六喰の封印を終えた士道達は平穏な日々を過ごしていたが、数日後に開催される美九のライブを妨害しようとする輩を知った士道はそのライブを成功させようとGに接触するのであった。

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デート・ア・ライブ―アンコールの三巻にて美衣の叔父がゴルゴ13に似ていることを知ってこの小説を書きました。キャラの口調が変と思われますが気にしないで、もらえるとありがたいです。


士道リクエスト(もし、藤袴 美衣の叔父がゴルゴ13なら)

「皆さん!ありがとうございます!」

『美九!美九!美九!』

「さぁ!今日もめいっぱい歌ちゃいますよ。曲は「I swear」です」

 

 ここは天宮市にあるドームで今日は精霊―ディーバこと誘宵美九のライブが行われていた。席は全て埋まっている。美九のウインクと共に観客は歓声を上げていた。

 

「やっぱり、美九のライブは凄いなぁ~」

「当たり前だ。シドー!」

「十香さんの言う通りですよ。士道さん」

『そうだよ!士道君』

 

 ライブを特別席で観ていた士道が呟くとそれを聞いた十香と四糸乃、それと四糸乃が付けているパペットのよしのんがツッコミを入れた。

 

「チケットも僅か十分足らずで完売したって聞いたわ」

「かっかっか!美九なら当たり前であるぞ。何せその歌声は天界の天使から地獄の閻魔大王まで聞きほれるほどなのでからな」

「誇大、耶俱矢は美九の歌は老若男女問わず好まれていると言いたいのです」

 

 琴里がこのライブのチケットについて呟くとそれに同意するように、耶俱矢が中二病っぽいセリフを言うと夕弦がそれをその言葉を訳した。

 

「私ならステージに立ちたくないわね。あんな大勢の人が見ている前で!」

「そう言っちゃだめだぜぃ!なつみん、あたしもライブしたいな」

「ふむん、二亜がそう言うと絶対何かありそうな気がするのじゃが」

 

 七罪がネガティブに呟くと二亜は正反対にポジティブにツッコんだ。そんな、二亜を見て六喰は不安そうに言ってしまった。

 すると、折紙は何かを思い出し、士道に訊ねた。

 

「そういえば、士道、このライブの後の私との打ち上げはどうするの?」

「そ…それは」

「折紙!何を言っているのだ。シドーは少し前に宝くじで三千万円を当てたのだぞ。そして、その金子でお前だけでなく、皆も打ち上げに参加するのだぞ!」

 

 彼女の士道を独占するような物言いに対し、十香は怒りながら叫んだ。すると、士道は申し訳なさそうに精霊たちに頭を下げた。

 

「すまん、みんな、その宝くじを無くしてしまった」

『ええ~~っ!』

「だから、打ち上げは今度でいいか?」

 

 士道は頭を下げながら精霊たちに訊ねた。

 

「仕方ないのだ。けど次はちゃんとやるのだぞ!」

「気にしなくていいです、士道さん」

『そうだよ、けど次から落とさないでね』

「仕方ないわね、今回はウチ(ラタトスク)で支払うわ」

「落としたものは仕方ない、落としたのは奈落の底、だから、見つかるはずもなかろう」

「忠告、当てたのならば、キチンと保管してください」

「落としても仕方ないわ、私なら絶対に落とすだろうから」

「しっかりしてくれ、少年!大人の世界じゃ通じないからな。しっかりするんだぜー!」

「むん!主様、気にするでない。正直に言ってくれ。むくは嬉しいぞ」

「士道、今度は私とだけでいこう」

「ありがとう、みんな」

 

 ライブはその後も恙なく終了した。そして、士道達は美九の元に向かった。

 

「あっ!だーりん、みなさん、今日のライブはどうでしたか!?」

「いいライブだったよ。みんなそうだろ?」

 

 士道は後ろにいる精霊たちに訊ねると皆首を縦に振った。

 

「喜んでもらえてよかったです!そういえば、打ち上げはだーりんの奢りなんですよね?」

「始めはそのつもりだったんだけど、士道がヘマやらかしちゃってね。打ち上げはラタトスクが負担するわ」

 

 美九の問いに対し琴里はやれやれとした様子で返した。

 その後、士道達が皆で和気藹々と話していると美九のマネージャーの暮林 昴が歩いてきて、美九に声をかけた。

 

「美九!今日のライブは大成功よ!私もマネージャーとして鼻が高いわ!!」

「ありがとうございま~~す!」

「けど、一つ気になることがあるの『クリミナル』がこのライブを妨害しなかったことよ」

 

 『クリミナル』とは大手プロダクションで芸能界では知らない者はいないとされている。しかし、暴力団との癒着、女性アイドルの枕営業、ライバルプロダクションへの脅迫、業務妨害など黒い噂が絶えない。

 そこの社長である黒沢 屑男は父親が大物議員であるために警察も手を出せなかった。

 

「そうですね!何かしらの妨害はしてくると思いましたけど、何もありませんでしたね?何かあったんでしょうか?」

「何があったのかは知らないけど、今回の公演がうまくいってよかったわ。ン……!?」

 

 昴が目線を向けた先にはテレビがあり、ニュースが流れていた。

 

『今日の昼、大手プロダクション『クリミナル』の社長室に銃弾が撃ち込まれるという事件が発生しました。死者はいなかったものの、それが社長室にいた社長の黒沢氏の前歯に命中しました。犯人は未だに不明です』

 

 そのニュースを見た昴は納得した。

 

「…誰かは知らないけど、その狙撃犯が『クリミナル』を止めたということなのかしら!?」

「そのようですね~!誰がやったんでしょうか!?」

「まあまあ、暮林さんも美九も誰かは知らないけど、その犯人のおかげでライブは大成功したんだから喜ばないと」

「そ、そうよね」

「はい、誰かは知りませんけど。ありがとうと言いたいです」

 

 二人の嬉しそうな表情を見た士道は夜空を見上げた。

 

(ありがとうございます。ゴルゴ13、貴方のおかげで美九のライブは成功しました)

 

 士道がそう思っていると離れた場所で、二亜は囁告篇帙(ラジエル)を使った。

 

「なるほど!少年も隅に置けないねぇ」

「むん!どうしたのじゃ、二亜!?」

「何でもないぜぃ!むくちん!さあ打ち上げに行こっ」

 

 二亜はそう言うと六喰を引っ張って精霊たちのいる場所に向かった。

 話は三週間ほど前に遡る。

 

 

「シドー、今日の夕餉は何するのだ?」

「カレーにしようと思うんだけど十香はどうかな?」

「かれぇか、大賛成だ」

 

 士道はいつもと同じように学校の帰りに夕食用の食材をスーパーで買っていた。そして、会計が終わり、家に帰ろうとするとスーパーの店員が声をかけてきた。

 

「今日は千円以上の買い物をしましたか?」

「えっ……!はい、しましたけど!」

「ならおめでとうございます!今日は宝くじを一枚サービスします」

 

 その店員によると、今日はこのスーパーの三十周年企画として千円以上の買い物をするごとに宝くじが一枚もらえるらしい。なお一等は三千万円だそうだ。

 

「おお~~!凄いではないかシドー、三千万円だぞ!三千万円!」

「十香、ハイテンションになるのはいいけどさ、どうせハズレだよ」

「そうなのか…!残念だ。それだけあれば皆で美味しいものを山ほど食べられたのに」

 

 十香はやや落胆した様子だった。士道としても当たらないだろうと思っていた。店員によると抽選結果は翌日に発表されるとのことらしい。

 スーパーから出た士道は十香を連れて家に歩いて行った。

 

「ただいま帰ったのだ!」

 

 十香が五河邸のドアを開けるなり、叫んだ。すると、その声を聞いた精霊たち(なお琴里は白リボン)が集まってきた。

 

「おかえりなさい、士道さん、十香さん!」

『今日の夕飯は何かな、すごく楽しみ』

「おかえり、お兄ちゃん、おなかペコペコだから早く作って!」

「かっかっか!我らのこの肉体は血肉に飢えているようだ。士道に十香よ!」

「説明、耶俱矢はおなかが減ったと言っています」

「だーりんの作る料理は絶品ですからね。どんなものが出るのか楽しみです」

「どうせ、私はまともに料理ができないんだけどね」

「少年、できたら酒に合うヤツを頼むぜ」

「ふむん、主様よむくも手伝ってもしいなら言うがいい」

「士道、盛り付けには私の体を使ってほしい」

 

 精霊たちはおなかを空かしていたようで、士道は早く作ることにした。士道の作ったカレーは絶品だったようで、皆も大変満足した様子だった。すると、士道は何かを思い出し、美九に訊ねた。

 

「そういえば、美九は三週間後にライブがあるんだっけ?」

「はい、そうですよ。安心して下さい。だーりんを含めた皆さんは特別席で観れますから」

「それは楽しみなのだ」

 

 十香はウキウキしながら喜んでいた。すると二亜が複雑そうな表情をしながら口を開いた。

 

「けど大丈夫なの。今回のライブで『クリミナル』の妨害があるかもしれないしさぁ!」

『!!?』

 

 それを聞いた一部の者は顔を暗くした。なにしろ『クリミナル』の悪名は芸能界だけでなく、一般社会にも轟いていたからである。

 

「…大丈夫です。絶対に成功させます。だから皆さん安心して観に来て下さい」

 

 美九は明るい表情でそう言ったが、士道としては不安だった。

 そして、夕食も終わり、他愛のない時間を経て、明日に備えて寝ることにした。

 

 

 

「士道、起きなさい。もう朝よ」

「わかった!起きるから少し待ってくれよ。琴里!」

 

 士道はいつものように琴里に叩き起こされると朝食の準備を始めた。そして、精霊達がテーブルに座ると料理を並べていった。

 折紙除く精霊全員揃うと『いただきます』と言って食べ始めた。テレビを見ながら食べていると気になる話題がニュースで取り上げられた。

 

『大物女性歌手の大島 愛花さんがライブ中に事故に遭いました。昨日のライブ中にステージの天井にあったライトが起きてきたとのことです。幸い怪我人はいませんでしたが、そのライブは中止となったとのことです』

 

 そのニュースを観た皆は複雑そうな表情を浮かべていた。

 

「あのぉ!この大島 愛花さんは『クリミナル』と以前揉めていた方じゃありませんでしたっけ?」

「回想、確かに週刊誌ではそのように載っていましたね」

「しかしながら闇に包まれて何事もなかったようにされたのだろう。全く恐ろしいことよな」

 

 四糸乃の疑問に対し夕弦が思い出したかのように言うと耶俱矢は大げさに言った。琴里はやや自信がなさそうに話し始めた。

 

「無論、美九のライブの妨害工作は私達『ラタトスク』で何とかするつもりだけど。相手は裏社会にも顔が利く大物だから。完全に守れるかどうか怪しいのよ……」

「こうなったら、社長を殺すのは?」

「それはマズいよオリリン、そうなったら。真っ先にみくたんが疑われちゃうし、何より『クリミナル』の社長は用心深くて、基本外には出ないし、立て籠っているビルもセキュリティー万全だし!」

「ふむん、むくたちは打つ手なしということなのかの?」

 

 折紙の物騒な発言に対し、二亜は慌てて反論した。六喰は自分たちの無力さを呪っていた。

 二亜の言葉通り、『クリミナル』のビルは最新鋭のセキュリティーが施されており、出入りは困難である。また、社長である黒沢 屑男は用心深く、基本社長室だけで仕事をしている。外出もしないために外に出たところを狙う策も使えなかった。

 

「あっー、もうこんな時間なのだ。シドー、学校行かないと」

「そうだな」

 

 十香が時計を見ると既に登校時間になっていた。

 士道、十香、折紙、耶俱矢、夕弦は制服に着替えて、来禅高校に向かった。

 教室に入ると士道の男友達である殿町 宏人が声をかけてきた。

 

「おはよう、五河!今日も十香ちゃんと鳶一ちゃんと一緒に登校か、羨ましいぜ」

「ああ、おはよう殿町」

「おはようなのだ」

「おはよう…」

 

 普通に返すと今度はクラスのかしまし三人娘、亜衣麻衣美衣が近寄ってきた。

 

「おはよう、五河君、十香ちゃん、鳶一さん!」

「相変わらず、仲がいいわね」

「仲良すぎて、マジ引くわ~!」

「三人とも、おはようなのだ。今日もよろしく頼むぞ」

 

 今度は教室のドアが開くと担任教師―岡峰珠恵が入ってきた。

 

「皆さん、おはようございます。ホームルームを始めます」

 

 午前の授業が終わるとお昼休みとなった。

 

「さぁって!お昼休みなのだ。お弁当♪お弁当♪」

「私の作ったお弁当たべて、士道―」

「我らも食べるぞ、日が真上にある刻の獣達の宴は最高であるからな」

「同意、皆で食べる昼食は美味しいです」

「そうだな!!」

 

 昼食には耶俱矢と夕弦も加わった。食べていると他の生徒達の話声が聞こえてきたが、その多くは今度開催される美九のライブの話題であった。

 それを聞いた士道達は美九のライブを聞きたがっている人が多いことを喜んだ。しかし、生徒の一人から不穏な声が聞こえた。

 

「知っているか?今度の誘宵美九のライブを『クリミナル』が妨害しようとしているらしいぜ?」

「ホントかよ?」

「俺の親は芸能関係専門の記者なんだけど。聞いた話じゃ『クリミナル』の社長は誘宵美九に枕営業の話を持ち掛けたらしいが、彼女がその話を断ったらしく。それで、そのことを逆恨みしているらしい」

「『クリミナル』って黒い噂が絶えない会社だろ」

「ああ!けどそこの社長の父親は大物議員で、その社長が幼少期から起こしてきたって数々の事件も権力を使ってもみ消したらしいぜ」

 

 そのことを聞いた士道は益々不安に駆られた。美九のライブの時に自分は何ができるのだろうと。すると亜衣麻衣美衣の喋り声が聞こえてきた。

 

「そういえば、美衣、聞きたいんだけど!?」

「どうしたの!亜衣?」

「この間、インターネットのニュースに載っていたスペインのある大富豪が狙撃されて死んだ事件、あれって美衣の叔父がやったの?」

「分からないよ。ただ叔父さんである可能性は高いわね!」

「その根拠は?」

「麻衣、叔父さんは遠距離射撃を得意としているからよ」

 

 士道は以前の授業参観には美衣の叔父がやって来たことを思い出した。美衣の叔父が海外でヒットをしている話は聞いたことがあったが、どんなヒットマンなのか知らないから後で囁告篇帙(ラジエル)を使って調べようと思った。

 

「今日の授業も終わったな、夕食用の食材を買ったら帰ろうか」

「そうだな。シドー」

「その買い出しには私も参加する」

「我らも神が作りたまえしモノを買うことを手伝おうぞ!」

「協力、私達にも手伝わせて下さい」

 

 そうして、全員でいつものスーパーに行った。すると、昨日買った宝くじの抽選結果が発表されていた。

 

「当選結果はどうなのだ。シドー」

「十香よ。一等など広大な砂漠の中から一粒の砂金を見つけるようなモノぞ。当たるわけなかろう」

「期待、当たれば士道はどうするつもりですか?」

「どうもしないよ。当たるわけが…っ!」

 

 抽選結果のボードを見ると一等の番号と士道の持つ宝くじの番号が一致していた。それはつまり。

 

「あ……あたっ……当たった!」

「おお、凄いのだシドー!」

「見事なモノよ。ヌシは一粒の砂金を見つけったということか!」

「歓喜、そのお金で何をします?」

「そ…それ……はっ!」

 

 士道は夕弦への返答に困った。そして、その宝くじを店員に見せると店員は『明後日以降。その宝くじをもって○○銀行に行けばいいですよ』と言われた。

 買い物を終えて家に帰り、宝くじで一等を当てたことを皆に伝えると、驚くと同時に喜んだ。このお金でライブ後の打ち上げに使うと決めた。

就寝前に部屋に籠り囁告篇帙(ラジエル)を使って、美衣の叔父について検索を始めた。

 

「え~と、何々、コードネームはゴルゴ13ってなんか中二病的だな。さあ調べ続けよう」

 

 調査の結果、次のように判明した。

 

名前:本名は・・・、偽名ではデューク・東郷を名乗るケースが多い。

国籍:不明。ただし日本人的特徴が目立つ。

職業:狙撃屋

血液型:A型

特技:ライフルを使った遠距離狙撃、拳銃を使った短距離狙撃、爆発物、劇薬、格闘術

成功率:ほぼ100%

 

「こんなバケモノがクラスメイトの叔父だなんて信じらんねぇ!コンタクト方法は・・・やるしかないか」

 

 士道は一人で決断した。

 そして、翌日。

 

「いや~、少年、あたしとアキバでデートしたいなんて、あたしの性格分かってんじゃん」

「まぁな、二亜との初デートの場所だったし、二亜の性格からしてここがいいと思ったから」

 

 士道は二亜と秋葉原に来ていた。

士道の仕事は精霊をデートしてデレさせてキスして霊力を封印するだけでなく。封印された精霊達の精神状態が不安定になり、力が暴走しないように時折再デートしている。

 

「そう言えば、少年、今日は何しようか?」

「そうだなー!」

 

 士道は二亜と秋葉原を巡り歩き、同人誌や漫画、ゲームなどを買い込んだ。

 そして、日が暮れ始めると士道は二亜に頭を下げた。

 

「二亜、悪いんだけど、先帰ってくれないかな?」

「別にいいけど、どうしたの少年?」

「ちょっと、神保町に寄ってから帰りたくてさ!」

「神保町ねぇ~!もしかして、えっちな本でも買うのかぃ?」

「そうじゃないよ、もう直ぐ三年生だからさ、参考書でも買おうと思ってな」

「ふーん!わかった。あたし先に帰るから」

「ありがとう二亜」

 

 士道は二亜と別れるとその足で神保町に向い。そこの神保町の古書店街を散策していた。

 

「確か『杉本書店』だったな。・・・ってあれか!」

 

 士道は『杉本書店』に入店するとそこの店主である老人に声をかけた。

 

「あの~、ラテン語で書かれた聖書が欲しいんですが」

「それなら、あの棚の三段目の右端にあるよ」

 

 士道は店主が目を向けた先にある棚の三段目の右端にある本を採るとあるページを開き声をかけた。

 

「ヨハネの黙示録の⒔ページが欠けているんで、取り寄せてもらいたいんですけど」

「だったら、この紙に名前と電話番号を書いてくれ」

 

 店主が出した紙に士道は名前と電話番号を書くと店を後にした。

 それから、十三日後、士道はいつも通り、授業を終えて、帰宅しようとしたところ。携帯電話が鳴ったので、出ることにした。

 

「はい!もしもし!」

「五河士道だな?」

「は…はい、貴方がゴル……デューク・東郷ですか?」

「そうだ」

 

士道は電話の相手がゴルゴ13だと分かると小声で話し始めた。

 

「今日の午後五時に天宮市の十三丁目にある廃ビルの地下一階に来い」

「分かりました!」

 

 電話を切ると近くにいた十香と折紙が声をかけてきた。

 

「シドー、どうしたのだ?」

「今の電話の相手は誰なの?もしかして、女?」

「違うよ!遠い親戚からだよ。それより、今日は一人で帰りたいんだけどいいかな?」

「ダメそれは許さない、士道は私と一緒に帰る」

「折紙、シドーは私と一緒に帰るのだ!」

 

 いつものように十香と折紙は口喧嘩を始めた。士道はそれを好機だと思い。コッソリ抜け出そうとしたが。

 

「逃げるのは卑怯だぞ。シドー!」

「さあ、私を選んで」

「俺の意見を尊重してくれ~!」

 

 士道が困惑しているとこのクラスの副担任であり、『ラタトスク』の解析官でもある村雨 令音が近づいてきた。

 

「十香、折紙、悪いが一度『フラクシナス』に行ってくれないか」

「どうしてなのだ」

「理由を教えてもらいたい」

「君らの霊力と体調の診断をした方がいいと思ってね。シン、君もそう思わないかい?」

「確かに令音さんの言う通りだよ。今度一緒に帰ろうよ」

 

 そう言って、令音が二人を連れて行くと士道は感謝し、面談場所に向かった。途中銀行で〇〇銀行に立ち寄り、三千万円を受け取った。そして、午後四時五十分に目的地に到着した。廃ビルだけあって、電機は通っておらず。また暗くジメジメした感じがあった。

 

「この場所でいいんだよな。早く着きすぎたかな?」

 

 士道はこの場所で少し待つことにした。

 

「あと少しで五時かこの場所じゃなかったのかな……?」

「いや、約束の時間通りだ」

 

 士道は声のした方に振り替えるとそこには前の授業参観に来ていた美衣の叔父がいた。あの時と同じスーツ姿だが、右手には吸いかけの葉巻があった。

 

「用件を聞こう」

「は、はい。この写真を見てくださいぃぃ……」

「ゆっくり出せ、ゆっくりだ!」

「ご、ごめんなさいっ……!」

 

 士道はポケットから標的の写真を取り出そうとしたところ。ゴルゴ13はいつの間にか拳銃を士道に向けていた。士道は彼の言う通りゆっくりとポケットから写真を出した。

 写真には『クリミナル』の社長―黒沢 屑男が写っていた。

 

「ターゲットは『クリミナル』の……?」

「その前に俺のことをどうやって知った?精霊絡みか?」

「な、何のことでしょうか……?」

「本当のことを言わないのであれば、この話はなかったことにしよう」

「分かりました。本当のことを言います」

 

 踵を返して去ろうとするゴルゴ13を止めるために士道は全てを話した。自分が『ラタトスク』に所属し、精霊をデートした上でデレさせてキスすることで霊力を封印する。そのような任務をしており、士道が封印した精霊の一人―誘宵美九のライブを『クリミナル』が妨害しようとしていることなどを話した。

 

「なるほどな!お前はその精霊の力を使って、俺のことを調べたのか?」

「そうです」

「今後、俺のことを必要以上に調べようとするなよ。もしやったら」

「わかっています。話を続けてもよろしいでしょうか?」

「いいだろう」

 

 ゴルゴ13は壁に寄りかかり、士道の話を聞くことにした。

 

「依頼したいのは『クリミナル』の社長―黒沢氏の前歯です」

「その程度のことなら『ラタトスク』の力で何とかなるだろ。俺に依頼しなくてもいいのではないか?」

「確かにそうですが、『ラタトスク』に頼んでしまうと動きが派手になるために『ラタトスク』が表に出てくる可能性が出てきます。だからこそ、貴方に依頼したいのです」

「なるほど、『ラタトスク』と『クリミナル』が衝突すれば、裏組織である『ラタトスク』の存在が明るみになってしまうか……?」

「そうです!」

 

 ゴルゴ13は手にある葉巻を指ではじき飛ばし、士道の話を聞き続けた。

 

「貴方が黒沢の前歯を撃ち飛ばすことで、奴に恐怖を植え付けてほしいんです」

「なるほど、殺さないのは奴の父親が理由か?」

「はい、黒沢の父親は息子が殺されれば、血眼になって犯人を探し出そうとするでしょう。だから殺さないでほしいんです。それと狙撃のタイミングですが、美九のライブの日に俺は黒沢に警告の電話を昼に入れるので、その時にお願いします!」

「…………わかった。引き受けよう」

「ありがとうございます。報酬の三千万円を受け取って下さい」

 

 士道は三千万円をゴルゴ13に渡すと彼はこの場から立ち去った。

 彼の気配がなくなったことを悟ると士道は腕時計を見た。

 

「もう、こんな時間か、早く家に帰らないとな!」

 

 時間を確認した士道はスーパーに寄ってから家に帰った。

 

 

 

 あれから数日経ち、今日はライブの開催日である。士道達はコンサートが始まる午後二時まで時間を潰すことにした。

 

「シドー、あの店のハンバーガーが食べたいのだ!」

「士道、少しホテルで愛し合わない?」

「士道さん、ライブ楽しみですね」

『よしのんも楽しみにしてるよ。特等席で観れるんだから』

「いよいよこの時ね。楽しんでみましょう!」

「我の肌がヒシヒシとしておる。まるで最終戦争の刻が近づいていることを感じているように」

「懸念、本当に妨害がないか不安です」

「確かにそうだけど、妹ちゃんも手を打っているようだし気にせず楽しもうじゃん!」

「ふむん!二亜は能天気じゃのう!」

 

 精霊達の反応は各々違っていた。(折紙はかなり危ないが)

 士道はそんな精霊達を見ていると午後一時になったので、行動を起こした。

 

「みんな、ちょっとトイレに行ってくる」

「分かったのだ」

 

 士道はこの場を離れてスタジアム内のトイレに入った。この時間はトイレにはそれなりに人がいる。この状態なら折紙も簡単に入ってこないだろうと思った。

 周りを確認した士道は変声機を使い黒沢の携帯に電話をかけた。

 

「あんたが黒沢 屑男だな」

『誰だ!テメェ!?』

「お前は誘宵美九のライブを妨害しようとしてるだろ?」

『お前に関係ねぇだろ。仮に妨害があったとしても、それはあの女が俺を拒んだのがわりぃんだよ』

 

 噂は本当だったと分かった士道は改めて警告した。

 

「妨害行為をするな。やるなら容赦しないぞ!」

『テメェに何ができるんだよ。大方あの女のファンなんだろうが、俺の親父の力の前じゃ無力なんだよ。ヒャハハ~~』

 

 葛生は下品な大笑いをしていた。しかし、電話越しから「バリン」と「ドキュン」と音がした。すると屑男から呂律が回らない、欠けたような声がした。

 

『お…おみゃえっ……!おれりゃに…なにしゅたんだ?』

 

 士道はゴルゴ13が依頼通りに屑男の前歯を狙撃したことを悟ると一気に畳みかけた。

 

「これは警告だ。まだ妨害するようならどうなるか分からないぞ!」

『ヒヒィィ~~~ッ!』

「だから妨害するな!分かったか?」

『わ…わきゃった……!も……もうしぃない……!だからころしゃないで!』

「約束を破るなよ!もし破ったらー」

 

 屑男は「ヒィ」と怯えた声をしながら電話を切った。

 

「これでヨシ。後はライブが開催されるまで待つか」

 

 士道はトイレから出ると精霊達のいる場所に向かった。

 

 

「美九のライブが大成功したことを祝って乾杯!」

『乾杯!』

 

 士道達はラーメン店を貸し切って、そこで打ち上げを行っていた。本来であれば高級寿司店を貸し切りるつもりであったが、士道が宝くじを失ったことでその話もなかったこととなった。

 

「むん、ここの料理も悪くないが、一番は主様の手料理じゃのう!」

「六喰の言う通りなのだ」

「この世に士道の手料理以上に美味しい料理は存在しない」

 

 六喰の感想に十香と折紙も同意した。

 

「いや~!酒が旨いね」

「二亜さん、少し飲みすぎなんじゃありませんか」

『よしのんは酒が飲めないから味はわかないよ』

 

 二亜は上機嫌で酒を飲んでいると、そんな彼女を四糸乃は注意していた。

 

「天使と悪魔の輪舞曲も終わり、戦終わり後の宴料理は美味である」

「呆然、打ち上げの料理が美味しいなら、普通に言って下さい」

 

 耶俱矢が中二病発言をしており、夕弦はその発言を聞いて呆れてしまった、

 

「士道が宝くじを落としたのは私の不幸が原因かな?」

「七罪、士道が宝くじを落としたのは、士道の自業自得。だからあなたのせいじゃない」

 

 何故か落ち込んでいる七罪を琴里は励ましていた。

 

「みなさん……!」

「今日の主役は美九なんだから、もっと楽しまないと」

「だーりん…!そうですね。目いっぱい楽しんじゃいましょう」

 

 士道は美九に声をかけていると、店のテレビからニュースが流れていた。

 

『一時間前に、黒沢議員の乗った自動車のタイヤがパンクし、乗っていた議員と秘書と運転手の三人が死亡しました。警察によると不慮の事故だそうです。

 昼に起きた『クリミナル』の社長室狙撃事件ですが、警察によると約1km離れたビルの屋上から狙撃した可能性が高いと言われていますが、専門家によると今日は風が強いために不可能だとのことです』

 

「もしかして、ゴルゴ13が……いや待てよ。俺は前歯の狙撃だけ依頼したんだし、事故で死んだんだよな。うん!」

 

 士道が一人で納得していると精霊達が声をかけてきたので、彼も思いっきり楽しむことにした。

 

十分前、ゴルゴ13は黒沢議員の乗った車の狙撃を終え歩いていると、彼は振り返り拳銃を構えた。するとそこの地面にある影が立ち上ると赤と黒のゴスロリドレスを着た。光彩異色の美少女が現れた。

 

「おやおや、気付かれてしまいましたわね」

「時崎 狂三、ナイトメアか」

「あらあら、私のこともご存知でいらしましたのね。Mr東郷」

「俺に何か用か?」

「素晴らしい銃の腕前でしたので、同じ銃使いとして賛美を送ろうと思いましてよ」

「俺にとって銃は仕事をするうえで必要なモノの一つでしかない」

「そうですか!」

 

 それだけ言うと、ゴルゴ13は歩いて、この場を去った。

 突如、狂三の隣にもう一人の狂三(狂三の分身)が現れた。

 

「私、どうやら聞いた話によりますと黒沢議員の殺人依頼をしたのは大島 愛花の所属しているプロダクションの社長のようですわ」

「犯行動機は復讐ですの?」

「それも理由の一つですわ!」

 

 狂三の分身曰く、愛花は所属しているプロダクションの社長は彼女のライブが『クリミナル』に妨害されたことに腹を立てていた。その報復としてゴルゴ13に黒沢議員の殺害を依頼した。

 その社長によると屑男が傍若無人に振舞えるのはバッグに父親である黒沢議員の存在が大きかった。だから、その後ろ盾をなくすことにあった。黒沢議員が死んだあとは今まで集めていた屑男の数多くの犯罪を世間に公表することで『クリミナル』を倒産させることにあった。

 

「後ろ盾を失った『クリミナル』は近いうちに倒産するでしょう。それより面白いのは、愛花さんはその社長さんの隠し子だったことですわ」

「それは面白いですわね」

 

 今回の依頼は親としての私情もあった。なお事故に見せかけて殺害したのは普通の射殺ならすぐに怪しまれることと、秘書も運転手も屑男の犯罪に手を貸していたためであった。

 

「面白い方でしたわね。いずれ食べてみたいですわ!」

「それよりもまずは士道さんですわ。私」

「そうでしたわね!」

 

 狂三は分身に愚痴るとこの場を離れた。

 

 数日後、士道達はテレビのニュースを観ていた。

 

『『クリミナル』の社長―黒沢 屑男が逮捕されました。警察に匿名で送られてきた情報をもとに捜査したところ、加害者である屑男は強姦、恐喝、殺人など数多くの凶悪事件を起こしてきたとのことらしいです。屑男は犯行を認めたうえで、震えながら逮捕して守ってほしいと懇願しているとのことです』

 

 これを見た士道は美九に声をかけた。

 

「美九、どうやら近いうちに『クリミナル』は倒産するだから。思い切って歌え」

「わかりました。だーりん」

 

 美九は笑顔でそう言うとリハーサルのためにプロダクションに向かった。

 




小説はどうだったでしょうか。私的に授業参観にヒットマンが参加することがおかしいと思いました。それと耶俱矢の中二病的なセリフを書くのが難しいと思いました。

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