それでもいいよという方はお楽しみください
一目惚れだった
幼い、幼い、小学校にすら通う前のことだった
「お母さん!あれ買ってよ!!!」
「どれだい?坊や」
「上から3段目のやつだよ!」
「…マーティ?ちゃんと最後まで友達でいられる?」
「うん!!約束する!」
目を引く、非現実的な青い髪
繋ぎ目の無い、真っ白い肌
「初めまして、マスター」
「よろしくね!マーティ!」
その日は調整でほとんど会話は出来なかったけれど、嬉しくて嬉しくて、仕方がなかった。
「ねえマーティ、遊びに行こ!」
「わかった、マスター」
調整が終わって、すぐに遊びに誘った
「やぁ、お二人さん!今日は仲良くお出かけかな?」
「こんにちは!おじさん、何してるの?」
「風船を配ってるんだ!君たちにもあげよう!」
「「ありがとう!!」」
「あーあ、黄色かー」
「いいじゃん、黄色もいい色だよ」
「どうせなら赤色の方が良かったな。それに、黄色ってあんまり好きじゃないし、」
「じゃあ、捨てちゃう?」
「……捨てらんないや」
マーティのは白色だった
帰り道、繋いだ手から人間とは違う、金属の冷たさを感じた
マーティと出会ってから時間が経つのがあっという間になった気がする
僕はマーティ以外の友達が出来なかった、
でも僕はそんなの構わなかった、僕の人生にはマーティさえ居れば良かった
気づけば高校の入学式の日、長ったらしい挨拶を聞き流しながら昔の事を思い出す
マーティはいつも僕と一緒にいてくれて、間違えを正してくれて、ずっと横で支えてくれた
気がつけば、そんな彼女を好きになっていた
「違うクラスになっちゃったね」
「…うん、休み時間に会いに行くよ」
マーティと違うクラスになって授業が退屈になった
学校に行くのが嫌になって、学校をサボる日が何日かできた
マーティと一緒に課題を進めていた時、マーティから話を切り出された
「実はね」
嫌な予感がする
「私、」
聞きたくない
嫌だ 言わないで お願い マーティ 嫌だ お願い 言わないで 聞きたくない ダメ マーティ 嫌だ お願い ダメ
真面目に通うから、一生のお願いだから、その先は、
「好きな人ができたの」
「…そっか、」
声が震えるのを抑えて、会話を続ける
「ちなみに、誰?」
「野球部の先輩。助っ人で呼ばれた時に親身になって、色々教えて貰ったの」
「へぇー…」
こんな事、したくなかった
『修正』しなきゃ
「だめだよ、マーティ。君は僕のものじゃないか」
「僕が購入したんだよ?マーティ」
「愛しています、マスター」
ごめん、マーティ
補足というか蛇足というか、飛ばしていただいても問題無し。
最後にマーティの事を「彼女」と表したのは修正で主人公に従順なロボットにしたから。ダメな事はしっかりダメ!と言えるマーティは消えた。
マーティの好きな人云々の話は主人公の気を引くための嘘かもしれないし、違うかもしれない。どちらにせよホントのことは作者も三人称視点で見ただけだから分からない。