博麗霊夢に転生したが、あと余命1年らしい   作:鳩羽しろ

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今回はめちゃくちゃ短いです。
ご了承ください。


『茨木華扇』の日記 ◇月 二頁目

茨木華扇の日記──

 

 

 

 

◇月□日

 

今日も、私は霊夢と会うことにした。

しかし、昨日のような軽い気持ちではない。

 

あまりにも強い緊張と不安を感じながら、博麗神社に向かっているのだ。

 

……そして、昨日萃香に霊夢の話を聞いたこともあって、今日は萃香も私と共に博麗神社に向かっている。

正直、あまり気乗りはしないが、私の心は誰かと共にいないとすぐに壊れてしまうほど荒れている。

だからこそ、仕方がなく、萃香を連れていくことにしたのだ。

 

そして、重い足取りで博麗神社に向かっていくと、いつも通り、霊夢がそこにいた。

だけれども、心なしか少し元気がなさそうにも見える。

 

そして、霊夢は私たちを見た時に、ほんの少し驚いた顔をしていた。

どうしてだろうか?

 

だけれども、そんな疑問もすぐに消えてなくなった。

霊夢の顔がまた、驚いている顔から、何かに気づいた顔に変わったからだ。

 

その表情は、どこか悲しそうで消え失せそうで、何とも表現しづらいものだった。

おそらく、私の表情を読み取ったのだろう。

 

昨日の私は霊夢の余命については知らなかった。

だから、昨日の私の顔は曇ることもなく、何とも朗らかな表情であっただろう。

 

しかし、今日に関しては違う。

私は霊夢の余命について知ってしまったし、そんな私の事情を霊夢は読み取っている。

だからこその霊夢の悲しそうな表情なのだろう。

 

そして、私はそんな霊夢の顔から、ある考えが浮かんだのだ。

 

霊夢は誰かに余命の事を知られるのを恐れている。

 

霊夢の悲しそうな表情から、私はそう読み取った。

 

だって、そうだろう。

昨日の霊夢からは余命の事を悲しんでいる様子は一切なかった。

必死に隠しているのかもしれないけれど、私にはそのようには見えなかった。

 

それよりも……

どちらかと言うと人に余命の事を知られるのに対して悲しんでいるのではないかと私は勝手に思ってしまっているのだ。

 

この考えが正しいのかもしれないし、間違っているのかもしれない。

だけれども、今の霊夢の表情からして、私は無駄に霊夢の余命を悲しむよりも、霊夢に寄り添ってあげる方が良いのかもしれない。

 

霊夢はもしかすると、一番孤独を感じているのかもしれないのだ。

自分だけが離れてしまうことに。

 

だからこそ、私は霊夢を悲しむより、霊夢に寄り添って、今の霊夢を尊重してあげる方が良いと感じたのだ。

 

そして、私はその考えに則った。

 

「大丈夫です……何も言う必要はありませんよ」

 

私はそう言った。

これ以上、私は霊夢に悲しい思いをさせたくはない。

だからこそ、霊夢は何も言わなくてもいいのだ。

 

そして、私も何か言うつもりもなかった。

何か言って霊夢を傷つけるわけにはいかない。

 

そして、そんな私の思いが届いたのかは分からないけれど、霊夢の表情がまた、だんだんと変わっていった。

 

さっきまでの悲しそうな顔から一転、だんだんと穏やかで落ち着いた顔になったのだ。

それは、私の言葉が心に響いたのかは分からない。

 

けれど、少なくとも悪い影響は霊夢には与えなかった。

 

そんな変化は萃香も気づいたようで、目を見開いて霊夢をじっと見ていた。

 

そこからの事だった。

霊夢の瞳がだんだんと潤ってきた。

 

これには私も萃香も驚いた。

あの霊夢が涙を流すことなんて初めてだ。

 

そして、涙を流している霊夢から私はある感情が湧いてきたのだ。

 

守りたい。

 

そんな感情だ。

霊夢がここまで追い詰められているなんて思いもしなかった。

さっきまでの私の想像はまるっきり間違っていたのだ。

 

霊夢はいつだって不安を感じていた。

だけれども、それを表に出せなかったのだ。

 

自分の余命に対しても、そして誰かに余命を知られることも、どちらも霊夢は恐れていた。

だからこそ、今、霊夢は泣いている。

 

霊夢の中にある不安が爆発してしまったのだろう。

 

そこからの私の行動は早かった。

 

ゆっくりと、霊夢に向かって近づいて行った。

そして、そっと霊夢の身体を抱いた。

 

霊夢は泣いた。

声を出して、霊夢は泣いたのだ。

 

私も、悲しい表情をしたかった。

だが、それでは霊夢は救えない。

霊夢はとても優しく、感受性が強い子だ。

 

温かい表情で、霊夢を受け入れる。

それが、霊夢を救える一つの方法なのかもしれない。

 

私は霊夢が泣き終わるまで、ずっと霊夢にハグをした。

 

 

追記

 

霊夢が泣き終わった後、かなり霊夢は恥ずかしかったようで、顔を真っ赤にさせていた。

 

正直、母性がそそられる。

なんというか甘やかしたいという欲が出てくるのだ。

 

そんな欲を私は抑えようとはせずに、霊夢に膝枕をさせてあげると言い、半ば無理やり霊夢を寝ころばせた。

 

だけれども、霊夢も霊夢でそこまで嫌がってはいなく、むしろ少し気持ちよさそうにしていたところがとてもかわいかった。

まるで猫みたいだ。

 

霊夢を動物に例えると間違いなく猫だと思う。

 

それに、萃香も萃香でさっきまでの困惑していた姿はどこへやら、霊夢に「気分はどうだ~?」「気持ちいいだろうな~」みたいに煽っているもんだから、さらに霊夢の顔が赤くなる。

 

こんな霊夢の姿は見たことないので、本当に貴重だろう。

 

また、こんな霊夢の姿を見れればいいなと思うばかりであった。




リアルが忙しすぎて、小説が書けない今日この頃。
何とか少ないけれども書くことができました!

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