誕生日を控えた日菜は、誕生日当日にるんっ♪ってすることを考えていた……

※大遅刻かましてマジすんません。気にしてないと思うけど……

バンドリ杯という企画に参加するついでに、書き始めた作品です。

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大遅刻かましながら誕生日記念短編投稿すまない。
これについては後書きにて言い訳させていただきます


双子の生まれた日

 それは、突然の出来事だった。つぐみがいつも通りお店の手伝いをしていると、ドアをバーンッと開け、日菜が入ってきて言い放つ。

 

「ねえ、つぐちゃん。なにかるんっ♪ ってするアイディアなにかない?」

 

 事情も了見も見当がつかないつぐみは、とりあえず、適当な席に案内してから尋ねた。

 

「急にどうしたんですか、日菜先輩?」

「いやー、もうすぐおねーちゃんとあたしの誕生日でしょ? だから、るんっ♪ ってすることしたいなって思ったんだ」

「なるほど……日菜先輩はなにかやってみたいこととかあるんですか?」

 

 つぐみの質問に、日菜はうーんと首をかしげ、「ないことはないんだよ」と言った後、結局「どれもるんっ♪ って来ないんだー」とまとめた。

 つまるところ、何も良いアイディアが出てこなかったのである。

 

「プレゼントとかはもう買ったんですか?」

「うん。でもさぁ、やっぱりサプライズとかで驚かした方が面白そうなんだよねぇ……」

「でも、そういう風には見えないですけど、何か悩んでるんですか?」

「うん。なんて言うかさぁ、卒業式終わってやることがパスパレのお仕事くらいになって、普通にサプライズでお誕生日プレゼントって、なーんか味気ないなぁ……って思っちゃって」

「ふむふむ……日菜さんとしてはるんっ♪ ってすることができて、紗夜さんとお誕生日を過ごしたいって感じなんですか?」

「うんうん。なんていうかさー、お誕生日パーティーとかやることにはなるんだけど、それだけじゃ物足りないって言うか……なんか、るんっ♪ ってしないんだよねー」

「また、同じこと言ってますよ……」

「だってー、思いつかないんだもーん。つぐちゃん、つぐってるるんっ♪ ってするアイディアちょーだい」

 

 二人のやりとりは、何周も同じような話に帰結してしまう。面白いお誕生日にしたいけど、良い案がない。そして、そんな話を、今日、急にされたとして、ぱっと、何か出せるような引き出しを、普通持ち合わせられるわけではないものである。

 

 つぐみは、何度も尋ねられ頭を悩ます。日菜が欲しいのは、『紗夜との誕生日をるんっ♪ とするものにしたい』というもの。価値観が少しずれている日菜にピントを合わせた『るんっ♪』としそうなことやもの。日菜や紗夜と、それなりの付き合いがあるつぐみとしては、二人ともに楽しんでもらえるようなことを、提案したいのだ。

 そこでつぐみは悩みながら、恐る恐る口を開く。

 

「それじゃあ、何かテーマを決めての買い物とかどうですか?」

「えっ? なにそれ? どういうこと?」

「たぶんですけど、最近、日菜先輩と紗夜さんって結構二人で遊びに行ったりしてると思うんです。けど、そこに少し『普段とは違う』要素を入れたら日菜先輩も『るんっ♪』ってするかなって思って」

「なるほど……普段とは違う要素……おねーちゃんが楽しんでくれそうな……うん、ありがとう! なにか良いことが浮かんできそう!!」

「力になれたみたいでよかったです」

 

 グビッと一息でコーヒーを飲み終えた日菜は、つぐみの言葉を聞かず、席から立ち上がると、千円札をレジにおいて、かけだしていた。

 残されたつぐみは、「日菜先輩!? おつりおつり!!」と追いかけようとしたが、その背中はすでに見えなくなっていた。

 

「あ、あはは……今日、紗夜さんとお菓子作りする日だし、紗夜さんに渡しておこう……」

 

 

※※※

 

 

 場面は移り、パスパレの事務所。日菜は、仕事があるわけでもなくやってきていた。理由は一つ。

 

「ねえ、彩ちゃん。いつも通りのなかに、少し違うものを入れるってどうしたら良いと思う?」

「えっと……ごめんね、日菜ちゃん。言ってることがよくわからなくて……」

「えー、ほら、あたしとおねーちゃんもうすぐ誕生日でしょ? だから、るんっ♪ ってすることをしたいから、『普段とは違う』あたしたちって何をしたら良いのかなって」

「えっと……そうだな……髪型を変えるとか? いつもとは違う髪型は新鮮だと思うし」

「あ、それいい! おねーちゃん料理の時ポニーテールにするんだけど、すごくかっこよくてるんっ♪ ってする! けど、それだとインパクトが足りないかなぁ」

「えぇ!? じゃ、じゃぁ……えっと……そうだ! ペアルックとかどう?」

「ペアルック?」

 

 日菜は彩から提案されたものに一瞬疑問を抱き、目を輝かせる。

 

「それだ!! もう、さすが彩ちゃん! それじゃ、あたしおねーちゃんの持ってる服と同じもの買うから。じゃあね」

 

 ばーっと脱兎のごとく事務所を去って行く日菜に、彩は置いてけぼりにされた。

 

 

※※※

 

 

 日菜は自宅へと帰り、コンコンコンと紗夜の部屋をノックすると、ドアを開ける。

 

「もう、日菜。ノックの後は返事を待って……」

「おねーちゃん! 買い物いこ!!」

「今日は無理よ。羽沢さんのところで、お菓子作りをする約束があるから」

「そっか……あ、じゃあ、おねーちゃんの持ってる服見て良い?」

「服を?」

「そう! お誕生日でおそろいの服でお出かけしたいなぁって思ったんだけど……だめ?」

「だめというわけじゃないけれど……」

 

 紗夜は少し渋っている……というより、ペアルックをする理由がわからず、困惑していた。

 ただ、日菜は『いやじゃない』という事実がわかったので、早速行動に移る。

 紗夜のクローゼットを開け、「これが良いかな、いや、あれならるんっ♪ ってするかも」と呟きながら物色していく。

 

「日菜、落ち着いて。また、別の日に買いに行くのはどうかしら?」

「いいの!? それじゃあ、明日……はお仕事だから、明後日! 明後日は?」

「お昼ならあいているわよ」

「じゃあ、お昼ご飯も外食にする?」

「そうね。折角だし、そうしようかしら」

「やったー!! それじゃあ、あたしは明後日何着るか決めなきゃ!」

「もう、日菜。落ち着きなさい」

 

 ドタバタと自室へと帰っていく日菜を、軽く叱る紗夜。紗夜の表情は、少し疲れが見えるものの、慈愛に満ちていた。

 

「はーい!」

「まったく、あの子ったら……」

 

 紗夜は一年前の自分からは考えられないような、そんな表情をしていると感じた。逃避しているわけでもなく、真正面から、彼女の好意を受け止め、それに振り回されている。そんな自覚が、また一つ自身の成長へと繋がっているのだと理解できた。

 

「誕生日パーティーのためにも、ケーキ作りは身につけておかないと……」

 

 紗夜も紗夜とて暇ではない。ぼーっと、自信の一年を振り返っている訳にはいかないのである。

 エプロンと紙を纏めるためのゴム、三角巾を袋に纏め、鞄に詰めると、つぐみの家へと向かっていった。誕生日パーティーを楽しもうとしているのは、なにも日菜だけではないのだ。

 

 

※※※

 

 

 誕生日当日、紗夜と日菜はおそろいの服装で、デパートを散策していた。

 本人たちの目的は特にない。ただ、明確にあるのは、この日を『二人きりで』楽しむことだけである。邪魔されることなく、姉妹仲良くパーティーまで遊ぶこと。正確には、パーティーの準備までだが、久しぶりにやる『姉妹らしい』ことは、彼女たちにとっては失ってしまった過去を取り戻すような……そんな不思議な体験だった。

 

 一つ、二人の過去から変わっていないのは、『日菜に紗夜が振り回される』という構図だけ。だが、その二人の間には笑顔があった。

 

「ねー、おねーちゃん」

「どうしたの?」

「なんか、こうしておそろいの服で歩くのって久しぶりだね」

「そうね……あなたのことを避け始めてから、こういう機会は減っていたし、お互いに服の趣味とかも違ったから、仕方ないのかもしれないわね」

「でも、おねーちゃんとぎゅーってしてお出かけできるの、あたし嬉しいんだ」

「そう。私も、こうして日菜と一緒にお出かけをする日が来るとは思わなかったわ」

「えー、あたしはそう思わなかったなー」

 

 

 四月から新生活が始まるという不安と期待、高校生になってからの思い出を振り返りながら、商店街やそれぞれの学校、公園などを散策する。また、この時期になるとお花見をするんだろうなとか、羽丘の文化祭を一緒に見て回ろうとか、先のことを決めていく。

 

「日菜」

「おねーちゃん」

 

 二人の声が、クリスマスの時のモミの木の前で重なる。

 

「「お誕生日、おめでとう」」




いちゃラブみたいな感じより、こう、のほほんという感じを意識していたんですけどできてましたかね……?

まあ、そんなことより、誕生日記念に書いてたのに大遅刻かました言い訳を申しましょう。
ぶっちゃけ、紗夜と日菜の誕生日当日に書き始めたからですね。

ま、こんなこと気にする人いないと思い、雑に締めくくらせていただきましょう。グッバイ!

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