空条承太郎の友人   作:herz

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・男主視点。

・ご都合主義、捏造過多。書きたい部分を書いただけ。

・キャラ崩壊注意!!

・念のため。not腐向けです!


 ――空条承太郎だって、時には人たらし爆弾を投げるはず。※ただし、相手は親友限定。




空条承太郎の友人は、親友に感謝を伝える

 

 

 

 

 

 また新たな1年が始まり、さらに時が過ぎて――2月。今日は特別な日だ。

 

 

「緊張する……」

 

「……そんなに心配しなくても、俺とお前なら大丈夫だろ」

 

「結果を見るまで安心できねぇんだよ!逆にお前、何でそんなに落ち着いてんの?」

 

「二度目だから」

 

「そうでしたネー……」

 

 

 って言っても、俺も前々世で経験したから二度目なんだけどな!それでも緊張すんだよ!

 

 

 そんな訳で――本日は、大学入試の結果発表日です。

 

 志望している大学が同じである俺と承太郎は、試験結果が張り出される会場に向かっていた。

 同じく受験生である花京院と形兆は、既にそれぞれ美大と工学部の入試に合格している。俺達もそれに続きたいところだ。

 

 

 さてさて。ここで突然だが、学校を卒業して大学に行ったジョセフ、シーザー、ポルナレフ。

 そして4月から大学院生になるジョナサンと、社会人になるディオの将来の予定について語ろう。

 

 まずは、ジョセフ。彼は前世でやっていた不動産の仕事を、今世でもやるつもりらしい。大学卒業後は自分の不動産会社を立ち上げると意気込んでいた。

 次にシーザーだが……今世で将来何をするか、ギリギリまで悩んでいたそうだ。しかし、それを見かねたジョセフが、

 

 

「俺と同じ大学に入れよ!んで、そこでも将来の夢が見つからなかったら――その時は不動産会社社長になる俺の、秘書になれ!」

 

 

 と言って誘ったところ、シーザーはそれに乗っかってジョセフと同じ大学に入学した。彼の将来がどうなるのか、楽しみだな。

 

 次はポルナレフ。こちらも将来に悩んでいたようだが、とある大学の部活を見学した事が転機となり、アスリートを目指す事にしたという。

 そのとある大学の部活というのが――フェンシング部。間違いなく、彼のスタンドの影響だろうな。いつかは一流アスリートとして、名を馳せる時が来るかもしれない。

 

 次。大学院生になるジョナサンだが、彼も前世で学んでいた考古学を学び直し、将来は考古学者になる予定との事。

 目指す職業は違うが、承太郎も彼と似たような経緯で海洋学者になるのだろう。

 

 

 最後は、ディオの将来。……これがなかなか意外だった。彼はジョセフと同じく、自分の会社を立ち上げてその社長になる予定だが、その会社とは――

 

 ――サイバーセキュリティ会社。

 

 ディオは大学に入学する前から、IT関係の仕事に目をつけていたらしい。それで大学でも専門分野を学び、その中でも特に興味を持ったのがサイバーセキュリティだったという。

 前世で学生やってた時は法律を学んでいたし、てっきりその方向に行くのかと思っていたら……想定外だ。

 

 現代では特に重要な役割を担っているIT関係……その分野で上を目指そうとは、さすがですディオ様――

 

 

「……掲示板はあっちか。シド、行くぞ」

 

「…………」

 

「シド?」

 

「あっ、ハイ。今行く……」

 

 

 ――はい、現実逃避終了です。

 

 

 掲示板の前は、大勢の受験生達でごった返しになっていた。合格の喜びの声と、不合格の嘆きの声が聞こえて来る。

 さて、承太郎は全然心配無いだろうけど俺の受験番号はあるかなぁ……?不安になりながらも、番号を確認した。最初の方だからすぐに見つかるはずだが……

 

 

「……俺はあったぜ。シドは?」

 

「えー、文学部、は――――あった!良かった、ようやく一安心……」

 

「心配し過ぎなんだよ、てめえは。……ほら」

 

「おう」

 

 

 求められたロータッチに応じて、手を合わせる。

 

 

「4年間、よろしくな!」

 

「ああ」

 

 

 これで不安要素は消えた。住む場所も決まってるし、少しずつ荷物整理も始めている。

 実は去年の夏休み中に、承太郎と一緒に合宿免許を取りに行ったので、運転ができるようになった。荷物は少ないから、レンタカーで引っ越しを済ませる予定だ。

 

 

 そうそう、引っ越しと言えば。承太郎とジョナサンとディオも、俺と同じく3月に新居へ引っ越しする。

 順番で言えば、最初に引っ越しするのは俺。その数日後に承太郎。そのまた数日後にジョナサンとディオだ。

 

 ……何故ジョナサンとディオが同じ日に引っ越しするのかというと――あの2人、ルームシェアするんだってよ。

 

 相変わらず、今世の始まりの2人は仲良しだ。……旧図書館組で集まった時に2人がルームシェアするって話を聞いたんだが、それを聞いた承太郎が俺を見ながら"その手があったか"と凄く悔しそうにしていた。

 深く突っ込む事はしなかったが、俺はルームシェア反対派だ。誰かと一緒に暮らす事に慣れたら、いろんな意味で自立が難しくなる。

 

 ……俺は承太郎に本気で頼まれたら断れる気がしない。ルームシェアの話が出たのが、互いに住む場所を決めた後で本当に良かったなと思った。

 ちなみに。ジョルノもその話を聞いた時に"Fratelli(兄さん達)とルームシェア……"と呟いていたが、悪いな。諦めてくれ。

 

 というか。お前は俺達のそれぞれの家の近くに住む予定なんだから、それでいいだろ。……おっと、閑話休題。

 

 

「……そうだ、承太郎。引っ越しの事なんだが」

 

「ん?」

 

「お前、うちにあるイルカのぬいぐるみはどうする?お前が一人暮らし始める時に、引き取ればいいって話をしただろ?」

 

 

 もう一昨年の話になるが、承太郎と一緒に初めて外で遊んだ日。ゲームセンターのクレーンゲームでゲットした、あのイルカのぬいぐるみ。

 自分の部屋に置いたら家族に見られると嫌がっていた承太郎に、一人暮らしをするまでは俺が預かっておくと言って、ずっと俺の家に置いといた物だ。

 

 以来、承太郎は俺の家に来る度にあのぬいぐるみを手にしていた。かなりのお気に入りなんだろう。

 

 

「……シドさえ良ければ、お前の新居に一緒に持って行ってくれないか?」

 

「え?……いいのか?引き取らなくて」

 

「ああ。できれば、お前の家に置いて欲しい」

 

「分かった。とりあえず持って行くが、引き取りたくなったらいつでも言えよ?」

 

「ん、ありがとう」

 

 

 俺の家と承太郎の家は徒歩圏内にあるから、互いの家を行き来するのも簡単だ。引き取るだけならいつでもできる。

 

 

「……グループがお祭り騒ぎだぜ。さっき合格したって報告したからな」

 

「おぉ、本当だ……」

 

 

 スマホを見ると、学生組のグループが大騒ぎだ。……承太郎の方は家族のグループでも凄い事になってそうだな。

 

 

「よし、帰るか。今日の飯は豪華だぜ」

 

「おー!ご馳走になりまーす!」

 

 

 今日はジョースター家で、合格祝いの豪華な食事会がある。新居に移ったら、ジョースター邸にはなかなか行けなくなるしな。今のうちにホリィさん達の美味しい料理をしっかり味わっておこう。

 

 

「…………他人行儀だな。これ以上はまだ染まらないか……」

 

「んん?何か言ったか?」

 

「いや、何でもねえ」

 

 

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

 入試の結果発表から1週間後。休日の学校に訪れた俺と承太郎は、旧図書館へ向かった。

 

 

「……来たか。さっそく働いてもらうぞ」

 

「おう」

 

「はーい」

 

 

 出迎えてくれた三谷さんと共に始めたのは――旧図書館の大掃除である。

 

 数日前。俺達は三谷さんに、"今までお世話になったので、卒業する前に何かお礼がしたい"と申し出た。その時に頼まれたのが、旧図書館の大掃除の手伝いだ。

 なんでも、ジョナサンとディオが高校を卒業する時も、三谷さんに何かお礼がしたいと言って来たらしい。その時も大掃除の手伝いを頼んだという。

 

 

「……旧図書館に来るのも、これが最後……か」

 

「……寂しくなるな」

 

「ああ……」

 

 

 俺もそうだが、承太郎もいつもより元気が無い。……今日は3月の始めで、あと数日もすれば卒業式だ。卒業後に引っ越しすると、この学校は遠くなる。

 学校が文化祭で一般公開された時なら入れそうだが、それ以外だと来られなくなるだろうな……

 

 

「……三谷さんに、一緒に写真に移ってもらおうかな。お前も入れて3人で写真撮りたい」

 

「いいんじゃねえか?またあのアルバムに貼るんだろ?」

 

「あぁ」

 

 

 よし。後で三谷さんに頼もう。……最初は渋るかもしれないが、頼み込んで頷かせてやる。

 

 

 ……掃除が終わった後。俺達はそれぞれ、ある物を三谷さんに渡した。掃除をするだけではお世話になったお礼としては足りないと思い、プレゼントを用意したのだ。

 

 

「――マグカップと、コーヒーバッグのセットか……」

 

「三谷さんが前にコーヒーが好きだって言ってたのを思い出したので、プレゼントするならそれかなと思ったんです」

 

「……どうだ?」

 

「…………ふん。坊主達にしちゃあ、気の利いたプレゼントだな。……ありがたく貰っておこう」

 

 

 言葉はぶっきらぼうだが、笑っている。どうやら気に入ってくれたらしい。……と、三谷さんが"ちょっと待ってろ"と言って事務室に引っ込み、それから何かを持って戻って来た。

 

 

「……ほれ」

 

「えっ?」

 

「……これは?」

 

「開けてみろ」

 

 

 俺達に1つずつ渡された物。その包みを開けてみると――

 

 

「――っ!?」

 

「えっ!?み、三谷さんこれ……!?」

 

「……お前さん達、それを探してただろ。偶然手に入れたんでな。卒業祝いだ。持って行け」

 

 

 中身は、俺達がそれぞれずっと探していた絶版本だった。まさか、これが手に入るなんて……!?

 

 

「……どうやって見つけたんだ?」

 

「いろいろ伝手があるんだよ」

 

「何にせよありがとうございます!最高の卒業祝いです!」

 

「ありがとよ。……大事にする」

 

「……まぁ、大学でも精々元気にやれ」

 

 

 最後に、三谷さんに頼み込んで一緒に写真に写ってもらい、お世話になったお礼を告げて旧図書館の外に出た。

 

 旧図書館に背を向けて歩き出し、離れたところで振り返り、その外観を眺める。

 

 

「……シド?」

 

「……この場所があったから、俺と承太郎は交流する事ができたんだよな。ファンクラブの人間が知らない場所だったから」

 

「……そうだな。旧図書館が無かったら、学校内で顔を合わせて話すのは難しかっただろう」

 

「そもそも――旧図書館が無かったら、俺達は学校では出会えなかっただろうな」

 

「あ?」

 

「俺が三谷さんに本を運ぶように頼まれて、あの日無理して本を運んでいたから、あのタイミングで承太郎とぶつかった訳だろ?

 旧図書館が無かったら、俺は三谷さんに出会えなかった。という事は、俺が頼み事をされる事も無かったはず……」

 

「……そうなると、俺達が出会うきっかけその物が消えてたって事か」

 

「うん」

 

 

 まぁ、俺の中にはイージスが眠っていたし、もしかしたらそのうち"スタンド使いはひかれ合う"の法則で、承太郎と出会っていたかもしれないが……少なくとも学校では出会えなかったはずだ。

 ファンクラブを警戒して、俺の方から承太郎に近づく事は絶対にしなかったと思うから。

 

 そう話すと、承太郎は眉間に皺を寄せた。

 

 

「――お前と定期的に会えない高校生活なんざ、クソだな」

 

「こらこら。そこまで言う程の物じゃねぇだろ。前世の仲間達が一緒に学校に通ってるんだぜ?」

 

「シドがいないと楽しくない」

 

「ははっ!そりゃ光栄だ。俺もお前と出会えなかったら、退屈な高校生活を送ってただろうな。……卒業しても、父親から逃げるために大学には行かなかったと思うし」

 

 

 そうだ。承太郎と出会ってなかったら、ジョースター家とも関わって無いはず。……彼らがいなかったら、俺は父親に立ち向かえなかった。

 

 承太郎がいなかったら、図書館司書の夢を抱く事もなかった。

 

 

「…………なぁ、承太郎」

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

「――俺と出会ってくれて、友達になってくれて、ありがとう」

 

「――――」

 

「……な、なんてな!はは、ちょっと言ってみたかっただけだ!」

 

 

 自分で言ったくせに、恥ずかしくなっちまった。慌てて誤魔化し、早歩きで承太郎の隣を通り過ぎる。……その時、手を引かれた。

 

 振り向くと、承太郎は俺の手を両手で掴み、そのまま上に上げる。俺の手の甲に自分の額を当てた。こいつは下を向いているから、表情はよく見えない。

 

 

「……承太郎?」

 

「やっぱり。お前は分かってねえな、志人」

 

「何が……?」

 

「お前よりも、俺の方が数倍……いや。数百倍は、お前と出会えた事に感謝している」

 

 

 そんな大袈裟な、と言おうとしたが、顔を上げた承太郎は真顔だった。あ、こいつマジで言ってる。

 

 

「……縁切り事件の時に言ったはずだよな?俺の心は、お前に護られている。救われている。お前の言葉が、存在が、何度も俺を救ってくれた。

 お前はきっと大した事はしてないって言うだろうな。知らないのはお前だけだ。お前は自分がどれだけ影響力の強い人間なのかを知らない。

 

 俺はずっと前から――園原志人と出会えた事を、奇跡だと思っている」

 

「――――」

 

「俺と出会ってくれた事。親友と呼んでくれた事。いつも俺を護ってくれている事。前世も今世も引っ括めた俺を受け入れてくれた事。それから……それから、っ、嗚呼、上げれば切りが無い……!

 

 お前が俺に与えてくれた全ての事に感謝したい。――ありがとう。今世の俺を初めて受け入れてくれた存在がお前で、本当に良かった」

 

「…………」

 

「……志人?どうした?」

 

 

 柔らかい声と、真剣な眼差し。そして嬉しくて堪らないと言わんばかりの笑顔。それら全てが、こいつの言葉が冗談ではない事を物語っている。

 

 

 それが分かった途端、顔に熱が集まると同時に思わず叫んだ。

 

 

「っ、――この人たらし野郎がぁっ!!」

 

「てめえにだけは言われたくねえッ!?」

 

 

 直後に、そう叫ばれてしまったが。

 

 

 

 

 

 

 

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