お労しい兄上になったんだが…ここどこ?   作:gnovel

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閲覧ありがとうございます!

今回微グロ要素があるのでご注意ください。

それではどうぞ


第拾参話

『……あ奴ら……まさか……』

 

俺はあの後奴らを斬りつけた際に神去についていた血を飲み、奴らについて探ってみることにした。

 

だがその結果は、これまでの認識を覆すほどのものだった。

 

『……あ奴らも……元は人間……!』

 

少なくともほんのわずかではあったが血から得た情報だった。更に意識を集中させていると更に気づいたことがあった

 

どうも奴らは何かに雁字搦めにされているだけの犠牲者であったことが伝わってきた。

 

『……この感覚……鬼として生きてきたころに感じていた……無惨の呪縛に……似ている……』

 

以前自分も上位の存在に己が身を縛られていたことがあった為、奴らの血の中に混じっている異物の正体に気づくことが出来た……

 

それだけではない、俺が斬った内の一体の方に(大分擦れてはいたが)記憶の中にあの老婆の若き日の姿が映っていたのだ

 

『……まさか……そこで繋がりが……あるとはな……』

 

だが……もう一人、あの記憶から読み解く限りではいたのだ。とはいえほんの一瞬しか映っていなかったが……

 

『……恐らく……このもう一人も……物の怪が見えるはずだ……でなければ……あんな怯えたような表情は……しないはずだ』

 

一通り得られた情報をまとめ、奴らと一時的に繋がることが出来るかどうか試してみたが……

 

どれも失敗した

 

『……やはり……駄目か……得られた血が……少なすぎたか……』

 

『……かと言って……多すぎても……逆に……侵食されかねない……』

 

兎に角、最後の1回が終わってからどうなるかが検討が付かない以上みこの護衛を続けることに専念するとしよう……

 

ふと考える

 

『……或いは……奴らに……ある程度……近づければ……あれの内側に入れるか……?』

 

奴らの血をもっと手に入れて奴らに少しでも近づくことが出来れば結界を破れるようになれるのでは、という仮説を立ててみたが確証性があまりにもなさすぎることでこの作戦を忘れることにした。

 

そしてこれまでの2回の出現について考えているとふと気付く

 

『……それにしても……奴らの出現する条件が……曖昧だな……』

 

みこの脅威を感じて出現すると思われたが、どうも俺がいるのにも関わらず2回とも出現したのだ。

 

更に言えば2回目の際には、いつもより撤退するのが遅く感じたのも事実だった。まるで俺に敢えて斬られるためだったような感覚を覚える……

 

『……奴らも……解放を望んでいるのか……?』

 

『……となれば、敢えて3回目を誘発させることも考えるべきか……?』

 

色々考えた末、恐らく俺がみこに物の怪を寄せ付けないようにしていても奴らは隙を見計らって現れると読み、その時に備えることにした

 

『……私ではこれが限界か……まったく……嫌になる……』

 

 


 

「良い席ゲット!」

 

今日はハナと映画を見に来た

 

ハナの持っているポップコーンの量がえげつないことになっているけどいつもの事なので気にしないことにした。

 

黒死牟さんは後ろの付近に立っている。そこから私とその付近を見守るとのこと

 

「あっ、始まるよ!」

 

ハナと映画見るのも久しぶりなことを思い出しながら、映画の方に意識を向けようとすると……なんか立っている人がいて見えなくなってしまった。

 

(邪魔だな……この人、なんでずっと立ってるの?)

 

そう思ったのもつかの間、目の前にいた人の頭部から無数の目が飛び出してきたことで、それが異形の何かだったことに気づいた……

 

(あぁ……そう来るんだ……)

 

『……そこもと』

 

『?』

 

黒死牟さんが近寄ってきて何かを話しているみたい……あれ?なんか私の後ろに指を指してない?

 

はっけん

 

(えっ?……こっちに来る!?…………あれ?)

 

「うわっ、電源切れたっ……まじかよ……」

 

どうやら後ろの席の人の方に向かって行ったみたい……その様子からどうも映画を撮影していたらしい

黒死牟さんが近寄ってきて

 

『……あ奴は……普段から……ああやって……この秩序を……守っているようだ……』

 

『……話の分かる奴で……助かった……』

 

そういって黒死牟さんは、後ろの方に戻っていった。なんでも、あの何かと意思疎通をある程度取れるように練習したとのこと。

 

練習すればできるもんなんだ……ともあれ前がどいてくれたので映画に集中できる!

私の意識は映画に集中していた。

 

 

 

 

『……今の子供らは……このような内容が……好みなのか……戦国の時より……随分……変わったものだな……』

 

『…………私が……古臭い……だけか……?』

 

みこたちが映画に集中していた頃黒死牟は、あることを行おうとしていた

 

『……さて……やってみるか』

 

この時黒死牟の手は己の目の一つに手を伸ばしていた……そして何かがえぐれる音と血の滴る音と共に黒死牟は自分の手でえぐったそれを袋に入れ始めた

 

黒死牟の顔には目が5つしか無かったが……目を瞑り、開けると再び6つの目が何事もなかったかのようにそこにはあった

 

そして袋を軽く握り、力を込めたかと思うとその袋からは黒死牟のものと同じ瘴気が漂い始めた

 

『……初めてにしては……上出来か……』

 

黒死牟は再び袋を仕舞い、周辺の監視を続けた

 


 

映画を観終わってハナと映画の感想を話したり、ちょっと寄り道をしたりして今日は楽しかったなぁ

 

帰り道黒死牟さんから渡したいものがあると言われ、小さな袋を受け取った。なんだろ……?これ

 

「黒死牟さん、これはなんですか?」

 

『……それは……護符替わりの……もの……効力は……あるはずだ……』

 

(触った感じ……丸い……?それに何かぷにぷにしてるような……?)

 

袋の外からでも分かる感触に考えを巡らせていると黒死牟さんが、

 

『……今……役立つか……どうか……分からんが……少なくとも……低級の物の怪を……退ける位には……力が籠っているだろう……』

 

(……?まぁ黒死牟さんが、大丈夫って言っているし、多分大丈夫なはず……だよね?)

 

そんなことがありながらも私は一日を終えた。

 

 


 

「……はっけん」

 

みこたちが映画を見終わり映画館をあとにする途中、とある男がみこを視界に捉えていた

 

その風貌はどこか奇妙で不健康そうに見える

 

「あれもはっけん……」

 

その視界にはみこの後に続く、異形の侍を捉えていた。

 

「……」

 

男は何も言わずその場から立ち去っていった……




兄上の力が籠った御守りの中身はナンダロナー(棒)

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