お労しい兄上になったんだが…ここどこ?   作:gnovel

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閲覧ありがとうございます!

一応見える子ちゃん編はもうすぐ終わりですが、引き続き番外編を出していきたいと思います。

それではどうぞ


第拾陸話

『……ここか……』

 

今私は黒死牟さんとあの神社に来ている。黒死牟さん曰く、だいぶ力を補給できたから危険なのは承知であの結界を破れるかどうかを確かめたいとのことだった。

 

私も正直気乗りはしなかったけど、確かに現地に行って直接触れなければ分からないというのは、仕方ないと思う。

 

そしてあわよくば入ることが出来たらあの2体から更に血を貰いたいと黒死牟さんが言っていた。

 

 

『……?以前とは……少し違うか……?』

 

ふと黒死牟さんが告げた。確かに……前来た時と違ってこんなに荒れていたっけ?もっときれいなはずだったんだけど……

 

 

『……さて……始めるとするか……』

 

そう言いながら黒死牟さんが入り口に向かって手を伸ばした。

 

一瞬何かがはじける音が聞こえたけど、黒死牟さんの手があちら側に入り込めたのを見て私も続いた。

 

『……では……行くとするか……』

「……わかりました」

 

こうして私たちは階段を登っていった。私がナビを見ながら歩いて黒死牟さんが私の傍にいるという状況だ。

 

 

 

暫く進んでいるとナビが目的地に着いた旨の連絡をしたけど……ここどこ?

 

「あれ……?なんで?……ここは違うでしょ?」

 

私がナビの不調を疑っていると黒死牟さんが刀を構えて私に静かに告げた。

 

『……みこよ……備えよ……既に奴らに囲まれている……』

(!?な……何かいる……!?)

 

携帯に目を向けていても周囲に何かがいることに私は気づいて、事前の話通りに無視を決め込んで黒死牟さんの傍を離れないようにした。

 

『……不埒物が……』

ギャアアアア

 

突然私の足元に刀を突き立てたかと思うと、足元から何かの叫び声のようなものが聞こえたのを耳にして私は恐怖で体が震えてしまいそうになる……

 

 

『……数が多いな……ならば……纏めて……叩き斬ってくれる……』

『……月の呼吸 拾肆ノ型 兇変……!?』

 

突然黒死牟さんが振り返るとそこにはあの2体がいた。そしてその2体も何かを祓っていた。

 

『……おいでましか……』

 

黒死牟さんが辺り一帯の何かを祓うと同時に後ろを振り向き、構えなおした。

 

 

『……差し詰め……あの大本が……焦ったか……それで……無理にでも3回目を……行わせにきたか……』

 

そういうや否やすぐさま黒死牟さんが斬り掛ったのをみると、あの何か達は敢えて喰らうように斬られた。これで黒死牟さんの目標は達成されたけど……

 

『……とはいえ……3回目が達成されてしまったか……』

『……みこよ……戻るとしよう…………!何奴……』

 

 

黒死牟さんが何かを感じたのか、ある一点を見つめている。そしてその正体に気づくと黒死牟さんが構えを解いた。

 

「久しぶりじゃないかね?」

 

そこにいたのはあの数珠を打っていたお婆さんだった。お婆さんがなんでここにいるのか分からなかったけど、私達はお婆さんの案内でこの山を下りることにした。

 

(やっぱりこのお婆さんも見える人なんだ……)

 

それから私達は近くのグァストにいって話をすることになった。

 

 


 

「あ、あのさっきはありがとうございました……」

 

私はこのおばあさん……ミツエさんにさっきのお礼をして、話を伺っていた。

 

「いいんだよ……それに何かあったらそこの奴が黙っちゃあいないだろうさ」

『……』

 

今私の隣には黒死牟さんが座っている。そしてミツエさんは黒死牟さんの方を指さしている。それからミツエさんがペーパーナプキンを広げて私にこう言ってきた。

 

「ブロッコリーがみこ、ニンジンがワシ、それからご飯粒が黒死牟、そして……コーンが()

 

ミツエさんが蚊と言っているのは何かのことだろう。その位置は全部当たっているけど……まだ私にしか見えて無い何かもいるからそれも伝えることにした。

……さっきから席の通路側に立っているこの何かを伝えるために私はコーンを置いた

 

「なるほど……ワシにはその蚊は見えん。山からついて来たのか?」

 

 

私がこの店に元からいたものであることを告げて、しばらく考えるそぶりを見せたミツエさんはある写真を見せた。

そこに映っていたのは紛れもなく私とハナ、そして黒死牟さんの後ろ姿だった。

 

「……この神社はね、この世のモンじゃない。普通はたどり着けない場所だよ……」

「えっナビで行けましたよ?」

 

ミツエさんが何かを言おうとしたけど、何かに納得したように話してきた。

 

「……なるほど、それは十中八九黒死牟がいたからかもしれないね……今はそうとしか考えられないよ」

「あんたも心当たりはあるかい……?」

 

 

すると黒死牟さんがあの2体の血を飲んであちらにある程度近づいたこと、そして物の怪を喰らって力を付けたことを話した。

 

「はぁ!?……まったく、相も変わらず無茶苦茶さ」

「そ、そんなにですか?」

「いくら少量とはいえ、他の奴らとは訳が違うそれを取り込んで何ともないのが可笑しいのさ……」

 

それから私は黒死牟さんの現状について話した。

 

「まったく、じゃあ気の所為じゃないんだね。そのオーラ、前見た時とはまるで量も質も違う……あんた一体どれくらい喰ったのさ」

『……詳しくは覚えておらんな……少なくとも……五十は喰らった……』

「はぁ!?それでなんで意識を保ててるんだい!?」

「嘘……もうそんなに?」

 

私の知らない間にそれだけの数の何かを食べていたと知って私も驚いた。まさか何かを食べる宣言をしてからあまり日にちが経ってないけど……もうそんなに食べてたの!?

 

「一体いつの間に……?」

『……みこが……眠りについてからだな……』

 

さらに聞いてみるとどうもかなり前から私の近所の何かを定期的に祓っていたらしい。だけど食べるようになったのはつい最近のことだと判明した。

 

確かに黒死牟さんが来てからやたらと私の付近にいた何かの数が減っていると思ったら……

 

「みこ……そいつについて考えるだけ無駄だよ。そいつが無茶苦茶なのはわかるだろう?」

『……解せぬ……』

 

「あれ?みこ?」

「えっ?姉ちゃん?」

 

ふと聞き覚えがある声のする方に意識を向けるとそこにはハナと恭介がいた。どうやら全然電話に出なかった私を心配して探しに来てくれたみたい……

 

『……席を変わるとしよう』

 

黒死牟さんが気を使って席を向かい側に移してくれた。そのことは私とミツエさんしか知らないけど二人はどっちが隣に座るか揉めている。そんな光景に私は心が癒される感じがした……

 

 

「あんた……あの子を守るんだよ」

『……無論』

「おばあさんどうしたの?」

「ううん、何でもないよ……」

 

久し振りに心からの笑顔が溢れた日になった。

 

 


 

~おまけ~

 

最近姉ちゃんが変だ

 

最近になって姉ちゃんが書店に通い詰めになっていることは知っている。それ自体は何も問題ないと思う。姉ちゃんも勉強するために通っているのは納得できる。

 

しかし最近姉ちゃんの目覚めが良くて俺が起こしに行く前に既に起きていることが増えていた。また姉ちゃんの部屋から聞こえた声から

 

『本当にいつもありがとうございます』

『おやすみなさい』

 

誰かに電話していることが増えたのだ……

 

「なぁ、どう思う?」

「うーん、わからん!」

 

「彼氏じゃないの?」

「は?」

 

そう言い返すとクラスメイトの姉が彼氏ができた時に色々と行動が変わってより魅力的になると言われた。まさか……?でも俺一度たりとも見たことが無いぞ?

 

まさか……!あの電話の主か!?そいつと電話している時のドア越しに聞こえる姉ちゃんの声はいつもの声より柔らかい感じがしていた……!

 

 

姉ちゃんに何かあったらいけないと思い、ある日姉ちゃんを尾行することにした。

 

「あった……これにしよう」

 

(なんの本を選んだんだ?)

 

姉ちゃんが本を買っていくのをみて俺は、姉ちゃんが見ていた所を確認することにした。

 

(今持っていった本はわからないけど……その周辺からある程度推測ができる……!)

 

「……たしかこの辺りだったような」

 

そこにあったジャンルは……

 

(……世界旅行?なんの為に……はっ!?まさか!?)

 

ふと俺の脳内にとあるイメージが浮かんできた。

 

(まさか!?もう既にそこまで来てるのか!?さながらハネムーンと!?)

 

まさか姉ちゃんが見知らぬ誰かと海外旅行にいくことを計画しているのか……!?

 

「……まじかよ……姉ちゃん……」

 

 

それから風呂に突撃した恭介だったが何一つ情報を得られなかったことを付け加えておく

 

~真相~

 

『……この()()()とやら……素晴らしき色の海だな……こちらの()()()()の……景観もまこと素晴らしい……』

 

ある日黒死牟さんが、海外の観光地のパンフレットを見ているのを書店に居た時に思い出した私は、ついでに幾つか海外の有名な観光地が多く乗っている本を買ってきた。

 

過去の日本で生まれ育ち、海外について何も知らなかった黒死牟さんはとても興味深いという表情とそしてどこか楽しそうな声をしていた。

 

 

……今日恭介が風呂に突撃してきて彼氏がいるのかと直球で訪ねてきたけど、あれは何だったんだろう

 




尚みこちゃんは、自覚してないだけで他の男の人を見る際の指標として、兄上を無意識に採用しているため黒死牟さんに比べたら……と思うようになっています。

兄上の顔が良すぎるのがいけないと思いました(小学生並感)


閲覧ありがとうございました!
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