博麗霊夢に転生したが、あと余命1年らしい   作:鳩羽しろ

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『博麗霊夢』の日記 〇月 一頁目

博麗霊夢の日記──

 

 

 

 

〇月□日

 

余命1年。

先週、永遠亭の永琳から余命宣告を貰ってから、私は特に何か変わることのない日々を過ごしている。

まあ、私の性格からして、何か変わるとも思っていなかったし、何も変わらなくても全然いいんだけどね。

 

ただ、やっぱり前よりも体が重い気がするし、たまーに吐血してしまうこともある。

しかもそれを人前でしてしまうから、汚れるし迷惑がかかるし、良いことがない。

 

今日だってそうだ。

私の余命についての噂を聞いて神社に来た魔理沙の前で、私は突然心臓が痛くなったので、胸を押さえてうずくまってしまった。

まあ、余命の事を聞いて、ここに来たぐらいなんだし、ちょっとでも心配してくれるのかなと思っていたが、想像以上に魔理沙は驚いていた。

顔をしわくちゃにさせて、涙を流して「れ、いむぅ……死んじゃ嫌なのぜ……」と言って、抱き着いてきた。

 

さすがにこんなに驚かれるとは思ってなかったので、その後の私の言葉は少し、どこか頼りないような口ごもったものとなってしまった。

まあ、魔理沙も明日や明後日になれば、私の余命のことなんてきれいさっぱり忘れたかのように笑顔で神社に来るんだろうし、前世で絵でしか見れなかった分、今日のような魔理沙を見れたのはラッキーかもしれない。

 

今日はもう暇だし、体も痛いし、早く寝よ。

 

 

 

 

〇月◇日

 

今日も特に代わり映えのない一日。

強いて言うなら、萃香がお見舞いに来てくれた。

私は体調が悪かったので、布団の中でずっと眠っていたから、萃香がここに来たタイミングは分からないが、起きたらいた。

 

何かお茶でも出そうと思って、布団から出ようとしたが、萃香が慌てて「霊夢は寝といてくれっ!」と止められたから結局、今日はほとんど布団の中で過ごした。

 

流石に暇だから、萃香を私がいる布団の前に来させて、いろいろと話した。

けれど、途中から眠くなってしまったので、私自身よく分からないことを言っていたような気がする。

 

その時の萃香の表情も口もほとんど動いていなかったから、嫌々聞いていたのは想像はつくけれど、それでも私の暇つぶしに付き合ってくれたのはありがたい。

そのお礼を込めて、いったん布団から出てお酒でも一緒に飲もうかと思ったけれど、萃香に本気で止められてしまった。

 

別にお酒ぐらい大丈夫でしょ……。

お酒関連で萃香が断ったのは初めてだったし、さすがに気圧されてやめたけど、今度は一緒に飲みたい……。

 

 

 

 

〇月☒日

 

今日はいつもより体調が良かったから、せっかくだし散歩程度にふらふらとしていた。

最近は布団の中で過ごす以外してこなかったし、久しぶりの外出はどこか喜々としていたところもあった。

だから人里に行こうとしたのだが、途中で早苗と会った。

 

意外なことに早苗は私の噂は知らなかったようで、いつも通りな感じで接してきた。

だから折角だし人里に行くのを取りやめて、早苗を博麗神社に招こうとした。

 

後々よく考えてみれば私が人里に行けば、噂のせいで何かと構われるかもしれないし。

この時の私の判断は正しかったのかもしれない。

 

早苗が博麗神社に来たのは結構久しぶりだったので、私も調子に乗っていたのか、お煎餅とかのお菓子を出しすぎてしまった。

まあ早苗もおいしそうに食べていたし、結果オーライね。

 

 

追記

 

そういえばその後、早苗と話していたけれど、途中からまた体調が悪くなってしまい、意識が飛びそうになった。

その拍子で私は突拍子もなく、横にバタンッと倒れてしまったから、早苗がものすごく驚いていた。

そりゃそうだ。

 

私はあまり話したくなかったが、私の余命の話を早苗にすると、それはもう泣きに泣きまくって「もう……早く教えてくださいよ……」と言って、私を布団に横たわらせた。

 

まあ、教えなかったことは反省しているが、まさか泊まり込みで看病されるとは思わなかった。

寝るときも一つの布団で一緒になって寝たのだから、暑苦しくてしょうがない。

おまけに寝ている間もずっとすすり泣いて抱き着いてくるのだから、全く寝付けなかった。

 

まあ、心配してくれたのはありがたいんだけどね。

 

 

 

 

〇月×日

 

今日の朝はとてつもなく寝起きが悪かった。

昨日はずっと抱き着かれたままだったこともあって、ほとんど寝られなかったらしい。

 

そんなこともあってか、早苗も私の目に隈があったのを見て、ものすごい勢いで謝ってきた。

まあやることもないし、全然問題ないから大丈夫と言ってなだめていたけれど、昨日のような元気さはあまり見られなかった。

 

私が起きた時間がいつもよりもかなり遅かったので、かなりお腹がすいていた。

お腹が鳴ったのを早苗に聞かれたのか、早苗は台所を借りますと言って、朝……ではなく昼食を作ってくれた。

 

早苗が作ってくれたご飯はかなりおいしく、最近減りがちだった食欲をわかせてくれた。

昼食を食べた後は、割と元気が出た。

やはり最近ほとんど栄養を取っていなかったことが悪かったのだろう。

 

早苗に感謝を伝えると「ホントに、気を付けてくださいよ!」と涙目で叱られてしまった。

やっぱり、食生活は改善すべきね。

 

 

追記

 

早苗は結局、私が昼食を食べたら帰っていった。

不服そうな顔はしていたけれど、早苗もやるべきことがあるらしい。

また来てねと誘ってみたら「もちろんです! ……その時まで、本当に……」と言って、帰ってしまった。

 

流石にそんなにすぐには死なないとは思うけど……

 

 

 

 

〇月△日

 

今日はいつものように暇……と言うわけにはいかなかった

最近はホントに何もやることがなかったから、暇じゃないのは良いんだけど。

 

今日は紫と会った。

永遠亭に行くことになったきっかけでもあるから、もうそろそろ会うことになるだろうなー、と軽い気持ちで考えていた。

まあ、その予想も当たっていたけれど、そこまで重要な話題は話さなかった。

 

てっきり、私の後の博麗の巫女についての話でもされるのかと思ったけれど、その話題は紫からは一切話されなかった。

紫が来た理由は、私の体調についてだけで、昨日の早苗のご飯のおかげか今日はだいぶ調子は良かった。

それを伝えると、紫も少し安心そうな顔を見せた。

その時だけ胡散臭さが少なくなったような気がした。

……気のせいだとは思うけど。

 

そして、次期博麗の巫女について紫が触れないのに対して、さすがに疑問に思ったからそれについて聞いてみもした。

私がそう言うと「今は……そんなこと、言わないでちょうだい……」と言われてしまった。

 

紫もやっぱりいろいろと忙しいのだろう。

私が来年にはいなくなるのだから次の博麗の巫女探しなどの大量の仕事が嫌でも増えてしまう。

だとしたら今は紫もそんなことは考えたくはないのだろう。

 

迷惑をかけているのは分かるけれど、どうしようもないから仕方ないだろう。

ただ、さすがに紫の負担も心配なので、今度紫に謝りたいとも思っている。

 

 

追記

 

紫は今日、博麗神社に泊まるらしい。

まあ、なんとなく予測できていた。

私としては暇も改善されるから、良いんだけど……なんとなく胡散臭さは感じてしまう。

紫のどんな行動でも胡散臭さを感じてしまうのは、ホントに何なのだろうか。

 

話はそれたけど、紫は私の体調管理も含めて、何日かこの博麗神社に居座るらしい。

その間、ごはんも作ってくれるらしいので、願ったり叶ったりだ。

 

早苗のご飯を食べてから体調も良くなりかけているから、健康的な食生活は結構ありがたい。

 

ただ、紫は私に対して少し過保護すぎるところがあると思う。

流石に一日中布団で寝とけなんて、言われるとは思わなかった。

私も途中まで反対したけれど、紫から「本当にお願い! 私……もう耐えられないの!」と言われてしまった。

 

さすがにそのあとはちゃんと従った。

紫にご飯作ってもらえるのに、負担をかけるのはあんまりよくないだろうし。

紫に迷惑をかけているのは事実だしね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇月▽日

 

突然、意識を失ったらしく、今は永遠亭にいる。

魔理沙や紫、萃香がこちらを見ているのが少しだけ分かった。

 

体力もないから、もう今日の日記は書けない。




ちょっとだけ登場人物紹介


博麗霊夢
前世の記憶はあまりないが、この世界が『東方project』の幻想郷であることは知っていた模様。
当初こそ、博麗霊夢と言う存在になったことに違和感を覚えたが、今は時間が経ったこともあって完全に順応している。
原作の彼女のように、他人に対して興味がないわけではなく、少しだけ社交的である。

だから、原作よりかは東方のキャラ達との親交度は高く、かなりの人たちから慕われ、好かれている存在になっている。
余命1年だということを知らされたときは驚きはしたものの「借り物の身体をこれ以上使うのも悪い」ということで、ほとんど気に留めていない。
だけれども、その周りは………


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