ランボー / 怒りのメスガキわからせ 作:エロスはせがわ
「出てこぉーい、ざこちんぽぉーっ! おとなしくトウコウしなさぁーーいっ!」
美しい川や、生い茂る緑、見渡す限りの森林。
そんな美しい自然の中、メスガキ刑事の声が木霊する。
「カゼひくって言ってるでしょーお!? どこ行ったのよおじさぉーーん!?
なーにフルチンで、山にひきこもってんのよぉーーっ!
ディスカ〇リーチャンネルかぁ! ばかぁーーっ!」
両手をメガホン代わりに口元に当て、何度も声を張り上げる。
パトカーを奪ってまで逃走し、スタコラ山へ逃げ込んでしまった、アホなベトナム帰還兵を探して。
「このコミュ障ぉ! どーてぇ! インキャー!
さっさと出てきなさいおじさん! ちんぽ引きちぎるわよぉー!?」
「ざぁ~こ♥ ざぁ~こ♥ ざっこざこぉ~♥www
お前の前髪、すっかすかー☆www」
「よわよわちんぽの、だめちんぽぉー♡
タートルネック、ふにゃふにゃ、こどおじちんぽぉー♡」
「ゴールデンラズベリーちんぽ、最多ノミネート!
孫の顔が見たいと、アリゾナの親御さんが泣いているぞ!
子孫繁栄を担う義務を果たせー! ちんぽさせろー!」
彼女に付き従うイエロー&ピンク&ブラックも、「やーいやーい!」とばかりに煽っていく。
ホシを燻り出すため、投降を促すための行動ではあるが、それをやっているのがメスガキ達なので、効果があるかどうかは不明だ。
たとえ聞こえていたとしても、ちょっと「イラッ!」と来るだけで終わるかもしれない。
「よしよし、みんないいこだねー♪ えらいえらい♡」
「しっかり嗅ぎなよぉ~?w ぜったい逃がしちゃダメだかんねぇ~☆w」
リードに繋がれた三匹の犬が、地面をクンクンしながら山道を進んでいく。
この子達は、メスガキピンクが大切に世話をしている警察犬だ。逃げたランボーを追跡する為に、今回ここに駆り出されて来た。
飼い主さん自体が、とても幼い女の子という事もあり、この3匹はみんな小型犬。
よくあるドーベルマンとかではなく、コーギーやミニチュアダックスといった、ちんまい面子だ。
中にはパグという鼻ペチャなわんこもいて、本当にこの子の嗅覚は役立つのか? と首を傾げてしまう犬種もいるが……。
まぁ何はともあれ、みんなメスガキピンクに懐いているし、とってもおりこうな子達なので、さして問題視されていない。
カワイイは正義、愛嬌が全てである。
愛玩動物というのは、ただそこに居てくれるだけで、立派に役目を果たしているのだ。
今もわんちゃん達は、三匹お行儀よく並び、愛らしく尻尾を振りながらトテトテ歩いている。
もう見ているだけで、癒される心地だ!! プリチー!!!!
「わんこ達の動きが早い。
対象を捕捉したものと推察」
「そうねブラック。
きっとおじさん、この近くにいるんだわ」
傍に控えるメスガキブラックが、注意深く森林を歩きながら報告。キリリと真面目な表情をする。
だが何故いま彼女は、白いタンクトップに半ズボンという姿なのだろう。大きな麦わら帽子を被り、手に虫取り網を持ち、肩から虫カゴをぶら下げているのだろうか?
子供が山に入るスタイルとしては、この上なくピッタリな気もするが……、同時に何かが激しく間違っている気がする。
ミステリアスな彼女の雰囲気とあいまって、とてもシュールだ。
とはいっても、メスガキピンクの方も、ちょっと遠出して犬の散歩に来た人~って感じのラフな恰好だし、もうイエローに至っては「山を舐めている」としか思えない、コギャルちっくなサンダルを履いての出動だ。
逃げたランボーを捕獲すべく、山狩りをしに来たというのに、この子達ときたらライフルすら持っていない。あたかもピクニックに来たかのような、のほほんとした雰囲気である。
まぁおじさん撃つとか論外だし、別にいーんだけど……とメスガキ刑事は思う。
(それにしても、ひどい傷だったわね……おじさんの身体)
足早に森を進みながらも、ふと先ほど見た物を回想する。
あの時の彼は、股間を手で隠しながら「しゅん……」と俯いている~という、とても情けない姿だったけど。そんな事よりもメスガキ刑事の目を奪ったのは、ランボーの身体中に刻まれた、あの無数の痕跡だった。
恐らくは、ベトナムで負った物なのだろう。あの場に居なかった者をしても、その凄惨さがアリアリと分かるような、生々しさだった。
彼がこれまで歩んできた苦難……。それを想い、メスガキ刑事は「ギリッ……!」と歯を食いしばる。
そりゃあ、岩みたく表情が固まるワケだ。感情を表に出さなくなるワケだ。
だってあの人は、これまでずっと耐えて来たんだもの。
死ぬほどの痛みや、叫び出したくなるような苦しみや、とびっきりの悲しみに。
たくさん、たくさん――――心がすり減って無くなるほど。
あんなの……、たとえ傷口が塞がろうとも、平気なワケが無い。
たとえ見た目は綺麗になり、もう血は出ていないように見えても、受けた心の傷までは治らない。
それは、決して無くならない物。時間と共に消えたりはしない物。
これからの人生、ずっと彼を苛み続けるんだ――――
そう人知れず心を痛める、メスガキ刑事。
子犬たちが元気にワンワンと鳴く声が、辺りに響く中、ひとり黙り込む。
「にしてもぉ~? あーんな必死こいて逃げるなんて、マジかわいいんですけどぉ~♥w
こーんな小さな女の子が怖いなんて、おじさん超ヘタレじゃ~んwww」
「はずかしがりやさんだね♡
ほーけーちんぽみたいに、
「地の利はこちら。捕獲は時間の問題。
私はもっと彼と居たい。そう感じている」
和気あいあいとお喋りをする三人。「ルンルン♪」とした足取りで森を進む。
本当にピクニックや、ちょっとした隠れん坊のつもりなのだろう。逃亡者の追跡とは思えないくらいに、緊張感が無かった。
まぁランボーは別に犯罪者では無いし、彼女達にとって“大好きなおじさん”と言った風な感じだ。それも無理はない事だろう。
「ねぇねぇ、おじさんとっ捕まえたら、何するぅ~?www
罰としてぇ~、おじさん真ん中にして、みんなで川の字で寝よっかぁ☆
ホントの家族みたくさぁ~☆☆☆」
「わたしたちのりょーりを、おじさんにたべてほしいっ♡
おいしいものつくって、おなかいーっぱいに、してあげたい♪」
「頭を、撫でて欲しい。
頑張って見つけたねと、褒めて貰いたい。
それだけで……いい」
彼女たちがニコニコしながら、お互いの希望を語らう。
あれだけ優秀なエリートで、この町を守る為に様々な技能と知識を身につけた子達が、いま幸せな光景を夢見ながら、年相応に愛らしく微笑んでいる。
メスガキと称される女の子ではあるが、この子達は本当に良い子だという事を、デカちゃんは知っている。
これまで一度も男の人を見たことが無く、そして“父性”という物に飢えていた、とても可哀想な子達なのだという事も……痛いくらいに。
「まぁとりあえず☆
「うんっ、いっぱい
「
「……」
いまデカちゃんの脳内に、「愛でぇ~、空がぁ~、落ちてくーるぅー♪」という謎の歌が流れた。
おじさんのちんぽが「ユワッショー!」している。
「ほらみんな。ちんぽちんぽ言ってないで、とっとと捕まえるわよ?
ターザンじゃあるまいし、ホントなに考えてんだか……おじさんったら」
まぁその原因の大部分が、実は彼女自身にあったりもするのだが、それはともかくとして。
いくら彼が兵士とはいえ、この事態はワリと洒落にならない。
彼には土地勘も無いし、森は容易く人の命を奪う場所なのだ。しかも慌てて逃亡しているという状況では、彼の身にいつ何かあっても、おかしくは無い。
何よりも、このままじゃ本当に風邪をひいてしまう……。いまフルチンなんだぞランボーは。
(アタシといるのは……いや?
こんなヘンピな田舎町じゃ、あなたを幸せにできない?
ずっとがんばってきた彼に、やすらぎをあげる事は……)
赤、黄、桃、黒のランドセルが、ザッザと落ち葉を踏む音を立てて、進んでいく。
やがて犬たちの元気な鳴き声と、自分達がついに“峡谷”に辿り着いた事により、彼を逃げ場のない袋小路に追い詰めたことを悟った。
♥ ♥ ♥
「……ッ! ……ッ!!」
遠くの方から「キャン☆ キャン☆」と愛らしい犬の鳴き声がした時、ランボーは崖を降りる決断をした。
壮大な自然の峡谷。いったい何メートルあるのか見当も付かないほどの高さ。どこまでも続くような断崖絶壁。
その白い岩肌に手を掛けて、ゆっくりと崖を降ろうと試みる。
ロッククライマーじゃあるまいし、なんの装備も無くこのような真似をするのは、彼をしても自殺行為に他ならない。こんな「地球すげぇ!」みたく思ってしまうほど広大で高い崖を、両の手足のみで降りられる自信など、正直これっぽっちも無かった。
しかし――――やらなければ
何をされるのかは想像も付かないものの、とりあえず逃げなければならない! という事だけは分かる。本能でそう感じるのだ。
たとえ崖から真っ逆さまに落ちようが、あの子達からされるであろう未知の行為を思えば、それすらマシなんじゃないかと思えた。
今ス―ス―と風を受けて揺れている、なにも纏っていない状態の股間が、恐怖でキュッと縮こまる。ちんちんミニマムサイズだ。
一刻も早く、遠くへ逃げなくてはならない。
彼は今、ぜんぜん冷静では無かった。
「――――くぉーらぁーーっ!! 待たんかぁクズちんぽぉぉぉ~~っっ!!」
「ッッ!?!?」
その時! 突然この雄大な谷に、ちっちゃい女の子の声が木霊する!
「なに逃げてんのよぉ! アンタはぁーっっ!!
お腹の子はどぉーするのよぉぉぉーーーっっ!!」
バラバラバラ! と轟音を立てて、この場にヘリコプターが飛来!
そこに乗っていたのは、
彼女は拡声器らしき物を手に、プンプン彼に怒っている! 顔なんて真っ赤だ!
「こちとらもう、ベビーベッド注文してるしっ!
おむつも、粉ミルクも、ガラガラも、おしゃぶりも、しま〇ろうのブルーレイもぉ!
ぜぇーんぶ全部ぅ、ポチッったんだからぁぁ~~っっ!!」
ぐぅあーっ! と凄い勢いで怒鳴り散らしつつ、ブルーを乗せたヘリが猛スピードで迫って来る。
裸一貫で崖にしがみつくランボーは、もう逃げるのも忘れて「ぽかーん……」とするばかり。ヘリの強風でちんぽがプルプルしている。
「なんで逃げるの!? どこが気にくわないのよっ?!
月5千ドルくらいおこづかい渡すし、競馬でもパチンコでも好きにやればいーし!
あたしが働いてる間、家でグータラしてて良いったらぁ!!」
「ッ?! ッ!?!?」
「服も髪型も変えるし! アンタ好みにすればいーでしょーが!
そーじもせんたくも、全部あたしがやるわ! べつにSMとかしてもいーし!
なんでもゆー事きくったら! おしり叩けばいーじゃない!」
「おいッ!? ヘリから身を乗り出すんじゃないッ! 危険だッ!!」
「ひげボーボーでも! おなか出てても! ボーリョクふるわれてもぉ!
あたしはアンタが、いてくれさえすれば、それでいーのよぉぉ~~っっ!!!!」
「――――先から何を言ってるッ!? 何と戦ってるんだッ!!??」
乙女の妄想が現実を凌駕し、もうとんでもない事になっている。
これまでの鬱屈とか、欲望とか、性癖とか、承認欲求とかが、全部ゴッチャになって叩きつけられる。
いわゆる“こじらせた女の子”というヤツだった。恋のパワーってすごい(白目)
「むきぃーっ! なんで逃げんのよ! なんで逃げんのよ! 捨てないでったら!
やり捨てちんぽ! ムセキニンせっくすちんぽ! はらませラナウェイちんぽ!」
「うお゛ッ!? やッ……やめッ!」
メスガキブルーが、こちらにポイポイ“丸めたパンツ”を投げてくる。
クマさん柄とか、青のシマパンとかの、ちいさな女の子が穿くカラフルなぱんつ達が、ポコポコとランボーの顔にぶつかる。
きっと自室のタンスにあったヤツを、ごそっと持ってきたのだろうが……、なぜ彼女がそんな事をしてるのかは、まったくの謎だ。
ランボー(大好きな人)を傷つけたり、銃で撃ったりはしたくなかったのかもしれないが、それにしても“ぱんつ”って。
乙女心は複雑怪奇であった。
「あっ! 持ってきたぱんつを、ぜんぶ投げ終わってしまったわ!
こうなったら、今はいてるヤツも……」イソイソ
「脱ぐな! そんな場所で何をしてるッ! やめないかッ!」
ミニスカートの中に手を入れ、「よいしょ!」とスルスル降ろす。
男が見ている前で、なんの躊躇も無くぱんつを脱ぐ、その姿よ。
彼女が今、だいぶテンパッている事が、アリアリと伺える。
地獄だ。
「あっ……!」
だが、ぱんつを脱ごうと屈んだのが拙かったのか。渓谷に吹く乱気流がそうさせたのか。
突然彼女が、自分のぱんつに手を掛けたまま、フラッと体勢を崩す。
今も左右にグラグラと揺れるヘリコプターの中、「おっとっと」とばかりに身体をぐらつかせる。
「きっ……きゃあああぁぁぁーーっ!!」
「ッッ!!??」
両手が塞がった状態、しかも脱ぎかけのパンツが足首にかかっていたのが、いけなかった。
それは足枷の役目を果たし、容易に彼女からバランスを奪う。
彼女の身体がクルリと前転し、
「――――う゛お゛ぉぉおおおーーーッッ!!!!!!」
雄たけびを上げながら、彼が崖から飛び立つ。
しかみついていた手を離し、強く壁を蹴りつけて、宙へ飛び出した!
彼女がヘリを放り出された瞬間、即座にその危機に身体が反応。微塵の躊躇もなく動いた。ランボーはすぐに少女の身体を、空中でキャッチする事に成功する。
「最後の一枚だし、ちゃんとぶつけなきゃ……」とばかりに、彼女の乗ったヘリがすぐ傍まで接近していた事が、幸いしたのだ。
いやまぁ……、ぱんつ脱ごうとか、ぶつけようとか、そんな馬鹿な事さえしなければ、そもそもこのような事態にはならなかったのだが。
決死の覚悟を以っておこなった、彼の勇気ある英雄的行動が、まるで「幼女のぱんつを追っかけて崖から飛び降りた男」みたいに見えてしまうのは、とても残念な事ではあるが。
とにかく今は、そんな事を言っている時では無いのだ! 少女の命が懸かっているのだから!
「くッ……!!!!」
鋼のように鍛え上げられた、逞しい右腕。
それが二人分の命を、しっかりと支えた。
ランボーは少女を片腕でキャッチした後、同時にヘリの足であるポールをガシッと掴み、見事に落下の阻止に成功。
辺りには乱気流が吹き荒れ、未だグラグラと揺れるヘリの下、しっかりと少女を抱きかかえたまま、片腕一本でぶら下がっていた。
一瞬たりとも、自らの身を顧みる事なく、何よりも大切な子供を守ってみせたのだ。
(なによ……。やっぱりじゃないの。
あたしを助けに、来てくれたじゃない……)
彼の太い首にギュッと抱き着いて、ブルーちゃんは目を見開きながら、思う。
(こんな逞しい人、知らない……。
こんなカッコいい人は、いままで見た事ない……)
(みんなを助けてくれる、ヒーロー。
やっと……やっと迎えに来てくれた、
ヘリの中にいるメスガキ操縦士が、機体をゆっくりと降下させていく。
そしてすぐに、川辺の近くに到着。
ランボーはようやくポールから手を離し、しっかりその腕に少女を抱えたまま、地面に降り立った。
己が守った命……。女の子のあたたかな体温を、確かめるようにその身で感じながら。
「――――って! どんだけ
「ッ!!!???」
あ。今あたし抱きしめられてるー♪ あったかーい☆
命の危機が去った事で、それにようやく思い至ったブルーちゃんが、渓谷に木霊するくらいの大声で叫んだ。
「そんな種付けする事あるっ……? まだ小学生よあたし……!?!?
なによっ!
このゼツリン身勝手ちんぽ! ロリコンはらませペドちんぽ! えっちえっちえっちぃー!」
そう言うだけ言ってから、案の定ブルーは「きゅう……♥」と気を失う。
ランボーは彼女を操縦士ちゃんに預け、ちっちゃいぱんつを頭に乗っけたまま、その場から逃げた。