四次元殺法コンビにビビッときたよ
良い子の諸君!
大人は大抵汚い考えを持っているものだ。それに歯向かおうなんて考えるな、という輩もいるが是非大人に反抗しよう。大人は大抵防御を知らないからな。そんな輩をどうするかも反抗の醍醐味というものだ。
男二人、いや本当に男かはわからない。ただ、おそらく筋肉のもりもりついた身体は男だと思っただけだ。突然、僕ら小学生にそう言ってきた。僕達はまだ疑うことを知らなかった。だから問いかけた。
「なぜ大人にはんこう?するの?大人は全部正しいんじゃないの?」
そう聞くと男二人は答えた。まるで大人を馬鹿にしたように、
良い子の諸君!
大人も冷静に考えればただの一人の人間だ。そこにいかなる違いもない。人間なのだから、誰だって間違いはある。けれど、その間違いを認めずに隠蔽したり曲げて正しくして誤魔化すのが大人だぞ。
と言った。なんのことだか理解が間に合わなかった。追加して男二人は言った。
良い子の諸君!
大抵の大人はただ体が大人になったと判定されただけの子どもだぞ。大人も所詮は子どもの延長線にいるんだ。だから大人は無駄に知識が多いおかげで、君たちより子どもっぽい。いわゆるキッズというものだ。
意味がわからなかった。けれど、どこか理解ができるところがあった。ニュースでは大人が犯した犯罪が流れてくるし、お母さんはいつもしょうもないことでお父さんに怒っている。それに学校の先生だってヒステリックだ。特におばさん。そういうことをこの男二人は言いたいのだろうか。
大人は子どもの延長線、なんてよく言ったものだ。しかし否定はできなかった。大人はこれを聞いたらどう思うんだろうか。激昂するだろうか。失笑するだろうか。無視するだろうか。
それとも、昔を思い出して絶望するだろうか。
男二人はまた喋りだした。
良い子の諸君!
今の未来は、今の君たちに託される。今の君たちが今の大人を見習って、今の大人のように動いていくのか、それとも自分自身のやり方を見つけるか、それは自由だ。しかし、子どもなまま大人のふりをするなんて、みっともないとおもわないか。みっともないと思うならば、君たちは新たな大人というものになるべきだ。その形を私たちは決めない。教えることはしない。君たち自身が、君たちのなる大人の形を決めるのだ。正しく、君たちが理想とする大人になるのだ。君たちは、未来へ旅立つ白鳥だ。君たちが、未来を作るのだ。
男二人はそう最後に言い残して、到着した警察官に引っ張られていった。
そう男二人は言った。僕らはそれをずっと忘れることはないのだろう。大人になった今でもそう思っている。