空条承太郎の友人   作:herz

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・男主視点。

・ご都合主義、捏造過多。

・念のため。not腐向けです!


 ――空条承太郎だって、親友の墓参りにはついて来てくれるはず。




園原志人誘拐事件
空条承太郎の友人の、墓参り


 

 

 

 

 3月中旬の、ある日の放課後。承太郎とジョルノと共に電車に乗って、とある駅で下車。そこで、先に来て待っていたジョナサン、ディオと合流。

 緊張で、手足が冷たくなるのが分かった。……大丈夫。今の俺なら、きっと。

 

 

「……おい、シド」

 

「あまり無理をしないでください。顔色が悪いですよ?」

 

 

 両脇にいた承太郎とジョルノに心配され、先に歩き出していたジョナサンとディオも立ち止まり、こちらに振り向く。そんな彼らに対して、首を横に振った。

 

 

「確かに、自信を持って大丈夫だとは言えない。だが……承太郎達が一緒にいてくれたら、なんとかなるだろ。今の俺なら、いける」

 

「……分かった。行こう」

 

「本当に無理だと思ったら、すぐに言ってください」

 

「あぁ」

 

 

 陰が掛かっている駅構内から、光が差す方へ向かう。……外に出た俺が目にしたのは――およそ2年ぶりの、地元の風景だった。

 

 

「――っ、!」

 

 

 嫌な記憶が、甦る。……父親の怒鳴り声。母親が暴力を振るわれている姿。その後の悲鳴。隠れて震える事しかできなかった自分。

 

 首を吊った、母親の体が揺れて――

 

 

「――志人」

 

「!!」

 

「ほら、これ見ろよ」

 

 

 親友の、声。落ち着いた低音を聞いて我に返り、承太郎が持つスマホの画面に目を落とす。

 

 

「……っ、ふ、おい承太郎、貴様……!何故今それを流す!?」

 

「――ぶふっ!?沖縄でジョセフが襲撃された時の動画じゃないか……!!」

 

「あはっ、ははははっ!!」

 

 

 3人の笑い声が、遠くで聞こえている気がする。画面の中では、ジョースター家の皆が馬鹿をやっていて――ふっと、笑みが溢れた。

 

 

「……ククッ。なるほど、そういう事か。それなら……旅行の時に、ジョナサンが居眠りしている間抜け面の写真を撮ったんだが、」

 

「あっ!そういう事やる?じゃあ僕も遠慮なく……見て見て、初めてゴーヤチャンプルー食べた時のディオの笑える表情」

 

「おい!?そんな物、いつ撮った!?」

 

「じゃあ、僕はブックフェスの時の動画を」

 

「なら俺は、財団のクリスマスパーティーの時の写真でも……」

 

 

 あれもこれもと、俺の前に出て来る数多くの写真や動画。大切な思い出。……それを見ていたら自然と笑えて、嫌な記憶も薄れ、良い記憶で上書きされた。

 

 

「……もう大丈夫だ」

 

「いいのか?」

 

「あぁ……ありがとう、承太郎。助かった」

 

「おう」

 

 

 多分、俺の様子がおかしい事に気づいて、とりあえず笑わせようとしてくれたんだろうな。おかげで元気になれた。

 

 

「……志人。本当に、大丈夫かい?」

 

「はい、大丈夫ですよ。ジョナサン。……じゃあ、行きましょうか。少し歩きますけど――俺の母と祖母の墓は、この先です」

 

 

 今日は、母さんの命日だ。

 

 

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

 数日前。旧図書館組のグループで、俺の母親の命日が近いから、良かったら一緒に墓参りについて来てくれないか、と。皆を誘った。

 承太郎達は二つ返事で了承してくれて、当日の放課後、墓地がある教会の最寄り駅で待ち合わせする事に。

 

 親友だけでなく、趣味を通じて仲良くなった弟分や……兄のような人達の事を、母さんと婆ちゃんに紹介したい。

 そのうち、他のジョースター家の人達も紹介できるといいな。さすがに人数が多過ぎるから、日を分けて数人ずつ案内するか。

 

 

「……ここ、か」

 

「綺麗な教会だね」

 

「いや……俺が知ってる外観は、もっと汚れてたはず…………あっ。ネットには去年改装したって書いてあります」

 

 

 教会に到着し、記憶とは違う外観に驚く。ネットでホームページを見たら、改装されていた事が分かった。

 最後にここに来たのは、2年以上前。母と共に祖母の墓参りに来た時だ。

 

 父親が母の葬式や、遺品を売り払う手続きに掛かりきりになっている間に逃げ出したから、母の葬式には参加する事ができなかった。

 

 

 教会の裏手に回り、母と祖母が眠る墓の前に来た。

 

 キリスト教では通常、1人につき1つの墓地に土葬されるのが主流だが、それはキリスト教の文化が根付いており、土地が広い外国だからこそできる事。

 

 日本では土地が狭いため、幅を取ってしまう土葬よりも火葬の方が主流だ。

 日本のキリスト教徒も、基本的にそれに合わせて火葬されるため、1つの墓地に複数の人が入ったり、親族との関係で仏式の墓に入る場合もあるとか。

 

 俺の母と祖母も、同じ墓で眠っている。……2年以上来ていなかったせいで、墓は大分汚れていた。

 

 

「……すみません。墓参りについて来てもらった上に、掃除まで手伝ってもらって……」

 

「構わん。我々は自分の意思でやっている」

 

「こっちは好きでやってるんだ。気にすんな」

 

 

 最初は俺1人でやるつもりだったのだが、いつの間にか5人で掃除する事になっていた。ファンクラブの奴らが知ったら卒倒しそう……学校の近くじゃなくて良かった。

 

 

「……よし。これで終わりかな?」

 

「綺麗になりましたね。……さあ、志人さん」

 

「……俺達は待ってるから、好きなだけ話せばいい」

 

「ありがとう。……母さんからは、婆ちゃんが昔は面食いだったって話を聞いた。美形が揃って掃除してくれたから、喜んでるかもな?」

 

「ふっ……冗談を言えるぐらいには、調子が戻ったか」

 

「おかげ様で」

 

 

 承太郎に笑ってそう言うと、優しく背中を押されたので、墓の前に跪く。……花を供え、ロザリオを取り出し、母と祖母に祈りを捧げる。

 

 

「2年掛かっちまったけど――久しぶり。……話したい事が、たくさんあるんだ」

 

 

 父親から逃げ出した後の事。その後の暮らしに、親友との出会い。彼を通じて出会った、前世を持つ仲間達の事。

 前世の事まで話すかどうかは迷ったが、前々世の事だけは自分の墓場まで持っていけばいいと考え、思い切って話す事にする。

 

 それから、俺を捕まえに来た父親の話。……承太郎達に助けられ、財団の人間が父親と話をつけてくれたおかげで、もう何も心配はいらないのだと、そう伝えた。

 

 そこまで話し終えたところで、後ろを見る。

 

 

「ディオさん!」

 

「ン……?」

 

 

 きょとんとした顔のディオを隣に呼び、母さん達に紹介する。

 

 

「さっき話した、ディオ・ジョースターさん。父親を追い払ってくれた人。この人のおかげで、トラウマが何処かにすっ飛んだ。

 

 ――それが無かったら、きっと。地元に来るだけで凄く怖くなって、ここに墓参りに来る事もできなかったかもしれない」

 

「!」

 

「だから、ディオさんには凄く感謝してる。……ジョナサン!」

 

「はーい」

 

 

 固まってしまったディオはさておき、次にジョナサンを呼んだ。

 彼はディオを小突いてニコニコしている。……からかわれて我に返ったディオが、ジョナサンの背中を叩いた。

 

 

「この人が、ジョナサン・ジョースターさん。ディオさんと仲が良い友人で、義兄弟。たまに毒舌を吐くけど、」

 

「こら、志人?」

 

「――誰かの心を本気で傷付けるような言葉は、絶対に使わない人。

 この人は誰よりも優しい。だからこそ、その場面で言っていい言葉と悪い言葉がある事をちゃんと知っている。そんな人なんだ」

 

「…………」

 

「……ほーう?」

 

 

 今度はディオの方がニヤニヤしながら、ジョナサンを見る。見られた方は目を逸らした。

 

 

「次、ジョルノ!」

 

「はい」

 

「彼がジョルノ・ジョースター。ディオさんの弟で、ジョナサンとも義兄弟。それからいろいろあって、この後に紹介する親友と俺の弟分になった奴。

 あと……実は俺、一度熱射病で死にかけた事があったんだけど、その時に将来医者になる事を目指しているジョルノに救われた。

 

 ――こいつは俺と親友の可愛い弟分で、俺の命の恩人なんだ」

 

 

 ジョルノの頭を撫でると、無邪気な笑顔が返ってきた。……さすがディオの弟。クリスマスパーティーの時にディオが見せた笑顔と、よく似ている。

 

 

「次……承太郎」

 

「おう」

 

「……空条承太郎。何度も話に出て来た、俺の親友」

 

 

 そして、母さんと婆ちゃんに一番紹介したかった奴。

 

 

「こいつとは、そもそも出会い方が面白くてさ。学校の廊下で大量の本を無理に運んでた俺が、女子生徒複数に追い掛けられて走って逃げてたこいつと激突して本全部落として、それをこいつが拾い集めてくれて……っていう、少女漫画みたいな話」

 

「おい、まだネタにする気か?」

 

「いいじゃん。一生笑えるネタだぜ。それに、お前に教えた推理小説のシリーズの中で、探偵役と助手役が大学の階段教室でナンパみたいな出会い方して、その後14年も友人関係が続いてるってやつがあっただろ?」

 

「……ああ、Absolutely(もちろん)か」

 

「ちょっ、その覚え方……!くふ、っ、と、とにかく!まるでその2人みたいな出会い方で、面白いなって話だ」

 

 

 前々世を思い出したばかりの頃、承太郎と旧図書館でやった悪ふざけを思い出してしまった。あれは笑ったなぁ。

 

 

「え、何ですか?その推理小説」

 

「そんなストーリー、聞いた事がないよ!」

 

「気になるから、後でそのシリーズを教えろ」

 

「はいはい。これが終わったら詳しく話しますから」

 

 

 気を取り直して、承太郎の話に戻す。

 

 

「承太郎は、この中で一番付き合いが長い奴なんだ。こいつのおかげで、ディオさん達とも出会えた。……承太郎が、俺にいろんな縁を運んでくれた」

 

 

 そう。全ての始まりはきっと、あの日承太郎と出会った事だ。

 

 

「本当はこいつの事で話したい事が山程あるんだけど、確実に長くなるし、また今度。……だから、今日は短めにまとめる」

 

 

 これを本人の前で言うのは正直、小恥ずかしい。でも母さん達に簡潔に伝えるとしたら、これしかない。

 

 

「母さんと婆ちゃんには悪いが、俺は神の事を信じていない。

 

 でも――承太郎との出会いという、これ以上無い幸運を俺に与えてくれた事だけは、神に感謝したいと思う」

 

「――――」

 

「……神を信じていないのにこんな言葉はおかしいだろうが、承太郎との出会いは俺がそう言う程に嬉しかった事で、っ、おい、何だよ!?」

 

「てめーは!もう!!黙ってろッ!!」

 

 

 承太郎が俺の頭を、両手で潰すような勢いでぐしゃぐしゃと撫で回す。

 ディオ達が大笑いする声が聞こえるが、無理やり頭を下げられている俺には見えない。首痛い、痛い痛い。

 

 

「じょ、たろ、っ、顔が、ふふ、顔……!!」

 

「耳まで真っ赤じゃないですか!!」

 

「クククッ、ハハハハハッ!!」

 

「お前らも黙れッ!!見世物じゃねえんだよ!!」

 

「っ、何でもいいから手を退けろ!こっちはまだ紹介したい奴が残ってるのに!!」

 

「あ"?……俺で最後だろ?」

 

「最後じゃねぇって!もう1人大事な奴がいる!」

 

 

 そう。大事な、俺の半身を紹介しないと。

 

 

「イージス!」

 

「え、何?」

 

「……ああ、そうか。確かに、そいつは大事な奴だな」

 

「亡くなった方々にはスタンドが見えるんでしょうか?」

 

「さぁな。見えるかどうか分からないが、紹介したいから紹介する」

 

 

 とりあえず、見えていると信じて紹介しよう。

 

 

「今、俺の後ろにいる白い鎧を着た奴が、イージス・ホワイト。さっきも少し話したけど、俺や承太郎達が持つスタンドっていう力……こいつは俺自身で、俺の大事な半身だ」

 

「……志人」

 

「初めて会った時から今まで、俺や承太郎達の事をずっと護って来てくれた」

 

「これからも、護るよ」

 

「あぁ、分かってるぜ。……俺が生まれた時から、イージスはずっと俺の中にいた。――俺は1人じゃなかった。イージスが側にいてくれたんだ」

 

「――――」

 

「イージスも、承太郎達も側にいてくれるから……もう、寂しくない。大丈夫」

 

 

 最後は、自分に言い聞かせるようにそう言って、今世の大事な仲間達の紹介を終えた。

 

 

「……それじゃあ、俺はそろそろ帰るぜ。母さん、婆ちゃん。絶対、また来るからな」

 

「おっと。帰る前に、ちょっといいですか?」

 

「ん?」

 

 

 そう言って、ジョルノが墓の周りにある芝生に手を付ける。

 

 

「志人さん。お母様とお祖母様が好きだった花は何か、分かりますか?」

 

「……そうだな。キリスト教では墓前に白い花を供えるのが一般的だから、白い花全般が好きで……いや、待った」

 

 

 そういえば、その中でも特に好きな花があるって、母さんが言っていたような――

 

 

「――思い出した。白いカーネーション!あれは婆ちゃんが好きな花で、母さんも好きだって言ってた。

 花言葉が"私の愛情は生きている"。そして……"亡くなった母に、生前の感謝を込めて贈る"という意味も持つ。だから母さんは、白い花の中でもそれが一番好きだ、と……」

 

「では、それにしましょう。――ゴールド・エクスペリエンス!」

 

 

 ――一瞬だった。……墓の周りが、白いカーネーションで埋め尽くされる。

 

 

 これは、前世でジョルノがやったやつか!亡くなったナランチャの遺体の周りに弔いの花を咲かせた、あの能力……!アニメだと、アバッキオの周りにも同じ事をやってたよな?

 

 イージスと顔を見合わせ、互いに笑顔になった。

 

 

「凄く、綺麗だ……!」

 

「ありがとう、ジョルノ!」

 

「ふふ、どういたしまして。喜んでもらえて何よりです」

 

「ほう?粋な計らいだな」

 

「これなら、志人のお母様とお祖母様も喜んでくれるよ、きっと!」

 

「……シド、写真撮ったぞ。送ってやろうか?」

 

「欲しい!現像して、お前からもらったアルバムに貼る!あれにはまだ余白があるし」

 

 

 思わぬサプライズのおかげで気分が晴れ、良い気分で帰路につく。……あの教会の神父達は後で驚くだろうけど、まぁ、いいか。

 おそらく、あの小さな事件の原因は不明、という事で片付けられるだろう。

 

 

 ようやく心残りだった墓参りに行く事ができた。承太郎達の事も紹介できたし、あとは高校生活最後の1年を過ごしながら、大学受験に集中するだけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――さて、この墓参りから数週後の春休み中。ありのまま、今起こった事を話そう。

 

 

(バイトが無い休日の今朝。買い物に向かうために自転車に股がろうとしたら、足元に洋風の扉が現れた)

 

 

 そして驚いた瞬間に扉が開き、自転車を置き去りにしてそこへ落下した。さらに、何処かの部屋の床に着地。

 

 ……な、何を言っているか分からねぇと思うが以下略!!

 

 

「イージス・ホワイト!バリア展開!!」

 

 

 咄嗟にイージスを呼び、自分の周りにバリアを張った。

 

 

「な、何!?志人、今一体何が起こったんだ!?」

 

「俺にも分からねぇ!ここは何処だ?」

 

「――くく……!我々のアジトの最上階だ」

 

「!?」

 

 

 声が聞こえた方へ振り向くと、部屋の暗がりから数名の男達が現れる。……そのうちの1人が、俺達に近づいて来た。

 ガラの悪い、外国人の男だった。髪は金髪で、目の色は赤。顔は整っているが、ニヤニヤと嗤う表情は醜悪だ。

 

 

「……園原志人。前世では東方仗助の知人。今世では前世を思い出す前から空条承太郎の友人にして、親友。

 SPW財団関係者の間ではジョースター家のお気に入り、または最強の盾などと呼ばれている」

 

「な、」

 

「スタンド名、イージス・ホワイト。能力は防御特化。前世ではスタンドを所持していなかったが、今世ではスタンド使いになったという、非常に珍しい例。

 また、スタンドとの完全同化という攻撃手段を持つが、同化以前よりも力は増すものの、元々のスタンドの攻撃力がほぼ皆無であるため、やはり決定打に欠ける。

 

 だがしかし、防御力に関しては最強の盾と呼ばれるに相応しい能力を持つ。

 空条承太郎と何度も模擬戦闘を行っているが、無敵のスタンドであるスタープラチナの拳でも未だに破れぬ程、そのバリアの強度は高い……」

 

「――――」

 

 

 ……馬鹿な。何故、そこまでの個人情報を知っている!?特に、スタンドとの完全同化については、財団関係者外部に漏れないよう、細心の注意が払われているはずなのに!

 

 

「……何者だ、てめぇ」

 

「くくく……っ!!知りたいか?ならば、教えてやろう。私の名は、トリスタン・ウッド」

 

 

 男……トリスタンは続けて、誇らしげにこう言った。

 

 

「――我が王……ディオ様の、忠実な僕だ。私はディオ様の命令(・・・・・・・)により、貴様を捕らえたのだよ。園原志人」

 

 

 

 

 

 

 






※ある女性達の会話

「――元気そうで良かったわねぇ。それに、カッコいいお友達が4人も一緒にいてくれて……」

「…………うん……」

「あらまぁ、何て顔してるの。泣くの我慢するぐらいなら泣いちゃいなさい」

「……う"う"……う"ぁ、ああ――っ!良かったぁ、志人……!!ごめんなさい、こんな、っ、こんなお母さんでごめんね……!!」

「あんたは良くやったわ。志人をあんな良い子に育てたんだもの」

「でも、……でも、わたし、あの子を1人にして勝手に死んじゃった……っ!あの時は志人1人でも大丈夫だと思っちゃったけど、うう、わたし、何て事を!!」

「……そうねぇ。あたしも最初は、何て馬鹿な事をしたんだと思ったよ。……でもね。志人はここに来れなくても、1年に2回は別の教会で、あたし達のために祈ってくれた。……あの子は、あんたの事を恨んでないの。分かるでしょう?」

「分かるよ、分かるわ!でも……!!」

「ほら、もううじうじ言うのは止めなさい。一度死んだら、後はどうしようもないの。今も懸命に生きてるあの子を、見守る事しかできないわ!いいわね?」

「……はい」

「よしよし。……それに、志人の側には良いお友達がたくさんいるみたいじゃない!特に、ほら。親友の承太郎くん?顔真っ赤にしてたのが体大きいくせして可愛いかったけど、あれは良い男ねぇ。あの子が信頼してるのがよく分かったわ」

「そう、ね。あと、す、すたんど?のイージスくん。出て来てからはずっと、志人に寄り添ってくれてた……」

「うんうん、あの子も良いねぇ。……他の3人の子達もいれば、志人はもう安心よ」

「うん……あの子達以外にも、たくさん友達がいるみたいね。……本当に、良かった」

「……ところで、あんたはあの子達の中で誰が一番カッコいいと思う?」

「えっ?」

「あたしはねぇ、志人の弟分だっていうあの子がいいね。絶対に将来有望よぉ!お墓の周りをあたし達の好きな花でいっぱいにしてくれたのもいいねぇ、カッコいいわぁ」

「……ふふ。もう、お母さんったら……」

※子、もしくは孫を見守っていた、とある母親と祖母

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