二番隊隊長は最強の自由人   作:褐色はいいよなぁ

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投稿ペースが遅いって?
これがデフォさ。

てか文才が欲しい。


暗躍

尸魂界に旅禍が侵入した。

 

唐突だって?災難ってのはね、唐突に襲ってくるのが世の常さ。

 

珍しく仕事をしていた日から約10日。恐らく旅禍の正体は今は牢に囚われの身になってるルキアちゃんの現世の友人たちだろう。

 

助けに来たか……なかなかに眩い青春じゃないか。無謀、無鉄砲、しかしてその勇気には感心する。

がむしゃらな感情は時に強者をも凌ぐ力を一時的に得られることがある。

 

「……旅禍の子たちには頑張ってもらいたいもんだ」

 

まだ見ぬ侵入者に期待を寄せながら執務室から空を見ていた。

 

+++

 

ぎんちゃん(市丸ギン)が旅禍に接触した。

白道門から侵入してこようとしていた旅禍を撃退。しかし、その命まで取らなかったということでただいま隊長達は一番隊舎にて隊首会が行われていた。

 

俺?俺は行ってませんことよ?シャオちゃんに行ってもらってる。

俺には隊首会に"行く暇がない"。そんなのに顔出してる暇があるなら行動だ。

 

「失礼、お邪魔」

 

そう言って外から飛乗る窓の縁。

その部屋にいたのは、

 

「「「「え?」」」」

 

各隊、副隊長たち。

 

「「「「か、香釈隊長!?」」」」

「よ」

 

驚く彼らに手を挙げ挨拶をする。

挨拶は大事。みんなもちゃんとやろうね。

 

「香釈隊長が何故ここに?」

「んー?……野暮用?」

 

赤髪を後ろでまとめたレンレン(阿散井恋次)が一歩前に出てきた。

このレンレンとびゃくやん(朽木白哉)が今や囚われの身になってるルキアちゃんを連れ戻したのだ。お疲れ様です。

 

「や、野暮用ですか…?」

「そ、野暮用野暮用」

 

こんだけ野暮用という言葉が出てくると……アレだアレ、あー、あのあれよ。首元まで出てる。あのー、ゲレンデだかタルトだかが崩壊しちゃうあれね。うん、あれ。

 

「どのような野暮用でしょうかね?……あの香釈隊長が」

「お、てっちゃんよっす。……いるのはレンレン、桃ちゃん、てっちゃんに……お!らんちゃん!」

 

そう言って手を上げる。

視線の先には金髪に死覇装をはだけさせた色っぽい女死神の松本乱菊。

 

「相も変わらずなかなかのもんをお持ちのようで……」

「……相変わらずセクハラですか」

「てか前より服小さくなっ……いや、これはまたπがデカく━━」

 

そこまで言うと飛んできたのは拳。

それをひらりと躱しつつらんちゃんの方に向き直った。

 

「暴力、イクナイ」

「正当防衛ですから問題ないです」

「……なるほど」

 

確かに変態(俺)から身を守るためには暴力を使うしかない。じゃあしょうがないね。

 

「あ、あのー」

「ん?」

「ところで野暮用の方は……」

 

馬鹿なことをしていたら下の方から声がかかった。

そちらに目を向けるとそこに居たのは桃ちゃん(雛森桃)。

 

「お、今日も愛らしいな。そんな君には飴ちゃんをあげよう」

「へ?……あ、ありがとうございます」

 

俺のよく舐めるチュッパチャプス。美味しいよね。

おずおずと受け取る桃ちゃん。可愛い。可愛すぎてお兄ちゃんになっちゃう(?)。

 

「さて、野暮用ということなのだけれども……皆の衆」

 

そう声をかけると途端にピリついた空気が張りつめる。

真剣な眼差しで見つめてくる副隊長たち。

そんな彼らを目にしながら俺は懐に手を突っ込み、そして、

 

「お茶しようか」

 

そう言ってティーカップとポッドを取りだした。

 

「……今どこから取り出しました?」

 

レンレンの言葉が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「━━落ち着くねー」

 

お茶会を初めて十数分。カップ内の紅茶を飲みながらしみじみと呟いた。

 

「……こんな呑気でいいんでしょうか?」

「ええのええの。あんま気にすんなー」

 

らんちゃんの言葉に手を振りながら答える。

みんなは気を張りすぎだ。ちっとは肩の力を抜かせねば。

 

「ところで」

「ん?」

「香釈隊長は"こんなことのため"にここへ来なさったわけですかい?」

「……」

 

てっちゃん(射場鉄左衛門)の言葉。

はてさて、こいつは参った。相も変わらず鋭いグラサンくんだ。

その言葉を皮切りに睨みを効かせた視線が突き刺さる。

 

「「「「……」」」」

「……カカッ、鋭い。さすがだ、てっちゃん」

「……どうも」

「んじゃまあ手っ取り早く行こうか」

 

そう一言こぼし残る紅茶を一気に喉へと流し込む。

息を吐き一拍置き、俺は口を開いた。

 

「単刀直入な?……裏切りモンがいる」

「「「「━━っ!?」」」」

「誰かの仮定は出来てる。数人までに絞れた。……が、それを確定する要素が今のところにない」

「……裏切り者、とは?」

 

……そっか。そっから説明か。

確かにそこの説明無しに進められる話違うか。

 

「約100年前。正確な数字はよく覚えとらん。そんな時に8人の隊長格、及びに鬼道衆のトップ2が居なくなることがありました。その事件、その元凶、それは消えた隊長格8人の中の一人が起こした事件と言われ続けてます。……さてこれは事実でしょうか?」

「「「「……え?」」」」

「答えを教えよう。黒幕がいる」

 

その言葉に嫌に静まる室内。

 

「騙され続けてはや100年近く。この間、俺はずっと正体と目的をコソコソ探ってきてたわけなんだが、何となく全容を掴めてきたわけだ」

「いや、待ってください。それが事実だとしてじゃあ一体誰が…」

「分からん?」

 

レンレンの言葉にこめかみ部分をコツコツ叩きながらおどける。

そして、彼らの方を指さし、

 

「隊長の誰かだ」

「「「「……っ」」」」

「てなわけで副隊長であるお前さんらに報告しとこうってな」

「……もし間違ってたら、大問題ですよ?」

「間違ってないから……話してるんだけどなー?」

 

隊首会に隊長が全員出てる。副隊長が一同に集まる。こんなタイミングを逃しちゃいつ伝えられるか分からない。

あくまで"あの男"に不審に思われないような流れ。タイミング。

副隊長が集まるこの場所にいつものようにからかいに来た二番隊隊長という自然体に見せる。これ以上の場はない。

今話して、信用を得て、少しでも警戒を強めておきたい。牽制にしかならないがそれでもだいぶマシだ。

後は最後の確認さえ出来れば、それでいい。

この100年、一人でやってきてた事だったこともあって時間はかかったがもうすぐで全部解ける。それまでの時間を稼いでくれ。

 

「てなわけでだ。変に詮索もしなくていい。ただ、いざと言う時に対処できるように準備をしといてくれってことだ。あんだすたん?」

 

俺の言葉に面食らう彼ら。

しかし、

 

「分かりました」

 

真っ先に頷いてくれた者。

その豊満なバストに手を当てながら目を真っ直ぐこちらに向けてきたらんちゃん。

 

「変態、怠惰、阿呆の三拍子揃った香釈隊長ですが、あなたの言葉は信頼できます。香釈隊長がそういう指示をするのならば、副隊長として職務は果たします」

「……素直に喜べない俺がいるー」

 

それでもありがたいけどね?うん。ありがたいよ?

 

「分かりやした。ワシも微力ながら手伝わせていただきます」

「……頭には入れておきます」

 

てっちゃんもレンレンも頷いてくれた。

あとは、

 

「桃ちゃん」

「……っ。……あ、あの藍染隊長は違うと思います、よね?」

 

桃ちゃんはそうくんを心酔してるからなぁ。疑いたくないと。

………、

 

「そうだな。桃ちゃんは他の隊の隊長に気を向けていてくれ」

「は、はい」

 

さて、とりあえずこれでひとまずはいいとしよう。

俺の判断が吉と出るか凶と出るか。

そんな時だった。

 

「っ!」

 

この霊圧の高まり。

いつぞやに現世で感じた莫大の霊力。

まさかあの時のメノスに攻撃ぶち込んだやつか?

 

「香釈隊長?」

 

誰かの声が耳に入った時、

 

 

 

━━カンカンカンカン

 

 

 

鳴り響く警鐘。

そして、

 

『緊急警報!!!緊急警報!!!瀞霊廷内に侵入者有り!!!各隊は速やかに守備配置についてください!!!』

 

侵入者?そんなのは感じなかったけどな。

なんだ?

 

そんなことを思ってる間に副隊長は速やかに準備を済ませ、慌てる気持ちを抑えこみ部屋を出ようとしていた。

と、その前に、

 

「らんちゃんはこっち」

「へ?」

 

瞬歩を使いらんちゃんを捕まえつつ離脱。

廊下を曲がったところですぐにおろし口を抑えた。

 

「〜〜!?」

「しー、ちょいと個人的に頼み事があってさ。おーけー?」

「………」

 

手で丸を作り聞くとすぐに大人しくなる。

そのまま耳に口を近づけ端的に言葉を発した。

 

「桃ちゃんと……あとツルくんの面倒頼む」

「……あ」

「聞きたいことはあるだろうけどこれ以上2人きりが続くと怪しまれる。……どこにいてどこから見てんのか分からんからな。とりあえずよろしく」

 

そう言ってらんちゃんの返事を待たずに俺は走り出した。

この騒ぎ、これに乗じて俺も用をすまそう。




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