空条承太郎の友人   作:herz

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・男主視点。

・キャラ崩壊注意。旧図書館組がメッセージアプリ内で草生やしたり、ふざけたりしています。

・オリジナルスタンドが登場します。

・念のために注意。not腐向けです。


 ――空条承太郎だって、親友を心配するあまりパニックになる時があるはず。




空条承太郎の友人は、尾行される

 

 

 

 "――という経緯から、俺はさっきまで承太郎に電話で愚痴を聞いてもらっていたんですが、まだまだ収まらないので、グループの方にも吐き出しに来ました!"

 

 "なん、というか。……うん。いろいろ酷いね!"

 

 "その水野とか言う女、正気か?"

 

 "そう!俺もそう思ったんですよ、ディオさん!告白するにしても場所考えろ!そもそも男共に協力させるとか狡い真似すんじゃねぇ!!"

 

 "志人さん、ご愁傷様です……"

 

 

 バイトが終わった後。俺は水野さんに告白された時の事を、電話で承太郎に聞いてもらっていたのだが、まだスッキリしないので、グループの方にも愚痴を吐き出した。

 ジョルノ達3人が俺に同情し、励ましてくれた。優しい……!親友もこのグループの面子も大好きだわ、俺。

 

 

 "さっきも言ったが、お前は本当によく頑張ったと思うぜ。自分の気持ちをはっきり言った事は偉い。お人好しが過ぎる性格も、大分マシになったんじゃねえか?"

 

 "俺が女だったらお前に惚れてるぞ、親友"

 

 "志人さんwwww"

 

 "突然の告白ww"

 

 "承太郎、親友が告白して来たぞ?どうする?ww"

 

 "とりあえず抱き締めてやる"

 

 "僕の前世の玄孫がイケメン過ぎる……!?"

 

 "何言ってるんですか、ジョナサン。俺の親友がイケメンなのは当たり前です。というか俺が女なら、って話は冗談のつもりだったが、ほんの一瞬ぐらついた"

 

 "志人さんの気持ちが分かります。これは男も惚れ込む漢ですね"

 

 "承太郎、さては貴様女にモテるな?"

 

 "モテ過ぎて女共がうぜえ。マジで"

 

 "即レスwww"

 

 

 特に、承太郎に対しては好感度が超上がっている。こいつ、本当に優しいんだよな!俺が欲しい言葉を掛けてくれる。

 ディオも言っているように、承太郎が女にモテる理由がよく分かった。本人は心底嫌がっているが……

 

 

 "つーか、俺も自分が女に猛アタックされた事で、初めて承太郎の気持ちが分かった気がする"

 

 "と言うと?"

 

 "行き過ぎた好意は迷惑にしかならないって事だ。俺の場合は1人だけだが、承太郎は水野さんみたいな人が何人も追い掛けて来るんだろ?精神的にかなりきついわ"

 

 

 そうそう。承太郎は凄い。原作でも女子に対してすぐに怒鳴っていたが、あれだって仕方ないんだろうなと思った。

 というか、今はそんなに怒鳴らない分、ストレスも溜まりやすいんじゃないかと心配している。

 

 

 "承太郎はあれによく耐えてる。超頑張ってる。お前、普段からもっと愚痴吐いてもいいんじゃねぇか?怒っても許されるだろ。というか俺が許すし、お前だって無理すんなよ?"

 

 "シドおま"

 

 "承太郎?"

 

 "……あれ?承太郎さん?"

 

 "おや?途中で言葉が切れた?"

 

 "おい、息はちゃんとしているか?"

 

 "一瞬息が止まってた。お前が女だったら俺は今頃全力で囲い込んでたぞシドてめえ"

 

 "wwwwww"

 

 "相思相愛じゃないかwww"

 

 

 腹を抱えて笑った。そう思ってくれる程に、俺の言葉は承太郎に届いていたらしい。

 

 

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

 告白を断った日以来、クラスメートは最初は気まずそうに俺と接していたが、俺の様子が表面上は何も変わっていない事に気づくと、いつも通りに戻った。

 俺は表面上は変わっていないだけで、お前らには愛想が尽きてるんだけどなぁ……やっぱり分からないか。

 

 水野さんは、以前のように頻繁に教室に来なくなったし、昼食を一緒に取る事もなくなったが、俺を見掛けると普通に話し掛けてくる。どういう神経してんだか。

 火宮さんもそうだ。彼女は大体水野さんと一緒にいて、水野さんと一緒に俺と会話する。まぁ、火宮さんは水野さんよりもマシだし、知り合い程度の関係でいてくれるなら害は無い。

 

 あと、少し嬉しい事があった。……俺がたまたま職員室に用があってそこに行った時、告白騒動について聞いたらしい教師達が、俺の事を心配してくれたのだ。

 どうやら、この学校の教師は俺が通っていた小学校や中学校の教師とは異なり、良い大人が多いらしい。中には俺が大学入学を目指している事を知って、協力を申し出てくれる教師もいた。

 

 ……もしかしたら、学費免除取り消しとかは、必要以上に心配しなくても大丈夫なのかもしれない。教師の事を疑い過ぎていた。ちょっと反省。

 

 

 しかし、最近はそんな良い事ばかりではない。

 

 

(――っ!!)

 

 

 移動教室のために廊下を歩いていた時、何処からか視線を感じて、振り向く。……視線の主は分からない。

 

 最近、気味の悪い視線を感じる事が増えた。おそらくだが、あの告白騒動の後から急に増えた気がする。……その件について、俺個人に恨みがある人間の視線、なのか?

 視線に籠められた意味は分からない。ただ、気持ち悪いという感覚だけが残る。……さすがにこれは気のせいでは無いだろうと、疑惑が確信に変わりつつある。

 

 正体不明のスタンド使いの件もあるし、そろそろ承太郎やジョルノに相談しようかと思っていたところだ。ちょうど今日はバイトが休みで、旧図書館に行こうと思っていたからな。

 2人には今日の昼休みに、"相談したい事があるから、放課後はできれば旧図書館に来て欲しい"と、メッセージを送った。幸い、どちらも了承してくれた。

 

 

 ……ようやく放課後になり、俺は人目を気にしながら旧図書館へと向かう。そして、人気がなくなった頃。

 

 

(――尾行されている?)

 

 

 あの気味の悪い視線と共に、後ろから微かに足音が聞こえる。……振り向きたい気持ちを抑えて、ゆっくり歩き続けた。

 俺が気づいている事に気づかれたら、相手がどんな行動に出るかが分からない。……イージスを出す事も却下だ。

 

 もしも万が一、相手が正体不明のスタンド使いだった場合。雲隠れでもされたら、発見がさらに遅くなってしまう。

 犯人がどうやって人同士の仲違いを起こしているのか、そしてそれを引き起こしている理由は何か。それが分からない今、下手に刺激する訳にはいかない。

 

 ……とりあえず、今日は旧図書館には行けないな。承太郎に電話して、その事を伝えよう。

 後ろにいる奴には俺が尾行に気づいている事や、電話の相手が承太郎である事を悟られないようにしなくてはならない。

 

 自分が取るべき行動を、頭の中で念入りにシミュレーションする。……それが完了したのは、校舎から外に出る出口付近を歩いていた時だった。

 

 

「――あっ。……あー、しまったなぁ……」

 

 

 そんな独り言を呟き、後ろにいる相手を騙すための演技を始めた。足を止めてスマホを取り出し、承太郎に電話を掛ける。

 

 

「……シドか?どうした?」

 

「あ、もしもし?今大丈夫かな?」

 

「あ、あぁ。大丈夫だが……お前、その口調って事は近くに誰かがいるのか?」

 

「そうだよ。……それでね、悪いんだけど今日はそっちに行けなくなった。さっき、今日中に済ませないといけない用事を思い出しちゃって……」

 

「……ほう?……緊急事態か?」

 

「うん」

 

「――それは、今電話している最中に、現在進行形で起こっている事か?」

 

「うん」

 

 

 さっすが承太郎!予想よりも早くに気づいてくれた!

 

 

「……スタンド使いか?」

 

「あー、それが分からないんだよね……」

 

「なら、例の水野という女が関わってる件か?」

 

「それも分からない」

 

「……答え方がはっきりしないな。質問を変えよう。俺とジョルノが助けに向かった方がいいか?」

 

「いや、心配はいらないよ」

 

「…………もしも、今から言う俺の予想が的中したら、"ありがとう"、外れていたら"大丈夫"という言葉を使ってくれ。――まさか、尾行されているのか?」

 

「――うん、ありがとう」

 

 

 ……本っ当にさすがだわ。相変わらず勘が鋭い。思わず笑って、本気でお礼を口にする。

 

 

 ――異変が起こったのは、その直後だった。

 

 

「分かった。それなら――ぐうっ!?」

 

「――いっ!?が、あ……っ!?」

 

「志人!?」

 

「イー、ジス……バリア、を……!」

 

「分かった!」

 

 

 ガキンッ!!という金属音が聞こえた後、俺と承太郎は同時に悲鳴を上げた。俺はスマホを落とし、胸を押さえてその場に踞る。勝手に出て来たイージスには、かろうじて指示を出す事ができた。

 そんな俺の胸から、赤い何かが伸びている。何だこれ!?赤い――ワイヤー、か?2本のワイヤーが絡み合っている。それに、

 

 

「――鋏……!?」

 

 

 バリアの先で、俺の胸から伸びるワイヤーの側に、真っ赤な鋏のスタンドが浮いている。しかしその瞬間、ワイヤーと鋏が俺の目の前で消えた。

 

 

「志人!後ろにいた奴が逃げたよ!?」

 

「っ、イージス!追えるところまでで構わない!バリアを解除して追跡しろ!!」

 

「うん、行って来る!」

 

 

 遠隔操作型と比べると、イージスが動ける範囲は狭いが、少しでも手掛かりを掴む可能性があるなら、それに懸ける!

 いつの間にか、胸……というか、心臓?の激痛が治まっていたので、スマホを拾って立ち上がった。

 

 

「あ、そうだ承太郎!大丈夫か!?……って、あれ?電話切れてる……」

 

 

 落とした瞬間に切れたのか?それとも向こうが――

 

 

「――志人!!」

 

「志人さん!無事ですか!?」

 

「なっ、お前ら!?」

 

 

 承太郎とジョルノが、俺の下に駆け寄って来た。何故来たのかと怒鳴る前に、承太郎に両肩を掴まれる。

 

 

「大丈夫か!?どこか怪我してないか!?」

 

「お、おう……!?だっ、大丈夫、だが?」

 

「本当に?無理してないか?本当に無事か!?」

 

「待て待て待て待て落ち着け落ち着け」

 

Fratello(兄さん)、一旦落ち着きましょう?それ以上はいくらなんでもセクハラになってしまいますよ?」

 

 

 俺の体をベタベタ触って無事を確かめようとする承太郎を落ち着かせて、戻って来たイージスと共に近くの空き教室の中に入った。

 部屋の鍵を掛けて、最近ようやく使えるようになった、新たなバリアを張る。

 

 

「――不可視のバリア、ですか?」

 

「あぁ。……沖縄旅行の時に遭遇した、タコみたいなスタンドの能力。

 そして後に承太郎から詳しく教えてもらった、自分や周囲の物を不可視化するスタンドの能力を参考にして、バリアに不可視の効果を付与してみた」

 

 

 旅行から帰って来た後。あのタコみたいなスタンドの能力を、バリアに付与できないかと考え、承太郎に協力してもらいながら試行錯誤を繰り返し、ようやく完成させたのが、今発動しているバリアだ。

 これを使えば、バリアの外にいる人間には、バリアの中にいる人間やスタンドの姿が見えなくなる。

 

 ただし。防音効果は無いため、そこは注意が必要だな。

 

 ……ちなみに、承太郎が話してくれた不可視化能力を持つスタンド使い……透明な赤ちゃんは、財団の人間が探し回っても、未だに発見されていないという。

 もしや、今世には存在しない?あるいは、これから今世に生まれる予定、とか?

 

 

 閑話休題。

 

 

「これで教室の外から覗かれても、俺達の姿は見えない。……ゆっくり話し合える」

 

「あぁ。……まずは、シド。お前から何があったのかを話してくれ」

 

 

 冷静になった承太郎に頼まれたので、最近感じていた気味の悪い視線の事と、先ほど尾行に気づいた事。それから、承太郎に電話した後の出来事について説明する。

 

 

「で、お前らが駆け付けた後の事は、お前らも知っての通りだ。

 来てくれたのは嬉しかったが、欲を言えば先に電話で俺の安否確認をしてから来て欲しかったな。万が一、俺とお前らが一緒にいるところをファンクラブの人間に目撃されたらどうする?」

 

「突然、お前の悲鳴と共に電話が切れたから、敵のスタンド使いと戦闘になったんだと考えた。安否確認する暇は無いと思った。……ファンクラブの事よりも、優先すべきはお前の命を守る事だろ」

 

「――承太郎さんは、自分の心臓の痛みも気にせずに、電話が切れた事に気づいた瞬間、旧図書館から飛び出したんです。

 僕は追い掛けるだけで精一杯で、この人を止める事ができませんでした。……でも、僕も承太郎さんに賛成です。あの時何よりも優先すべき事は、志人さんを助ける事だったと思います」

 

「…………そう、か。あー……えっと、ありがとう」

 

 

 まさか、こいつらがそこまで必死になって助けに来てくれたとは……嬉しいが、そわそわしてしまう。仲間として認められているようで、なんか、照れる。

 

 

「……あっ、そ、そうだ!イージス、犯人の姿は見たか!?」

 

「ふふっ……!はいはい、今話すよ」

 

 

 露骨に話を逸らす俺を見て笑いながら、今度はイージスが事情を話す。

 

 

「残念ながら、犯人は途中で見失ってしまったけど……後ろ姿は確認したよ。――女の子だった」

 

「女?」

 

「うん。学校の制服を着た、長い黒髪の女の子だ」

 

「……上履きの色は見たか?うちの学校は中学から高校まで、学年で色が異なる。6色だ。それが分かれば、大分絞れるんだが……」

 

「うーん……あっ、それ!志人と承太郎が履いてる物と同じだった!」

 

「青……高2の女子生徒か」

 

 

 長い黒髪の、高2の女子生徒。それってまさか――いや、待て。結論付けるにはまだ早い。

 

 

「……あと話すべき事といったら、スタンドの事か?」

 

「……志人さんが見たという、真っ赤な鋏のスタンドですね?以前志人さん達が聞いたという音の正体は、その鋏だった訳ですか……」

 

「おそらくな。あと、俺の胸から伸びていた、真っ赤なワイヤーの事だが」

 

「それについてですが……実は、承太郎さんの胸からも同じ物が伸びていました」

 

「えっ?」

 

「何?」

 

「……って、何で承太郎まで驚いてるんだよ。自分の事だろ」

 

「あの時はシドの事しか考えてなかった。そんな物、目に入らねーよ」

 

「うお、おう……」

 

 

 不意打ちを食らった。真顔で小っ恥ずかしい事を言うな!

 

 

「そこの照れ顔と真顔のFratelli(兄さん達)、話を進めていいですか?」

 

「あっ、ハイ」

 

「いいぞ」

 

「では。……そのワイヤーは一瞬で消えてしまいましたが、伸びていた方向は覚えています。――志人さんがいる方に向かって、伸びていましたよ」

 

 

 ……という事は、あの時。俺と承太郎はワイヤーで繋がっていた?それって、まるで――

 

 

「――運命の赤い糸?」

 

「っ!!……あの、志人さんのその発言のせいで、嫌な事を思い付いてしまったんですが……」

 

「何だ?ジョルノ」

 

「……突然仲が悪くなる、不可思議な現象。志人さんと承太郎さんを繋いでいたと思われる赤いワイヤーに、真っ赤な鋏。

 

 つまり、敵のスタンドの能力は――人と人の縁を切る事なのでは?」

 

 

 ジョルノがそう言った途端。承太郎が纏う空気が重くなった。……沖縄旅行中にロザリオを盗まれた事件の時と同じ、殺気だ。

 

 

「……そのスタンド使いは、俺と志人の縁を切ろうとしたのか。ふふ、そうか……ああ、そうか。よく、分かった。

 

 ――見つけ出したら、俺が潰す。女だろうが関係ねえ。絶対に、潰す」

 

 

 出た、黒豹!!もう手綱は握れない!……しかし、それにしても、

 

 

「別に、そこまで怒らなくても……」

 

「ちょっと志人さん、あなた本気で言ってます?僕は承太郎さんの気持ちが凄く理解できるんですが。僕だって犯人をボコボコにしたい」

 

「ジョルノまで……?」

 

「志人。承太郎とジョルノの怒りは当然だよ?君だって、承太郎との縁を勝手に切られるのは嫌だろう?」

 

「嫌だ。それは無理。断固拒否」

 

 

 そう、無理。……だが、俺が怒るならともかく、承太郎がそこまで怒る程の事なのか?それが疑問なんだ。

 

 俺が首を傾げていると、イージスは深くため息をつく。

 

 

「――駄目だ、この本体。自分がどれ程の好意を周囲から向けられているのか、ほとんど理解できてないよ……」

 

 

 

 

 

 

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