お労しい兄上になったんだが…ここどこ?   作:gnovel

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閲覧ありがとうございます

完結までなるべく毎日投稿を心掛けたいと思っている次第です

それではどうぞ


第拾話

「ねぇ~!みてみて!みこ!!」

 

ハナがそう言って見せてきたのは、あの神社で撮った写真だった。

ハナには見えていないけど、後ろにあの巨大な何かが写っていた

 

(写真ではこんなにはっきり写ってるのに……やっぱり見えてないんだ)

 

『……』

 

(黒死牟さんも……凄い見てるし)

 

この前神社に行った時のことを話してから、あの神社のやばさを黒死牟さんから教えてもらったけど……

まさかあの黒死牟さんが神社にすら入れないほどだとは思いもしなくて、私があれに遭遇するまで無防備だった事実を知った時は、怖かったなぁ……

 

『……只者……では……なさそうだ……』

 

「でね!?みこ!あたし、写真の才能があると思うの!」

 

そういってハナがインスタントカメラを取り出して私を撮った

そして出てきた写真には私と、たまたま近くを通り過ぎた何かと私の隣にいた黒死牟さんの首から下の部分がうっすらではあるけど写っていた

 

『……写真……とは……興味深い……ものだな……』

 

黒死牟さんが物珍しそうにカメラと写真を見ているのを横目に隣から

 

「すっごく素敵な写真!絶対才能あると思う!」

 

どうやらユリアちゃんが写真を見に来たようだ。その反応からしてどうも写真に写っていた何かを見ての感想のようだけど……

 

『……なるほど……こ奴……確かに私の姿は……見えるようだが……存在を……極力消した……私のことは……見えてないようだな……』

 

『……物の怪が見えている……者ならば……はっきり見える……私が……異常なだけか……』

 

黒死牟さんの言葉を聞きながらハナとユリアちゃんは、写真を撮るためのおすすめスポットに行く話をしているらしい

 

「みこも行かない?」

 

ハナがそう聞いてくる

 

(ハナとユリアちゃんが心配だけど……)

 

黒死牟さんをちらりと見る。流石に私以外も守ってもらうのは図々しいかな……?

そう思っていると

 

『……主の命ならば……私は……この2人も……守るとしよう……』

 

「うん、わかった。いつ行くの?」

 

本当に黒死牟さんには感謝しきれない……帰りに本屋に寄って本を買おうと決意した私だった

 

 

 


 

~ユリア視点~

 

土曜日。ついにこの日が来た!ワタシの知っている有名な心霊スポット、そのトンネルに!

この前は何故か意識が飛んじゃったけど、あれは恐らくみこの仕業だと確信した!

恐らく、あれの意味は

 

『今回は見逃してやる 見なかったことにしろ』※ユリアの妄想

 

っていう意味だったんだわ!でも……それに屈しているようではダメ!

だから今日このトンネルを利用してみこの実力を改めて計りなおすことにしたの!

 

……ハナちゃんを巻き込んだのは申し訳ないと思うけど、この作戦に欠かせなかったのも事実。さぁ、みこ!その力を見せてもらおうじゃない!

 

「……」

 

「みこ?どうしたの?」

 

「みこ?」

 

どうしたのかしら?急に立ち止まって……はっ!?もしかしてみこには既にこの先にいるであろう霊のことを感知してるの!?

そして恐らく立ち止まったのは、具体的な数とその脅威を把握するため……!

やるじゃない!みこ……!

 

「……ううん、何でもない」

 

あれも誤魔化すための嘘!そしてハナちゃんが、少し怖がってしまったけど……何とか誘導して写真を取らせることに成功した!

 

「いっくよーっ」

 

「……私だけ?」

 

さぁ、どうするの?近くに霊たちが寄ってくるけど……どう対処するのかしら?

 

「……します

 

(……?何か聞こえた気が、ってえ!?)

 

今ワタシは信じられない光景を目の当たりにした!みこが何かを言ったかと思ったら、周りにいた無数の霊が一瞬で祓われた!?

な……なんて霊能力!みこの力は想像以上に強い!

そしてハナちゃんの写真には祓われる瞬間が写っていたけど、それでもわからない!みこ、恐ろしい子!!

 

……あれ?みこ?どうしたのかしら、一点を見据えて……そこに何かいるのかしら?

ちょっとみこ!?なんで私を締め上げてくるの!?……あっ、また意……識が……

 

ワタシの覚えているのはここまでだった……次は絶対負けないんだから!!

 

 

~みこ視点~

 

私達がついた場所はいかにもっていう雰囲気が漂うトンネルだった。見たら分かる、ここ怖い所だ。って

ここに来るまでに黒死牟さんと話してたけど

 

『……祓うことは容易いが……まだ……姿を消しながらでの……攻撃は……未だ不完全……よって……姿を消しながら攻撃できるのは……少しの間のみ』

 

『……みこよ……合図を……任せたぞ……』

 

黒死牟さんは、ユリアちゃんに見られないようにするために極力姿を消しながら行動するらしい。

だけど攻撃と透明化を両立させるのはまだ未完成らしいから合図を送ることになっている

合図は小声で「お願いします」ということになった。下手に動きで合図すると勘違いされる可能性があると言われて納得した。

 

「いっくよーっ」

 

「……私だけ?」

 

こうしている間にもどんどん迫ってくる……そろそろかな?

 

「……お願いします

 

すると一瞬で黒死牟さんが祓ってくれたのを感じた……どうやら見られていないみたい……

そしてハナ達に帰宅を促そうとしたけど急に黒死牟さんが刀を構え始めた……?

 

『……みこよ……ゆっくりだ……ゆっくりと……その場を後にしろ……』

 

黒死牟さんの忠告と共に私の傍に飛び切り大きい何かがいることに気づいた。

なんなの!?これ!?

 

ってやばい!?何かがハナ達を狙っている!?

せめて遠ざけなきゃ!

 

『……参……る!?……』

 

……?どういうことだろう?私の傍にいた何かが祓われたように見えたけど、どうも黒死牟さんの仕業じゃないみたい……?

ふと私の傍に何かがいる気がして、目を向けたらそこに

 

『……』

 

(あの神社にいた2体の何か……!?)

 

そうして指を一本だけ上げて何かを言ったかと思うと黒死牟さんが

 

『……!待て……!逃がさんぞ……!』

 

『!』

 

黒死牟さんが駆け寄り、刀で斬りかかった時には姿を消していた……なんなの、一体

 

『……逃がしたか……あれが……みこの言っていた……奴らか……!』

 

『……奴は……人差し指を立てながら……『いっかい』と……言っていた……!』

 

私は、あの時言われた内容を思い返して黒死牟さんの証言と照らし合わせてみることにしようとしたけど、

……ユリアちゃんを抱えたままにしたのを思い出してふとそっちに意識を向けると

 

「」

 

「あっ」

 

……ごめん、ユリアちゃん

 

それから帰りのバスで写真を撮って帰ったけど……帰りの道中も黒死牟さんは無言だった。

どうしたんだろう……

 

 


 

『……あの物の怪……これまでのとは……何かが違う……』

 

俺は今日遭遇したあの物の怪について考えていた。確かに俺が祓おうとしたあの物の怪は図体こそ大きく鎖を振り回していたため弱くはなかったが、

それを打ち祓ったあの物の怪からは、他の奴とは違う何かを感じた……

 

『……「いっかい」……「一回」か……』

 

おそらくあれは3回あるうちの1回という意味だろう。つまりあと2回奴らが来るということだろう

少なくともあと「2回」使い切ったらみこに危害が加えられる可能性があるのは間違いない……

 

『……そのためには……やはり……あの神社に行かなくては……』

 

しかし現状、自分にはあの結界を破る術は無い……どうしようかと途方に暮れているが、

 

『……考えるだけ無駄……か……とにかく……鍛錬あるのみ……今宵も……行くとするか……』

 

こうして俺はまた闇夜に紛れて物の怪を狩りに行った……その顔にはどこか焦燥感を漂わせながら




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