お労しい兄上になったんだが…ここどこ?   作:gnovel

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閲覧ありがとうございます!

番外編ですが、一応2話まで登校してから番外編として単体で投稿する予定となっております。

一応こっちでは、見える子ちゃん世界での番外編を執筆する予定です!

それはどうぞ


第拾捌話

あれから私たちは山に入っていったけど、山全体の雰囲気が暗く、重く感じる。

 

そしてある程度進んだ時に私はミツエさんからあることを聞いた。

 

それは、この山の性質と……あの神社についてだった

 

「『願いを叶えてくれるだけ』そんな都合のいいサービスがあると思います?」

『……無いな……この世の全てには……何かしらの形で……見返りが返ってくる……まさに因果応報……』

「彼の言う通り。願いを叶えるならその代償も当然ついてくるんですよ?」

 

 

私はミツエさんからあの神社で何を願ったかを伝えた。ハナを助けてもらうことそれから……

 

黒死牟さんの手助けになってほしいと願ったことを……

 

 

「……なるほどね。でも何であいつの手助けなんかを願ったんだい?」

『……それについては……私も……知りたい……』

 

「それが……あの神社に願いごとをする前に夢を見たんです」

「夢?」

「はい……前まで忘れていたんですけど、その……」

 

私は、黒死牟さんを見ながら言った

 

「黒死牟さんに似た人が……言ってたんです『兄上を頼む』って」

『!!』

 

黒死牟さんの目が全開に開いて仰天している。まるで信じられないといった表情だった……

 

「お前……弟がいたんだね……?」

「まさか、貴方に弟がいるとは思いもしませんでしたよ」

 

それから神社に向かう足を止めずに黒死牟さんがポツリポツリと話し始めた

 

 

『……話をしよう……かつての私が……到達できなかった……神がかった弟の話を……反対に……何も出来なかった哀れな兄の話を……』

『……弟の名は『縁壱』……終ぞ……私が勝てなかった……存在だ……』

 

「はぁ!?あんたが勝てないって相当だね!!?」

 

更に黒死牟さんは続ける

 

『……私と縁壱は……『鬼』を斬っていた……奴らは人間に害を為す存在が故に……』

 

「『鬼』とはまた……」

 

『……しかし縁壱は……生まれながらにして……神の寵愛を一身に受けた……存在であった』

『……幾年も成長した時には……もはやだれ一人縁壱に……追いつくことすらなかった……』

 

「……」

 

黒死牟さんの表情や声色からは、どこか懐かしむような感じがした。だけど

 

『……ある夜私は……『鬼』を作り出した元凶と相まみえた……』

「「!!」」

 

『……私は……そこで敗れ……一度死んだ……』

「ちょっと待ちな!ということはあんた……」

 

『……そうだ……私は……そこで……鬼となった……』

 

……私はこの内容にも覚えがあった。これまで忘れていたあの光景が脳裏に過ってくる。

 

黒死牟さんの人としての最期に残した言葉も思い出した……

 

 

『……それから……私は……自らの意思でないとは言え……殺戮の限りを尽くした……』

 

黒死牟さんの顔がどんどん険しくなっていく

 

『……私に挑んだ剣士は……悉く敗れ……殺され……喰われた……』

『……しかし……自分では……どうすることも出来ず……ただただ己の所業を……見ていることしかできなかった……』

『……縁壱は……後の世にて……元凶を打ち倒すための力を……後進に託せたが……私には何も出来なかった……』

『……私が……生きてきた意味は……何だったのか……』

 

 

……私たちは明かされた過去の内容に何も言えなかった。元凶を倒せずあまつさえその配下になり殺戮の限りを尽くした兄とその反対に元凶を打ち倒すための力を残した弟

 

どうして兄弟でこれ程の違いが産まれたんだろう……だけど……!

 

「黒死牟さんが生きてきた意味は分からない。けど……」

「今は、私と一緒に居てください……!」

 

……誰かの生きてきた意味は他人には分からないし理解できないと思う……だけど、生きてきた意味を与えることは他人の私でも出来るんじゃないかなと思った。

 

私は、心の内を黒死牟さんに打ち明けた

 

『……ふふっ……初めてか……こうも恵まれた主に仕えることが出来て……良かったと思えたのは……』

 

黒死牟さんが微笑むと先程までの陰鬱とした雰囲気が消え去って、どこかスッキリしたような顔を見せた

 

「みこ……あんたやるね」

「大胆ですねぇ」

 

少し顔が熱くなったけど……私は後悔していない

 

『……良いだろう……契約の期間を……みこの死後までに……伸ばすとしよう……』

 

黒死牟さんも精神的余裕が生まれたのか、笑顔を浮かべていた。

 

 

「……チィッ!!奴らが勘づいたか!!話の途中だが急ぐよ!!」

 

どうやら何かが私たちに接近しているようだ。黒死牟さんは……すでに刀を振り終えていた

 

『……これほどまで視界が明けたのは……初めてだ……自分でもまさかここまで速くなっているとはな』

 

辺りにいた何かは今ので殆ど祓われていた。……?黒死牟さんの目の色が普通の人のようになっている?

 

「へぇ!あれだけの数を一瞬で!!」

「とはいえ、行くよ!奴らがまた来るかもしれないよ!!」

 

それから私たちは走り出した。途中でミツエさんが何かを寄せ付ける人形のようなものを使ったりしていた。

 

あれもすごいとおもった。

 

「さて……ここら辺でやりますか」

 

そうしてロムが取り出したのはハナの持っていたラムラビだった。どうやらハナのオーラが込められているらしく目の前に結界が現れ始めた……!

 

シャラン シャラン シャラン……

 

「この音は……!」

「上手くいったようですね」

 

私達の目の前にあの神社へ続く階段と鳥居が現れた。

 

「この結界を破るのにはハナさんのオーラが必要でした。……まぁ、最悪ハナさんが来なくても彼が居ればよかったまであるんですけどね」

「人形に封じ込めたオーラはまだかざすだけで良いんですが、彼の場合だとそのオーラを一旦浄化する必要があるのですよ」

「如何せん、オーラの量で言えばハナさんと同等かそれ以上なのですが、性質があっち側なのでね」

 

そう説明するロム……だが

 

『……クッ!?』

「黒死牟さん!?」

 

突然黒死牟さんが後ろに引っ張られていった。まるで黒死牟さんだけ押し出されるように

 

「チイッ!!奴め!!結界をあいつにのみ限定して強度を高めたか!!」

「これは……厄介ですね……!」

 

ロムが考える素振りを見せた後

 

「...ならもう一つのプランがあるので、それを行います」

「黒死牟さん……」

 

 


 

『おのれ……!俺を徹底的にみこから離す気か!!!』

 

俺は今後方に引っ張られ続けている。俺は全力を振り絞ってこの拘束から何とか抜け出すが、かなり離れてしまった!

 

ふざけるな!!このまま何も出来ずに……何も成し遂げずに終われるか!!

 

俺は急いであの場所に向かうために全力で駆ける……

 

だが俺の前に大量の物の怪が立ちふさがる……!

 

 

『そこをどけ!!貴様らぁ!!』

 

月の呼吸 拾壱ノ型 百花繚乱・天満月(ひゃっかりょうらん あまみつつき)

 

一通り殲滅した後、足を進めるがまたしても多くの物の怪が立ちふさがる

 

 

『貴様らに掛けている時間なぞ無い!!』

 

月の呼吸 拾肆ノ型 兇変・天満繊月

 

辺り一面を全て切り伏せ漸く階段の付近まで辿り着いたが、

 

 

『くそッ!!またしてもこの忌々しい結界が……!』

『ならば力尽くで……!押し通るのみ!!』

 




今の兄上は『黒死牟』よりの『継国巌勝』という状況になっています。そのおかげか口調も戻っています。

今までは殆ど『黒死牟』だったのがこうなりました

閲覧ありがとうございました!
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