お労しい兄上になったんだが…ここどこ?   作:gnovel

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閲覧ありがとうございます!

一応次で見える子ちゃん編は完結の予定です

これまでの高評価ありがとうございました!

番外編は続けていくのでお楽しみに

それではどうぞ!


第拾玖話

「あの……これは?」

「ギチギチパワーグッズです。防御力アップのアイテムだと思ってください」

 

私の全身にサングラスや塩、御守り等が巻かれている。……申し訳ないけどどれも胡散臭そうに思えるのは仕方のないことじゃないかな……

何てことを思っている間に作戦について話があるみたい

 

「まず、奴らが用があるのはみこさんです」

「見返りを要求してこなかったのは黒死牟さんの存在とみこさんが結界の外にいたからだと推測できます」

 

「おそらくこの山の神様は結界の外では力を保てないのでしょう」

「そうなれば黒死牟さんにすぐに殺されると思い、無理にでも契約を終了させに来ていたと考えられます」

「じゃあ……私はどうしたら……?」

 

私は今この場に居ない黒死牟さんの与えてきた影響に驚かされながらもどうすれば良いのかと聞いた。

 

「簡潔に言います。みこさん囮になってください」

「!!」

「ロム!!」

 

ミツエさんが声を荒げる。私を囮にするその理由についてもロムさんは述べた。

 

「この機会を逃す手はありません」

「今、この神社の結界は通常時より弱まっています。何せ黒死牟さんを追い出すのに力を費やしたのが目に見えます」

「だからこそ今なら僕たちで結界を崩すことが可能になったわけです」

 

「……みこ」

 

ミツエさんが心配そうに見つめてくる……だけど私は

 

「ミツエさん。やります」

「……言ってもどうせやるんだろ……?」

「これを巻き付けておくとするかね……」

 

そう言ってミツエさんが私の体に数珠を巻き付けてきた。無いよりはマシだと言ってくれたけどとてもありがたかった。

確かに怖いけど……私がしたことなんだ……私が頑張らないでどうするの

 

「じゃあ……頑張りな……ロム!手分けするよ!!」

「みこさん。頑張ってください……」

 

私は決着をつけるためにゆっくりと神社に進んでいく……どこからか鈴の音に混じって笛の音がさっきより強く聞こえる気がした

 

 


 

 

(……ここどこ?私は……さっきまで……)

 

私はロムさんとミツエさんが結界を崩すまでの時間稼ぎをしていたことを思い出した。体に着けていたグッズと数珠が全部はじけてから私の視界が真っ黒になってたのも思い出した。

 

シャラン

 

(鈴の音……?)

 

シャラン シャラン シャラン

 

(どんどん近づいてくる……!)

 

私は暗闇から徐々に近づいてくる鈴の音と……何かの足音を感じていた

 

シャラン ぺた シャラン ぺた シャランシャラン シャラン ペた

 

(あ……あ……)

 

 

み゛ こ゛

 

 

……目の前に大量の鈴をぶら下げた異形の存在を前にしてすっかり恐怖してしまった

私の心は限界を迎えつつあった。

 

(あ……ロムさん……ミツエさん…………黒死牟さん……助けて……)

 

目の前のどうしようも無い恐怖を前にただ立ちすくんでいた私に異形の神は、近づいてくる……

 

(だ……駄目!ここで……ここでくじけたら……)

 

み゛ こ゛

 

私に向かって手が伸びてくる……!誰か!誰か!!……わたしをたすけて……

 

 

――助けて欲しいと思ったらその笛を吹け

 

 

(え?笛……?)

 

何処からともなく聞こえてきた声のままに私は急いであの笛を取り出す。

 

(たすけて……助けて……)

 

私は笛を加えて思い切り息を笛に流し込んだ

 

 

(助けてください!!黒死牟さん!!)

 

ピィイイイィ!!

 

 

そうすればきっと……

 

 

月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮

 

ギャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛?!

 

 

『間に合ったぞ……!今度こそ……!!』

 

(黒死牟さん……!)

 

 

『きっと兄上が助けにきてくださるだろう』

 

 

 


 

 

「あれは黒死牟!?結界の外に放り出されてた筈!?」

「なるほど……そういうことですか」

 

ミツエはみこが危険な状態にあっていることを知り急いで駆け付けたその時に本来この場に来れない筈の黒死牟が『山の神様』に一撃を入れているのを見て驚愕していた。

 

ロムはなぜこの場に黒死牟が来れたのかを推理し、その要因が何かを知った。

 

「ミツエさん、みこさんが笛を吹いたのを聞きましたか?」

「あぁ、だけどそれが一体……まさか!?」

「えぇ……お察しの通りです。恐らくあれがみこさんと黒死牟さんの契約の証なのでしょう」

 

ミツエは確かにあの笛が鳴った瞬間に強烈なオーラを感じた。それはまるで何かを手繰り寄せるようなそんなオーラだった。それと同時にまるで太陽のようなオーラも感じた

 

「あの笛から発せられたオーラが、黒死牟さんの纏っていたオーラとは違ったモノを纏っていたので薄々感じてはいましたが……」

「まさか……結界をすり抜けてこれるとは思いもしませんでした」

 

「さて……もう一仕事ですよミツエさん」

「今は黒死牟さんが相手取ってますが、僕たちもやることがあるでしょう?」

 

「あぁ……そうだね……まったく年寄り扱いすんじゃないよ」

「もういい年でしょうに」

「やかましいわ!」

 

ミツエとロムは、みこの保護と黒死牟の援護をすることにした

 

 


 

『さて、みこよ遅くなったな』

「いいえ、いいえ……!ありがとうございます!!」

『よくぞあの笛を思い出してくれた』

 

普段と違って言葉の合間がなくスラスラと話す黒死牟さん、その顔はどこか爽やかなものに見えた

 

『しかしなぜあの笛のことを知ったのだ?』

「それは……」

 

私は聞こえてきた声をそのまま黒死牟さんに伝えた。そしたら黒死牟さんは笑い始めた

 

『ふっ……くくくくくくく…………ふはははははは!!』

「どうしたんですか!?」

『いや何。まさかここまで規格外とはな!つくづく縁壱には適わないなと思ってな』

 

「やっぱりあの声は縁壱さんだったんですね……」

『俺を兄上というのは彼奴以外いないさ』

 

 

み゛ こ゛

 

黒死牟さんの前には此方に襲い掛かろうとしてくる化け物がいた。だけど黒死牟さんは何処か余裕の表情だった

 

『さて……待たせたな落ちた神いや……その後ろにいる者に憑きし怨霊よ』

 

そういって黒死牟さんは後ろの二体の内の一体を指さしながら目の前の存在について語った。化け物の動きが止まった。

 

『ここに飛ばされるまで俺は、とある記憶が鮮明に見えた』

『その記憶の主は……かつてこの地の飢饉を止めるための人柱にされていた』

『つまり……生贄となっていたのだ』

 

『だが時が経つに連れ、自身に纏わりつく亡者共が、この地に残された残留思念が徐々に己を支配していった』

『だからこそ……記憶の主は待った。自分の助けを聞くことが出来る存在を、怨霊を打ち倒せるであろう存在を』

『そして来た。自らの助けを聞くことが出来る者その名は、神童ロム。』

 

「!?」

 

『差し詰め、無理にでも契約を遂行しようとしたり、わざと俺に斬られて血を渡したのも全てこの時を待ち望んでいたからだろう』

 

『……!!』

 

黒死牟さんの語る言葉に化け物が振り向いたかと思うと……あの一体目掛けて大きく腕を振るった。

だけど

 

『愚かな』

 

『……!』

 

別の一体が片方を守った。その様子を見ていたミツエさんとロムさんが仰天したような表情を見せた

 

(やはり……そうかい……師匠)

(……トワ子さん……でしたか)

 

そして化け物を見据えて黒死牟さんがゆっくりと近寄って行く。そして……構えた

 

『もはや貴様の居場所はこの世にはない』

『これから下されるのは月の裁き……貴様に逃れる術はない』

 

 

ホオオオ

 

『黒死牟……いや、『継国 巌勝』……参る』

 

ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛!!!!

 

 




完全に力と記憶を取り戻した兄上

現在その補正と縁壱のバフも相まってえげつないことになっている模様

閲覧ありがとうございました!
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