親友とリゼロの世界に飛ばされたお話   作:ノラン

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このお話は作者が戦闘描写の練習ついでに書いたものなので、半分以上が戦闘描写になります。

なので、別に読まなくても支障はありません。文字だらけのお話なんて、読んでても疲れるだけですからね。

それを許してくださるなら、どうぞ。




騎士と言えば?

 

 

 

 それは、王都に訪れた疲労が肉体から抜けてきたある日のことだった。

 

 

 

 

「テン君、ハヤト君。君達二人に問題!」

 

「じゃじゃん! とか言ってみたり」

「なんだ?」

 

「二人はエミリア様の騎士としてこれから頑張ってもらうわけだぁーけど。そんな騎士として一番必要なものってなぁーんだ?」

 

「それは『強さ』だな! 騎士とは、戦国時代で例えるなら主君を守る剣であり盾である存在。故に何者にも負けない力が必須なんだ!」

 

「それは『忠誠心』だと思います! 騎士とは、自分の主人のことを誰よりも想い、命を投げ出す覚悟のある存在。つまり、人間として絆を深める事が大切です!」

 

「うんうん。二人の意見はよぉーく分かった。悪い意見ではないとは思うよぉ? けど、この私が言いたいのはそれ以前の話さ」

 

「つまり?」

「何が言いたいんだ?」

 

「最近の君たちは格闘術ばっかで騎士としての風貌に欠けるものがある。素振りはしているようだけど、そぉれだけでは剣を交えての戦闘に穴が出るかもしれないとは思わないかい?」

 

「確かに、そうかもしれませんね。これじゃ騎士じゃなくて剣士ならぬ拳士になってしまいますね」

 

「誰が上手いことを言えと。だが、それは言えてるな。俺としてはそれでも構わんが、どうせなら剣も使いたいよな。剣と拳と魔法、この三種の神器で相手を攻め立てると」

 

「カッコいい言い回し方だね。じゃあロズワールは俺たちに何をさせるおつもりですか?」

 

「君達に風魔法を纏わせたゴミを打ち込み続けるから、それを死に物狂いで捌き続けること。あ、因みにゴミってのは私の後ろに山のように積まれているこれのことね」

 

「いや、そうはならねぇだろ!?」

「悪魔ぁ! ここに悪魔がぁぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

整えられた草地を踏みしめ、跳ね返る感触に靴の調子を確かめるように踵でつつく白と紺の男達がいた。首を回し、肩を鳴らし、人体の違和感のある部分を解していく。

 

軽めの準備運動。それらを終えた男達は腰と背中、それぞれ別の場所に差した鞘から己の意志となる刃を引き抜く。鋼と鋼の擦れる微かな音が鼓膜を弱く振動させた途端、彼らの瞳は色を変えた。

 

それを研ぎ澄まされた刃と捉えるか、まだナマクラだと捉えるか。瞳の色を一変させた彼らをどのように捉えるかは千差万別だろう。

 

同等の者達はそれを脅威だと判断し、達人へと足を踏み入れた者達はまだ青いと見下し、極地に達した者達は見向きもしない。

 

しかし、それらの人間が最後に行き着く捉え方は必ず一つ。どう捉えようが、二人の姿を見た者達は彼らの背後に野生的な魂を感じ取る。

 

 

 今、一匹の熊と狼の息吹が微風に攫われる。行き着く先は刃の対象となる存在。爪を薙ぎ、牙を剥くべき相手へと。

 

 

鍛えられた環境が環境だったために、危機察知能力が理性寄りではなく本能寄りに研ぎ澄まされた結果と言うべきか、或いは魔獣の森で獣と戯れすぎた副産物と言うべきか。

 

二人は気持ちを入れると、度合いはさておき相手側に獣を幻視させることが多く。一人は瞳の奥に静かに殺意を宿す狼を、一人は近づくだけで襲われそうな威圧感を放つ熊を見せる。

 

 つまり、どういう事か。

 

 

「テン君。一回でいいから「ワンっ」て吠えてみてくれないかぁーな?」

 

「嫌です」

 

「ハヤト君。実は、わぁーたしの衣装部屋に熊型の魔獣を彷彿とさせる着ぐるみがあるんだぁーけど。着てみたくはないかい?」

 

「喧嘩なら買うぞ?」

 

 

 こんな感じに煽られる。

 

一人は剣士としては異色な、刀をその手に携えた狼もといテン。もう一人は身の丈程の大剣、その柄の部分を肩に担ぐように乗せている熊もといハヤト。彼らの前に立つのは今しがたふざけた提案をしてきたゴリラもといロズワール。

 

どうしてロズワールがゴリラか。理由は単純、人体を手刀一つで貫ける馬鹿力人間がゴリラ以外に考えられないからだ。

 

狼と熊に睨まれたゴリラは、しかしにんまりとした笑みを崩さない。

 

当然だ。ロズワールはこの国で屈指の実力者。魔法において彼の右に出る者はいない。つまりは極地に達した人外。目の前の獣達を見たとしても悠々と煽る。

 

対するテンとハヤト。テンは真顔のままに断固拒否の意思表示を見せ、ハヤトは喧嘩なら買う気満々と拳を合わせる。どちらが煽り耐性ゼロどころかマイナスかなど一目瞭然。

 

 

「ロズワール。そんな話をするために俺達はここにいるわけじゃないでしょう? やることやりましょうよ」

 

「そぉだったね。いやぁ失敬失敬。君たちのそれを見てしまうとつい先生としての心がくすぐられてしまうものでね」

 

 

隣の、戦いとなると血気盛んになる男は置いといて口を開いたテン。彼は刀の切っ先で芝生を何度か叩く。軽めの貧乏ゆすりのようにも見える行動に、ロズワールは手を頭に当てて戯ける。

 

相変わらずふざけた態度を一貫しているロズワールだが、鋭い眼光を向けるテンは彼のことなど見ていない。見ているのはその後ろにある山積みになった狂気。

 

レンガの瓦礫、大木、大人の脚程度の木の枝、鉄のパイプ。刃こぼれしたナイフ、一纏めにして"ゴミの山"とでも言い表せるそれがロズワールの後ろにある。一山だけではない、その集合体が四つ。

 

パッと見ただけでその情報量、表面だけでこの多種多様な狂気。果たして内側にはどんな狂気が隠れているのか。始める前から震え上がりそうな思いだった。

 

 

「さぁて。テン君に急かさせては私も気持ちを入れなければならないが。準備はいいかい?」

 

「言われるまでもねぇ」

「いつでも」

 

 

そもそも、なぜ三人がこのようなことをしているかと言えば。それはロズワールから出題された『騎士と言えば?』の問題が始まり。

 

各々が自らの騎士像として掲げるものを告げるも、それは空振り。ロズワールが言うには騎士と言えば剣。騎士を象徴とする一振りの刃のことだそうで。

 

 

「じゃあ、私はこの山が無くなるまで君たちに打ち込み続けるから。魔法や剣を使って避けるなり、弾くなりして頑張って凌いでねぇ」

 

 

そこでこの提案。ここ最近二人は体術に熱を注ぎすぎている節があるから偶には剣術を磨けと。風魔法を纏わせた狂気を飛ばすからそれらを死に物狂いで捌き続けろと。

 

尤も、完全な我流としての剣術になるため。磨くと言うよりは、体に馴染ませるの方が表現としては正しいかもしれないが。いずれにしても悪魔の所業である。

 

 

「習うより慣れろ。君達二人は今まで通り剣の扱い方を体に染み込ませること。申し訳ないが、体術は教えられるけど剣術は人並み程度だぁーから専門的な技術は教えられない」

 

「別にいいさ。用は、これを通して己の武器を手足のように扱えるようになれってことだろ? ならうってつけだ」

 

 

飛んでくるものをひたすらに捌く。拳だと受け切れないため、必然的に魔法か剣の二択となり、捌いているうちに今まで触れてこなかった剣の感覚をある程度馴染ませる。

 

やり方としてはとてもシンプル。

 

前例を挙げるならば。テンが、流法が外部からの衝撃によって強制解除されてしまう問題をベアトリスに吹き飛ばされ続けることで解決した時のような形。

 

つまりは習うより慣れろ、完全に本人任せの感覚トレーニング。大怪我必須だ。

 

 

「上等。どんな困難にだって俺は、俺達は立ち向かってやるよ。その先にある更なる高みへと手を伸ばし、掴み取るためにな」

 

 

肩に担ぐ大剣を下ろすハヤトが正しく構える。柄を両手で握りしめた彼は姿勢を低く保ち、力強く「アクラ」と己の魂に呼び掛ければ、呼応する魂が黄金色の闘気となって彼を包み込む。

 

隣のテンは無言だった。戦いの時にあまり言葉を発しない彼は感情の昂りがパッと見では読み取りづらいが。しかし、ロズワールは明らかな変化を悟った。確実に使っている。

 

 

「いい。いいねぇ二人とも。その調子で頑張ってねぇ」

 

 

意図せずに黒い笑みが顔面に浮かび上がるロズワール。目の前の男達の変化に彼はパチンと指を鳴らした。

 

動作を起点に発するのは風。一つではない、幾つもの風の塊がロズワールへと収束するように二人の真横を抜けていく。

 

一つ一つがロズワールの意志を宿す風が向かう先は瓦礫の山。我先にと殺到するそれらは山の一端を削り取り、これ見よがしに宙に浮かぶと二人の周りを旋回し出した。

 

内側からの光景は中々に戦慄するものがあった。瓦礫の竜巻、上下左右どこに首を回しても目に映るそれらをただのゴミと侮るなかれ、速度を増せば弾丸並みの威力となって襲いかかる。

 

 

「テン」

「うん」

 

 

徐々に視界を覆い尽くすそれらを前に、しかし二人は冷静だ。ハヤトが名を呼び、名を呼ばれたテンが深く息を吐く。沸々と湧き上がるマナを体の内側に感じ、

 

 

「アル・フーラ!」

 

 

 一気に外へとーー!

 

 

「やっぱりそう来るんだねぇ。ま、分かってはいたけど」

 

 

詠唱の声が聞こえたと同時、瓦礫の内側から空気が破裂したような音がロズワールの鼓膜を刺激、攻撃を悟った時には取り囲んでいた瓦礫が暴風によって全て辺りに吹き飛んでいた。

 

前にも似たような光景を見た事がある。テンの流法を無理やり引き出した時だったか、無限に打ち込まれる火球に対して自分の魔法で無理やり弾き返したこと。

 

あの時はただの風だったが、今回は風刃。範囲を自分達の周辺に絞られた高密度の刃は容赦なく狂気を切り刻み、無効化させる。

 

 

「へへっ! どうだ!」

「なんでハヤト君が偉そうなんだい?」

「これがハヤトです」

 

 

中から出てきた二人は無傷だった。心身共に一切の乱れがない。現に、初動を完全に防ぎ切ったとロズワールに剣先を突きつけるハヤトが歯を見せて豪快に笑う。

 

対するテンは落ち着いている。特に気にも止めず、垂れ下げた腕の先に伸びる刀を握る手には確かな力がこもっているだけで。

 

 

「おいロズワール。瓦礫の貯蔵は十分か?」

「なんだい? その言葉は」

「これが、ハヤトです」

「いくぞゴラァ!」

 

 

どこぞの一級フラグ建築士の台詞を吐いたハヤトがニヤリと笑いながらロズワールへと突撃。気持ちの昂りが故に、戦闘欲を抑えきれない彼は感情を剥き出しにして吠え猛り。呆れるテンがその後を追いかける。

 

 

「いいとも。来たまえ」

 

 

正面に迫るハヤトにロズワールは悠々とした態度を崩さない。彼を見据え、拳を緩く突き出す。それは、背後に構えた数百を超える武器達への突撃合図。

 

放たれた弾丸が大気を押し退けながら進む。弾こうが、避けようが、打ち落とそうが、無限に迫るそれらは宮廷筆頭魔導師の殺意の塊で。

 

 

 

 場所はロズワール邸、中庭。天気は曇り。気温は少し肌寒いと感じるその日。

 

 芝生を暴風が吹き荒らし、狂気の山が男達へと牙を剥く。

 

 

 

 

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「散らばれ! 一緒にいたらお前の振り回す大剣に殺されかねない!」

 

「もう少し言い方考えろや!?」

 

 

全方位から迫る狂気を弾くテンがハヤトに追いつけば、背中にかけた声にハヤトが怒るような声色と一緒に大剣をテンの体へと振り回す。

 

当たれば間違えなく下半身と上半身を真っ二つにされる刃に咄嗟に屈んだ瞬間、頭上で火花が散り、鋼と金属が衝突した耳障りな音が鼓膜に爆音で聞き届けられる。

 

大剣を振り抜き一閃。その場で回転するハヤトは素早く身を回し、正面から乱れ打ちされたレンガの弾丸を弾き落とした。数発体を掠るも、そんなの許容範囲内だ。

 

不意にハヤトの後方でけたたましい破裂音が轟く、見る余裕などない。後ろにいるのは自分の相棒、背中を任せた存在、彼が後ろから迫ったのをなんとかしてくれたのだろう。

 

心強いと思う。が、心強いだけで突破できる相手じゃないのがロズワール。例えテンがいても、まずはこの状況に目と体を慣らしていかなければいずれは数に押し切られるはず。

 

先端が尖った太い枝の刺突が、レンガの弾丸による乱れ撃ちが、鉄による打撃が、刃こぼれしたナイフによる斬撃が。ありとあらゆる方向ーー死角を含めた全方位から襲い掛かる同時攻撃。

 

それはまさしく、防ぎようのない全体攻撃だ。均衡を保てているのは二人の実力が理由か、もしくは相手の温情が理由か。おそらく後者だ。

 

一瞬でも気を抜けば刃を抜けた狂気に一撃をモロに入れられる。その先にあるのは容赦のない絨毯攻撃、待ったなしの弾丸の一斉攻撃。

 

だから互いの刃の影響が及ばない一定の距離感を保ちながら戦う二人は、しかし互いが互いを庇うように剣を振るう。どちらが隙を晒せば、どちらかが瞬時に庇い、守り、守られるように。

 

 

「ぐふぅ……!?」

 

 

不意にハヤトの耳に届いた救難信号に彼の体が頭よりも先に動く。左右から押しつぶすように突貫した大木を回避したところで、真後ろへと一気に駆けた。

 

振り返る視界に映るのは、一抱えはある岩に体をくの字に折られるテンだった。

 

力押しで敵わない攻撃力。這い寄る蛇のように足元から撃ち込まれた風を纏う弾丸はこの状況ではとても回避できず、僅かな隙を晒した。その隙はロズワールにとっては決定的な隙だ。

 

くの字に折れる体を追撃するのは、あり得ないことにナイフだ。どこがゴミなのかと問いただしたいそれは刃こぼれしているものの、速度があれば十分殺傷能力はある立派な凶器。

 

 眼前、顔面を抉るそれが当たるーー、

 

 

「ドーナぁ!」

 

 

 直前。

 

テンの体が真横から生えた岩の柱によって押し出される。寸前に頬に鋭い熱が走り、赤い血液が垂れるがそんなものは気に留めない。

 

考えるまでもなくハヤトによる魔法だ。咄嗟の判断、自分の体では追いつけないと本能的に理解した彼は、テンの体そのものをズラして射線上から逃げさせた。

 

ただ、あまりにも勢いがあったお陰で片腕で受け止めるのに若干苦労はしたが。

 

 

「横に跳べーーッ!!」

 

 

叫び、反応し、跳ね飛ぶ。

 

珍しいテンの叫び声に脊髄反射でその場から飛び退いたハヤトと彼に投げ飛ばされたテン。途端、真上から物体が豪速で叩きつけられた。地面に軽く地鳴りを起こす勢い突き刺さるそれは二人の何十倍もある巨大な大木。

 

本気で殺りにきている攻撃が先程から止まない。最初からクライマックスかと思ってしまうほどに攻撃が熾烈だ。

 

普通このようなものは徐々にテンポアップしていくのが鉄板ーーなどと考える余裕はない。そんな暇があれば今この瞬間を凌ぎ切る事に意識を注ぐ方がずっと有意義。

 

 

「分かれるよ! 的を絞らせるな!」

 

「分かった!」

 

 

受け身をとり、視界に映る光景に戦慄したテンがそう叫び。従うハヤトが声を響かせた途端、二人は別々の方向に駆け出す。リスクのある行動だが、互いの戦闘スタイルに差がある二人はこの方が比較的立ち回りやすい。

 

ハヤトはどっしり構える火力戦闘を好み。テンはひたすらに疾走する機動力戦闘を好み。一つの場所に固まってた方がある意味では自分達の持ち味を殺してしまっているとも言える。

 

それに、こっちの方が自分の事だけに集中できる。付け加えるならば自身の余波でもう片方に被害がいく心配が無くなる。

 

ハヤトが良い例。彼はテンの骨折事件という前例があるため割と気を遣っていたが、これならば守りよりも攻め、攻撃は最大の防御を掲げる彼はやりたい放題できるのだ。

 

分かれた選択は。ここから攻撃が熾烈化した場合への備えが厳かになる反面、自分のやりたい事が遠慮なくやれるハイリスクハイリターン。

 

しかし、二人は躊躇なくそれを選び。結果として庭園の二ヶ所で爆撃でも起きているのかと思ってしまう戦闘が展開されることになる。

 

 

「ちぃぃ! さっきからチクチクさせやがって。イラつくんだよッ!!」

 

 

串刺しにする狂気に後退するハヤト。蹴り上げた芝生が抉れる勢いは彼の身体から狂気を確実に遠ざける。危なかった、あと数秒遅ければ間違えなく肉体が抉られていた。

 

しかし、狂気は迫り続けた。地を滑るように体制を立て直す彼は、尚も慣性に身を任せ続ける。滑る身体、揺れ動く視界、その中で見据えたのは瓦礫の乱れ打ち。片手に握れる大きさのそれが六つハヤトの体へと撃たれている。

 

 

「おらァァ!」

 

 

一つ、右へ薙ぎ払い。

二つ、切り返す勢いで一刀両断。

三つ、大きく沈み込み姿勢を低く避ける。

四つ、三つ目が背中に直撃。気合いで受ける。

五つ、痛みを力に変え真上へと切り上げる。

六つ、振り下ろす斬撃で叩き落とす。

 

 

「こりゃぁ、キツイな……!」

 

 

ロズワールの意志を宿すそれが一呼吸のうちに緩急をつけて迫るのだから凌ぐので手一杯。

 

しかし、たった六つの瓦礫を落とすのに二秒も経たないとは。自分も大剣を振り回せるようになってきたものだと内心思う。

 

最近は小枝を振り回すように振れるようになった大剣。それができれば、この弾丸に対しても少なからず被弾を抑えられる。だとしても決して無視できない致命傷が着々と刻まれつつあるが。

 

 

「ンなの、関係あるかァーーッ!」

 

 

感情が爆発し、呼応する闘気が燃え上がる。

 

嵐のような攻撃を前に、対抗するハヤトはその場にとどまり嵐のような斬撃を繰り出した。量に対して量で挑むならば、同等の斬撃を振り続けなければならず。勝ちにいくのであれば上回る量を叩き込むのが必然で。

 

故に回避するためのステップ以外では大きく動かない、その場で全て迎え撃つ。

 

迎え撃つ、まだ足りない。迎え撃つ。まだ攻撃は止まない。迎え撃つ、痛みを堪える。迎え撃つ、踏ん張る。迎え撃つ、まだ終わらない。まだ、まだ、まだ、まだ、まだまだまだまだーー、

 

 

「まだだァァ!!」

 

 

上下、前後、左右。それら全てを感覚だけで理解する彼は野生的な本能が今この瞬間、目を開け始める。

 

この感覚は魔獣の森に放り込まれた時に近しい、研ぎ澄まされた本能が危険信号として彼の心に呼びかけ、反応する肉体が狂いなく迎え撃つ。

 

背中に感じた違和感に半身を逸らす。通過する岩の弾丸が前方から刺突する枝と衝突、残骸を撒き散らしながら両方が弾け飛んだ。この無差別攻撃だ、相手の攻撃を利用すれば攻撃も防げるか。

 

逸らした時点でハヤトは大剣を振るっている。視界に捉えられた大木を大剣の腹で打ち返し、頭上から縦に回転しながら降ってくるパイプを切り落とす。

 

 

「ウル・ゴーア!!」

 

 

振り下ろす斬撃の軌道を無理やり捻じ曲げ、体の捻りを駆使した真横への一閃。マナへの全身全霊の呼びかけにゲートが火を噴いて応えた。その一閃を赤く燃える炎がなぞる。

 

炎の斬撃ーー決して大剣に纏わせたわけではないが斬撃の軌跡を刹那でなぞる赤色は瞬間的に前方、瞬間の閃光が起点となり、解き放たれた炎がしなり、夥しい量の狂気へと爆発を引き起こした。

 

触れる全てを溶かす灼熱はハヤトの心を体現したように尚も燃え盛り、狂気を消し炭にしていく。それはまるで伸びる斬撃。

 

迫る狂気に対する応酬は真っ赤な炎。魔法の新たな可能性を見出した彼は勢いに乗った斬撃を四方八方に繰り出す。斬撃の後を追うのは炎、詠唱が轟く度に生じたそれが起爆剤となって爆発。

 

その光景はまるで、大規模な魔法の衝突が行われている一つの爆心地。襲撃する狂気など相手にならないと吠える炎がそれらを燃やし尽くし、光る閃光と燃える炎、その中でハヤトは荒れ狂う。

 

魔法を遠距離攻撃だと思っていた自分が馬鹿だった。こうして斬撃と一緒に大爆発が起きたら相手からすれば恐ろしい事この上なし。

 

 

「ーーッはは! 炎の大剣も悪かねェな! どこから来ようが関係なんざねェんだ! この調子でどんどん来やがれェ、ロズワールゥ!」

 

 

ギリギリに追い詰められながら、しかし好戦的にハヤトは笑う。自分のやりたいことがこうも簡単にできると爽快感を得られた。高揚感に心が昂り、戦いの中でしか得られない言い表しようのない感情が噴火。

 

まだやれる、こんなものではないはずだ、もっと戦える。自分自身にそう言い聞かせる彼は己の限界へと挑戦し、その先へと手を伸ばし続ける。

 

 

 そんな彼の周りを先程から駆け回り続ける一つの風があった。

 猛々しく吠える彼とは対照的に、無言の存在が一人。疾風の如く芝生を滑っている。

 

 

「ーーーッ!」

 

 

その存在ーーテンだ。一ヶ所に留まり続けるハヤトとは違い、彼は中庭全体を戦闘フィールドにするかのように疾走。追随する狂気を弾きながらひたすらに的を絞らせないように目まぐるしく動く。

 

割と身軽なテン。武器も大剣のように重量のあるものではないため、彼は自身の持ち味を少しでも力に変えるべく足を回し、追いかける狂気から逃げ続ける。

 

しかし、ロズワールとて馬鹿ではない。移動先を予測した大木が弧を描くようにして回り込み、前方から急接近。それも左右からの挟み討ちを含む三方向、後ろからの追撃も含めれば四方向からの緩急をつけた攻撃付きで。

 

横は無理だ。後ろに逃げるなど選択肢にはない。ならばとテンは大木へと駆ける速度を上げる。仮に跳んで回避しようものなら宙に晒した肉体が撃ち抜かれてしまう。

 

 選択肢はひとつだけ。

 

 

「しっーー!」

 

 

刀を大きく振り下ろし、大木に叩きつけた刀を支点に跳ねる肉体が縦に一回転しながら大木スレスレ、真上を流れる。前しかないなら飛び越えるまで。高く飛びすぎると撃ち落とされるから、刀で受け流すように。

 

 

 ーーダメだ、一回転じゃ足りない。着地が不安定になる

 

 

予想より長い大木を視界に捉えたテンは、回る勢いそのままに両足を大木に叩きつけて踵落とし。反発を得た肉体が前方へとパチンコのように跳んだ。

 

予想外な挙動に目が見開く。本当は上に行きたかったが、肉体は心とは裏腹に前へとぶっ飛んだ。流法で強化された肉体は相変わらず本人でさえ理解できない挙動を偶に見せ、困惑させてくる。

 

しかし、自身の想定を越えた状態で受け身を取るのは慣れてる。空中で体制を立て直すのは投げられ続けたお陰で身に染み込んでる。

 

世界の景色と並行に保ち、無理に動かず、飛行機の着陸のようにーー、

 

 

 ーーバカか! お前は!

 

 

「ーーーッ!」

 

 

素早く身を捻り、右から飛来したナイフを弾き飛ばす。続け様に撃ち込まれた弾丸を横目に捉え、左手を大きく振って身を回し、完全に後方に体を向ける。四連撃、瞬きの間に迫った瓦礫をめった切りにした。

 

 

「着地ぃぃぃ!!」

 

 

本能からの呼びかけを声に出した理性が最大の警戒を己に呼びかける。

 

着地と同時に体幹に全力の力を込め、芝生を滑る両足に意識を半分を向ける。後ろを向きながら滑るのは危険だが四の五の言ってる場合ではない。

 

さっきは危うく死ぬところだ。着地のことが思考の中心を陣取ったせいで、自分が何と戦っているのかを無意識に端に追いやっていた。けれど、着地した今は意識の半分を狂気へ。

 

瞳を目まぐるしく動かし、耳で微かな風の流れを読み取り、己に向けられる電流のような殺意を肌で感じ取る。結果として四方から攻撃が開始されている恐ろしい現実が理解できた。

 

緩急をつけた攻撃。ならば、一番近いものから刀で確実に捌く。二番目は魔法で対応。あとは死に物狂いでそれを繰り返せばいい。簡単に言ってくれるものだ。

 

 

「ーーーー」

 

 

真正面から先程土手っ腹に撃ち込まれた岩が、丁寧なことに数を増やして来ている。凹凸のあるそれは当たりどころが悪ければ最悪、一発で骨を持っていかれそうな純粋な凶器。

 

 

 ーー斬れるか? 否、斬れ

 

 

魔法で切れるならば斬撃で斬れないはずがない。魔法は使うな、二手目の攻撃に遅れが出てしまう。大きな被弾を抑えるならやるしかない。滑りながらの戦闘は初めての試みだが、これもやるしかない。

 

何もかもが初めての試み。やれるかどうか不安しかない。

 

 

 ーーやれるか? 否、やれ

 

 

「スパルタかよ、俺の心の声ぇぇ!」

 

 

不安をかき消す声に怒号を重ねるテンが射程圏内に突入した岩に刃を振り下ろす。柄を握る両手に伝わる振動が物体の硬さを物語り、しかし歯を食いしばるテンは思いっきり振り切る。

 

振り切れた。斬れた。安堵、喜んでいる暇はない、次が目の前に来ている。感情すらまともに追いつかない戦場とは、流石ロズワール。変態魔導師は鍛錬の難易度も変態だ。

 

斬撃に斬撃を重ねて斬り落とさなければならない標的を睨むテンは、正しく斬撃に斬撃を重ねる。一つや二つでは足りない、何十にも重ねて、時折防御を抜けた弾丸を身に受けるが、しかし堪える。

 

 

「アル・フーラぁ!」

 

 

凌ぎ切った正面。最後の一つを受け流した直後、真左からの緩急に右脚を大きく伸脚、意地でも体制を保つテンが柄を離した左拳を突き出して詠唱。ゲートから何かがごっそりと持っていかれる倦怠感に口から胃液が吐き出た。

 

主の呼び声に呼応したのは大規模な暴風、不可視の刃。鰯の群れを幻視させるナイフの群れを一つ残らず弾き飛ばし、刃の侵入を許した物は乱雑に切り裂かれる。

 

それだけではない。暴風を左拳から放出したことで、反動に負けるテンの体にかけられていた慣性が無理やり捻じ曲げられる。反対側、後ろに進むだけの体が右側へと弾き飛んだ。

 

伸脚で沈む体。折り曲げた左脚と開く股、更には慣性に振り回される肉体そのものが悲鳴を上げるも、掻き消すように頭を大きく下げる。疑似的なスライディングの形を取る彼の耳を掠るのは暴風だった。

 

通り過ぎたのは三番目の攻撃、いささかバリエーションに欠ける大木。しかし当たれば意識を根こそぎ持っていかれるそれが恐ろしい速度で滑る体の真上を通過する。

 

二番の攻撃と三番目の攻撃に同時に対応する魔法攻撃。しかしあくまで一時的な時間稼ぎに過ぎない、最後の四番目と避けた三番目が来る。

 

 

「ーーらっ!」

 

 

刀を芝生に突き刺すテンは慣性をどうにか殺すべく力を込める。そろそろ身体がおかしくなる頃合い、振り回され続けた仕返しにこれでもかと突き刺した刀に力を注ぐ。

 

芝生に刻まれる跡がその異常性を物語る。土色の軌跡が縦に刻まれ続け、尚も止まる気配は無い。当たり前だ。『アル』の力を無理やり止めようとしているのだから。

 

このまま行けばいずれは止まる。残念なことに、このまま行くわけなどがないが。

 

 

 ーー呼吸が、追いつかない

 

 

大分弱まった慣性を感じたテンは刀を引き抜いて身体を起こすと、咄嗟に横に跳ねる。残った力を上に逃し、尚且つ真上から落ちて来た物体を避けた。

 

休む暇がない。一呼吸つく暇がない。永遠と終わりのない戦いは浅い呼吸を何度も繰り返させ、酸欠を起こさせる。頭が重いのはそれが原因だろう。

 

 

「ーーーっ!」

 

 

前方から空気を押し進めながら大木が特攻してくるのが見える。三番目のやつだ。なんとか無効化しなければ何度でも来る厄介な相手。

 

息を詰めて地を蹴る。真正面から戦いを挑むテンは衝突の瞬間、刀の腹を自分と大木の間に割り込ませて受け流した。ただ受け流すだけで暴風に身体を持っていかれそうになる事には戦慄しかない。

 

 だから、もう一手。

 

 

「エル・ゴーア」

 

 

低く静かに詠唱。酸素を極限まで削った声が風に攫われた直後、刀に触れた大木の部位に火が灯る。弱く小さな炎、しかしその炎は自らが纏う暴風によって規模を拡大し、大木を地獄へと誘った。

 

燃えカスの大木を見送り、一難去ってまた一難の状況は防げたとテンは安堵し、

 

 

 ーー四番目はどこいった?

 

 

理解はない。その場にいてはならないと本能が反応した結果、その場から大きく飛び退く。

 

 

 ーーまだ終わっていない、まだ前と左右のしか防いでいない。油断した、バカか俺は。そんなことを考えてる暇があれば早く探

 

 

「ぎっ!?」

 

 

不意に背中に熱が刺さる。一つではない、違和感は三つ。皮膚を無理やり突き抜ける鋭い痛みに思わず表情が歪んだ。

 

液体の弾ける不愉快な音が聞こえる。後ろから風に乗った血潮が辺りに撒き散らされる。理解するまでもない。これは自分の血。三本のナイフが背中にブッ刺さっている。

 

やられた。避けることを予測されていた四番目。熾烈な三連続を防がせた後、素早く背後に忍び寄る狡猾な暗殺者。

 

 

 ーー止まるな! 動け!

 

 

「ーーーッッ!」

 

 

心の怒号に瞬間で無理やり身体を回し、刹那の停滞のズレを補う。振りかざした刃とナイフが衝突して火花が散った。

 

見れば、既に周囲を囲まれている。大小様々な狂気が。これではゴミにトラウマを刻まれそうな勢いだ。一体どこまでやれば地獄は終わるのか。先程から思考が定まらない。

 

 

 ーーいや、もう考えるはやめよう

 

 

握る柄を軽く握るテンは体の力を抜いて、疾走。追尾する弾丸を弾き、避け、当たりながらも足を止めることはない。ひたすらに凌ぐ。

 

 

 

 凌ぐ。凌ぎ続けるしかーーーー、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲▽▲▽▲▽▲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 テンは、目を開けた。

 

 

 

 

「ーーーー」

 

 

空が闇に包まれつつある。視界の端っこから端っこまでを埋め尽くす光景を一言で表すならそう言うのが一番当てはまっている。曇りでなければオレンジ色の空が見えただろう。

 

というよりも、今自分は何をしているのかと疑問に思い意識を空から自分へと帰還させれば、寝転がっていることに気がついた。芝生のチクチクとした感触がうなじを弱く刺激している。

 

どういった経緯でこうなったのか意味が分からなかった。確か、自分は弾丸並みのゴミを死に物狂いで凌いでいたはずーーなのだが。どうしてか、空を見上げている。

 

思い出そうとしても記憶が曖昧だった。ただ、激痛と呼吸の苦しさだけはハッキリと覚えている。二度と経験したくないと思えるそれが、永遠と続いていたのはなんとなく分かる。

 

 

「起きたか」

 

 

身体を起こした時に横からハヤトの声が聞こえた。声の方向に首を回せば、胡座をかくハヤトが自分にハンドタオルを差し出している。

 

状況の混濁に何がなんだが分からないテンは取り敢えず受け取り、額から垂れる汗を拭い、

 

 

「何がどうなってこうなった?」

 

「俺もお前も気絶したんだとさ」

 

 

簡単に口にしていい言葉ではない言葉をすんなりと口にしたハヤト。彼は悔しそうに「情けねぇ話だな」と顰めっ面で舌打ち。そのまま言葉を紡ぎ、

 

 

「瓦礫の山が全部崩れる少し前。先にお前がぶっ倒れて、それに動揺しちまった俺が一撃に気絶。それが今から数十分前のことだ。あと少しでやれそうだったんだけどな」

 

「なるほど。だから記憶が曖昧なのか」

 

 

気絶した記憶はない。寸前の記憶もない。となればそれだけ必死に戦っていたということ。記憶に残らない程の戦いとは、一体どんな戦いを繰り広げていたのか気になるところだ。

 

なら戦いの傷跡はと思い視線を辺りに巡らせるが、不思議なことに熾烈な戦闘を繰り広げたはずの中庭は美しく整理されていた。

 

弾き、燃やし、切り落としたはずの狂気は跡形もなく。魔法を使ったことで焼け焦げた芝生は緑が豊かに整えられ、地面を蹴ったことによる抉れた跡もない。

 

 

「ロズワールが全部直したんだとよ」

「マジか」

「マジだ」

 

 

困惑の声を漏らしたテンへの返答は答え合わせ。なんでも、二人が気絶している間に魔法で全て元通りにしたのだとか。

 

風魔法でゴミを片付け、地魔法で抉れた土地を整地したと。相変わらず化け物じみたマネをする人間である。否、人外である。

 

 

「じゃあ、傷は?」

「エミリアが」

「そっか。なら、お礼言わないと」

 

 

思い出したかのように身体を確認するテンは、しかし傷跡が一つもないことに驚き。問い掛ければハヤトは右手の握力を確かめるように握りしめる。

 

ハヤトが語ったロズワール曰く、

 

 

「いやぁ、申し訳ない。頑張る君達を見ていたらこのわぁーたしも興が乗ってしまってぇーね。少しやり過ぎちゃった」

 

 

だそうだった。

 

多少の傷は覚悟していたものの、まさか流血までさせるとは何事かと考えていたが、ロズワールの落ち度だったらしい。久しぶりに楽しかったとかなんとか。

 

冗談も程々にしてほしいと思うのは二人共通だ。あればやりすぎなんてレベルではない、確実に殺しに来ている攻撃だった。辛うじて生き残れたものの仮に死んでいたどうしてくれていたか。

 

 

「くっそ、マジで悔しい。あと少しだったのに」

 

「そうねぇ。でも刀の扱い方、なんとなく分かった気がするから俺としては満足かなぁ」

 

 

拳を地面に叩きつけるハヤトが悔しそうな表情を表に出し、口元が物言いたげにモゴモゴしているが。彼の隣に体育座りするテンは満足そうな声色。空を眺めながら呑気に語る。

 

元々の目的は『我流』となる剣術を体に覚えさせること、手足を動かすように刃を振るえるようになることだ。その意味では、今回の鍛錬は十分すぎる経験値を得られたと言える。

 

が、そこで満足しないのがテンの隣で力強くガッツポーズをとるハヤトという男。

 

 

「それは前提条件だぜ。アイツの試練を乗り越えてこそ、真に力をつけたと言えるからな。次回、再挑戦だ」

 

 

地獄を味わってもなおハヤトは挑戦し続けるという。その様子から察するに彼からすれば地獄でもなんでもないのかもしれない、戦うことが大好きな彼は過酷な試練であればあるほど燃える展開だと昂りまくる。

 

つまりテンにとっての地獄は、ハヤトにとっての天国。どっちが正常な頭をしているか、それは受け取る人間次第だ。

 

恐らくは大多数の人間がテンが正常な頭をしていると言うが、稀にハヤトのような人間も中には存在しているだろう。できればその人が彼の前に現れないことを祈るばかり。

 

そんな、戦闘大好き人間に染まりつつあるハヤトはテンに視線を送り。向けられたテンは面倒そうに息を溢し、

 

 

「テン。リベンジマッチ、お前もやるよな?」

「嫌です」

「分かった言い方を変える。やれ」

「嫌です」

「やれ」

「嫌です。帰って寝ます」

「叩き起こす」

「なら斬り殺す」

「雑な扱いだなっ!?」

 

 

などとハヤトからの誘いを右から左へと受け流し、受け流させんとするならば斬り殺すと冷たく返しながら、その日は屋敷へと帰ったのだった。

 

 

 

 

 







どうでしたか? 私的にはいい練習になったので満足していますが。読者の皆さんとしては文字だらけのお話で目が疲れていたりしませんか?

もしそうだったら、せっかく読んでくださる方がいるのに申し訳ないです。でも、なぜか文字だらけになっちゃうんですよね。

今回は戦闘回だったので次回は日常で。のんびりといきます。


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