ランボー / 怒りのメスガキわからせ   作:エロスはせがわ

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あんたの自己愛のデカさ、キリマンジャロか。

 

 

 

 

「どこにいるの?」

 

「この先500メートルです、Sir!」

 

 メスガキ刑事を乗せたヘリが、メスガキマウンテンに降り立つ。

 彼女は雪に覆われた地面に足着くのと同時に、この場で警備にあたっていたメスガキ兵に声をかけ、現場の位置を問いただす。

 そしてすぐ、猛然と山道を進んでいった。

 

「……」

 

 少し遅れて、メスガキ大佐もヘリを降りる。(背丈が足りないので、誰かの手助けがいる)

 メスガキ兵を労うように敬礼を交わした後、テテテと急ぎ足で追いかけて行く。

 

 アイツは今、明らかに冷静さを失っている……。どういう事だ? 一体この“廃坑”に何が?

 そう一人思考を巡らせながら。たまに雪でステーンと転び、地面におしりをぶつけて涙目になりながら。

 

「――――なにやってるのっ!? 人力じゃムリよ! やめなさいっ!!」

 

 そしてなんとか追いつき、現場に到着してみると、そこには先に着いたメスガキ刑事が、部下たちを必死で止めている光景があった。

 

 きっとメスガキポリスの4人には、ランボーが爆発に巻き込まれたように見えたのだろう。この瓦礫の下に、いま彼が埋まっていのだと、そう思い込んでいる様子だった。

 

 おじさんが死んじゃう! はやく助けてあげなきゃ――――

 そう涙を撒き散らしながら、必死で瓦礫をどかそうとし、素手で土砂を掘り返そうとしている。だいの大人でも動かせないような木材を、懸命に持ち上げようと藻掻いている。

 

 まだ身体が小さく、力も弱い小学生の子に、出来るハズもないのに。

 だがそんな事もおかまいなし。むしろこの現実を受け入れられず、「いやだいやだ」と駄々をこねるようにして。

 

「おちつくの! はなれなさいアンタたちっ!

 ガレキがくずれでもしたら、どうするのっ!!」

 

 掴みかかるようにして、部下達を止める。

 彼女らは、信頼するボスの姿を見た途端、まるで糸が切れたように崩れ落ち、悲痛な声で泣き始める。

 デカちゃんはそれをしっかり抱きしめながら、必死に声を上げて宥める。

 

「だいじょうぶよ! すぐオーエンがくるから! しんぱいないのっ!!

 ざこブルトーザーと、ざこシュベルカーと、ざこ救急車を手配したから!」

 

 ――――ろくなモンがねぇな、この町は。

 こんな時だというのに、大佐ちゃんはそう思わざるを得ない。

 

 ちなみに、さっき彼女が乗ってきたヘリも、正式には“ざこヘリコプター”と呼ばれる機体らしい。よく墜ちずに辿り着けたものだと、内心安堵した。

 

 

 

「恐らくは、無事だ。

 爆発があったのは、彼らが廃坑に飛び込んでから、暫くした後。

 あの御方ならば、きっと回避出来ているよ。安心して良い」

 

 やがて暫しの時が経ち、ようやくメスガキポリス達を落ち着かせ、後方の部隊に預ける事が出来た。

 そのタイミングを見計らって、大佐ちゃんがメスガキ刑事に声を掛ける。

 辺りのメスガキ兵たちが、必死にざこスコップを奮う音が響く中で、彼女と向かい合う。

 

「しかし、どうやらお前は、()()()()()()()()に脅威を感じているように思う。

 逃げ込む事じゃなく、ここに侵入されること自体を恐れた。……相違ないな?」

 

「……」

 

「何がある? この廃坑は一体なんだ?

 聴かせてくれないか、同志よ」

 

 目を合わせようとしない。今も彼女はそっぽを向き、じっと押し黙っている。

 それでも大佐ちゃんは辛抱強く、じっと彼女を待ち続ける。

 偽りのない、仲間としての信頼を宿した瞳で見つめる。

 

 

「ここじゃダメ。また夜、ふたりのときに話すわ。

 ごめん……。それまでまって大佐」

 

 

 

 

 

 ♥ ♥ ♥

 

 

 

 

 

 巨大な空間があった。

 そこはまるで、地底にもうひとつ町を作ったかのように、大小さまざまな小屋が乱立している。

 

「ここは、とある宗教団体が住処としていた場所です。

 百年以上も昔に作られたそうですが、今は誰も住んでいません」

 

 太陽の光が届かぬ、淀んだ空気だけが支配する世界。

 たとえどれほどのスペースがあろうとも、こんな場所で生活をするなど、正気の沙汰では無いように思える。

 自分達の息遣い、それ以外は全く音がしない、完全な静寂。

 これだけ広ければ、何かいそうなモノだが、不思議なことにネズミ一匹すら見かけない。

 

「行きましょう、おじさま♡

 この先に、教祖が住居としていた建物……、神殿があります」

 

 カリーナが持つペンライト、そしてランボーが持つ懐中電灯の光を頼りに、二人は足元を確かめつつ、ゆっくりと歩みを進めていく。

 整地のされていない、凸凹だらけの地面。未だに倒壊していないのが奇跡的に思える、ボロ板で作られたような住居の数々。

 いくらライトで見渡そうが、あるのはその位のものだった。

 

 ランボーはとくに信仰に厚い方ではないけれど、もし仮に“地獄”というものが存在するのなら、きっとこの場所のような感じではないだろうか?

 暗く、肌寒く、不快な空気、それに加えて何もないこの空間は、罪人が堕ちるとされる場所に相応しい。

 自分ならば、好き好んでここに居たいとは思わない。きっと数日と経たぬうちに、精神に異常をきたす事だろう。

 

「すべての住人が信者。村まるごとカルト教団であり、そこで独自の法と文化を築く。

 ……現代においても、少しばかり田舎に行けば、こういうのは普通にあるそうです」

 

 彼女の語りに耳を傾けている内に、やがて大きな門の前に到着した。

 それは木造で、部外者の侵入を拒む役割など、すでに果たしていない程にボロボロだった。

 片方の扉が外れ、無惨に地面に倒れてしまっている。それをただの板として踏みしめ、ランボーたちが中へ侵入していく。

 

「ここは、馬鹿な夢想家たちが、自分達の理想を叶えるために作り上げた国。

 あるひとつの“世界”を作ろうとした、夢の残滓です」

 

 古びた扉を開けると、とても広い部屋が現れた。

 恐らくは、ここで集会をおこなったり、なんらかの儀式をしていた事が伺える。

 

「ここなるは、かの教団の聖地。

 ご覧ください、おじさま――――あの壁にある文字が見えますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1 0 才 こ え た ら 、 女 じ ゃ な い !

 

ず っ と 幼 女 だ っ た ら 、 い い の に な !

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()だったのです。

 なんでも、幼女の王国を作ろうとしたとか」

 

「――――大統領にコールを! ここに核を落とせッ!!!!」

 

 地下やとゆーとるのに、ランボーがメチャクチャな事を言う。

 だがそれも、分からないでも無かった。

 

「7歳までは神のうち、という言葉が東洋にありますが……。

 まさかリアルに、幼女を崇拝する教団があろうとは。

 これを知った時は、私もビックリでした♡」

 

「よく分かったよ! 本当どうしようもないな! 人間ってヤツはッ!!」

 

 ちなみにこの【10才こえたら女じゃない! ずっと幼女だったらいいのにな!】という言葉は、彼らが掲げる理念であり、思想であり、目指すべき到達点である。

 びっくりするくらい、壁にでかでかと書かれてある。

 

「カリーナが調べた所によりますと……。

 このメスガキシティは、()()()()()()()()()()()()()()の祈祷によって、作られたそうですわ」

 

「ロリコンざこシャーマンッ?!?! 聞いたこと無いぞ!? 祈祷ッ?!」

 

ょぅι゛ょと暮らしてぇ~。お話してえな~。俺もな~。

 その一念のみを以って、1000人のロリコンざこシャーマンは、連日飲まず食わずで祈り倒したのです」

 

「倒すな! メシくらい食えッ! そんなに幼女が好きかッ!!」

 

「でも幼女の王国を作り上げ、悲願を達成したその瞬間に、1000人のロリコンざこシャーマンは力尽き、全員死にました」

 

「――――ばっきゃろうッ!!!!

 ロリコンってのは、皆そうなのかッ?! 恐ろしいよ俺はッ!!」

 

 そうして残ったのが、小さな女の子“だけ”が住む王国。メスガキシティという一個の世界です。

 カリーナが神妙な顔で説明してくれるが、ランボーはもうそれどころでは無い。血管が切れてしまいそうだった。

 

 

 

 

 

 

 ♥ ♥ ♥

 

 

 

 

「同志よ、冗談はよせ。

 そんな馬鹿な軍団が、この世に存在するハズもない」

 

「いやホントだから。

 できればアタシも、そう思いたいんだけど……」

 

 メスガキ署の近くにある、洒落た雰囲気のBAR。

 まぁここは少女しか居ないので、酒など取り扱ってはいないが。あくまで雰囲気を楽しむ為の、一部の大人っぽい子たちが利用する場所。

 あまり人が居ないので、話をするのにうってつけだ。

 

「拗らせたロリコン共の願いによって、作り上げられた世界……。

 想像していたよりも、ずっと忌まわしかったな。メスガキシティってヤツは」

 

「夢をこわして悪いけど、ゲンジツはそんなもんよ。

 絵本に出てくるマジョとかだったら、アタシもナットクできたんだけど……」

 

 若さを羨む醜い魔女によって、この世界に閉じ込められた美しい少女たち――――

 そんなロマンチックな物語だったら、どれほど救いがあっただろう? こちとらロリコン共の執念によってエラい目に合ってるのだ。アタシの人生を返せってなもんだ。クソが。

 

「というか……あんた何でも知ってるようなソブリだったけど、いがいと何も知らないのね?

 この町のことは、やっぱそーなってんの?」

 

「ああ、機密だ。

 地図にも載っていないし、一部の人間しか知らん。

 国のトップや、軍のお偉いさん方だけだな」

 

「それでよく、ここに入って来られたわね。

 いったいどんな手を使ったんだか」

 

「まぁそこは、わたくしだからこそ、だな♪

 たとえメスガキであろうとも、とても同じ真似は出来まい。

 数少ない文献を手に入れ、国が持つ情報を盗み、あらゆる仮説を立てて実行。

 ふふ♪ 陸軍大佐サミュエル・トラウトマンの孫を、舐めて貰っては困る♥」

 

 だがまぁご覧の通り、無知を晒してはいるがね――――

 BARでミルクを飲むという、西部劇みたいな事を実際にしつつ、メスガキ大佐が苦笑する。

 

「わたくしが知っていたのは、この町が()()()()()()()、という事。

 そして……少しずつではあるが、それが年々()()()()()()という事だ。

 仮に、このまま何千年か経ったなら、我らが合衆国の領土は、全てメスガキシティに飲み込まれる。世界を侵食しているんだよ。

 霊長類ヒト科の雄、という生き物は、存在しなくなるかもな?」

 

 存在は確認できる。影響もある。……だが決して入ることは出来ず、手出しすること能わず。

 それがここメスガキシティという“異界”だ。

 

「ジャパニーズ・カルチャーの創作物の中に、“GENSOUKYOU”というのがあるそうな。

 住む者達や、理念の違いはあれど、その在り方はメスガキシティと近いかもしれない。

 まぁHAKUREIの巫女ではなく、ロリコン共の執念で結界張っとるワケだが」

 

「でもバカにはできない……というかタチがわるいのよ。

 アイツらアホだから、奇しくも“命がけ”でケッカイはりやがったのよ。

 これもうジュツというより、()()()()()()()()()()

 

「拗らせたロリコン共の、千人がかりの呪い(驚愕)

 そりゃあ時とともに膨れ上がり、世界を危機に陥れるわなぁ。……なんと厄介なヤツらだ」

 

「というか、『世界滅べ!』くらいのことは、フツーに考えるヤツらだからね?

 あー今日はいい天気だなー。いんせき落ちて世界ほろんだら良いのにー。

 ……とかニチジョーテキに思ってるよ、ロリコンだもん♥」

 

 関係は無いが、これは()()()()()()()()

 

「ふむ、いわゆる“はじまり”は分かった。

 まぁ思ったより残念な話だったが……、メスガキシティが生まれた理由については、理解出来たつもりだ」

 

 おかわり! おかわり! おかわり!

 そうまるで“わんこそば”のように、次々とミルクをがぶ飲みするメスガキ大佐。

 前におっぱいについての件があったし、もしかして気にしているのだろうか?

 デカちゃんはそう思ったけれど、お酒ちっくなアセロラジュース(通称ざこカクテル)を飲み干す事で、口に出すのを我慢した。武士の情けである。

 

「しかし、この町はどうやって、成り立っているんだ?

 外からは入れず、ロリコン共(男)は死に絶え、初潮前の少女しか居ない」

 

「……」

 

「これでは人口が増やせず、維持すらも出来んハズだ。

 しかし、この町の存在が観測されてから、はや半世紀以上が経過しているという。

 滅ぶどころか、人口は増え、この町はどんどん膨張を続けている――――

 なぁ、()()()()()()()()? その点について、聞いておきたい」

 

 確信を突く。まっすぐな目で。

 それは部外者ではなく、「自分を仲間にしろ」という要求。メスガキシティに骨を埋めるという宣言でもあった。

 強い覚悟を以って、放たれた言葉。

 

「……GENSOUKYOUっていったけ?

 さっき“異界”の話をしてたけど……、それ当たりよ。

 ホントにここは、まともじゃない所なの」

 

 だがメスガキ刑事は、その覚悟をあざ笑うかのように――――

 

 

「出ていけって、チューコクしたのに……もうきっとテオクレよ。

 アンタ死ぬわ。大人になること無く、()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 ♥ ♥ ♥

 

 

 

 

 

 きっと、鉱石が含まれているのだろう。

 この洞窟の岩盤は、どこも青い光を放っており、とても神秘的な光景。

 まるで、いま自分達は、美しい海の底にいるかのようだった。

 

「当然ですけれど、ここを誰かに見せるのは、おじさまが初めてですわ♡

 私のお気に入りの場所……」

 

 陰鬱で、みすぼらしく、光の届かない地底。

 けれど、こんなにも美しく、神聖な場所があった。

 カリーナに連れられるがままに、ここへやって来たのだ。

 

「ここにいると、自分が魚になったような気持ちになります。

 こんな閉じられた世界じゃなく、どこまでも続く広大な海を泳いでいるんだって……想像する事が出来ます」

 

 まぁメスガキシティには海がありませんし、私は泳いだ事がありませんけれど。

 そうカリーナが苦笑し、ペロッと可愛く舌を出した。

 

「こんな場所ですし、ふと思い出したのですが……。

 おじさまは、“人魚姫”をご存じですか?

 小さいころ、絵本は読みましたか♡」

 

 記憶に無い。自分はそれよりも、TVのヒーロー達に夢中だったし、本を読むよりは、外で身体を動かすのが好きだったように思う。

 両親が呆れるほどにワンパクで、活発な子供だったようだから。

 

「そう。なら人魚姫のエンディングは、ご存じありませんね。

 私と……いえこの町の子達と似てる気がして、とても好きなのですけれど」

 

 なんだろう? 幸せに暮らすんじゃないのか? ランボーはきょとんと首を傾げる。

 童話というからには、女の子が好きそうな話のハズだ。

 きっと素晴らしい結末を迎える、夢のある話なんだろうと思った。……けれど。

 

 

「人魚姫は、海の泡になって消えるんです――――

 流石にこれは酷いのか、本によっては、アレンジもされるそうですが」

 

 

 少女が何気なしに、海を歩いて行く。

 鉱石によって、青い光を放つ地面を、散歩するようにトコトコと。

 静かな、でもどこか嬉しそうな表情で、

 

「きっと、同じなんだと思います。

 おうじさまと結ばれなかった女の子は、泡になって消えていく。

 この箱庭で、私たちはそれを繰り返す――――ずっとずっと、永遠に」

 

 幻想的な光の中で、カリーナが微笑む。

 この世の物とは思えず、本当に人魚を目にしているような感覚でいた。それほど目の前の少女は美しく、そして儚げに見えた。

 ふとした瞬間に、消えてしまいそう。

 あまりにも非現実的な光景だから、夢から覚めるように、この子が居なくなってしまうんじゃないかって、そんな気がした。

 

「ときにランボーおじさま? つかぬことをお訊ねしますが……。

 ここメスガキシティでの、ほぼ唯一と言ってもいい“死因”は、なんだと思われます?

 シンキングタイム・スタート♡」

 

 突然の問いかけに、言葉が詰まる。ドキッと心臓が波打ち、思考がフリーズしてしまう。

 彼女に言葉を返すことが、出来ない。

 

「残念。正解は――――()()()()()()

 まだ10才にも満たない少女たちが、この世を儚み、絶望し、自ら死を選ぶのです」

 

「けれど、逃れられない……。

 また必ずこの町に生まれ、閉じられた箱庭の中で、生きることになる」

 

「私たちの魂は、この町に()()()()()()()()

 鳥のように空を飛べるのは、勇気を出してビルから身を投げた時の、ほんの数秒間だけです」

 

 その記憶があると、彼女は言う。

 ハッキリとは思い出せずとも、これまで繰り返してきた多くの“自分”が、何度も何度もビルから身を投げたという、その事実だけは憶えていると。

 

「少女たちの楽園を作ろう。

 小さな女の子が、何者にも脅かされる事なく、安心して生きられる世界を作ろう。

 ……たとえ発端は欲望だとしても、そんな想いもあったのだと思います。

 とても醜悪で、歪な形ではありますが、確かに彼らは、子供を愛していたんです」

 

「堕胎や、育児放棄、虐待――――

 それらにより死んでいった、報われない女の子の魂が、ここメスガキシティに集います。

 今度は大人など居ない、誰にも傷付けられない“少女の楽園”に、生まれ落ちる。

 そして永遠に、囚われ続けるんです」

 

「恨みを覚えています。愛されなかったという悔しさが、ずっとこの胸にあります。

 魂に刻まれている。だから私たちは、大人というものを侮蔑する。

 大人をバカにする子供、()()()()()()()()()()

 

 死んでも、記憶の一部が継承される。

 これまで培ってきた知識や技術を、ゲームのように引き継いだまま、次の人生にいける。

 それこそが、彼女たちが優秀な理由。大人の力に頼らず、自分達だけで生きていける理由だ。

 

 だが、そうやって転生を繰り返す内に、憎しみや恨みが蓄積していく。

 鬱屈し、大人を憎む気持ちが強くなる。どんどん心が()()()()に染まっていく。

 それがこのメスガキシティにおける、独自の輪廻転生だ。

 

「けれど、不完全な形なのか……。

 彼らの“幼女だけ”という、クソみたいな信念からなのかは、分かりませんけども……。

 私たちメスガキは、1()0()()()()()()()()()()()

 元から何にもなかったみたいに、スッと身体が薄くなって、消滅してしまうのです」

 

「ここは、幼女だけの王国。

 それ以外の存在を、この世界は許さない――――

 だから幼女でなくなった者を消し去り、プラスチックのように再構成するのでしょう」

 

「ここは町であり、哀れな幼き魂の受け皿。

 決して逃がさぬための監獄であり、私たちを殺す()()()でもある」

 

 彼女の顔は、見えない。今こちらに背を向けているから。

 けれど、彼女の小さな身体が震え、ギュッと血が滲むほどに拳を握っているのが分かった。

 

 

「楽園だなどと、片腹痛い……。これはまごう事なき“呪い”。

 今は亡き、カルト教団のロリコン共が、永遠にょぅι゛ょを愛でる為に作った鳥籠。

 それがメスガキシティなのです――――おじさま」

 

 

 

 

 

 ♥ ♥ ♥

 

 

 

 

 

「構わん、覚悟の上だよ。

 死ぬのなら、所詮その程度の女だった、という事さ♥」

 

 ほとんど独白に近い、メスガキ刑事の言葉。

 それを全て聞き終えた大佐が、表情を変えることなく告げた。

 本当に何気ない声色。さも当然のことのように。

 

「いくら神童と持て囃されようが、わたくしはあの御方とは違う。

 物語の主役にはなれん、ただのいちキャストでしか無い。

 ならば、途中で退場する事もあるだろうさ。クイーン・ビー( ヒロイン )殿?」

 

「……っ!!」

 

 のほほんとした笑みに、怒りがこみ上げる。

 確かに昨日今日あった仲ではあるが、こちとら本気で心配して言っているのだ。

 関係がない筈のアンタまで、ここで囚われる事は無いと。懇願するような気持ちで「逃げろ」と言ったのに……。

 だがそんなメスガキ刑事の想いも、どこ吹く風。今も大佐は飄々とした態度を崩さない。

 

「たいしたカクゴね……。それが軍人のココロガマエってヤツ?」

 

「いやいや、今は国にも上官にも、忠義は尽くしていないさ。

 ただ自分の思うがまま、したいように。

 それで命を捧げるのだから、そこいらの女と、なんら変わりないだろう?」

 

 恋のために人生をかける者もいれば、我が子のために命をはる母親もいる。

 それは素晴らしい生き方だと思わんか? もっとも……我が国が戦争をしていない状態であるならば、の話だが。

 そうクックと笑いながら、彼女がまたグラスを傾ける。もう今日何杯目になるか分からないミルクだ。ぜったい後でお腹を壊すだろうコイツは。

 

「そのワリには、あんたのコードーって、なんかイミフ。

 おじさんが好きとか、手に入れたいだとか、そんなんじゃないように見える……」

 

「ん、そうか?

 あの御方を愛しているというのは、天地神明に誓い、偽りない気持ちだが」

 

「だったらおじさん連れて、さっさと町から出りゃーいいでしょうが。

 なんであの人じゃなく、アタシたちのテダスケをするのか。メスガキとはいえ、がいらい人のアンタが、なんでほかのオンナがおじさんにふれるのを、OKしてるのか。

 そこはいまだに、ナットクできてない」

 

 ぶすっと頬を膨らませ、じとぉ~っと睨む。

 今度はお前の番だ。こっちは散々しゃべったんだから、そっちも腹割って話せ。

 ぶっちゃけ微塵も迫力という物がなく、ただただカワイイばかりの姿ではあったが、メスガキ大佐はそれを受け入れるように、ふぅとひとつため息をつく。

 

 

「三千世界の鴉を殺し、主と朝寝がしてみたい――――

 知っているか? シンサク・タカスギの言葉だ」

 

 

 片方の眉だけを上げた、どこか愛嬌のある表情で、“同志”と呼ぶ彼女を見つめる。

 

「全ての煩わしさを消し去り、のんびりあの御方と、添い寝でもしたいなぁーと♥

 座右の銘だ。所詮わたくしの願いなど、その程度のものさ」

 

「……」

 

 静かで優しい瞳が、メスガキ刑事に向けられている。

 これまで見たことがなかった、サリーの温かみのある表情に、彼女は胸がキュッとするのを感じた。

 真心。たしかな想いの籠った言葉。

 そんなのを聴かせてくれる友達が、いったい自分に何人いただろうか。メスガキ刑事は思う。

 

「まぁぶっちゃけ、ここのメスガキたちを開放し、()()()()()()()()()()()()()()()、とかも薄っすら考えたが……。今はそんな状況じゃないな」

 

「――――何させようとしてんのよ!?!?

 アタシらは大量発生したイナゴかっ!!」

 

「いやいや、メスガキたちで軍隊を組織し、クーデターを起こすんだ。国家転覆をだな。

 もしくは、メスガキシティの膨張を加速させ、それによる平和的な国盗りもアリだ♥

 メスガキ合衆国、初代大統領、ジョン・ランボー誕生。……どうだ、胸が躍らないか?」

 

「やめたげてよ! そんなのになったら、おじさん泣いちゃうよっ!

 人見知りのPTSDだよ!?!?」

 

「安心しろ。本願はもちろん、メスガキハーレムを築くことさ♥

 ここには児童保護法が存在しないので、小学生でも誰にはばかる事なく、ちんぽ出来る。

 ――――こんな夢のような町があるだろうか!! いや無いっ!!!!(迫真)」

 

「 よくぼー丸出しじゃないのっ!! 成功を約束された人生を、棒にふってまで!? 」

 

「もしロリコンざこシャーマン共がやらなければ、わたくしが作っていた所だぞっ!?

 今ここに()()()()()()()()()の設立を宣言する!」*1

 

「 こいつブッコロしといた方がいーんじゃない!? そんな気がするのアタシ!! 」

 

「ふはは! ランボーさまのPTSD治療の為、存分にメスガキシティを活用させて貰うぞ!!

 この国の構造を破壊するより、二人でこっちに引っ越した方が早いんじゃないか~と、前々から思っていたのだよっ!

 どんだけ人見知りで豆腐メンタルな、くそざこコミュ力、社会不適合者のゴミ人間でも、幼女が相手ならワンチャンあるだろう? どうせしょーもない父性とかで、心の扉を開くんだろう?」

 

「 大人をバカにしてるっ!?

  こいつやっぱメスガキだ! ショーネがくさってるもん!!!! 」

 

「さぁ同志よ! ょぅι゛ょ様のぬくもりで、あの御方を救って差し上げろ!!

 ランボー様さえ幸せならば、後はワリとどーでも良い! どーなってもいーのら♥

 意外とそんな感じだぁ! わたくしなんてモンはぁーっ!!」

 

「 ――――出てってよ! まだワンチャンあるって! この町から出てけ!! 」

 

 

 

 

 

 

 ♥ ♥ ♥

 

 

 

 

 

「ひとつ、聞いていいか……?」

 

 ここはロリコン地下王国のちょうど中心に位置する、巨大な洞穴。

 これ自体が強力な神殿となっており、霊感が皆無なランボーでさえも、ここに入るだけで肌がざわつく心地がした。いわゆる“神気”のような物が満ちているのだろう。

 

 カリーナに連れられてここを巡り歩き、最後にこの場所に辿り着いた時、これまでずっと聞き手をやるばかりだった彼が、その口を開いた。

 

「あの子は知っているのか?

 この場所の事や、メスガキシティのことを」

 

 未だに彼は、妙に「君」とか「彼女」とか言って、名前を呼ぼうとはしない。

 それは何かしらの遠慮なのかもしれないし、恥ずかしさからくる物かもしれない。またきっと、未だ彼のなかで強固に存在する“心の壁”の表れなのだろう。

 

 けれど名前を言わずとも、すぐに誰のことかは分かった。

 ほんの少しだけ親しみを感じる、「あの子」という呼び方だったから。

 

「君がしている事が“悪事”だなんて、俺には思えない……。

 協力出来るんじゃないのか? あの子に事情を話し、一緒に調査をすればいい」

 

「君はすごい女の子だ。きっとあの子たちの力になれる。この町の為になる。

 なにより、これまで君がしてきた努力を、あの子たちが無駄にする筈がない」

 

 許可なく施設や敷地に立ち入る、侵入罪。

 もしそういう物が“悪事”となっているのなら、それはメスガキ署の子達と協力し合うことで、解決できるはず。

 破壊工作などは、たしかに物騒な話だが、その必要性をしっかりと訴えるのなら、情に厚いあの子が無下にするワケがない。

 きっと、ただ一人で孤独に戦い続けるよりも、良い方向に進むのではないかと思った。

 けれど……。

 

「駄目ですよ。デカちゃんは“管理者”の立場ですから♡

 協力は出来ません……」

 

 どこか寂しそうに微笑みながら、カリーナが振り向く。

 

「この町を維持する、この仕組みを守るのが、デカちゃんの使命です。

 乱し、壊し、この仕組みから逃れようとする私とは、手を取り合えない」

 

 敵同士だと、ハッキリ告げる。

 私たちは、決して分かり合うことは無いのだと。どこか感じ入るように、そっと目を閉じながら。

 

「私程度が知っている事など、デカちゃんは全て承知しています♡

 その上で、この町を守っている。()()の看守をしているのです」

 

 疑問が湧く。それはとてもじゃないが、あの子に似つかわしくないから。

 ここは哀れな少女たちを捕らえ、閉じ込める檻だと聞いた。

 10才という年齢に至れば、悲しい最後が待っているとも聞いた。

 

 ならば、なぜあの子は動かない? それをカリーナのように調査し、変えようとしない?

 それどころか、変えようとしている者を阻害し、この檻を維持しているという。

 それがどうしても、彼が持つイメージと結びつかない。

 

「きっと、分からないからだと思います。

 檻の鍵が解かれた後、私たちメスガキが、()()()()()()

 

「果たして私たちは、外の世界で生きていけるような、存在なのでしょうか?

 結界の中(メスガキシティ)じゃなくても、この形を保っていられるのでしょうか?」

 

「普通にお母さんのお腹から産まれ、普通に生きて、普通に死ぬ。

 そんな“普通”がない私たちが、もしいたずらに水槽を飛び出せば、呼吸が出来なくなるかもしれない。干からびて死ぬかもしれない」

 

 洞穴の置くまで進むと、そこには彼の身体ほどもある、巨大なクリスタルが姿を現した。

 そんな名前の石なのかは知らない。だがこれが何かしらの力の源であり、このメスガキシティという世界において、何らかの役目を果たしているのだという事は理解できる。

 ランボーはなんとなしに、それを頭の中で“メスガキクリスタル”と名付けてみる。

 どうせここに居た者達は、ロリコン拗らせて死んだのだし、誰に咎められることも無いだろう。

 

「この結界が壊れたら、この仕組みが無くなれば、私たちは一体どうなるのか。

 それが分からず……もしくはもう()()()()()()()()()()、彼女は町を守るのでしょう。

 たとえどう言い訳をしようと、私はこの平穏を乱す者。

 仲間達の身を脅かす、ワルモノに他なりません……♡」

 

 ――――この静けさを守るのが、仕事よ♪

 この町に来た、一番最初の日。パトカーであの子がそう言っていた事を、ふと思い出す。

 立派だと思った。掛け値なしに良い子だと思った。……だがあの時、彼女の胸にはどんな想いがあったのだろう? あの信念が宿る強い瞳は、どうやって培われた物なのだろう?

 

 ここに来て、そんなことに思い至る。

 素敵だ。とても良い子だと思う。……だがアレは、まだ無邪気に遊び、色んな夢や恋に想いを馳せるような、そんな年頃の女の子が()()()()()()()

 自分たち兵士のような、何かを背負って戦う者の目なんだ――――

 

 

 

「俺に、どうして欲しい?」

 

 ふいに、そんな言葉が口を突いた。

 

「何をすれば良い? どうすべきだ?

 言って欲しい……。俺は全力で、それをやってみる」

 

 考えるんじゃなく、彼の心から溢れ出た言葉。

 彼女はこれまで、ランボーをからかうような事(?)ばかりを言ってきたけれど、もうそれでも構わない。

 次に、彼女が望んだ事……彼女が言ってくれた事を、自分はなりふり構わずにやろう。

 たとえそれが、どんな結果を招こうとも、これまで頑張って来た彼女に報いよう。

 誰も彼女の手を取らないのなら、俺がその想いに手を貸そう。……そう思ったのだ。

 

「――――さぁ? カリーナには分かりません♡」

 

 けれど返って来たのは、彼女の「ふふっ」という、茶目っ気のある声だった。

 

「まだ子供ですので、分かりかねます。

 ()()()()を言ったり、()()()()()()ことは出来ますけれど……それ以上の事は、とても私には♡」

 

 なんでもすると誓って差し伸べた手は、スルッと彼女をすり抜けていった。

 楽しそうに、でもどこか申し訳なさそうに、カリーナが笑っている。

 とても儚く、神秘的なほどに……キレイだ。

 

 

「けれど、おじさまは違います。大人ですからっ♡

 私には分からなくても、おじさまなら分かるかもしれない。見つかるかもしれない。

 だからこそ……ここへお連れしました。貴方に知っておいて欲しかったんです」

 

「なのでぇ、私が望むことなど、もう叶っちゃってます♡

 たった今、ぜんぶ全部、おじさまに叶えて頂きました。

 ありがとう御座います――――私のおうじさま」

 

 

 

 

 

 

 青く眩しい深海(セカイ)の中で、人魚姫が王子様に触れた。

 嬉しそうに、とても幸せそうな顔で、そっと慈しむように手を引いた。

 

「もしかしたら、ですけれど……。

 ひとつだけ、あの子さえも知らない事を、教えて差し上げられるかも」

 

 誘われるように、身を低く屈めた。

 すると、どうした事だろう。とても小さくて美しい人魚姫の顔が、その瞳に映るものすらも見て取れるほど、すぐ近くにあった。

 これは、俺の姿なのか? 俺は()()()の目に、そう映ってるのか?

 

 暫しの間、全てを忘れるように、ランボーはそんな事を考えていた。

 唇と唇が、触れあって離れる……そのほんの少しの間だ。

 

「知ってますか? キスというのは、粘膜接触なのです♪

 ブルーのセリフではありませんが……これはもう()()()()と言えるのではと♡」

 

 彼女が薄く微笑み、彼がポカンとした時、突然この場の風景に、ちょっとした変化が訪れる。

 

「やはり思った通り。“女になる”という言葉の通りです♡

 せっくすをし、少女じゃなくなった娘は、この世界から消える……。ロリコンは非処女を許さない」ボソッ

 

 見間違いかと思った。ここは青白い光に満ちた幻想的な場所だから。

 けれど、そうじゃない。いま彼女の身体が、どんどん色を失くしていくのが分かる。

 ゆっくりと透明になり、彼女という存在が消失していくのが、見て取れた。

 

「実を言うと、アレから身体が軽いなって、なんとなく思っていたんです。

 あの限界ギリギリ超絶セクシーバトル! ~この世で一番エロいやつ~ でわからせられた時……、ずっと心にあった黒い物が、すーっと四散していくのを感じました」

 

「大人を憎む気持ち、愛されなかった悔しさ……。

 それを失った私は、きっともう、()()()()()()()()()

 メスガキではなくなったから――――」

 

「きっと、ポリスの4人もそうですよ?

 わからせられたから。憎むのではなく、貴方に恋をしたから。

 もうこの世界に来ない。私たちはようやく開放される――――人として死んでいけます」

 

 手を握っているのに、確かにここにいるのに、何も出来ない。

 こんな忌まわしいクリスタルなんかじゃない。そんな物よりもよっぽど綺麗な“涙”を流すカリーナを、助けることが出来ない。

 

 何でもしてやりたいのに、守りたいのに、命なんていらないのに。

 彼女がゆっくりと消えてくのを、止められなかった。

 今の彼に出来るのは、ただ彼女をギュッと抱きしめたまま、無力に立ち尽くす事だけ。

 

 

「ずっと疑問でした。

 なぜ私たちメスガキは、憎みながらも()()()()()()()()()()

 

 

 ――――やめてくれ、せっかく真面目な気持ちでいるのに、ちんぽとか言わんでくれ。

 そうランボーは、心の中で悲痛な叫びを上げるが、一応これは訊いておくべき事だと感じ、頑張って耳を傾ける。

 

「きっとこれが、唯一の方法だから、かもしれません……。

 おうじさまと出会い、結ばれることが出来れば、私たちの呪いは解ける。

 ちんぽが私たちに、翼をくれる――――」

 

 最後の一文は、正直いらなかったッ!! 全部ぶち壊されたッ!!

 今ランボーが歯を食いしばっているのは、悲しみに耐えているからなのか、それとも必死に真面目であろうと頑張ってるからなのか。

 とにもかくにも、彼の眼からキラリと涙がこぼれる。どっちの理由であるにせよ。

 

 

「最後にひとつだけ……。

 私たち“個人”を縛る呪いと、この町“全体”を覆う呪いは、別々の物です」

 

「あの子は特別。ほかのメスガキ達とは、根本的に存在として違う。

 だからきっと、あの子です。

 デカちゃんが鍵を握っている――――この楽園の鍵を」

 

「あ、鍵穴に差すとも言いますし……もしかしたら逆かもしれませんわっ!

 貴方のちんぽが鍵で、デカちゃんは扉の方かも???

 あーっはっは♡ えっろッ!!!!(爆笑)」

 

 

 

 

 ――――いらんかった! ソレいらんかったッ!!!!

 

 

 そんなこんなをしている内、やがて愛すべき少女は、この世界から消失していった。

 姿を無くし、忌まわしい鎖は解かれ、その魂は天に帰っていく。

 

 ようやく彼女の苦しみは、ここに終わりを告げる。

 最後は人として……女の子の本懐を遂げて。幸せそうに微笑みながら。

 

 いま――――鳥は空に羽ばたいたのだ。ちんぽという名の翼で。

 

 

 

 

 そして、一人っきりになったこの場に、静寂が訪れる。

 

 でもランボーに出来るのは、もう地面にガンガン頭をぶつけまくる事、それのみだった。

 

 

 

 

 

 

*1
【ちんぽ共産主義】 みんなでおじさんを勃起させ、ちんぽを分かち合うことで幸せを目指す国家形態


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