ランボー / 怒りのメスガキわからせ 作:エロスはせがわ
「ブルー! どうしたのブルー!?
オートーなさいっ!」
自然の雄大さを思わせるような、美しい峡谷。
3人の部下を従えて歩くメスガキ刑事が、無線機に向けて懸命に声をかける。
発信先は、現在単独でランボーを追跡しているハズの、メスガキブルー。
だがいくら言葉を投げようとも、いっこうに彼女から応答は無い。
デカちゃんの声に、次第に焦りの色が混じり始める。
あの子マジメだけど、テンパるとまわりが見えなくなるトコあるし、ダイジョーブかしらん……? みたいな感じだ。
ブルーは以前にも、道路脇の排水溝に落ちてしまった子猫を救出しようとして、周囲にあったビルを3つほど
ペンタゴン並の強固な防衛力を誇り、この町の全てを司る【メスガキシティのマザーコンピューター】にハッキングをおこなって、「なんとか海外エロサイトを観れるように出来ないもんか」と頑張ってしまい、後でメッチャ怒られた事もあるのだ。
良い子だけど猪突猛進な所があるブルーちゃんを、彼女はいつも気に掛けているのだった。
「……ねぇボス! あれウチのヘリじゃなぁ~い?
ブルーあんなトコに居んじゃ~ん☆www」
イエローの指さした方に、みんなが顔を向ける。
いま自分達がいる大きな崖。その眼下に広がる渓流の傍に、すでにエンジンを停止しているヘリコプターが停まっていた。
機体のすぐ傍らには、なにやら簡易ベッドに寝かされているらしき、ブルーの姿もある。
「あーあ、やられちゃったかぁ……。
こりゃあ、『さすがはおじさん』と言わざるをえないかなー♥」
どこか「たはは……」って感じで苦笑するメスガキ刑事。
部下たち三人は、その様を「きょとん?」と見つめる。
「見てみなさい。キゼツこそしてるけど、まったくの無傷よ。
あの人は、ヘリで追っかけてきたツイセキ者を、ケガひとつさせずに
「しかも今すっぱだかで……なんのソウビも持たずに、勝ってみせた。
さすがベトナムのえいゆう――――元グリーン・ベレーはダテじゃない、ってトコかしら♥」
いま地味にグリーン・ベレーへの、【無視できないレベルの風評被害】が発生していた。
普通グリーン・ベレーの隊員は、メスガキから貞操を守るために森へ逃げ込んだりしないし、幼女のぱんつを追っかけて崖から飛び降りたりしない。
んな事すんのは、ランボーだけである。
「やってくれるわねぇ、おじさん♥
でもブルーは、メスガキ四天王の中でサイよわ――――
あまり女の子を、なめてかからない事よ?(はぁと)」
「次こそは、必ずやランボーめの首を。
ご安心召されませ」
わりとノリの良いメスガキブラックが、すぐ乗っかってきた。
♥ ♥ ♥
一方その頃、ランボーおじさんは、木の皮を一生懸命剥いだり、おっきな草を編んでみたりして、衣服の作成をおこなっていた。
「いったい俺は何をしてるッ! どうしてこんな事にッ!!」
寡黙な彼をしても、思わず独り言を口走らざるを得ない程、この状況は酷かった。
もう辺りに響き渡る勢いで、ファックファック言っている。
ただ、こうして足を止めての作業というのは、奇しくも彼の心を落ち着かせ、冷静さを取り戻させる効果をもたらす。
これまで得体のしれない恐怖に突き動かされ、10キロも20キロも山の中を走っていたけれど、ここに来てようやく彼は、「何やってんだろ、俺……」みたいな気分になる事が出来たのだ。
いくら森の中とはいえ、フルチンで外を駆け回るなど、正気の沙汰ではない。それでも文明人かって話である。
とにもかくにも、昔取った杵柄を駆使し、森の中にある素材を使って服を作った。
拾った布に、首を通す穴を空けただけの上着や、「お前はセンチネル族か」って感じの腰ミノではあるが、これが有ると無いとでは、大分違ってくる。
体温を保持するという大事な役目もあれば、木の枝などから身体を守る効果もある。なによりフルチン状態から脱却した事により、ようやく人としての矜持を取り戻すことが出来た。
パニックから立ち直り、冷静さを取り戻せたのも、非常に大きいと言えよう。
「だが、
捨てるのも、持っとくのも、アレだ……」
いま彼が悩んでいるのは、……というかその手に握りしめているのは、あの時メスガキブルーが脱ぎ捨てた“ぱんつ”である。
かわいいウサギの絵がプリントされた、青い柄の小さな小さなぱんつ。
どうやら知らぬ間に頭に乗っていたようで、奇しくもここまで持って来てしまったのだ。「ホント何してんだ俺……」って感じだった。
「“ある物は使え”が、サバイバルの鉄則だ。
しかし、流石にこれは……」
いっその事、「
素っ裸でいるよりはマシかと、さっき思わず足を通しそうになったのだが、ランボーはその強靭な精神力と、「それをやったら本当に終わりだ」という変な危機感を以って、寸前で思い止まることが出来た。
幼女のぱんつを穿かどうかで悩む、元グリーン・ベレーの男(32)
彼の名はジョン・ランボー。名誉勲章を授与されし、ベトナムの英雄である――――
「捨てるのは、抵抗がある。……それはあの子に悪い。
だがもし『落ちていたぞ』とパンツを手渡せば、俺はその場で殺されるかもしれん」
とりあえず服も着たしと、ランボーはここから移動する為、一旦この問題を保留。
手に持ったぱんつを〈グイッ!〉と腰ミノの中へ押し込み、ザッザと森を進んで行く。
とにかく一度、彼女達と話し合わなければと、行動を開始するのだった、
…………というか、なぜ今この男は、幼女のぱんつを
それは、誰も知る由もない事である。
天然さんであった。
♥ ♥ ♥
「ねぇ、あれおじさんかなぁ? へんなふくきてるー♡」
双眼鏡を使い、暫し崖の下を観察していたメスガキ署の一行は、森の方から歩いてくる大男の姿を見つける。
メスガキピンクは、緊張感の無いほわほわした声で、皆に呼びかけた。
「両手を上げている。彼は投降する気かもしれない」
「あっれぇ~☆ 大人のくせに、この程度で終わりなのぉ~?w
おじさんダッサー☆www」
「……」
部下達の声を尻目に、メスガキ刑事はじっと黙り込む。
いま何十メートルも先の方から、ゆっくりと歩いて来るランボーを見つめて。
「 大事になってしまったが! 悪気は無かったッ!! 一度君と話がしたいッ!! 」
まるで熊のようなランボーの大声が、反響して峡谷に響き渡る。
「 俺も悪かったが、ヘリを出すのはやり過ぎだッ! もう馬鹿は止めようッ!! 」
バカですって? こっちがどんだけ心配したと思ってるのよ?
アタシたちが、どれほど貴方の来訪を喜んだか、あんた想像できるの?
そうメスガキ刑事は、人知れず眉を歪める。
シャイなのか童貞なのかは知らないが、こんな森の奥まで迎えに来させておいて、バカとは何だバカとは。逃げたのはどいつだという話だ。
こちとら小学生の女の子よ? 何をそんなに怖がるのかと。
「――――そこを動かないでっ! 動いたらタイホよおじさんっ!!」
「っ!? ボスっ?!」
「えっ……!」
「!?」
彼女の突然の宣告に、メスガキポリス達の顔が、驚きに染まる。
「町でのコーゼンわいせつ! パトカーのせっとぉ! きぶつハソン!
おじさん大あばれしすぎっ!! いーかげん、アタシだっておこるよぉ!?!?」
「ッ!!」
「あとぉ! 女の子とのやくそくホゴぉ! ゆびきりしたでしょお!?
――――なんでそんな怖がっちゃうのよぉ!! このざこちんぽぉ!!!!」
涙声……だった。
崖の上でプルプル震えながら仁王立ちしている、怒った女の子。
その姿にランボーは言葉を失くし、頭を真っ白にして立ちすくんでしまう。
あんなにも優しかった女の子を、いま自分は泣かせてしまっている。悲しませている。
ここに来て朴念仁の彼は、ようやくその事実に思い至ったのだ。
自分はこんなにも、この子に心配をかけてた……こんなにも想われていたのかと。
これまでの人生、ずっと孤独だった男。誰とも寄り添わず、人の心など知る由もなかった男。
女の子を泣かせた……あの子の心を傷つけた。
それは衝撃となって、彼を打ちのめす。
「あとおじさぁん! なんかブルーが、
それどーゆーことか、セツメーしてもらえるぅー!?」
「――――ふ゛ぉ゛ッッ!!!???」(cvささ〇いさお)
ランボーの喉から変な声が出て、雄大な峡谷に木霊した。
「したの? ついにしたの? しかもヘリの中で?!
それなのに、だまって逃げちゃうとか……! アンタ女をなんだと思ってるのよ!
ブルーがかわいそうじゃないのっ!!」
「誤解だッ……! 俺は何もしてないッ!! その子が勝手に脱いだんだッ!!」
「かってに脱いだぁ……?
自分からよって来た女は、やり捨てちゃっても構わないの!?
しんじらんないわ、おじさんっ! そんな人だと思わなかったっ……!!(涙声)」
「話をきいてくれッ! 君は思い違いをしているッ! 泣くんじゃないッ!!」
「ヘリに乗って、雄大な自然を眼下に眺めながら、小学生をやり捨てごっつぁんちんぽ?
アタシそんなの、きーた事ないよ!? いくらアメリカが自由の国でも!」
「許してくれッ! もうどうして良いか分からんッ!! 俺には分からないんだッ!!」
メスガキポリス達の「うわサイテー☆」とか「ひっどーい♡」とか「打ち首獄門」みたいな声が、更にランボーを責め立てる。
大好きなおじさん改め、ムセキニンごみちんぽだ。
女の子を食い物にする鬼畜を、彼女達は許さない(本当は分かってやってるけど)
「両手を上げて、ゆっくり歩いてきなさい! テーコーしないでっ!」
「しないッ! 頼むから聞いてくれッ! 誤解なんだッ!」
「武器を捨てて、ズボンを下ろして、ちんぽを出しなさい!
ちんぽの皮を剥きながら、こっちへ来なさい!!」
「――――そんな武装解除があるかッ!! 何の意味があるんだッ!!」
どさくさに紛れて、サラッと言ってみたけれど、残念ながら通らなかったようだ。
おじさんはまだ冷静みたいね……とメスガキ刑事は内心で舌打ち。
罪の意識を植え付け&泣き落し作戦失敗。もうちょいでイケたのに(←分かってやっている人)
「だいたい! 何でブルーからなのよぉ!
ふつーアタシでしょ!? いちばんさいしょに会ったのにぃ!」
「ッ!?!?」
「次アタシだから! アタシちんぽするからっ! 今すぐ!
えーい、そこになおりなさい!
ぜったい動いちゃダメなんだからね♪ お、じ、さ、ん♥」
「あーっ! ズルいよボスぅ~! あたいだって、ちんぽ欲しいのにぃ~☆
もー散々じらされて、ぱんつビッチョンコだよぉ~www」
「はーい♡ わたしもちんぽ、したいです♡♡♡
えっとぉー、
「当メスガキ研究所では、近年【ぜつりん☆ 催眠アプリ♥】なる物の開発に成功。
もー出ましぇん! もー無理でしゅからぁ~! うぐぐひぃ。
それが貴様の、最後の言葉となる――――」
ヒャッハー! と声を上げ、メスガキ共が砂煙を上げながら、一斉に崖を下って来る。北斗の拳のモヒカンみたく。
それを見た途端、クルッと背を向けて、この場を駆け出すランボー。
「君達は今、混乱しているんだッ!
いったん落ち着こうッ! 落ち着くべきだッ!」
「逃げるなって言ってんでしょーが! カマトトぶってんじゃないわよ!
――――
とにかく一旦仕切り直すべく、ランボーは再び森の中へ逃げ込む。
お前がパパになるんだよ!! というメスガキ達の声が、いつまでも背中に届いた。