英雄と饅頭とアカデミア 作:パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ..
初日が終了し生徒はそれぞれ下校して行った。
学校生活が始まったばかりだからか、 新しく出来た友達と帰る生徒は少なく、バラバラに帰っているものが多かった。
「いやあ、疲れましたねー」
「なんでナチュナルについてきてるわけ?」
そんな中エクスはアルスと帰っていた。
「えっ?ダメですか?」
「ダメじゃないけどさ、こんなグイグイ来るやつとは思ってなかっただけ」
「登校も一緒だったんですから帰りも一緒なのかと」
「言われてみればそうだけどさぁ...あれは一緒に来たって言えるの?...」
そのあとはお互いくだらないことを言い合いながら帰った。
ちなみに家は割と近かった。
◆◆◆◆◆◆
2日目
「おらエビバディヘンズアップ!!盛り上がれ━━━!!」
(普通だ)
(普通だ)
(普通だ)
(くそつまんね )
(関係詞の場所が違うから4番!)
(パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンディシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ )
ヒーロー科とはいえ午前中は普通の授業もするらしい。プレゼントマイクの声がでかい以外は普通の高校でやっていることと余り変わらないだろう。
「師匠は何食べてるんですか?」
「ほんと自然に隣に座ってくるなあ..大トロだよ。」
「ふぐみたいな顔してるのに?」
「おいてめぇ表出ろ」
昼は大食堂で、ランチラッシュによる一流のメニューを安価でいただける。
そして午後。ヒーロー基礎学の時間がやってきた
ヒーロー基礎学の初回である今日の授業は、なんと早速2対2の戦闘訓練をするらしい、基礎訓練や座学もなしに始めるのかとの指摘も上がったが、先に戦闘訓練をすることで、その基礎を浮き彫りにするのが目的のようだ。
そして戦闘訓練のため、皆入学前に要望を出したコスチュームを着用していた
「エビ先輩のコスチュームなんだかごついね」
エクスのコスチュームは、赤と青のラインが入った、西洋風の鎧だった。
「師匠のはなんだか魔法使いみたいで似合ってて可愛らしいですよ」
アルスは黒と金を基調としたマントを羽織っており、フードには金色の飾りがついている。
なんの前触れもなく可愛らしいと言われたアルスは、顔を真っ赤にさせ、頭から湯気を登らせた。
「うぇっ!?あ、ありが...」「てか師匠顔でかいからフードもめちゃくちゃでかくていいっすね」
「...おい、てめぇーー今なんつった!!?あーもう知らねえよ!お前が対戦相手だったら絶対ぶっとばしてやるからな!!」
気分は反転、モッチーンと効果音が聞こえてきそうな勢いでアルスは激怒してしまった。そしてそのままエクスから離れていくアルス
「えぇ!?ちょっ、俺なんかしました!?ねぇ!師匠!!」
1人叫ぶがアルスは振り返ってくれず、1人反省会を始めるエクスだった。
訓練の内容は、凶悪ヴィランがアジトに核兵器を隠していて、ヒーローはそれを回収する。
ヒーローの勝利条件は、ヴィランを捕まえるか、核兵器を回収すること。
ヴィラン側は、ヒーローを捕まえるか、制限時間まで核兵器を守り抜くこと。
お互いを捕まえる方法はテープを巻くこと、核兵器の回収はタッチをすれば良いとのことだった。
「それじゃあ早速チームを決めよう!このクジを引いてくれ!」
オールマイトはどこからか穴の空いた箱を取り出し、みなにクジを引かせていった。
「師匠何でした?」
「..........Fだったよ、先輩は?」
「マジっすか師匠!俺もFです!」
「うわぁ...」
顔を引きつらせるアルス
(.....まあ、戦闘面に関しては信用できるし、僕もサポートに回ればまず負けないでしょ)
先程無視すると決めたばかりであったが、仕方なく返事をする。
「はぁ、よろしくねエビ先輩」
◆◆◆◆◆◆
クラス全員がクジを引き終わり、組み合わせも決まった。
第1試合、ヒーロー側Aチーム(緑谷、麗日ペア) ヴィラン側Dチーム(爆豪、飯田ペア)
第1試合の内容としては、お世辞にもいいものとはいえなかった。爆豪勝己の暴走、ヒーローチームの核兵器という設定を無視した攻撃方法などが目立った。
とはいえ、この戦闘訓練の目的からしてみれば、課題点が見つかるのはむしろ良い事と言えるだろう。
続く第2試合、ヒーロー側Bチーム(轟、障子ペア)
ヴィラン側Fチーム(エクス、アルスペア)
◆◆◆◆◆
「ということで、作戦会議をしましょう」
「あい」
「ああ、通信機がギリ拾うくらいのなるべく小声で、障子さんの個性で聞き取られちゃうんで」
「(あい)」
ビルに入ったところで、5分間の作戦会議の時間が始まった。
「まず僕の個性から大まかに説明しますね。僕の個性は自分の体や道具にエネルギーを流して、流したものの性能を大幅にアップすることができます。体に流した場合は個性把握テストの時みたいになります。道具の場合は..
例えば剣ならより鋭く、盾なら丈夫に、飛び道具は飛距離が上がる等の、そのものの性能面が強化されるイメージです」
「シンプルだけどほんとに強いね。エネルギー切れとかはないの?」
「切れたことないです」
「うわぁ....」
まじかよお前という目でエクスの顔を見るアルス。
「師匠の個性も聞いていいですか?」
「えぇっと、僕の個性は魔法だね。サポート系ならパワードとかスピーダーみたいに肉体の補助ができるよ。制度はイマイチだけど探知もできる。あと戦闘用だけど...今んとこ火と雷と風が使えるよ」
「うわつっよ、えぐいて」
お前も人のこと言えないだろとめで訴えるエクス
「いちばん得意なのは雷だね。火は火力の制御がまだいまいちで、ここで使ったら一瞬でサウナみたいになっちゃうかも」
「なるほど..だいたいわかりました。基本的には僕が前衛やるんで師匠が後衛やってください。もし予定外のことが起こったら臨機応変に指示を出すので、聞いてもらってもいいですか?」
「あい。普段からそんくらい真面目だと助かるんだけどね」
作戦会議も終了したところで残り時間もわずかとなった。
「それじゃ、一丁やったりましょう師匠」
「わかったよ、エビ先輩」
《それでは、訓練開始!!》
耳元のイヤホンから、オールマイトの声が響いた。
______________その瞬間ビル全体が氷に包まれた!!
「.....緊急事態です師匠!!」
「はええなぁ!!!」
足元までガッチリと固定されており、動くのは非常に困難な状態となった。
「師匠自分のは溶かせますか?」
「炎はコントロールできてないんだって!」
「じゃあ僕が壊すので師匠は探知してて下さい!」
「えっ?り、了解!『サーチエネミー』!」
エクスは足にエネルギーを流し、無理やり氷を破壊、続けてアルスの近くの床を叩きその振動でアルスの氷を破壊した。
「1人2階に入ってきてて、もう1人はまだ外にいるよ!」
「わかりました!おそらく入ってきてるのが 轟さんでしょう。障子さんと一緒にいると広範囲を凍らせることは出来なそうなので」
エクスは冷静に戦況を分析し、作戦を立てた。
「師匠は3階に降りて、轟さんと戦って下さい」
「えぇっ!?無茶言うなよぉ!」
「時間稼ぎなら絶対できます、僕は先に下の障子さんを捉えてきます、そして後ろから挟み撃ちの形で轟さんを仕留めましょう」
「わ、わかったよ!...ってどうやって轟くんに合わないで障子くんのところに..」
アルスが言い終わる前に、エクスは窓から飛び降りていた。
「...無茶するなぁ」
アルスが3階に降り少し待っていると、轟がゆっくりと階段を上がってきた。
「アルス..だったか、なんで動けてるんだ?」
「エビ先輩、轟くんが来たよ、なるべく早くお願いね」
アルスはマイクに向かって小声で呟いた。
「無視か。まあいい、そんじゃ...行くぞ」
轟くがつぶやくと同時に、彼の足元から氷が生成され、アルスへと向かってきた。エクスがいない今、体のどこを凍らされても致命傷となってしまう。
「『ファイア』!!」
火属性魔法は調整ができていないが、轟の個性とならば相殺できると考えた。
アルスが手を突き出し唱えると、彼女の前に人の顔サイズの火の玉が生成される。火の玉はそのまま轟が作りた出した氷へと向かっていった。アルスの制御下を離れた火の玉はそのまま膨張していき、轟の作り出した氷を飲み込み、さらにその余波が轟へと襲いかかる
「っ、!」
轟は少し驚いた表情を受かべ、自身へ向かって来た炎を躱した。そのまま次の攻撃に移ろうとするが、アルスの姿が見当たらない
「どこに行きやがった?」
「ここだよ。『サンダー』!」
「なっ!?」
アルスと轟の距離は10mほどあったが、アルスは轟の後ろへと一瞬で移動していた。そしてそのまま放たれた加減された雷をくらい、轟は膝をつき倒れ込んでしまう
轟がアルスの背後を確認すると、魔法陣のようなものが床に書かれていた
「グシッ、初見殺しで悪いけど、決めさせて貰うね。このままテープを..」
「さ..せるかよ!!」
「ぅえ!?」
しかし寝たままの轟が放った氷によって、アルスは首から下を固定されてしまった。
「足だけだと攻撃できるかもしれねえからな。悪い。」
轟はアルスの雷によって麻痺して倒れているが、彼の氷は体の一部が何かに触れてさえいれば作り出せる。
動けないことを逆手にとり、不意打ちの形でアルスを凍らせることに成功していた。
痺れが弱くなってきた轟はゆっくりと立ち上がり、アルスにテープをつけようとする。
轟がアルスにテープを巻つけようとした瞬間フロアに慌ただしい足音が響いた
「師匠!無事で...ブッ、何してるんですか師匠、頭だけ出してw、真面目に訓練してるんですから巫山戯ないでくださいよ!」
階段から上がってきたエクスが顔から下を氷で固定されたアルスを見て吹き出していた。
「そっくりそのまま返してやるよクソ野郎ぅ!!来るのが遅いんだよぉ!!」
「だいぶ頑張りましたよ?!師匠がやられるのが早すぎるんじゃないですか!」
「いい加減うるせぇぞお前ら!!」
轟が怒り気味で氷を放ってきた。エクスには氷を防ぐ手段はないと轟は思っている。しかしエクスは
「英雄パンチ!!」
と叫びながら、迫ってくる氷に飛び蹴りをかました。
飛び蹴りが当たった衝撃で、轟の生み出した氷は全て粉々に砕け散っていた
「「はあ!?」」
驚きを隠せないアルスと轟を無視し、エクスは轟に接近、テープを巻いた
「っしゃあ!」
1人ガッツポーズを決め込むエクス。訓練はFチームの勝利で終わった
◆◆◆◆◆◆
時は遡り、エクス視点
「こんばんエエエェェェェェックス!!!」
「んな!?」
外で待っていた障子の頭上から、手をクロスされたエクスが降ってきていた
「なぜ上から!?..っ、!!」
困惑しながらも、エクスの落下地点から回避することに成功した障子。先程自分がいた地点に人型の穴が空いていた。
「...大丈夫なのか?」
と障子が覗きこんだ瞬間、穴からテープをもった手が出てきた。
「危なっ、」
驚いた障子は大きく体を仰け反ってしまう。するとエクスの手は方向を変え、障子の足を掴み、手前に引っ張った。
足元をすくわれた障子は後ろに倒れ混んでしまう。すかさずエクスは穴から飛び出し、障子を抑え込む
「はい、ゲームオーバーです」
障子が起き上がった時には、既に手にテープが巻かれていた。
「それじゃ戻んなきゃないので!」
「...何も出来ないまま瞬殺されてしまった」
ビルの入口前で、障子の1人事が悲しく響いた。