空条承太郎の友人   作:herz

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・前半、男主視点。後半、承太郎視点。

・ご都合主義、捏造過多。

・キャラ崩壊あり。


 ――空条承太郎だって、どうしても許せない事があるはず。




ディオ・ジョースターとクリスマスパーティー
空条承太郎の友人の、極秘任務


 

 

 

 

 

 12月に入ったばかりの頃。最近顔を見る事が多くなった六車さんが、俺の家を訪れた。

 

 

 あのブックフェスで、偶然出会った日以来。俺が財団から仕事を依頼される時は、基本的に六車さんから説明を受けるようになった。

 俺が自分から頼んだ訳ではなく、六車さんが俺の担当になりたいと強く希望した結果だ。もちろん、俺の合意の上で。

 

 財団側から六車さんの希望について聞かされた時は驚いたが、見知った人が担当になってくれるのはありがたいと、二つ返事で引き受けた。

 

 しかし、何故六車さんが俺の担当になる事を希望したのか。……その理由は、ブックフェスの時に大切な事に気づかせてくれた恩を返したいから、との事。

 そんな大げさな!と言ったのだが、本人は普段承太郎に向ける目と同じくらいキラキラ輝いた目で俺を見るものだから、その理由を信じるしか無かった。

 

 あんた、その目を向ける相手を間違ってませんか?俺は何処にでもいるガキですよ?……厳密に言えば、前世だけでなく前々世の記憶まで持っている特殊なガキ()だが、それは秘密。

 

 

 閑話休題。……六車さんが俺の家に来たのは、あのクソ野郎の件で承太郎と一緒に来た時以来だ。さて、何の用かな?

 

 

「……最初に、園原さんに謝罪しなくてはならない事があります」

 

「謝罪?」

 

「私は、園原さんの担当を強く希望した理由として、あなたに恩を返すためだと言いました。……それは決して嘘ではありませんが、実は他にも理由があったのです。

 それを隠していた事を先に謝罪します。申し訳ありませんでした」

 

「いや、それを受け入れるかどうかは、その隠し事の内容にもよるんですが……?」

 

 

 相変わらずクソ真面目な六車さんに困惑しながら、理由を問う。……彼は頭を上げて、頷いた。

 

 

「では、説明いたします。――単刀直入に言いますと、園原さんの仕事ぶりを評価し、ある方にそれを報告するためでした」

 

「……その話、周りに聞かれるとまずい話ですか?それなら防音バリア張りますけど」

 

「……そうですね。念のため、そうした方が良いでしょう。お願いします」

 

「イージス」

 

「了解」

 

 

 イージスを呼び出して防音バリアを張り、続きを聞く。

 

 

「そのお方は財団の関係者で、今は外国にいらっしゃいます。私は表向きは財団の平職員ですが、裏ではそのお方の"耳"として、日本の財団支部に関する情報を定期的に報告している者です」

 

「……内部監査、みたいな物ですか?」

 

「はい」

 

 

 マジか。この人、そんな事任されてたのかよ。意外だな。……で、そんな人が何で俺の仕事ぶりを評価する必要がある?"ある方"とは何者だ?

 

 

「……今まで園原さんが遂行した、護衛任務。その全てが、依頼人や同行者からの評価が高い」

 

「ん?」

 

「スタンドの能力もそうですが、あなた自身に好印象を持つ人が多いんです。財団内でも最近では、護衛任務は園原志人に任せれば確実だ、という声がよく上がります」

 

「ははっ。買い被り過ぎですね」

 

「いいえ。正当な評価です。……財団職員達が、あなたの事をこう呼んでいました。

 

 ――"最強の盾"。……空条承太郎が"最強の矛"なら、その親友であるあなたは"最強の盾"だと」

 

 

 そう言われた時。俺が真っ先にした事は、

 

 

「――っは!」

 

 

 財団職員達を、嘲笑う事だった。……最強。最強、ねぇ?全く、どいつもこいつも、どうしようもねぇな。……苛立ちが募る。心底、不快だ。

 承太郎だけでなく、俺にまで責任を押し付けるつもりか?……承太郎が背負っている物を半分くらい肩代わりできると思えば多少は納得するが、不快である事に変わりは無い。

 

 

「勝手な事ばかり言いやがる……俺もあいつも、最強なんて評価はいらねぇんだよ」

 

「……志人。バリアが乱れているよ」

 

「おっと」

 

 

 イージスに言われて、精神的に不安定になっている事に気づいた。冷静になる事を意識し、バリアの揺らぎを止める。……最近では心を落ち着かせる事にも、随分慣れた。

 

 

「……あの、……園原、さん?」

 

「……あ、すみません!六車さんに怒っている訳ではないんです。話を止めてしまってごめんなさい。どうぞ、続きを」

 

 

 六車さんには悪い事しちゃったな……この人は多分、俺の事を褒めたかったんだろう。俺が過剰に反応してしまっただけだ。反省しなくては。

 

 

「……分かりました。……あなたが遂行する護衛任務の評判は、あの方にも届いています。だからこそ、私に園原さんの仕事ぶりを評価し、詳しく報告するよう指示したのです。

 あなたに護衛任務を依頼するためには、あなたの実力を確かめる必要があった。あの方の側近達が、そうしないと納得できないと言い出したようで……」

 

「依頼するために、実力を確かめる?……実力を確かめてから、依頼するかどうかを決める、ではなく?

 その口振りだと、俺に依頼する事自体は確定していたと、そう言っているように聞こえるんですが」

 

「……さすが、鋭いですね。園原さんの言う通りです。あの方は、園原さんと直接会って話がしたいと言っています」

 

「何故です?」

 

「……ここでもう1つ、謝罪させていただきます。……ブックフェスティバルの日に約束した事を破り、あの日の事をあの方に報告してしまいました。本当に、申し訳ありません!」

 

 

 そう言って、六車さんは深く頭を下げた。嘘だろ、おい……!

 

 

「"あの方"とやらは財団関係者だと言ってましたね?まさか、ディオさん達を敵視している一部の人間に含まれるんじゃ、」

 

「それはあり得ません!……それだけは、違います。むしろあの方なら、ディオさんやジョルノさんと直接話し合えば、彼らに害は無い事を理解してくれる。

 そうすればきっと、彼らを敵視する一派を押さえ、彼らを本当の意味で自由にする事もできるはずだ!」

 

「!……もっと詳しい話を聞かせてください。この際、何故俺と会って話がしたいのか、その理由はどうでもいい。

 それよりも、"あの方"とやらが護衛任務を依頼する理由と……"あの方"の正体を、先に教えてくれ」

 

「……あの方の目的は、一部の信頼できる者を除いた財団職員達には内密で来日し、ジョースター家を訪問。

 そして、ディオさんとジョルノさんに会い、今世の彼らがどんな人物なのかを、自分の目で確かめる事です」

 

 

 一部を除き、財団職員達には内密に?……そうか。目的が目的だから、ディオ達を敵視する奴らにバレないようにしたいんだな。

 

 

「なるほど、目的は理解しました。……それで、"あの方"とやらの名前は?」

 

 

 ……六車さんから"あの方"の名前を聞いた俺は、驚きの余り、しばらく言葉を失った。

 

 

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

 学校も無い、休日の夕方。自室から出た俺は、階段を降りて下の階に向かう。……その時、ちょうど玄関からチャイムが聞こえた。今日は来客があるとは聞いて無いが……誰だ?

 階段の中程にいた俺がそちらに向かう前に、近くにいたお袋がインターホンの前に移動し、応対する。

 

 

「はーい――あら!」

 

 

 モニターを見た瞬間。お袋が驚いて、すぐにドアを開けに行った。知り合いのようだ。お袋がドアを開けると、その人物が中に入って来る。

 

 

「こんにちは!お久しぶりです!」

 

「やぁ、どうもホリィさん。……おや、以前よりもさらに美しくなったのでは?」

 

「あらら、もう、口が上手いんだからぁ」

 

「ははは!」

 

 

 帽子を外し、恭しく一礼した中年の男の名は――ロバート・E・O・スピードワゴン。

 SPW財団の創設者だ。前世ではジョナサンの友人で、ジョセフとも本当の家族のような関係だったという。

 

 今世の彼は波紋使いでもスタンド使いでも無いため、前世の記憶が無い。……だが、スタンド使いの財団職員やジョセフから前世の話を聞き、その存在自体は知っているらしい。

 そして今世でも、前世と同じく外国では石油王として有名だ。今世では裏に潜った財団の代わりに石油会社を立ち上げ、そこで稼いだ金の幾らかを財団の活動資金として利用している。

 

 その石油会社や、財団の本部がアメリカにあるため、スピードワゴンは普段アメリカにいる。日本に来る事は珍しいのだ。

 そんな彼が、何故先触れも無しにうちに来たんだ?……何かあったのか?

 

 と、彼の後ろからもう1人現れる。

 

 

「――まぁ、志人くん!」

 

「お邪魔します、ホリィさん」

 

 

 何でお前まで!?

 

 

 俺が凝視していると、シドは俺の視線に気づいたようで、顔を上げる。……無表情で軽く手を振られた。あの態度は、仕事中か。

 

 最近のシドは、仕事とプライベートで態度をはっきりと分けるようにしている。

 仕事中に余計な話はしないし、任務の達成を最優先に考える。そして、あまり表情が変わらない。仕事さえ終われば、いつも通りのシドに戻るが……

 

 本人曰く。あのスイッチの切り替えは、ある護衛任務がきっかけで仲良くなった、前世は元警官のマフィア、今世は探偵の某イタリア人の影響を受けたらしい。

 

 

 財団創設者の、護衛任務。……スタンドに目覚めてから短期間で、そんな重要任務まで任されるようになったのか。

 少し心配だな。財団側からそれほど信頼されているなら、そのうち無茶な依頼を押し付けられる事もあるかもしれない。……今度、六車にでも聞いてみるか?

 

 それはさて置き。……お袋が驚く声が聞こえたのか、家族が集まって来た。ひとしきり騒いだ後、スピードワゴンに用件を尋ねる。

 

 

「ジョナサンと承太郎に……ディオとジョルノ。そして志人くん。君達と話したい事があってね」

 

 

 ……おい、待て。その面子って事は、まさか、

 

 

「ちょっと待った。……そのメンバーなら、俺もいていいんじゃねェの?スピードワゴン」

 

「うん、確かにそうだが。まずは彼らと話をさせて欲しい。ジョセフの事は、後で必ず呼ぶ」

 

「……ンー、いまいち納得できねェけど、分かった」

 

「おい、何の話だよ」

 

「どういう事?」

 

「仗助と徐倫はもう知ってるはずだぜ?……沖縄旅行の最終日に、何も知らない方が厄介事に巻き込まれずに済むって言っただろ?」

 

「……あっ」

 

「その話だったのね……分かったわ。あたし達は何も聞かない」

 

「ン、良い子だ。それでいい」

 

 

 そういえば仗助と徐倫も、ジョセフがシドに探りを入れた時の現場にいたんだったな。……ディオとジョルノが財団の一部の人間に敵視されており、俺が勝手に抑止力として扱われている件。

 それを知っているジョセフも呼ばれるのではないかと思っていたが……省かれたという事は、まさかブックフェスの事がバレた?

 

 六車が裏切ったのか?……だが、それにしたって何故わざわざ財団のトップが出て来る?

 

 

 ひとまず、スピードワゴンに呼ばれた面子で応接室に移動。部屋の鍵を閉めると、シドがイージスを呼び出し、防音バリアを張る。

 

 

「さて……まずは、私がここに来た経緯を話すとしよう」

 

 

 ……六車はスピードワゴンの"耳"として、内部監査をしていたらしい。

 その六車が、ディオとジョルノの財団内での立場を改善するために、ブックフェスがあった日のディオとジョルノの様子をスピードワゴンに報告し、今世の彼らに害は無いと伝える。

 

 さらに、彼らと一度直接会って話をした方が良いと、スピードワゴンに進言した。

 

 それを聞いた彼は、六車にその行動を取らせるきっかけになったシドに興味を持ち、シドの護衛任務の評判の良さも聞いていた事から、彼に護衛任務を依頼。

 そして信頼できる一部の職員を除き、財団側には来日している事を隠し、秘密裏にジョースター邸までやって来た。

 

 今世のディオとジョルノがどんな人間なのか、自分の目で確かめるために。

 

 

「……という事は。ディオ達と話した結果次第では、スピードワゴンが直接動いてくれるのかい?ディオ達を、自由にするために?」

 

「そうだよ、ジョナサン。……六車くんから進言された事で、私も目が覚めたんだ。

 

 私に前世の記憶は無いが、それでも今世で初めてディオの姿を目にした時。私の中の"何か"が、ディオの存在を強く拒絶した。

 それ以来、私はできる限りディオの事を避けた。前世の記憶がある財団職員達からも、前世の私に何があったのか、ディオがどんな男だったのかを聞いて、拒絶して正解だったのだと思ってしまった。

 

 だから、財団内部でディオとその前世の息子を敵視する一派がいても、それを放置してしまったんだ」

 

 

 それは……無理もない。スピードワゴンは前世で、ジョナサンと共にディオに立ち向かった。しかし彼は波紋使いではない普通の人間で、ジョナサンのように戦う事はできなかったと聞いている。

 

 吸血鬼という人外に対する恐怖。前世のディオ自身に対する嫌悪感。

 それらが、今世のディオを拒絶する理由になったのだろう。例え記憶が無くても、本能がそれを覚えていたんだ。

 

 

「しかし……六車くんが言ったんだ。――人間は、直接会って話をするまでは、その相手の事が永遠に理解できないままだ、とね。

 正確に言えば、それは志人くんからの受け売りだったそうだが……そのおかげで大切な事に気づいたのだと、六車くんはそれはもう志人くんに強く感謝していて、」

 

「あの、スピードワゴンさん?その話はもう止めません?」

 

「おや、志人くん。君は仕事中に余計な話をしない主義では無かったのかね?」

 

「余計な話をしてるのはあんただろうが、っと失礼。……とにかく、話を先に進めてください」

 

「はっはっは!やはり、君は面白いな!」

 

 

 やれやれだぜ……六車だけでなく、スピードワゴンにまで気に入られてやがる。

 シドの言葉は、不思議と他人に大きな影響を与え、好感を持たせる。……それに気づいていないのは、本人だけだ。

 

 

「優秀な護衛に怒られてしまったから、さっそく本題に入ろう。……私は今世のディオとジョルノ、2人の事を知りたい。私と、話をしてもらえるかな?」

 

「……いいだろう」

 

「僕も、いいですよ。……しかし何を話せば?」

 

「そうだな……君達が、自分の前世についてどう思っているのかを、聞かせて欲しい」

 

 

 すると、ディオとジョルノが目を合わせる。……互いに頷き合い、最初に口を開いたのはジョルノだった。

 

 

「では、僕の話から」

 

 

 ……ジョルノが話したのは、沖縄旅行中に俺とシドに話した事と、ほとんど同じ内容だった。スピードワゴンは時々気になった事を問い掛けながら、真剣な顔で話を聞いている。

 

 

「……なるほど。それで君は、今世で医者を目指している、と?」

 

「はい。……もっとも、そう考えるようになったきっかけは、志人さんが言った言葉なんですけどね。

 例えば、前世で助けられなかった人が100万人いたとして、今世では同じ数の人を……いえ、それどころか、その倍の人数を何らかの形で助けられたとしたら、前世の未練なんてどっかにすっ飛ぶ……だそうですよ?」

 

「あっはははは!志人くんがそんな事を!?」

 

「おい、ジョルノ……!」

 

「何ですか?事実でしょう?」

 

「いや、そうだけど!」

 

「おいおい、シド。仕事中は冷静さを保たないといけないんだろ?落ち着け落ち着け」

 

「そこ!ニヤニヤすんじゃねぇよ承太郎!!からかうな!」

 

 

 あーあ、シドの猫被りが台無しだ。面白い。

 

 

「くっくっ……!仲が良いなぁ、君達は。……さて。次はディオの前世の事を聞いても?」

 

「あぁ」

 

 

 ディオはソファーに座り直し、真っ直ぐにスピードワゴンを見る。……ゆっくりと、口を開いた。

 

 

「……スピードワゴン。私は、前世の自分を否定しない。前世の自分の行動が"悪"であると自覚はしているが、後悔は無い。私は自分が正しいと思う事をやった」

 

 

 ……あぁ、そうだよな。てめえはそういう奴だ、ディオ。――だから俺も、前世の(・・・)お前の事は一生許さない。

 今世のお前とは上手く付き合える自信があるが、前世のお前が相手なら、断固拒否する。……俺も、前世のディオを殺した事に後悔は無い。お互い様だ。

 

 

「ジョースター家を乗っ取ろうとした事も、ジョナサンと対峙した事も、ジョナサンの首から下を奪った事も……そして承太郎。お前の仲間達を殺した事も、お前と対峙した結果敗れた事も、今では悔いは無い」

 

 

 歯を食い縛り、拳を強く震わせる。……DIOへの怒りは、未だに俺の中で根付いている。

 俺の殺気を感じ取ったのだろう。ディオは俺を、静かに見つめる。俺が殴り掛かってもおかしく無い、とでも思ってそうだな。……やらねえよ。

 

 殺気を収めると、奴は再びスピードワゴンに目を向けた。

 

 

「……だからこそ、今世で同じ事をやろうとは思っていない。私の前世の人生は終わり、今世の新しい人生が始まった。

 ――せっかく生まれ変わったのだから、普通の人間として生きたい。……そう思うのは、おかしい事だろうか?」

 

「……おかしい事では、無いな。だが、今世には前世の君の行動の結果、人生を狂わされた者も転生している。そういった者達が復讐しに来たとしたら、君はどうする?」

 

「受けて立つ。……逆恨みでも無い限り、私に復讐しに来る者にはその権利があるからな。

 前世の私なら、そういった者達を有象無象と称してまともに相手をしようとは思わなかっただろう。だが今世では、私にはそうする義務があると思っている」

 

「……その末に、命を落とす事になったとしても?」

 

「そうだな。その覚悟はある。……しかし、簡単に殺されるつもりは毛頭無い。今世では特に、死ねない理由があるのだ」

 

「死ねない理由?……それは何かな?」

 

 

 スピードワゴンの問い掛けに、ディオは視線を動かし、目を細める。……その視線の先には、ディオの隣に座るジョナサンがいた。

 

 

「――この俺に向かって、あんな前世があっても、今世では老衰で死ぬまで友達でいたい、などと言う酔狂な友人がいるのでな……俺の死に方は老衰のみだと、心に決めている」

 

「誰が酔狂な友人だって?」

 

「お前しかいないだろ、ジョジョ」

 

 

 へえ?ジョナサンがディオにそんな事を、ね。

 

 

「……承太郎?その微笑ましいものを見るような目、止めてくれないかな?ジョルノと志人君もその笑顔は止めなさい」

 

「おっと、失礼……」

 

「ふふ。すみませんでした」

 

「普段あれだけディオさんの事ボロクソ言ってるくせに、」

 

「ゆ・き・と・く・ん?」

 

「何でもありませーん」

 

 

 黒い笑みを見せるジョナサンに対し、両手を上げて降参だと示すシドの態度は、既にプライベートのそれになっている。取り繕う事は諦めたようだ。

 

 

「…………ふむ。やはり、そうか」

 

「ん?」

 

「ディオ・ブランドー……いや、ディオ・ジョースター」

 

「……何だ、改まって」

 

「――君からは、悪人の臭いがしない」

 

「「っ!!」」

 

 

 悪人の、臭い?

 

 俺とジョルノが首を傾げ、少し遅れてシドも首を傾げたが、ジョナサンとディオにとっては何か大きな意味を持っていたらしい。2人揃って、珍しく驚愕していた。

 

 

「私には昔から、善人と悪人を臭いで判別できるという奇妙な特技があった。……今君と話していても、その悪人の臭いがしないのだ。もちろん、ジョルノからもその臭いはしない。

 直接会って話をしたのは正解だった。今世の君達に害は無いのだと、確信する事ができた」

 

「……って事は、ディオ達の立場を改善するために動いてくれる、と?」

 

 

 俺がそう言うと、スピードワゴンは深く頷いた。

 

 

「もちろんだ。私にできる事をやらせてもらうよ。さっそくジョセフも呼んで、その話をしようか。君達にも、協力してもらいたい事があるのでね」

 

「……一体、何をするんですか?」

 

「ふっふっふ」

 

 

 ジョルノの問いに悪戯っぽく笑った彼が、懐から何かを取り出した。……白い封筒が、8枚?

 

 

「――君達には、SPW財団東京支部主催のクリスマスパーティーに出席してもらう!!これは、その招待状だ!」

 

「「「「「――はあ?」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

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