お労しい兄上になったんだが…ここどこ?   作:gnovel

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閲覧ありがとうございます!

アンケートの結果を考慮して一応はオリジナル要素として出しますが、基本は作中で使った型のみで行きます。ご了承ください。

それではどうぞ


第伍話

「わー……すっごい、超並んでる……」

放課後私とハナはあるドーナツ屋に来ていた。

今日は50パーセントオフの日だから結構人がいる……

取り敢えず列に並ぼうとしたら黒死牟さんが

 

『……そちらではない……気を付けよ……』

と言っていたので並ぼうとしていたところを見てみると、そこには何かが列をなしていた。

……危うく並びかけていた自分にひやひやした

 

『……さながら……亡者道……と言った所か……』

黒死牟さんが言うには、私が見えている何かの中には祓うべき存在と祓わなくても良い存在が大まかに存在しているらしい

 

『……あれは……ただ……亡者共を……喰らっているのみ……危害は……今の所無し……』

『……一種の……自浄作用としての……役割を……果たしているようだ……』

 

そう言って黒死牟さんは、私達が並んでいる場所まで来て私の隣に並び立った

よくよく観察してみると……目が6つあって炎のような痣があるけどやっぱりかっこいいなと思った。

 

黒死牟さんもドーナツ食べるかな……?と思いつつ列が進み漸く私たちの番になった。

黒死牟さんは店内にいた害のあると判断した何かを祓いに行っていた

……なんで刀を振らずに斬撃が出せるんだろう?

 

 

 

 


 

やっとの思いでドーナツを買えた私たちは帰り道に何かの鳴き声を聞き取った

辺りを見渡すとそこには段ボールに捨てられた白い子猫がいた

ハナが猫に駆け寄って遊んでいる。私も近くに寄ろうとすると黒死牟さんが

 

『……その子猫の……近くに……物の怪が……潜んでいるが……そ奴は……害を為さない類……故に……放っておくことにした……』

「え?」

 

「どうしたの?みこ?」

 

「あ、ううん、何でもない」

黒死牟さんに言われた通り、子猫が入った段ボールには確かに人型の何かがいた

 

(いくら害がないからって言ってもこれは怖いよ!)

黒死牟さんに言われてなかったらかなりビビったかも……

そうしたやり取りをしているうちに子猫の里親を探すことにした

 

「ごめん、ウチのマンションペット禁止だった……」

「だれか来てくれるかな?」

SNSに子猫の里親を募集している旨の投稿をしてから暫く経つ

そしてとある人が現れた。

……見た目がどう見てもヤのつく人に見えるけど黒死牟さんが

 

『……ほう……猫又とはな……それに……この男……相当好かれているようだ…………この男に引き渡しても……何も問題は無い様に……見受けられる……』

黒死牟さんが言う通りその人の両肩には、これまで見てきた何かとは少し毛色が違っていた。

確かにこの人なら大丈夫かも……そう思い立ちハナにその旨を告げた

 

「この人に引き渡そう、ハナ」

 

「えっ?うん、わかった!みこがそう言うならこの人に引き渡すよ!」

そういって子猫を引き渡しに行った

 

「はい!大事にしてあげてくださいね!」

 

「うん ありがとう、大事にするよ」

男はどこか嬉しそうだった。人は見かけによらないのかも……

そう考えてると突然黒死牟さんが

 

『……!備えよ……あの男……かなり厄介なものを……引き連れている……』

「!?」

 

そういって黒死牟さんが、私たちを目指して歩いてきている男の人に警戒する

空気が少し張り付いた気がしたが、その考えは間違っていなかったことを悟る。

 

「えっと、ここで子猫を引き取れるって聞いたんだけど……もういないかな?」

その男はぱっと見優しそうな人に見えたけど、その印象は彼の後ろの存在が否定してしまっている

さらに。さっきまで猫のそばに居たあの何かが男に近寄って何かを呟いている……この状況だけでも相当やばい何かがいることがわかる

黒死牟さんは、

 

『……この男……何かに執着されてるな……差し詰め……後ろに潜む……物の怪であろう…………この執着の具合……恐らくこ奴の……身内であろう……』

『……出てこい……死して尚……生者を……縛り付けるとは……愚行の極みなり……』

 

黒死牟さんがそう言い放った瞬間、彼の傍からおぞましい何かが出てきた

「ヒィッ!!」

 

「みこ!?どうしたの!?」

 

「な、なんでもない、大丈夫……」

 

それは今まで見てきた何かとはまた違ったやばさを醸し出していた。何があったらこの人は、こんなのに執着されてるの!?

そしたら黒死牟さんが、

 

『……みこ……私は……奴を祓う……奴は危険因子に他ならぬ……故に……少し……傍を離れる……』

『……暫し待たれよ……』

そう言って黒死牟さんが、そのおぞましい何かを連れて私たちから距離を取った

 

 

 

 


 

俺はみこ達から離れ、目の前の物の怪を見据える

『……親は子を選べぬと言うが……子も親を選べぬとは……まさにこのこと……』

 

ミルナ

 

『……まるで……蜘蛛のようだ……よほど……執着しているらしい……とすれば……あの男の後ろの物の怪たちは……こ奴に殺られたか……』

 

ミルナ

 

『……生前から……そうであったのだろう……その醜き姿が……それを物語っている……だが……』

俺は手の掌から別の刀を生成する……虚哭神去の別の姿である三本の枝分かれした大太刀が握られる

 

『……子を持つ母親の姿か?……それが……?』

 

ミルナ

 

『……子は……親の所有物にあらず……貴様は……ここで私が……殺す……貴様の侵してきたであろう……その罪……私が断罪してくれる……』

 

ミルナアアアアアアア!!

 

ホオオオ

 

月の呼吸 捌ノ型 月龍輪尾

 

横薙ぎの一閃から放たれる強烈な斬撃が物の怪(例えるなら絡新婦といった所か)を襲う

その巨体故か、回避することが出来ず体がいともたやすく細切れになるが、まだ襲ってくるようだ

 

『……醜きその執念……もはや見るに耐えぬ……だが……これで終わりだ……』

 

月の呼吸 玖ノ型 降り月・連面

 

大太刀を背中から前方に振るったと同時に絡新婦の頭上から無慈悲な月の刃が無数に降り注ぐ

その斬撃は、絡新婦の残った肉片をもバラバラにしていく……

 

しかし首だけになったのにも関わらず、絡新婦はあの男の下へ飛ぼうとしていた

ゼ ン !!

 

『……失せろ……今日で貴様は……この世と泣別れだ……』

 

俺は大太刀を仕舞い、普段の刀に持ち替えた後、すぐさま残った部分を斬り伏せた

……執念とは、真に恐ろしきものだ

 

絡新婦を消滅させた後、あの男のそばにいた物の怪たちが成仏していくのが見えた

 

 

 


 

 

「あーそうなんだ……もう引き取り先が見つかったんだ……」

 

「はい、そうなんです」

 

「ならいいや、じゃあ僕はこれで」

そういって男は去っていった

みこは男の周りにいた何かたちが消えていくのが見えた

 

(黒死牟さんがあれを倒したんだ!)

そしてふと隣には既に黒死牟さんが立っていた

 

『……これで……あの者は……解放されただろう……尤も……それを認識することは……できないがな…………しかし……』

と黒死牟さんが言葉を続ける

 

『……私の気のせいでなければ……あの者……他に何か……あるな……』

「!?」

えっ!?ほかに何かが潜んでいるの!?と考えるがどうもそうではないらしい

 

『……思い込み過ぎたか…………みこは……気にすることはない……』

「じゃあみこ!行こうか!」

 

「う、うん」

黒死牟さんが呟いていた内容が気になるけど……まぁいいや

私はハナと一緒に帰宅することにした

 

 

 


 

『……子を想う……母……一体どこで差異が……生じたのであろうか……』

黒死牟は母を思い出していた。かつて縁壱を父から守った母はまさに『子を守る母』であった

そこに『愛』はあっただろう

 

『……いや……母上とは……比べ物にならないか……』

あの絡新婦が自らの子に抱いていた思いの形はおそらく『自分の思い通りになるモノ』であったに違いない

そこにも歪ながら『愛』は確かにあっただろう

 

『……『愛』とは……複雑なものだ……時代や……環境……個人によって……こうも異なるとは…………ままならぬものよ……』

黒死牟はそこで考えることを辞め、みこの後を追従する

 

 

ふと黒死牟は先程の自分の言葉を思い起こす

『……子は親を選べぬ……か……それこそ……俺に当てはまる言葉ではないか……』

かつて自分が再会することは無かった我が子息、おいて行かれたあの子は何を思ったのだろうか……

絡新婦にかけた筈の言葉の刃が今になって自分自身に降りかかってくる気がした

 

『……やはり……俺は……どこか……矛盾している……まったく……嫌になる……』

どこまでも中途半端で矛盾している自らの有様に辟易する黒死牟(継国巌勝)であった




今回で兄上が祓ってしまいましたが、なんやかんやあってあの神社でのイベントは起きることになります。
兄上の活躍をご照覧あれ

それでは閲覧ありがとうございました!
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