翌日、玉狛支部のリビングでは宇佐美がボーダーについて説明していた。
宇佐美「さて、諸君はこれからA級を目指す!その為には……もうB級になってる修君を除く、千佳ちゃんと遊真君の二人にB級に上がってもらわなければならない!それは何故か!」
宇佐美「まずはB級……正隊員にならないと、防衛任務にも、A級に上がる為の『ランク戦』にも参加出来ないのだ!」
空閑「ランク戦?」
宇佐美「そう『ランク戦』。上の級に上がるには防衛任務の手柄だけじゃなく、『ボーダー隊員同士の模擬戦』でも勝ってなきゃダメなの。」
宇佐美「それが通称『ランク戦』。同じ級の中で競い合って、強い人間が上に行くってわけ」
空閑「ふむ、つまり俺がB級になるにはC級の奴らを蹴散らせばいいわけだな」
空閑「それいつからやるの?今から?」
やる気満々の空閑
宇佐美「まぁまぁ落ち着きたまえよ。ボーダー本部の「正式入隊日」ってのが年3回あって、新入隊員が一斉にC級デビューできる日なんだけど、その日までは遊真君もまだランク戦出来ないんだよ」
空閑「えぇ〜〜〜〜……」
他苑「そう慌てないで下さい遊真先輩(苦笑い)」
迅「そうそう。お前はうちのトリガーに慣れる時間がいるだろ?ランク戦にはお前の黒トリガーは使えないぞ?」
空閑「ふむ、何で?本部の人に狙われるから?」
迅「それもあるけど…」
他苑「黒トリガーは強すぎるから自動的に「S級扱い」になってランク戦から外されるんですよ。三雲先輩や雨取さんと組めなくなりますよ。」
空閑「ふむ……そうなのか。じゃあ使わんとこ」
渋々黒トリガー使用を断念した空閑。
宇佐美「千佳ちゃんはどうしようか?オペレーターか戦闘員か……」
空閑「そりゃもちろん戦闘員でしょ。あんだけトリオン凄いんだから」
空閑「それにこの先近界民に狙われた時の為にもチカは戦えるようになった方がいいだろ」
三雲「……!」
他苑「確かに今後を考えると戦闘員の方がいいですね」
続いて答える他苑
宇佐美「千佳ちゃんってそんなに凄いの」
空閑・他苑「見たらビビるよ(ビビりますよ)」
雨取「私も……自分で戦えるようになりたいです」
宇佐美「じゃあ戦闘員に決まりだね。じゃあ次にポジション決めよっか」
雨取「ポジション……?」
宇佐美「防衛隊員は戦う距離によってによってポジション分けされてるんだよね。」
宇佐美「攻撃手(アタッカー)銃手(ガンナー)狙撃手(スナイパー)の3つ……でどれが千佳ちゃんに合ってるかって話なんだけど、千佳ちゃん運動神経いい方?足早い?」
雨取「いえあんまり……」
宇佐美「数学は得意?」
雨取「成績はふつう……です」
宇佐美「将棋とかチェスとかしたことある?」
雨取「無いです……」
宇佐美「チームスポーツも経験無しかー。うーん……」
雨取「すみません……取り柄が無くて……」
宇佐美「えっううん大丈夫だよ参考にしてるだけだから」
雨取「……」ションボリ
しょんぼりする雨取に変わって三雲が説明を始めた
三雲「千佳は足は速くないけど、マラソンとか長距離は結構速いです」
宇佐美「おっ持久力アリね」
その他に三雲は我慢強く真面目で地道な作業が得意であり、持久力がある。そして体が柔らかいことを話した。
空閑「おぉー……!」
褒められて照れる雨取
雨取「……(照れ)」
それらの情報をボードに書いていく宇佐美。
宇佐美「ふんふん成程…よし分かった。わたくしめの分析の結果…千佳ちゃんに一番合うポジションは……」
迅「狙撃手(スナイパー)だな」キラ⭐︎
他苑「狙撃手(スナイパー)ですね」
宇佐美が言う前に答える迅と他苑。
宇佐美「あー‼︎迅さん雅師君‼︎アタシが言いたかったのに‼︎。なんで言っちゃうのもー‼︎」
迅「お前が勿体ぶるから」
他苑「あっはっはっは!(笑)」
ズンズンズン
ばんッ‼︎
三雲「……⁉︎」
⁇?「あたしのどら焼きが無い‼︎誰が食べたの⁉︎」
陽太郎「……」グー
ガシ!
⁇?「さてはまたお前か⁉︎お前が食べたのか!?」
陽太郎「ムニャムニャ、たしかなまんぞく……」
小南「お前だなーーーー!!!?」
三雲「……(汗)」
他苑「……(汗)」
宇佐美「ごめーん小南。昨日お客さん用のお菓子に出しちゃった」
小南「はあ!?」
宇佐美「また今度買ってくるから〜」ぶに〜
小南「あたしは今食べたいのーー⁉︎」
小南と宇佐美が言い合いをしていると
⁇?「なんだなんだ?」
⁇?「騒がしいな小南」
⁇?「いつも通りじゃないすか?」
奥から二人の男性が入ってきた
三雲(この人達が玉狛支部のA級……)
⁇?「おっこの4人迅さんが言ってた新人すか?」
モサモサした男性がそう口にする。
小南「新人……⁉︎あたしそんな話聞いてないわよ⁉︎なんでうちに新人が来るわけ⁉︎迅‼︎」
迅「…まだ言ってなかったけど、実はこの4人俺の弟と妹なんだ」
三雲「……⁉︎」
他苑(はっ⁉︎えっ⁉︎いきなり何言ってんの迅さん⁉︎そんな嘘信じる訳が)
引っかかる訳がないそう思っていた他苑…
小南「えっそうなの?」
いや、ここにいた…。
他苑(引っかかったああぁぁぁぁ‼︎?嘘でしょ⁉︎あんな見え見えの嘘に引っかかるの⁉︎マジで⁉︎何で⁉︎)
あっさり引っかかった事に内心驚愕する他苑。
小南「迅に兄弟なんかいたんだ。とりまるあんた知ってた?」
烏丸「勿論ですよ。小南先輩知らなかったんですか?」
他苑(おいぃぃぃぃ!!何悪化させとんねぇぇぇぇん!!!!)
嘘を更に斜め上の方向にかっ飛ばし悪化させた先輩に他苑は内心驚愕し、今までに無いくらいツッコんだ。その際口調が関西弁になったのは置いておく。敬語も抜けてるが…まぁ心の中だから別に問題無いだろう。
小南「言われてみれば迅に似ているような…」じー
空閑「…」キラーン⭐︎
他苑(いや!遊真先輩嘘って分かってるでしょ‼︎便乗しないで‼︎)
遊真もノリノリである笑
小南「レイジさんも知ってたの⁉︎」
木崎「よく知ってるよ…迅が1人っ子だって事を」
小南「……⁉︎」
宇佐美「このすぐ騙されちゃう子が小南桐絵17歳」
ここで騙された事に気付きキレる小南
小南「騙したの!!?」
宇佐美「いやーまさか信じるとは、さすが小南」
宇佐美「こっちのもさもさした男前が烏丸京介16歳」
烏丸「もさもさした男前です。よろしく」
宇佐美「こっちの落ち着いた筋肉が木崎レイジ21歳」
木崎「落ち着いた筋肉……?それ人間か?」
他苑(ごもっとも…それは唯の筋肉であって人間では無いです)
内心同意する他苑
迅「さて…全員揃ったところで本題だ。こっちの3人は、訳あってA級を目指してる。これから厳しい実力派の世界に身を投じる訳だが」
迅「さっき宇佐美が言ったようにC級ランク戦開始までにまだ少し時間がある。次の正式入隊日は1月8日、約三週間後だ。この三週間を使って新人3人を鍛えようと思う。」
迅「具体的には…レイジさん達3人にはそれぞれメガネ君達3人の師匠になってメガネ君達の師匠になってもらう」
小南「はぁ⁉︎ちょっと勝手に決めないでよ!あたしまだこの子達の入隊なんて認めて……」
ボ ス
迅「小南…これは支部長の命令でもある」
ボス
小南「……!支部長の……⁉︎」
木崎「林藤さんの命令じゃ仕方ないな」
小南「……」
烏丸「そうっすね仕方ないっすね」
小南「……分かったわ。やればいいんでしょ。でもその代わりこいつはあたしがもらうから。」
そう言うと空閑を自分の所に引っ張る。
小南「あんた見た感じ1番強いでしょ?あたし弱い奴嫌いなの」
空閑「ほほぅ。お目が高い」
宇佐美「じゃあ千佳ちゃんはレイジさんだね狙撃手の経験あるのレイジさんだけだから」
雨取「よ、よろしくお願いします……。」
木崎「よろしく」
烏丸「……となると俺は必然的に……」
三雲「…………よろしくお願いします」
小南「ところで、こいつ誰よ?」
他苑を指差して言う小南
烏丸「そう言えば…」
木崎「迅…こいつは…?」
他苑を指差して迅に言う小南
他苑「あっどうも僕は昨日付けで玉狛に入隊しました。他苑雅師です」
迅「ちなみに他苑は黒トリガーは持っていないがとある理由でS級に昇格した隊員だ」
小南「はあ⁉︎S級⁉︎」
木崎「なんだと‼︎」
烏丸「本当ですか迅さん‼︎」
S級隊員という発言に驚愕する小南、木崎、烏丸。
小南「嘘でしょ⁉︎こいつそんな強いの⁉︎」
迅「マジマジ。(笑)こいつこっち来る前に荒船と模擬戦して一方的に斬り刻んでるし」
小南「はぁ?荒船が⁉︎」
荒船が一方的にやられたという話に小南だけで無く木崎、烏丸、宇佐美すら驚愕した。
他苑「論より証拠今から戦りますか?小南先輩」ニヤァ
好戦的な笑みを浮かべながら挑発する他苑
小南「上等!ぶった斬ってやるわ!言っとくけど私、荒船より強いわよ!」
他苑の挑発にキレながら荒船より強いと言う小南。
他苑「じゃあブース行きましょう。迅さん、すいませんが先にいいですか?」
迅「いいぞーその先にあるから…⁉︎」
その時小南と他苑を見た迅は…
迅「小南…」
小南「何よ迅…ってなんであたしに向けて手合わせてんのよ‼︎」
迅「いや…まぁ…どんまい…」
小南「…は?」
訳の分からないと言った顔をする小南
木崎「どう言う事だ迅…」
烏丸「迅さんまさか小南先輩が負けるって言うんですか?」
迅「見てればわかるぞ…うわぁ…容赦ねぇな他苑」
木崎や烏丸達は訳が分からなかったが未来視で戦闘の様子を見てしまった迅は引き攣った笑みを浮かべた…。
おはこんばんちは天沙残月です。さぁ訓練の前に他苑VS小南勃発‼︎
勝つのはいったいどっちだ!そして迅が見た未来とは…。
ではまた〜。