団長ラブ勢のギャルハーヴィンだってそうさ!!必ず存在する!!!!   作:梏 桎

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初投稿です。

22/04/26 加筆修正


生れ出る燭
転生はあったろう?


 

 

 20XX年、某月

 

 ()()()()()()()()()のガチャ更新において、新キャラが登場した。

 

 

 名をロイルミラ。

 小麦色の肌、ライトグリーンに赤メッシュの髪をデコ出しで分ける、金眼のハーヴィン。

 服装はYシャツの上にベージュのカーディガンと赤リボン。

 下は赤のミニスカートと黒のサイハイソックスに白の脚絆、グレーのショートヒールブーツという組み合わせ。

 

 身長84cm、年齢は17。

 好きの欄に堂々と書かれる「主人公」の文字。

 

 

 

 これから先の物語は、ゲームでは語られない彼女の話────

 

 

 

  §  §

 

 

 

「ママ! 見て!!」

 

「何描いたのー、ルミちゃん? ……ま、まぁ〜!可愛い(?)動物さんね〜!!」

 

 

 あれ、マッマ完全に困惑してるじゃん。

 可愛く描けたと思ったんだけどな、ショゴス。

 

 

 

 どうも転生者です。

 今世の名前はロイルミラです。 どぞ、よしなに。

 

 普段は両親と遊んで過ごす人生2周目エンジョイ勢。

 

 前世は特徴もない陰キャオタクのロリコン兼ハーヴィニスト。

 強いて言えばいつでも幼女とお近付きになれるようにRPだけは磨き続けていたが、別にヤバい奴では無い。

 アプリゲームに日々の時間を費やし、給料で自分磨きをする訳でもなく、アプリに課金しては消し飛ばす社会人。

 ……改めて並べてはいけなかったかもしれない。

 

 死因は不明。 転生理由も不明。

 神様に出会って云々も無し。

 更に言えば享年も不明なら、性別も男だった()という曖昧さだ。

 我ながら転生と思っている割に、前世の記憶が抜け落ち過ぎだろうと思う。

 

 分かっているのは、この世界は前世の日本で無い事。

 もっといえば地球かも怪しい。

 

 

 私がそう断言出来るのは、自分と家族を見れば明らか。

 

 両親は2人とも非常に背丈が低い。 前世感覚なら幼児だ。

 親じゃなきゃもっと邪な目で見ていたね、間違い無い。

 

 家族全員が尖り耳なのも異彩さを放っているといえる。

 とはいえ、この辺はまだ序の口。

 

 

 何よりも違いを感じるのは─────

 

 

「あっ!パパ! お帰りなさい!!」

 

「ただいま、ルミ」

 

「おかえりなさい。 今日はどうだった?」

 

「めぼしいものは無かった。

 だが、幾つか()()と思しき生痕を発見した。

 近い内に遭遇するだろう」

 

「そう……なら、幾つか薬を調合しておくわね。

 あなたの事だから、どうせ無茶をするのでしょう?」

 

「……少しは私の腕を信用してくれないか?」

 

「あなたがルミちゃんの前でカッコつけたいが為に大技ばかり振るわなければ、私も信用しますよ?」

 

「ぐ……」

 

 

 そんな会話をしながらパッパの傷を()()()()()()()()()()()マッマと、()()()()()()()の話を始めるパッパ。

 

 この世界が日本で無いと断言でき、地球かすら怪しいと思うのは道理というものである。

 もし同じ世界だというなら、是非とも歴史を紐解きたいものだ。

 

 

 

  §  §

 

 

 

 転生を自覚して幾許かの月日が経った頃。

 ここが空の世界────グラブル世界だと知った。

 

 切っ掛けは至極単純で、こんなド田舎に騎空士が来た。

 

 

 忘れていたが、私の住む場所は本当にド田舎の村である。

 どれぐらいの田舎かと言えば、騎空士が来るまでは空に騎空艇が飛んでいる姿すら見る事が出来なかったぐらいだ。

 

 家の前で落書きをしたり、綺麗な石を集めて並べたり、老人の昔話を聞くぐらいしか選択肢が無い長閑な、というより本当に何も無い村。

 島の縁でも無いから島が浮いているかは分からないし、前世に比べて空が広くて綺麗なのは田舎特有の景色だと信じ込んでいた所に騎空士である。

 

 私は騎空士が来訪したのを聞いた際、驚きの余り食べていた豆菓子を喉に詰まらせて危うく死にかけた。

 

 

────然し、そうか。 グラブル世界か。

 

 

 そうしてグラブル世界だと分かれば成程、両親はハーヴィン族だった訳である。

 というより、この村がそもそもハーヴィンの集落だった訳だ。

 

 てっきり、ファンタジーのドワーフ系かと思っていた。

 手先の器用な人が多かったし、村は老人が多数を占めているのもあって、髭を貯えたお爺さんが多かったのだ。

 

 

 そして周りがハーヴィンと分かれば、私もまた当たり前だがハーヴィン族だ。

 

 今世は女の子で、前世と違って容姿も優れている……と思う。

 前世の私は所謂草臥れた社会人そのもので、目から生気を消した陰キャオタクだった。

 

 今世の私の容姿は、肌はパッパ譲りの小麦色で、髪はマッマ譲りのライトグリーン。

 旋毛の都合かデコ出しスタイルな幼女。

 

 悪くない容姿であると思うのだが、いざ自分が改めて本当に可愛いかと言われると、中々どうして自信が持てないものである。

 前世で培った、事を荒立てない為に自らを下にする態度が未だ抜け切っていない証拠だろう。

 

 今世の私は有難い事に両親から村の老人まで挨拶の如く私を可愛いと褒め伸ばしてくれるので、時間と共に自らの可愛さを自負できるようになりたい。

 

 

────それにしてもグラブル世界である。

 

 

 グラブルは基本的に厳しい世界だ。

 魔物は跋扈し、星晶獣が暴れ、人間同士でも争い合う。

 更には幽世やら月の民も問題だろう。

 世界の危機が何度訪れるかなんて考えたくも無い。

 

 今が時系列的に何処なのかは不明だが、騎空士が平然と来訪できる時点で覇空戦争は既に遠い過去と思いたい。

 覇空戦争直後から暫くの空の世界は、ゲーム的には空白期間だ。

 折角の転生でそんな空白期を宛てがわれて、それでもこの世界を満喫出来る自信は残念ながら私には無いので、覇空戦争直後の線は考えない事にする。

 

 エルステが王国か帝国かで判断するのが分かり易そうだが、この田舎でエルステの話など聞かない。

 というかそもそも、ここがファータ・グランデかすらハッキリとしていないのだ。

 

 ……グラブル世界への転生って割と絶望的なのでは? 私は訝しんだ。

 

 

 でもそんな絶望的状況だろうと、私としては──未だ十全な自信こそ無いものの──この容姿を以て主人公とイチャつきてぇ……というのが本音。

 主人公の性別はどっちでも良い。 どっちも好きだし。

 

 

 グラブルの主人公はプレイヤーの分身の側面を持つと同時に、歴としたキャラクターでもある。

 キャラクターとしては男ならグラン、女ならジータと呼ばれる彼らは、それはもう顔が良ければ性格も良い人たらしのお人好しだ。

 

 そんな彼、または彼女とイチャつきたい、あわよくば好かれたい。

 

 考えたら止まらなかった。

 ハーヴィンの小さい体躯を利用して抱きかかえてもらいたい。

 『こんな身体に団長(ダンチョ)は欲情しないもんね〜♡』とかほざきながらそれはもうベタベタと触りたい。

 『これもスキンシップだよ♡』とかいって頬に接吻するようなギャルハーヴィンになりたい。

 

 どうしようもなく邪な妄想だが、これを諦めるなど出来ようはずも無いというのが自分なりの結論だ。

 

 故に、空域も今の時代も分からないのは死活問題となる。

 この先の人生のモチベーションに関わると言っても過言ではない。

 

 

────そんな折。

 

 

 捨てる神あれば拾う神あり、渡る世間に鬼はなしとはこの事か。

 

 なんと騎空士さん達は我が家で寝泊まりするらしい。

 そもそも、依頼は村の名を借りただけで父が出したも同然のものだというのだから驚きだ。

 

 父の出した依頼というのは────

 

 

 『近くの山をワイバーンの群れが根城にしている。

 1人で相手するには骨が折れるので、騎空士か傭兵の応援を求む』

 

 

 この依頼を受けてやってきたのが騎空士さん達。

 依頼主の家である事や、ほぼハーヴィンしかいない村の中で、我が家は比較的大きいのも泊まる要因となったのだろう。

 

 ありがとう、大きな我が家。 ありがとう、パッパ。

 

 何はともあれ、またとない好機である。

 此処がどこの空域か、そもそもこの村は地理的にどの辺なのか、今の時代はいつ頃か。

 聞きたいことは山とあるのだ。

 

 迫真の幼女RPで骨抜きにして全て聞き出してやろう。

 

 

「きくーしさん! きくーしさんは、どこから来たの?」

 

「ん? 俺達はトルヅニッツァって島から来たんだ。

 聞いたことあるかい?」

 

「んーん! どんな島なの?」

 

「トルヅニッツァは市場島なんて言われていてね────」

 

 

────それから暫く。

 

 

 欲しい情報をありがとう、騎空士さん達。

 質問責めしまくったお詫びに幼女のハグをプレゼントしてやろう。

 

 癒されたか? 癒されたな、ヨシ!(現場猫)

 

 

 得られた情報は主に4つ。

 この島はファータ・グランデにある。

 この島は、特に著名な島に近いという訳では無い(近くの島に聞き覚えは無く、トルヅニッツァもそこまで近く無かった)

 エルステは未だ()()である。

 少し前に新たな碧の騎士が秩序の騎空団のトップとなった。

 

 非常に貴重な情報だ。 本当にありがとう、騎空士さん達。

 依頼達成の暁には追加のハグでその労を癒して進ぜよう。

 

 

 

 新たな碧の騎士────これは恐らくヴァルフリートだろう。

 彼が碧の騎士を拝命するのは確か原作の開始から約15年前で、主人公が生まれる頃だった筈だ。

 

 

 思ったよりも時間が無い、というのが正直な感想になる。

 

 

 主人公とイチャつける可能性が湧いたのは大いに結構。

 僥倖と言わず何と言おうか。

 

 然し、主人公とイチャつくならばほぼ必須となる項目がある。

 それ即ち『騎空士になる』という事だ。

 

 舌が漸く言うことを聞く程度の歳だから当たり前ではあるが、未だ私は剣も魔法も試したことが無い。

 そして、私にどれだけ才能が秘められているかも、んにゃぴ……(誤用)

 

 そこから約15年で激ヤバ案件が怒涛の如く押し寄せる騎空団で生きるとなれば、どれだけの戦闘力が必要かも分からない。

 この世界の主人公らの道程も不明だから、要求されるスペックは未知数だ。

 

 あの船は主人公のお人好しが生じまくって非戦闘要員も多数乗っているが、私は主人公の背中を支えるような出来る女でありたい。

 

 ……あわよくば戦闘直後で汗だくの主人公に無遠慮に抱き着いて匂いを嗅ぎたいとか思ってなどいない。

 ハーヴィンの身体を押し付けまくって性癖を歪ませたいとかそういうのでも無い。

 断じて無い

 

 

 兎も角、そうと分かれば鍛えるしか無いのである。

 幸いにもパッパは刀を使う剣士だし、マッマは魔法が使える。

 私にだってきっとどちらかの才能は受け継がれている……と思う。

 

 とはいえ、今はパッパもマッマも騎空士さん達が来た事でてんやわんやしている。

 依頼が終わるまでは大人しくしていよう。

 

 

 私は迫真の幼女RPを続けて騎空士さん達と親交を深めつつ、邪魔にならないように努めて過ごした。




思った以上に話が進んでなくて絶望したので疾走します(レヴィオンセイバー・アルベール
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