空条承太郎の友人   作:herz

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・最初、男主視点。途中からジョルノ視点。

・キャラ崩壊注意。

・ご都合主義。捏造過多。


 ――ジョルノ・超MVP・ジョースターによる、大奮闘。

 結論、ジョルノしか勝たん。




ジョルノ・ジョースターは、奮闘する

 

 

 

 最近、徐々に俺に味方をする者が増えて来た。

 

 というのも、今回ばかりは未だに染み付いて離れないお人好しな気質が役立ったらしい。

 以前よりは意識して、そういった行動を取る前に止めるようにしているが、無意識に取ってしまった行動の方は止められない。

 

 そういった部分が"顔も良いし優しい男だ"と、女子生徒を中心に評判になっている……らしい。そんな噂が中等部にまで届いていると、ジョルノから聞いた。

 

 

「まぁ、そうなるように意図的に噂を流したんですが」

 

「えっ」

 

 

 どうやら、最初は高等部だけで流れていた小さな噂を、ジョルノが中等部に意図的に流して大きくしたようだ。

 情報操作はお手のものってか。さすがです、ドン・パッショーネ。

 

 だが、それでも俺に対するいじめは止まらない。物はよく無くなるし、下駄箱と机は汚されるし、階段から突き落とされるし……その他諸々。

 まぁこれぐらいなら、問題無い。想定内だ。むしろ昔いじめられていた時よりも、今の方が楽だな。承太郎達が手を貸してくれるから。

 

 

 

 

 

 

 ――と。油断していた事が、この状況を生み出したのかもしれない。

 

 

(1人で倉庫に入らなきゃ良かった!!)

 

 

 現在、俺は校庭の体育倉庫に1人で閉じ込められている。

 

 先程まで校庭で体育の授業があり、それが終わって後片付けをしていたのだが。

 最後に1人で道具を持って倉庫内に入ったら、後ろからガラガラッ!という音が聞こえ、振り返るとちょうど両開きの扉が閉められている最中で……そして、今に至る。

 

 扉を叩いたり、大声で開けろと言ったり。いろいろ試してみたが、扉は開かない。

 最終手段でイージスの力も借りたが、破壊力:Eのイージスが倉庫の頑丈な扉を破壊できる訳もなく。……俺と同化してやっても、それは変わらず。

 

 今の俺は体育の授業で体力を消耗しており、いつもより疲労している。……さらに、

 

 

「ど、どうしよう……これじゃあ、いつ出られるか分からないじゃないか!」

 

「…………」

 

「……志人?」

 

 

 目眩がして、その場に座り込んだ。背中にある壁に寄り掛かる。

 

 

「――暑い……」

 

 

 夏休みが過ぎたとは言え、まだ残暑。時には気温がかなり高くなる日がある。……今日がその日だった。

 

 大量の汗を流しているが、手元に水分を取れる物が無い。連絡手段であるスマホは、体育中に持ち歩く訳にもいかず、教室の鍵付きロッカーの中。助けは呼べない。

 倉庫には窓が無く、密室だ。この炎天下の中では地獄のような暑さとなる。

 

 もはや、動く気力も残っていない。ずるずると、床に倒れ込んだ。……朦朧としている。

 

 

「志人っ!気をしっかり持て!!意識を失ったら、俺は君の中に戻ってしまう!!俺が君の代わりに大声で助けを呼ぶから!頼む、しっかりしてくれ!!」

 

「…………」

 

「あ、駄目だ、消える――っ、志人!!」

 

 

 イージスが消えると同時に、俺は意識を失った。

 

 

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

 志人さんが行方不明になったと聞いたのは、昼休みに入ってすぐの事だった。

 

 最初に異変に気づいたのは、昼休みに志人さんを教室まで迎えに行った、仗助達高校1年組。彼らが教室に行った時には既に、いなかったらしい。

 志人さんのクラスメート曰く、体育の授業が終わった後、校舎の中に入ったところは見たが、いつの間にかいなくなっていたようだ。

 

 その言葉が何処まで信じられるかどうかは分からないが、高校生組は全員、校舎内を手分けして捜索中だという。

 僕や徐倫達中学生組にも、手が空いていたら探して欲しいと、承太郎さんからメッセージが届いていた。

 

 もちろん、僕はその捜索に加わった。ミスタ、トリッシュ、フーゴ、ナランチャにも声を掛け、捜索に協力してもらう。

 

 

「で?まずは何処を探すんだ?ジョルノ」

 

「場所は決まっています。――校庭です」

 

「校庭?確か、園原さんのクラスメートの話だと、校舎内に入ったのは見たって言ってたんでしょ?」

 

「だから承太郎さん達は校舎内を探してるんだろ?」

 

「……クラスメートの言葉が、本当に信用できるのか、だな」

 

「その通りです、フーゴ」

 

 

 フーゴの言う通り、僕は志人さんのクラスメートを疑っていた。志人さんのクラスには、承太郎さんのファンクラブの人間が多いらしい。

 もしも、校舎内に入ったのを見た、と言った相手が実はファンクラブの人間だったら?……志人さんに不利な証言をしていても、おかしくない。

 

 

「とりあえず、校庭に行ってみましょう。……ナランチャのエアロスミスの出番です。頼みましたよ」

 

「おう、任せろ!」

 

 

 それから全員で校庭に向かうと……さっそく、エアロスミスのレーダーに反応が出た。

 

 

「反応……出るには出たけどよ……」

 

「どうしたの?」

 

「――1つだけ、ポツンと向こうに……なんか、超弱ってる反応がある」

 

 

 ナランチャが指差す方向の先には、遠く離れた場所に体育倉庫があるだけだ。その扉は閉じられている。……この炎天下で、その方向に弱った反応が1つ?――まさか!

 

 

「っ、フーゴ!職員室に行って倉庫の鍵を借りて来てください!早く!!」

 

「わ、分かりました!」

 

「おっ、おいジョルノ!?」

 

 

 フーゴに指示を出すと同時に、倉庫に向かって走る。残ったミスタ達も追い掛けて来た。

 

 

「いきなりどうしたんだよ、ジョルノ!?」

 

「ナランチャ!エアロスミスの反応は!?」

 

「え、あ、えっと……あの倉庫の中!」

 

「くそっ!やはりか!!」

 

「それって――あの倉庫の中に閉じ込められてるって事かァ!?このクソ暑い中!?」

 

「ちょっと、それ、ヤバイじゃない……!」

 

 

 事の重大性を理解したのだろう。僕以外の3人の走るスピードが上がった。……倉庫の前に到着し、扉に手を掛ける。

 

 

「開かない……!っ、志人さん!いたら返事をしてください!志人さん!!」

 

「レーダーの反応、全然動かねーぞッ!!」

 

「おい園原さん!返事しろよ、おい!!」

 

「園原さん!!」

 

 

 何度呼び掛けても、中から声は聞こえないし、音も聞こえない。……その後、フーゴが戻って来た。

 

 

「ジョルノ!持って来た!」

 

「貸してくれ!」

 

 

 フーゴから鍵を受け取り、扉を開けた瞬間、酷い熱気に襲われる。直後に、壁側に横たわっている人影が見えた。

 

 

「っ――志人さん!?」

 

 

 駆け寄って呼び掛けるが、目は固く閉じられたまま、体も動かない。……意識は戻らない、呼吸が浅い、体も相当熱い!

 

 

「熱射病……!ミスタ、志人さんを抱えてくれ!高等部の保健室まで運ぶ!フーゴは電話で救急車を呼べ!!」

 

「了解!」

 

「ちょっと待ってください、ジョルノ!生徒が勝手にそんな事したら、後で教師が何というか――」

 

「それぐらいは僕がどうにかします!いいから早く通報しろっ!!」

 

「は、はい!!」

 

「ナランチャとトリッシュ!君達もついて来てください!トリッシュは仲間全体のグループに、志人さんを発見した事と、僕達が高等部の保健室にいる事を報告!」

 

「おっ、おう!」

 

「分かった!」

 

 

 志人さんを背負ったミスタと僕を先頭に、保健室まで走る。

 途中、走りながら電話しているフーゴに問われ、志人さんの症状について簡潔に説明し……通報し終わったところで、保健室に到着した。

 

 中に入り、養護教諭に簡潔に事情を説明するが……こいつは突然の事態に弱いらしい。おろおろしていて頼りにならない!

 

 

「――もういい!全て僕が指示を出す!!フーゴは学校の門の前に行け。救急隊員が来たらここまで誘導しろ!」

 

「りょ、了解!行ってくる!」

 

「ミスタは廊下で待機。承太郎さん達が来たら現状を説明!何人か暴走するかもしれないが死ぬ気で止めろ!保健室に入られたら邪魔になるだけだ。絶対に中に入れるな!!」

 

「ちょっ!?それマジ…っ、あー、くそ、やってやるよォ!!」

 

「トリッシュ、ナランチャ!この部屋の何処かに氷枕や氷のうがあるはずだ。それをたくさん準備して持って来てくれ!」

 

「はい!!」

 

「よ、よし、探そう!」

 

 

 全員がバタバタと動く中。僕は志人さんの靴を脱がせ、服を緩める。それから足の下に枕を敷いて、足を高くした。

 

 人間は体に熱が溜まり過ぎると、それを体外に逃がすために、多くの血液が手足や体表に集まる。

 だがそうなると、脳に回る血液が減ってしまい、それが意識を失う原因となる。……しかし足を高くして心臓への血流を良くすれば、それがやがて脳にも届く。

 

 これなら、意識が戻りやすくなるはず。……最近、医学部予備校で学んだ事を実践し、ナランチャとトリッシュを待つ。

 

 

「ジョルノ!」

 

「持って来たわ!」

 

「ありがとう」

 

 

 2人から渡された氷枕と氷のうを、志人さんの頭の下や首の付け根、脇の下や太ももの付け根などに当てる。

 後は救急車が来るまで、待つしかない。今の僕達に出来るのは、志人さんに呼び掛ける事ぐらいだ。

 

 さっきから廊下が騒がしい。仲間達が集まって来たようだ。絶対に中に入れるなよ、ミスタ。

 

 

「――おい、そこ!担架が通れねェだろうが!!道を開けろォーーッ!!」

 

 

 フーゴの声!キレてはいるが、言っている事はまともだ。……やがて保健室の扉が開き、救急隊員が担架を持って入って来た。

 救急隊員には僕から状況を説明し、後の事を任せる。担架に乗せられた志人さんと共に廊下に出ると、仲間達の誰もが必死に彼の名を呼んだ。

 

 

「――志人……!」

 

 

 その中でも小さな、震えた声で呼ぶ人……承太郎さんは、顔面蒼白だった。

 

 

「……承太郎さん。志人さんの付き添いで、病院に行ってください。目が覚めた時にあなたがいれば、志人さんも安心すると思います」

 

「……お前は、いいのか?」

 

「もちろん、僕だって行きたいですよ!でも、これから先生方への説明だったり、この場を収めたり、やる事がたくさんあるので行けません。

 だから、この中で一番、僕が信頼しているあなたに頼むんです――Fratello(兄さん)

 

「――――」

 

「さぁ、行ってください。志人さんの事、頼みましたよ!」

 

「……分かった。――ありがとう、ジョルノ」

 

 

 承太郎さんが救急隊員と共に立ち去るのを見送り、それから振り返って、集まった仲間達に事の経緯を話した。

 

 ……あっ、まずい。1人こっそり離れようとしている奴がいる!

 

 

「――誰か!そこの狂犬、じゃない、仗助を取り押さえてください!!」

 

「おう!」

 

「ちょォっと大人しくしようか仗助!!」

 

「ハイエロファント!!」

 

 

 僕の声に即座に反応したのは、ポルナレフさん、ジョセフさん、花京院さんだった。

 仗助の両腕はポルナレフさんとジョセフさんがそれぞれ押さえ、胴体に花京院さんのスタンドの紐が絡む。

 

 僕は、足を止めた仗助の前に立ち塞がった。……仗助は、ドスの利いた声で、静かに話し出す。

 

 

「……3人共、離してくれませんかね。ジョルノも、そこ退け。どう考えても、志人さんのクラスメートの仕業としか思えねえんだよ。……あいつら、1人残らず締める」

 

「駄目です。……今までの志人さんへの被害に関しては、既に証拠が集まっていますし犯人も分かっていますが、今回は突発的な事件で確実な証拠が無い。

 今の段階では、こちらが何を言っても犯人が名乗り出る事は無いでしょう」

 

「だから1人残らず締めるっつってんだろ!」

 

「やらせませんよ、そんな事。……それをやれば、停学処分になるのは犯人ではなく、君の方になってしまう」

 

「俺はそれでも構わねえ!!志人さんが、っ、俺の恩人が死にかけてるんだぞ!?このまま黙ってられるはずが、」

 

「――いい加減にしろ、仗助」

 

「ジョ、ジョルノ……!?」

 

「おいおい、お前も落ち着けよ!?」

 

 

 つい、怒りを抑えられずに仗助の胸ぐらを掴んだ。フーゴとミスタが僕の隣に来て、2人に肩を掴まれる。……分かってる。分かっているが、これだけは言いたい。

 

 

「――志人さんを殺しかけた犯人をこの手で殴りたいと思っているのは!お前だけじゃない!!」

 

「…………ジョルノ……?」

 

「僕だって形振り構わず疑わしい人間は全員潰してやりたいと思っている!!だが――それを誰よりも望まないのは!間違いなく志人さんだ!!そうだろ!?」

 

「あ、」

 

「それが分かっているから僕は必死に怒りを抑えていたというのに!お前は……!!」

 

「ジョルノ、よせ!」

 

「落ち着け!そんな暴走は、ジョルノらしく無いぞ!!」

 

 

 ミスタとフーゴによって、仗助から引き離される。……僕らしく無い、か。

 

 

「――僕らしさ、なんて。一体いつ、誰がそんな事を決めたんだ……」

 

「え?」

 

「いえ、何でもありません」

 

 

 無表情を装い、怒りを無理やり鎮める。……今は病院にいるであろう優しいFratelli(兄さん達)に、無性に会いたくなった。

 

 

「とにかく……誰彼構わず手を出して君が教師に目をつけられてしまったら、悲しむのは志人さんですよ。お人好しで優しいあの人なら、それは自分のせいだと思い込んでしまいそうだ」

 

「……確かになぁ。志人のアニキなら、自分を責めるだろうなぁ」

 

「そうだよ、仗助くん!冷静になるんだ!」

 

 

 そう言って仗助の側に近づいたのは、億泰と康一だった。

 

 

「気持ちは分かるけどよ、落ち着けって仗助」

 

「……仗助くん、前世で僕に志人さんの話をしてくれたよね。その中にこんな話があったはすだ。――本当に買うべき喧嘩と、買う必要が無い喧嘩を見極めろと、志人さんに言われたって!

 ねぇ、よく考えてよ!この喧嘩は買うべきか、そうじゃないのかを!」

 

 

 へえ。志人さんが、過去にそんな事を……そういえば、仗助は前世で志人さんと出会っていたな。羨ましい。

 

 と、仗助から力が抜けた。……どうやら、2人のおかげで落ち着いたらしい。彼を取り押さえていた3人も、拘束を解いた。

 

 

「……志人さんは、望まない……そう、だな……あの人は、本当に、優しい人だから……被害者であるあの人が望まないなら、この喧嘩は買うべきじゃ、ない」

 

「仗助くん……」

 

「でも……でもよ――このまま、志人さんが戻って来なかったら……?もしも志人さんが死んじまったら?俺、っ、俺は、どうすりゃいいんだよ……!!」

 

 

 ボロボロと涙を流し、崩れ落ちる仗助を、億泰と康一が支える。……僕も泣きたいが、そんな暇は無いようだ。

 

 向こうから教師達が駆け寄って来た。僕は彼らに事情を説明しなくてはならない。

 救急車を勝手に呼んだ事もいろいろ言われるだろうが、人命救助のためなら当然の対応だと、堂々と言ってやる。

 

 

 ――さあ、もう一仕事だ。

 

 

 

 

 

 

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