

 

 

銀食器を磨くラムの手は止まらない。一つのことに意識を向けようと頑張る彼女は、けれどハヤトが話を切り出す時を密かに待ち望んでいるように彼のことをチラチラと横目にしている。

 

意識せずにはいられない。今から隣の男はレムの心に触れるのだから。妹をどうにかしてあげたいと思う姉として、何もすることができない姉として、見逃すことはできないのだ。

 

 

「そう……なんだがよ」

 

 

そんな、不安と期待が渦巻いた瞳に横目にされたハヤトは心労したように吐息。話をどうにかして切り出そうとする挙動は見せるものの、彼の口はレムの名前を呼ぼうとはしない。

 

正直なところ、どうやって話を切り出すべきか迷っている。心の中で自問自答するばかりだ。覚悟を決めて厨房に来たものの、いざ話し出そうとした途端に口は時を止められてしまう。

 

どこから話すべきか。何から話すべきか。

 

今のレムは精神が不安定すぎる状態、キッカケ一つで簡単に感情が爆発する可能性がある。言葉選びは慎重に、でなければ話し合うことすらできずに終わるはずだ。

 

言いたいこと。伝えたいこと。それらの整理はとっくに完了している。のに、そこに繋がるまでの道筋が完成していない。先ばかり見据えたせいで足元が疎かになっていた。

 

 

 ーーアイツならどうするか

 

 

ふと、脳裏にテンの後ろ姿が過る。彼ならばこのようなとき、どうするたろうか、と。大切な話をする場面、彼はどうやって話を切り出してきたか。

 

 きっとテンなら————、

 

 

「なぁ、レム」

 

 

不意に、充満していた沈黙をハヤトの声が割り、静寂しかなかった厨房に彼の普段通りの呼びかけが薄く反響する。

 

声色に特別感はない。大切な話をしようとする人間にしては少しばかり緊張感に欠ける声は、ラムやレムが何千と交わしてきた呑気な声。

 

神妙な顔つきもせず、ただ『普通』という言葉が似合うハヤト。そんな彼を背中越しに「なんですか?」と作業片手間にレムは言葉を返した。

 

決まった返し。決まった声色。決まった態度。何もかも全てが一週間前から一つに決まったレムにハヤトは「あのよ」と手に持っていた包丁と野菜をまな板に置くと、

 

 

「お前、最近ちゃんと寝れてるか?」

 

「はい。寝れてますよ」

 

「そうか。なら、なんで普段は付けてねぇ化粧なんか付けてんだ?」

 

 

 チャリン、と。

 

金属音が割れた静寂を更に割った。音の源はハヤトの隣、その問いかけをした直後にラムがフォークを手から滑り落とした。

 

あまりにも自然すぎる問いかけ。唐突で、核心に迫るそれに心と頭が追いつかず、一度だけ心臓が跳ね、瞬間だけ停止した思考回路に不覚にも手の力を奪い取られたのだ。

 

落ちた銀食器を拾うこともせず、驚いたままにラムは横目だけにしていたハヤトに顔を向ける。言葉が出ない代わりに目で語った。

 

「何を言っているんだお前は」とでも言いたげな赤の瞳が小刻みに揺れて、配慮に欠けすぎた言葉に彼女の時が止まる。否、止まったのはラムだけではない。ハヤトの視線を受けるレムの背中もだ。

 

問いかけに一度、肩を大きく跳ねさせた彼女は、それから動かない。作業の手は止まり、一定の間隔で立てていた音が止むと、呼吸すらも止まったかのように体から時が消失した。

 

 ——あまりにも普通で、あまりにも自然すぎる。

 

話し出す予兆は一切無かった。否、話を切り出そうとする挙動は見られていたが、話し出すことに結びつく気配はしなかった。数秒前までは場を整える事が難しすぎて、困っていたのだから。

 

彼の中で何かしらあったのだろうと再起動を済ませた思考回路でラムは予想するが、しかし彼女を置いてハヤトとレムの会話は進んでいく。

 

一度でも始まれば、もう止まらない。

 

 

「なんの、ことですか……?」

 

 

奪われた時が己に返ると、声の調子が途端に悪くなったレムが弱く声を発した。それは、先ほどのような機械じみた返しでもなく、感情の抜けたものでもない、人間らしい声色。

 

たった一言でこの有様。感情の炎が淡く燃え始め、精神不安定の程度を雄弁に語る声音がハヤトとラムの鼓膜を刺激すると、双方が別々の反応を見せた。

 

久々に妹の感情の入った声を聞き、複雑な感情に駆られたラムが小さく拳を握りしめ。作業を再開する余裕もない彼女を見るハヤトは「ほぅ」と一息。

 

吐息一つ——それだけで気持ちを整えると、

 

 

「白を切るつもりか?」

 

 

その声を発したハヤトの声は真剣だった。呑気な自分を内側に引っ込めた彼の表情は真剣そのもので、ラムに喝を入れようとしていたときのものと遜色ない。

 

事実として、厨房の空気に緊張感を持たせた彼の横顔を見るラムは、その時の雰囲気をハヤトから感じ取っている。目の前の人と真摯に向き合う姿勢を、ラムの心は受け取っていた。

 

この状態になればハヤトは止まらない。相手から目を逸らさず、逸らさせず、真っ直ぐに全てを受け止める彼はレムが逃げることを決して許さない。

 

 

「白、を……切る? 言ってる意味がよく分かりません。それよりも昼食の支度をーー」

 

「俺から目ぇ背けんじゃねぇよ。話題逸らして、それで俺が今のを流す思うか?」

 

 

言いながら、ハヤトは軽く拳机に叩きつける。物理的な衝撃で逸らされかけたレムの意識を根こそぎ自分に向けさせる彼は、「レム」と、言葉が喉に詰まったように沈黙した彼女の名を呼び、

 

 

「お前、今、化粧してるだろ。それもかなり濃く。それこそ、寝不足で悪くなった顔色が隠せるほどにな」

 

「化粧……? 寝不足……? ハヤト君はおかしなことを言いますね。どこからそのような被害妄想がーー」

 

「誤魔化そうとするな。そんはつまんねぇ真似、友人と姉ちゃんの前でするな。俺達が全くの赤の他人で、気を遣わねぇといけない関係なら話は別だが、違ぇだろ」

 

「誤魔化してなんかーー」

 

「いいや、誤魔化してる。周りの人間に迷惑をかけないように、弱った自分を悟られないように。これは自分一人の問題だ、って自分の中で自己完結してな」

 

「ハヤト君の勘違いーー」

 

「勘違いだぁ? 冗談はやめろよ。感情を殺したお前を見る俺がそんなふざけた勘違い、するわけがねぇだろ。俺がどんな人間か、お前なら分かるよな? お前が辛い思いしてんのを、そのままにするわけがねぇ」

 

 

反抗するレムを押さえつけ、ハヤトは言葉を重ね続ける。真剣な物言いが徐々に熱を帯びていくのを感じつつ、しかしハヤトは自分から目を逸らしたがるレムを絶対に逃さない。

 

一瞬でも逃げようするレムの意思(言葉)を察せば、逃さんとするハヤトの意思(感情)がその先に回り込み。行手を阻む。一に対して十で返し、逃げ場を無くす。

 

それに、今のでハヤトは分かった。レムと言葉を交わして、根拠は無いが分かったことがある。

 

レムは感情が抜け落ちたのではない、押し殺していたのだ。殺して殺して殺して、自分という人間を極限まで殺して、憔悴を悟られぬように必死になっている。

 

そうでないと、心の中にあるぐちゃぐちゃしたものが爆発しそうになるから。自分のように吐き出せないから、己の中に溜め込む。憔悴した自分を表に出すわけにはいかないから、今のようになる。

 

その結果として今の形が完成してしまった、と。それが分かったなら尚更、逃すわけにはいかない。

 

 ーーここで全部、吐き出させる

 

 

「俺の目を見ろ、レム。背中ばっか見せて、それで俺から逃げたつもりか」

 

 

故に、ハヤトは立ち上がった。先程からこちらを見ようとしないレムと目を合わせて話そうと、彼女に歩み寄る——同時に、心の中にも足を踏み入れながら。

 

目を見て話すことは重要なのだ。目を見ないと相手の表情が見えない。表情はその人の心をそのまま映し出すから、顔を見て話さないと相手の気持ちも分からない。

 

数秒前のレムだったら無駄かもしれない。自分を殺した彼女ならば、表情に感情は宿っていないはずだから。

 

けれど今のレムならば無駄ではないだろう。言葉を畳み掛けられて、押し殺した感情に火が灯り始めているはずだから。表情に、心が現れているはずだから。

 

 それに、

 

 

「背中で語るのは男だけでいい。それは俺みたいな男がすることだ。……男ってのは、背中でしか語れない面倒な生き物だしな」

 

 

「そうじゃない奴もいるがな」と、個人的な理由を付け足し、ハヤトはレムの真横に立つ。背中しか向けてこない彼女との間隔を人二人分まで詰めた。

 

もちろん、女性にも背中で語るカッコいい人はいる。思わず「姉御ぉ!」と呼んでしまいたくなる人が世の中には存在しているのも事実だ。

 

が、レムには似合わない。背中で語らずとも、彼女には語れる要素が沢山あるのだから。わざわざ遠回りな事をせずとも相手に語ることはできる。

 

敢えて理由を付けるとすれば——そんな弱々しい後ろ姿が見たくないから、だろうか。抱え切れないものを抱える一人の少女の背中は見るに堪えず、ハヤト的には好ましくない。

 

 

「だからよ。さっさと顔を見せろ」

 

 

何を思っているのか。沈黙したレムの顔を自分に向けさせるために、ハヤトは彼女の左肩に手を伸ばす。ちゃんと向き合って話したいから、彼は少々強引に迫った。

 

少々強引な程度がちょうどいい。自分のやり方は相手の感情を煽るために危険な橋だが、やる価値はある。良くも悪くも相手が溜め込んでいるものを吐き出させることができる——それが価値だ。

 

 手が伸びて、伸びて、伸びて。レムの肌に触れる——。

 

 その瞬間だった。

 

 

「やめてくださいーー!」

 

 

感情を露わにしたレムが声を荒げ、伸びた手を左腕が振り払う。ずっと感情を押し殺してきた彼女が久しく己を解き放った瞬間は、伸びた救いの手を感じたことによる拒絶反応だ。

 

振り払われたハヤトの顔色に変化はなかった。寧ろ、数秒間だけ嬉しそうに微笑んでいたのを、二人のやりとりを黙って聞いているラムは見ていた。

 

ハヤトからすれば当たり前だ。溜め込んできた感情の欠片を吐き出してくれたのだから、嬉しくないはずがない。やっと自分を表に出してくれたレムに、場違いにも「やっと吐き出したか」と言いそうになった。

 

相手の心を揺さぶる事が危険な橋だとは分かっている。感情が爆発した人は何をするのかが不確定で、行動が全く予測できず。

 

ハヤトとラムが予想もしない言動をレムが当然のようにする可能性も捨て切れない。できれば、別のやり方で吐き出させるのが良いのだろう。

 

けれど、ハヤトにはこれしかできない。今までがそうだったから。ぶつけて、ぶつけられることしかできないから。今回だって同じだ。

 

 

 ーーこっからが本番だな

 

 

払われた手を引っ込めつつ、ハヤトは運命の時が訪れたことを静かに察する。一週間もの間、孤独に苛まれてきたレムの胸の内を曝け出させる瞬間が今、ハヤトとラムに訪れた。

 

故に、問題はここからだ。心を揺さぶり、感情を煽るまでは特に異常なことはない。が、真に向き合うべきはここから先にあるのだから。

 

感情を吐き出し始めた人がどうするか。拒絶か。否定か。肯定か。逃走か。暴走か。いずれにしても、意図的に吐き出させたハヤトには受け止める義務がある。

 

 

「見ないで……くだ、さい」

 

 

そして、ハヤトはレムからの拒絶を真正面から受け止めた。腕を払った勢いで背を向ける彼女は、ハヤトの純粋な心配を軽く拒絶する。それが本心の拒絶かなど、深く考えずとも判断することは容易だ。

 

 

「どうして見ちゃいけないんだ?」

 

 

だから、ハヤトは拒絶されても拒絶しない。本心で拒絶されたら考えたが、そうではないから。腕を組む彼は先のような強引な真似はせず、言葉のみを掛ける。

 

振り向いてくれるまで、掛け続ける。

 

 

「どうして、もです……! 見な、見ないでください!」

 

 

レムの声が、強く握りしめられた拳が、手を掛けかけられた肩が——彼女の心を映し出す全てが、小さく震えている。

 

声に感情が乗っかりつつある声音は啜り泣いて、聞いたハヤトの脳裏が勝手に、泣いたレムの姿を呼び起こさせた。

 

押し殺せない感情(自分)が色濃く浮かび上がるせいで、我慢していたぐちゃぐちゃしたものがどっと心にでも流れ込んできたか。一欠片でも溜め込んだものを吐き出せば、精神が限界を迎えたレムは簡単に崩れた。

 

崩れること自体がレムの憔悴を物語っている。たった数回の言葉をかけた程度で今のレムは崩れ、押し殺したはずの自分が表に顔を出す。周りに迷惑をかけまいとする意思に反して、本音は滝のように流れ出る。

 

差し詰め、今のレムはその一歩手前。否、その一歩を踏み出そうとしているところ。踏み出したら、きっとレムは止まれない。

 

 

「ーーーー」

 

 

これより先に進めばレムは自分に全てをぶつけてくる事を察し、ハヤトは一度だけラムを見る。机の向こう側に座る彼女に無言ではあるが視線を向け、レムの表情を読み取ろうと心がけた。

 

その場所。角度的にもラムには()()()()()から。

 

自分には見せてくれないレムの表情をラムは今、見ている。周りを見る余裕もないレムには姉の視線を察することもできず、故にラムはレムの顔をハッキリと見ている。

 

どんな表情であれ、妹の崩れたそれを見れば平常心を保っていられるわけがない——現に、視線の終着点にいるラムの表情には明らかな陰が差しつつあった。

 

察するに、崩れているらしい。流石に程度は分からないが、少なからず無表情は崩せたらしい。

 

ラムの表情を介してレムの表情を知ったハヤト。彼は「いいか、レム」と言葉を繋げて、

 

 

「テンのことは、さっき全部聞いた。そん中でお前がアイツに刻み込んだ傷痕のこともな。俺が寝てる間、お前に何があったのかも、大体は把握してるつもりだ」

 

 

聞いたレムの肩が僅かに跳ねた。自分のこと、テンのこと、目を背けたくなる悲痛な思いのこと。それら全てをテンの親友であるハヤトに知られ、彼女の心臓は締め付けられる。

 

何を言われるだろうか。何を言われても仕方ない。自分はそれだけの罪を犯したのだから。罵詈雑言だろうが、向けた背中で無理やりにでも全て背負おう。

 

 

「その上でだ。大凡、全てを知った上で言わせてもらうが」

 

 

 ーーあぁ、くる。きてしまう

 

 

世界で唯一の親友を傷つけた自分に、先送りにされてきた裁きがついに下ろうとしている。親友の手によって、背負う十字架が確実なものになる。

 

覚悟として受けたいのに、覚悟を定める余裕がないから、心の準備はできていない。それでも彼は告げるだろう。残酷に、冷酷に、心を痛めつける言葉を審判として下す。

 

訪れを感じた瞬間、心の中に渦巻いたぐちゃぐちゃした感情が一挙に沸騰したのをレムは自覚した。

 

自分の思考回路が理解できなくなってから一切の理解が不可能になったそれらが、沸々と湧き上がる。

 

感情、想い。自らを縛り付ける理解のできないものたちが熱となって徐々に上へと昇り、喉まで到達し、瞳の奥が灼熱に焦がされて。

 

 そんな堪え切れないものたちが、

 

 

「ーーお前はバカなのか?」

 

 

 予想だにしない言葉を吐き捨てたハヤトの前に、爆発する寸前で抑え込まれた。

 

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲

 

 

 

 

 何を言われたのか、よく分からなかった。

 

 

さも、当然かのように放たれた言葉が背中にぶつけられて。理解の許容を遥かに超えた、否、理解という概念が通用しない言葉に心が追いつかず、考えていたことが抹消された。

 

言葉こそ、相手をバカにするものに他ならない。にも関わらず、自分をバカにする意思が全く感じられないことに、言葉すら出てこなくなった。

 

ハヤトにかけられる言葉に逆らっていた羅列は、たった一言で封じ込められたのだ。

 

 

「もう一度、言うぞ。お前はバカなのか?」

 

「……は」

 

 

再度、同じ言葉を背中に投げかけられてレムはようやく反応を見せる。唖然と、小さく開いた口元から肺の息を抜いた。それは困惑の意味合いを持った吐息ではない。ただ、本気で、唖然とさせられた。

 

意識の追いつかないレムを正面に、ハヤトの顔つきが覚悟を決めたものに変わった。始まりの合図を告げた彼に迷いはない。

 

その状態でも耳は傾けてくれてるなら上等。ならばこの思い、全て伝えよう。

 

 

「別に、お前自身がバカだって言ってるわけじゃねぇ。お前のしてることそのものがバカだ、って俺は言いてぇんだよ。いつまでもくだらねぇことばっか気にしやがって」

 

 

背を向けるレムにハヤトは語る。自分から振り向いてくれるまで、振り向かせるように彼女の心を揺さぶり続ける。

 

そこには容赦も躊躇もない。自分の思ったことを直球で全て伝える。隠さず、飾らず、素直な気持ちをレムの背中に殴るように叩きつける。

 

だって、これは優しさでお節介の押し付けだから。友人としてレムのこと一方的に心配するハヤトが行う、身勝手で自分勝手な押し付けがましい行為だから。

 

 

「一人で抱え込んで? 一人で落ち込んで? 寝不足を悟られないように化粧までして自分を隠して? その理由が周りに迷惑をかけたくないだ? ーーふざけんのも大概にしやがれッ!」

 

 

己の意志を解き放つハヤトがレムの隠してきたことを待ったなしに暴き立てる。激怒した様子の彼はレムへの配慮もなしに、言われたくないことを彼女に突きつける。

 

 

「俺達がその程度の変化、気づかないとでも本気で思ってんなら承知しねぇぞ! 三ヶ月と少しの関係の俺ですら一目見ただけで気付けたことを、何十年間も一緒だったラムが気付かないとでも、思ってんのか!」

 

 

ハヤトは知っている。妹の現状に迷い続けている姉が、自分に見せた悲痛な笑みを。どうしたらいいかも分からず、八方塞がりのどん詰まりに行き着いたラムの切ない笑みを。

 

初めてだった。ラムがあんな顔をするのを見たのは。初めてだった。ラムに助けを求められるのは。

 

自分一人の力ではどうすることもできない彼女の横顔は、いつもと違いすぎて。助けてやりたいと、本気で自分に思わせて。

 

それを、ハヤトは知っているから。

 

 

「周りに迷惑をかけたくない。そう思ってることが迷惑なんだよ! お前にとっての迷惑は周りにとっては迷惑なんかじゃねぇ! 自分だけの問題にするな、俺たちにも抱えさせろ! 一人で苦しもうとするな!」

 

 

人が抱えられるものは限りがある。

 

誰かがそう言っていたのをハヤトはよく覚えている。確かにそうだと思ったし、抱え切れないものを必死に抱え込んでる人がいたら、一緒に抱えてあげたいとも思う。

 

でも、自分はまだ弱いから。世界中の人間を助けられるほど強くないから。なら、せめて身近な人、例えば友人。自分が友人だと思える人くらいは助けてあげたい。

 

誰に言われたわけでもない、自分がそうしたいから。無理だと言われても、できないと言われても、そんなの関係ない。

 

 自分が、そうしたいのだ。

 他人の意見など、知ったことか。

 

 

「一人で抱え込んで、苦しんで、悲しんでーーそれを必死に隠そうとするお前の姿を見てるラムが、どんな気持ちか知ってんのか! 苦しむ自分を隠すお前の背中を見る姉ちゃんが何を思ってたのか、お前は一度でも考えたことあんのかよ!」

 

「ーーーっ!!」

 

 

恐らく、思考の片隅にもなかった事をレムに強く言い、ハヤトはラムを指差す。仕草は見えてなくとも意志は伝わったレムの顔が操られたように横を向き、赤と青の瞳が合わさった。

 

姉と妹の視線が重なる。産まれてきてから一度も、十七年という時を一緒にして、本音を一度もぶつけ合ったことのなかった歪な二人の心が、ハヤトを架け橋として向き合った。

 

その瞬間を、ハヤトは逃してやらない。

 

 

「ずっとだ! この一週間ずっと、ラムはお前が心配で心配で心配で、どれだけ心配を積み重ねても足りない程に心配で。どうしたらお前の心を助けてあげられるか、ラムなりに頑張って考えてたのをお前は知ってるのか?」

 

 

言えないラムの代わりに自分の言う。彼女が一人でレムと向き合えないと言うなら、自分も一緒に向き合う。

 

自分がどうしたらいいか分からなくともラムはレムのために頑張っていたから。苦悩し、レムと同等の苦痛に心を痛ぶられながらも、愛する妹のために何とかしようとしていたから。

 

 

「知るはずがないよな! お前は自分のことしか頭にねぇ。自分が悪い。自分のせいで。自分がダメだったから。自分が、自分が、自分が、って。なんでそんな風にしか考えられねぇんだ!」

 

 

訴える。絶対に一人にはさせてやらないという揺るぎない意志の下、自分一人で暗がりへと進もうとするレムの手を取ろうと必死になって。

 

彼は屋敷の人間——レムを取り巻く全ての味方を引き連れて、彼女を絶望の底から連れ戻す。

 

 

「テメェの中で自己完結して、周りからの声、想い、全部振り切って、自分だけが傷付けばいい。とんでもねぇ自己中だと自分で思ったりしねぇのかよ!」

 

 

自分を捨て、周りを助ける。第三者の視点からすればなんとも美しい行為だろうか。けど、それは不幸しか生まないことをハヤトは知っている。

 

自分だけが傷付けばいい——それは物理的な傷に限った話しだという事をレムは知らなさすぎる。

 

レムが傷付くことで心が傷付く人間だっているのだから。誰も傷付かない戦いなど、この世には一つとしてないのだから。

 

 だから——、

 

 

「それを助けに行った俺達の気持ちを知ろうともしてねぇくせに、勝手に独りになったつもりになってんじゃねぇーーッ!!」

 

 

 感情が、爆発した。

 

伝えたいことの一つ目を叫び散らし、ハヤトは乱した呼吸を整える。肩を大きく上下させる彼は感情的で、心のままに言葉を放つ様は背中を向けたレムを振り向かせようと懸命に見えていた。

 

一人になるな。独りになるな。

 

レムに伝えたいことの一つ。彼女は自分一人でなんでも抱え込みがちで、我慢しがちだから、そうさせないために叱咤するように語った。孤独で苦しむことは許さない。自分が絶対に認めない。

 

ひとりが寂しいことなど人類共通だし、孤独に打ち勝てる人間は一人としていない。それは、レムも例外ではない。彼女だって、ただの女の子なのだから。

 

抱え切れないものをたったひとりで背負い続けてきた凄惨な過去を持つ——ごく普通の女の子なのだから。

 

 

「ハヤト君に……」

 

 

ハヤトの怒号にも近い声が厨房に強く反響する中、その声はハヤトの鼓膜を一直線に貫いた。呼吸を整える時間がレムに言葉を発する暇を与え、受け身だった彼女の口がついに開く。

 

弱々しい声ではなかった。感情を押し殺した声ではなかった。それはまるで、沸騰する思いが堪え切れず、一欠片だけ溢れてしまったかのような声だった。

 

拳が今まで以上に震えている。握りしめる音が幻聴として聴こえてくる程に強く握られたそれは、きっとレムの感情が伝播して、彼女の心を露わにしている。

 

 

「レムの……」

 

「なんだよ?」

 

 

ラムから視線を外したレムが俯く。一瞬だけ見えた横顔は、歯を食いしばっていた。身体の向きが自分の方に向けられようとしている。

 

この時。あと少し、もう少しでレムが我慢してきたものを解き放ってくれる確信をハヤトは得た。テンの損失が齎したぐちゃぐちゃした感情を、自分に叩きつけてくれると。

 

八つ当たりでもいい。とにかく、吐き出させたい。少しだとしてもラクになるから。解決できなくとも、一時的に心は軽くなるから。

 

 

「レムの……レムの何が……」

 

 

レムが感情を解き放つには、もう一押し。限界まで張り詰めた糸を切る要因が必要で。

 

ハヤトは、その『一押し』をよく知っている。

 

 それは、

 

 

「聞こえねぇよ! もっとハッキリ話しやがれ! ここまで言われて、何も言い返せねぇのか!」

 

 

 プツン、と。

 

何かが切れる音がレムの中で木霊した。鼓膜の内側から心を直接揺らしてくる音は、きっと心の奥底に押さえつけていた何かを解放する音で。

 

ぐちゃぐちゃで、ごちゃごちゃしたものが、そこから噴火して——、

 

 

「ハヤト君に、レムの何が分かるんですかーーッッ!!」

 

 

 

 感情が、爆発した。

 

 

 

 

 






このお話は一話で締めたかったのですが、書いてるうちに一万文字を軽々と越したので次回に続かせることにしました。あまり長くても読みにくいだけですし。

次回は、レムが胸の内をぶちまけます。まぁ、過去のお話でレムの心情は描写したので分かる方は分かっていらっしゃると思いますが。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。