英雄と饅頭とアカデミア 作:パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ..
ヒーロー事務所『ド葛本社』
ヴィラン犯罪多発都市『虹美市』を活動拠点としており、若くして他を圧倒する実力を持ち、市民に人気のヒーローらしい(緑谷談)
「ということで着きましたよ師匠」
「ありがとえび先輩...」
道中は師匠が道案内をしてくれていたのだが 、有り得んくらい迷った。いつまで歩いても事務所につかないどころか街中から離れていくのだ。流石に気になったので師匠の使っていた地図アプリを見せてもらうと、目的地を間違って設定していたことが判明した
「早めに出発しておいて良かったですね師匠」
「おかげでギリギリ間に合ったね...」
「師匠すぐどっか行こうとするから大変でしたよ」
「お前が歩くの早いんだろ?!」
この師匠俺が先導している間にも何度かはぐれかけたのだ。気づいたら後ろにいなかったから何度肝を冷やしたことか
「まあ師匠(頭が)でかいんですぐ見つけれましたけど」
「ぼくもえび先輩(体が)でかいから分かりやすかったよ
....でかい?」
師匠が余計なことに気づくまえにさっさと入ろう
ド葛本社は4人がそれぞれ独立したヒーローであり、チームであるため、サイドキックはいないとのことだったが、受付などの従業員は普通にいるようだ
「すいません、雄英高校から職場体験に来たんですけど」
「エクス・アルビオ様とアルス・アルマル様ですね。少々お待ちください」
受付の人の言うとうりにしばらく待つと、エレベーターが到着し、中から髪にひまわりを付けた少女が現れた
「あー!アルスちゃんや!かわいい!それに、そっちはエクス君!!」
「えぇっと、初めまして。エクス・アルビオです」
「あ、アルス・アルマルです」
「ご丁寧にどうも!でも挨拶はみんな揃ってからにしよっか!」
少女は眩しい笑顔を浮かべたまま、俺と師匠をエレベーターに載せて、上の階へと運んだ。エレベーターの中にはド葛本社のメンバーと思わしき人物達の写真が使われた虹美市のポスターが貼ってあり、そこに目の前の少女も載っていた
目的の階に到着し、彼女の後ろをついて行くと、応接室と書かれた部屋に着いた
「それじゃあ改めて、ようこそ!ヒーロー事務所『ド葛本社』へ!」
通された応接室の中には、ポスターに載っていた残りの3人が座っていた。こちらに挨拶をしながらもパソコンをカタカタしている男性と、お茶を飲んでる角が生えた女性、そしてずっと下を見ている男性がいた
「んじゃ、自己紹介するね!おはござ!頭のひまわりがチャームポイントの!プロヒーロー『ぽんぴまん』です!よろしくね!」
明るい自己紹介と共に差し出された手を握ると、大きくブンブンと振られた。元気の擬人化のような人だ
「じゃ、次はドーラ!」
「よく来たな人間、ワシは『ドーラ』じゃ。1週間よろしくな!」
「古風な喋りかたは
「言わんでいいわそんなこと!」
聞く相手に威圧感を与えるような声色と口調で自己紹介をしたドーラだったが、一瞬でぽんぴまんに役作りであることをバラされてしまった。少し頬を赤くしたドーラはぽんぴまんを追いかけだした。噂通りの中の良さが伺えた
「んじゃ、次は築で」
ドーラは狭い室内で走り回るぽんぴまんを捕まえ、メガネの男性にバトンを回した
「はい。プロヒーロー『やしきず』こと社築です。本日は来てくれてありがとうございます」
物腰穏やかな丁寧な人だ。ただ目の下にこびり付いている隈は気になるが...
「んじゃ最後、葛葉」
「アッ....スゥー......ヴァンパイアヒーローの『葛葉』です.....よろしくお願いします.....」
「くずは声小さいって。自分で指名したんやからはっきり喋りや」
ぼそりと自己紹介を呟いた葛葉さんだが、指名した?とはどういうことだろうか
「いや、あん時の俺はマジでどうかしてたんだって!
ていうか魔法使いの方来るの聞いてないって!」
「会議寝坊したの葛葉だろ?...ああごめんね置いてきぼりにしちゃって。じゃあ自己紹介してもらってもいい?」
「ああはい。雄英高校1-A、エクス・アルビオです。ヒーロー名も同じです」
「同じくアルス・アルマルです。ぼくもヒーロー名と名前は同じです」
「エクスとアルスね1週間よろしく。それじゃあ今から、1週間のスケジュールを説明します」
その場にいる全員にやしきずから資料が配られた
「ドーラ達は1度聞いてると思うけど、改めて確認してくれ。えー、我々ド葛本社では、基本的にドーラぽんぴまんペア、やしきず葛葉ペアで、昼夜のパトロールを分担しています。理由は後程説明します。エクスとアルスには、最初の4日間、2日ずつ別れて昼夜両方のパトロールを体験してもらいます。パトロールをしていない時間は戦闘訓練と書類作成、あと休憩をしてもらいます。そして残りの3日間は2人でド葛本社が今追ってるヴィジランテの調査に参加してもらいます。ここまでで何か質問はある?」
1人がすっと手を挙げた
「はいじゃあ葛葉.....葛葉!?なんでだよ1回説明したろ!?」
「いや多分寝てたわそんとき。でド葛本社全体の活動時間は6時から24時までの18時間で3時に交代だけど、全部参加してもらうの?2日後の切り替えの時大変じゃない?」
「いや、パトロールに参加するのは6時間、間にご飯休憩を入れてやってもらう予定だ。具体的には、昼の部は9時から15時まで、夜の部は15時から21時までだ。だから俺らはエクスかアルスが始まるか終わるタイミングで1度ここに戻ってくることになる。2人ともここまで大丈夫?」
「はい!大丈夫です!」
「よし。んじゃあさっき言った昼夜別れる理由だけど、主に葛葉とぽんぴまんの個性が理由だ。ぽんぴまんは個性『ウェザーパワー』その時の天気によってパワーアップする個性だが、夜は雨か雪が降っていないと力を発揮できない。葛葉は個性『吸血鬼』、吸血鬼っぽいことはだいたいできる。ただ9時から15時の太陽が高く登ってる間はただの飛べる人間になる。このことを活かして我々は昼夜を分けて活動しています」
なるほど。足りない部分を支えあってる感じか
「質問いいですか」
「はいエクス」
「やしきずさんとドーラさんにはそういったデメリットはないんですか」
「まあ無いな。ドーラと俺は24時間いつでも活動可能だ。強いて言うなら、俺は比較的中、遠距離タイプでドーラは近、中距離タイプって感じだな」
「なるほど。ありがとうございます」
「んじゃ早速別れて、職場体験を始めようか。じゃあ最初エクスは俺らと夜の部で、アルスはドーラ達と一緒にパトロールにでてくれ。何か分からないことがあればその度聞いてくれ」
そうして俺らの職場体験が始まった
◆◆◆◆◆◆◆
というわけで、師匠はドーラさんとぽんぴまんと一緒にパトロールに出かけた。やしきずさんは取りに行くものがあると、この階を離れてしまった。
応接室には俺と葛葉さんが残されていた。
き、気まずい....
葛葉さんはさっきから一言も発さずに固まったままだ
俺から話しかけなきゃないのかな...
「え、えーと葛葉さんって、本名でヒーロー活動してるんですか?」
「あ、いえ、本名はアレクサンドル・ラグーザっていいます。葛葉は昔の友達につけられたあだ名っすね..」
「へ、へーそうなんすねー...」
「「......」」
本名じゃないのか..アカン、本名ヒーロー名にしてる繋がりで話広げていこうとした作戦が潰れた...
なんだアレクサンドル・ラグーザって、
かっこいいなおい
(やべえ、職場体験来てくれた子に気を使わせちゃった..なんかないか、俺の今までの経験で、この場を乗り切る策は!絞りだせ会話デッキ!!ドロー!!!)
「..ッスゥー..今日..天気いいっすね...」
「え?ああまあ、晴れてますね..」
「「..........」」
「おまたせー待ったー?」
「「やしきず!!」さん!!」
「え?何どうした2人とも。瓦礫に閉じ込められて絶望してた所を助けられた子供みたいな顔して」
完全に空気が終わっていたところにやしきずさんが帰ってきた。それも両手に荷物を抱えて
「やしきずさん...それって?」
「お?もしかしてゲームやったことない?せっかくだからマ〇オカート持ってきたんだけど」
「いや知ってますけど!やってますけど!いいんですか?」
「まずは仲良くなるとこからだろ?ドーラ達と雄英にはないしょな?」
「や、やしきずさん...」
「おっしゃ!やるぞエクス!職場体験に来てるからって忖度しねぇからな!!」
「望むところですよ葛葉さん!!まじヴォゴヴォゴにしてやるんで覚悟してください!!」
「仲良いなお前ら」
ー以下ダイジェストー
「てめぇエクス!!ショートカットのタイミングで赤甲羅投げてんじゃねぇ!」
「防御アイテム持ってないのが悪いんですよアアアァァァァ!!?やしろさああああああん!?!?」
「おいおいこれだから学生は、警戒が甘いんじゃあないの?」
「おいエクス、ここは協力だ」
「ですね」
「は?」
「abo一旦下がれ!甲羅ある!」
「了解です!」
「なんでだよおい!おかしいだろ!」
「葛葉さん俺も甲羅引いたから下がって!」
「おまえらあああああああ!!」
「葛葉さん!?仲良くしようって言ったじゃん!!」
「馬鹿め!昨日のヴィランは今日のヒーローだぜ!!」
「何言ってんのか全然わからん!?」
「エクス。葛葉はだいたいこんな感じだぞ」
「まじすか...」
「スリップストリイィィィィム!!!!」
「うああああぁぁぁぁ!?危ねぇ!叫ぶとこだった!」
「待ってwアカンw、息できないwww」
「うおおおおおお!インコオオォォォス!!」
「アハハハハハwwwww」
突如始まったマ〇オカートは想像以上に白熱した。ただ後半はずっと笑ってるだけだった。
この2、3時間でだいぶ仲良くなれた気がする。いつの間にか呼び方もaboになってたし
「いやエクス意外とゲーム上手いじゃん」
「やしきずさんこそめちゃくちゃ上手いっすね。途中何回か手出そうなりましたもん」
「いやなんでだよ」
「abo他にもゲームやってる?後でやろーぜ?」
「やりましょう!」
「まてまて、それは今度にしてくれ。忘れてるかもしれんが今職場体験中だから....おい待て、冗談で言ったんだがマジでハッとするのやめろ。葛葉までびっくりしてんじゃねえ!昼食べたら戦闘訓練するからそのつもりでいてくれ」
そうだった...俺は今職場体験中だった。ここからは気を引き締めなければ。
ちなみにお昼はやしきずお手製のカレーらしい