番外編として他世界とクロスオーバーしますが、ほぼ見切り発車なので悪しからず
それではどうぞ
ナザリック地下大墳墓九階層円卓の間にてアインズ・ウール・ゴウンの長であるモモンガは、一人残された円卓の間にて叫んでいた
「ふざけるな!みんなで作り上げたナザリック地下大墳墓だろ!なんで簡単に捨てることができる!?」
モモンガいや……『鈴木悟』は先程の同じくギルドメンバーのヘロヘロとの会話を思い出していた
『……本当にありがとうございました。では私はこれで』
既にナザリックからは
サービス終了前になってログインしてきた『ヘロヘロ』が来たぐらいで既にその円卓には誰1人おらず、嘗ての栄光が嘘のようだった。
モモンガはその現実を直視することが出来ず、言い様のしれない怒りに満ちていたのだった。
「……あの人はどうしてるかな」
ふとモモンガは、ナザリックに未だログインしている最後の1人に
『あの、黒死牟さん?今……何処にいますか?』
返答はすぐに帰ってきた
『あぁ……今は其処等をうろついているだけだ……そろそろそちらに向かうとする……』
彼こそは『
彼がアインズ・ウール・ゴウンの仲間になった経緯は、アインズ・ウール・ゴウンのメンバーを探していた際に耳にしたPKK(プレイヤーを狩る存在を狩る)をしている『鬼の侍』の噂だった。すぐさまその人物に興味を持った『武人建御雷』が勝負を申し込みに行ったのだ。
そこにいたのはまさに『鬼の侍』を体現したかのような存在がいた。
『……』
後姿だけでは一見普通の人間種に見えてしまうが、振り返ってその顔を見た時は紛れもない異形種であると理解できた。その顔には不気味な目が六つあり、その口からは僅かではあるが鬼特有の牙が見えていた。
そしてその強さを確かめたいと『武人建御雷』が得物を構えると異形の侍……『黒死牟』は
『此方も抜かねば……無作法というもの……』
同じく刀を構えたが、その刀からも異質さが目立っていた。
刀全体に血管のようなものが張り巡らされており、その刃には夥しい数の目があった。その刀は『
それからの戦いは熾烈を極めた
『武人建御雷』が先手を取ろうとした直後に『黒死牟』から放たれた居合の一撃に『武人建御雷』がかなりのHPを持っていかれたことや
『武人建御雷』が得意とする『五大明王コンボ』と呼ばれるスキルの連続発動攻撃にも『黒死牟』はそれぞれの攻撃に対応する形で斬撃を飛ばしたり、受け流しをするなど卓越した戦闘センスを見せつけていた。
そしてカルマ値によって様々な効果が発動するはずだが、その効果があまり見られなかったことから『黒死牟』が積極的にPK(プレイヤーキル)を行っていない人物ということもこの時知ることが出来た。
また『
そしてなにより目を見張ったのが『黒死牟』の放つ斬撃の効果範囲とその威力であった。『武人建御雷』が距離を取ろうと離れても余裕で届くその間合いの広さとなにより回避が困難なため、必然的に受け流すか耐えきるしかないというもので『たっち・みー』にも
『物理耐性があったとしてもそれすら数の暴力で削られかねない』
と言わしめたほどだった。
結果として『武人建御雷』が降参し、『異形種であること』、『会社に勤めている社会人』である条件を達成していることからアインズ・ウール・ゴウンのメンバーとして加えられたのだ。
それからというもの『黒死牟』は様々な場所で頭角を露にしていった。
ギルドの数が42人と大規模になった時に対アインズ・ウール・ゴウン連合が発足し、1500人が進行してきた際も『黒死牟』は誰よりも早く前線に立ち、プレイヤーたちにこう告げた
『……来るがいい……私が……相手になってやろう……精々……全滅しないようにな……』
その言葉を皮切りに大勢のプレイヤーが『黒死牟』を襲ってきたが『黒死牟』の戦闘スタイルの関係上大勢が纏まることこそがかえって危険になることを彼らは知らなかった。
『……月の呼吸 拾肆ノ型
辺り一帯を埋め尽くす膨大な数の斬撃を避けようとするも人が密集しすぎていたせいで回避することが叶わず、まともに喰らうモノやガードするかの二つだった。……ガードをした方も
『なんだこれっ……!体力が……ゴリゴリ減ってく……!』
いかに魔法やスキルで防御力を上げてダメージを減らしても例え1ダメージでもそれを数千回喰らえば流石にまずいことは誰の目にも明らかだった。
今の一撃で『黒死牟』に飛び掛かってきた奴らは軒並みゲームオーバーになり、それ以外のプレイヤーもかなりのダメージを負わされたのだ。……とはいえその後『黒死牟』に続いてアインズのメンバーも続いて戦場が知っちゃかめっちゃになったのは言うまでもない。
そんなことがあったなと思い出していたモモンガだった。そしてサービス終了時間が1時間まで迫った時、彼はナザリックまで拠点帰還アイテムで転移した。
「あれ?黒死牟さんはまだいないのかな……?」
「……私は……ここにいる……」
「あっ黒死牟さん!そこにいたんですか!」
転移してきたモモンガであったが黒死牟がまだ来てないのかと思い、
「……最後の日なのでな……思い出深い場所を……さまよっていたのだ」
「あぁ~、なるほど、自分もそうしとけばよかったかな……」
「……ところでそのNPC確か……『プレアデス』だったか……」
「はい、そうです。……今日がサービス終了の日なので、最後くらいは彼らを働かせようかなと……」
他愛のない会話を続けながら玉座の間へとたどり着いた二人は、それぞれの思い出を語りながら時を過ごした。
「……これまでの……こと……感謝する……」
「えっ!?黒死牟さん……いえ、こちらこそありがとうございました。あなたのお蔭でとても充実したものになりましたよ」
「……ふっ……剣を振るしか能が……無かった私がか……」
「いえいえ、そんなことはありませんでしたよ。」
思い思いの感想を口にしながらもどこか名残惜しそうに語る二人であった。そうしてふとモモンガと黒死牟の視線は『アルベド』に向けられた。
「……確か……あ奴を……創ったのは……」
「タブラさん……ですね。……どんな設定だったっけ……?」
そこに映し出されていたのは上限ギリギリまで文字で埋め尽くされていたプロフィールだった。この様子を見た黒死牟は思わず目を細め、モモンガがドン引きしていた
「……執念の賜物か……狂気の産物か……どちらにせよ……度し難いな……」
「この『ちなみにビッチである』ていうテキスト……変えます?」
「……最後であるからな……好きにすればよい……」
「……じゃあ」
そういってモモンガはプロフィールを『ギルメンを愛している』に書き換え、プロフィールを閉じた。自分を愛するように書かなかったのは最後までいてくれた黒死牟への思いもあるのか、それすらも彼には分らなかった。
そして玉座を前にして黒死牟が、
「……その玉座は……モモンガ、お前が……座るがいい……」
「えっ……?でも……」
「……私が座るよりも……お前が座る方が……相応しい……」
「……わかりました」
モモンガが玉座に腰を下ろすと黒死牟は玉座の近くで正座した。……残された時間は後わずかであった
「……次があったら……私は……もう一度……仕えるとしよう……」
「黒死牟さん……本当にありがとうございました。ユグドラシル2があったら貴方の場所を取っておきますね」
「……ふっ……楽しみにしてるぞ……」
残り時間は10秒……楽しかったこれまでの思い出が走馬灯のように駆け巡り、最後のログアウトの時を待った。
『あぁ……楽しかったなぁ……』
『……是非も無し』
しかし――その終わりが終ぞ訪れることは無かった
オーバーロードを見直していた時『武人建御雷』というキャラとの噛み合いがよさそうに思えたので登場させました。
カルマ値が少ないのは兄上がPKをする奴らしか倒していないことなどが関係していますが殆どオリジナル要素と化しています。
尚兄上が記憶を取り戻したのはキャラ作成が終わった段階だったため作り直しができなかったという過去があります(黒死牟のキャラを作成したのは僅かに記憶に残っていたから)
閲覧ありがとうございました!