【ライダー】負けたら陵辱される変身ヒロインものエロゲーの世界の竿役モブに憑依した挙句、忍者の仮面ライダーになっていた【助けて!】   作:ヌオー来訪者

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 前々からやっていることなのですが。
 世界観の味付けのために2008年当時の出来事とか文化を調べたりしているとき、まるで異世界のようにも思えてくるときがあります。

 遠くまで来てしまったような、そんな気分。


その正体……

 あれから数日が経った。

 ノロイ党も先程の戦闘で深手を負ったのか動きはまるでない。思えば幹部クラスと瓢箪を失った挙句、ハルカとシノビを始末しようとした者が正体不明の存在(アナザーアギト)にボコボコにされれば「そりゃそうよ」という感想しか出て来なくなるわけだが。

 タカマル自身もスズモリの報告書を片手に大きくため息をついた。

 

「ずっとため息吐きっぱなしですね……」

 

 そんなタカマルの様子を見かねたスズモリがコンソールを叩く手を止め、壁際でため息吐きまくっているタカマルに声をかける。

 自覚はなかったが大体15分おきのペースでため息を吐かれては放っておけないのが人情というものである。

 

 あれ、そうなのか? 

 スズモリの指摘に少しばかりきょとんとしてから小さく頷いた。スズモリがそういうのならばきっとそうなんだろうという少し投げやりな肯定だった。

 

「かもしれない。深紫の忍びの正体が()だったって事もあったし、スバルって閃忍のこともある。そしてノロイ党でもない異形の存在の出現。あれ以降ハルカさんも心ここに在らずって感じだからね」

 

「……昨日は色々あり過ぎましたからね。あの戦闘で大蛇丸も行方をくらまし現在捜索中ですし」

 

「出来ればこっちで確保したかったんだけどね。深紫の忍びの瓢箪は確保出来たのは不幸中の幸いだったけれど」

 

 ノロイの力を受けた者と仮面ライダーと呼ばれる力。

 それらはどういう訳か相性が良い。幸い大蛇丸は下っ端だったのもありこの程度で済んだが、この二つの力がもしこの先ノロイ党のもっと強い敵が持ったならば……そんなことは想像もしたくはない。

 けれども時間経過と共にノロイ党からは強力な存在が結界の影響を克服して現れてくるのもまた事実なわけで。

 

「タカマルさんには話してもいいかもしれませんね。丁度ここには僕らしか居ませんから」

 

「ん? どうしたんだい?」

 

 スズモリの少年特有の高い声から一転して潜ませるような低い声になったところでタカマルは顔を寄せ神妙な顔で耳を傾ける。

 

「タカマルさんがここに来てから……深紫の忍びが現れて、斉藤真太郎がタカマルさんの護衛について暫くしてから彼には監視が入っていました」

 

 その話は既にアキラから話は聞いていた。

 元々斉藤真太郎という男が悪辣なエロゲーの竿役みたいな男だったのに、突然エロゲーの親友枠レベルの3枚目に堕ちてしまったという話もだ。

 

「僕も昔の彼をあまり知りませんので何とも言えませんでしたが、これはとある休日の彼の活動記録になります」

 

 デスクの上に置いたタブレット型端末をタカマルに渡す。そこには隠しカメラであろうもので捉えられた斉藤真太郎の自室が映っていた。

 一室で敷かれた布団の中で斉藤真太郎がスヤスヤ眠っている。

 

「盗撮だな……これは」

 

 ちょっと罪悪感こそあったが、彼の日常は少しばかり気になるものもあった。

 意外と彼は休日に何をしているかあまり話したがらない男なのだ。

 

 数秒ほどの間を置いて頭の上に置いた目覚まし時計が鳴り始め、寝起きのまとまらない思考のまま乱暴に叩くようにアラームを止めると、ゆらりと起き上がり始めた。朝は弱いらしい。

 しばらくフラフラしてから、棚に置いてあったラジオの電源を入れた。

 

『グッモーニン! おはようございます! 閂RADIO、今日もお相手はわたくし──あなたの隣人サイ・蔵座(ぞうざ)! 清々しい朝ですね、そんな一日の始まりに相応しい曲です! 今朝の一曲はこちらから……! はじまりの歌!』

 

 ラジオから流れ出るダンディな男の声。

 閂市名物の閂RADIOだ。次に流れ始めた曲は今年(2008年)の新春ごろにリリースされた記憶に新しい曲だ。

 

 パンをトースターで焼き、待っている間に洗面所で顔を洗いはじめる。

 よくある独身男性の朝だった。こんなもの見て毒にも薬にもならないだろうとは思いもしたが生憎見ている対象は謎の男、そう斉藤真太郎である。

 

 朝ごはんを食べ終えた斉藤真太郎は、ラジオの音声をBGMに一頻りケータイを弄っていた。インターネットでもしているのだろうか。

 そこまでケータイでネットをしてはパケ死が怖いがまぁ、一応彼の実家は金持ちなので特に問題はないだろう。

 

「何見てたんだ?」

 

「わかりません。通信キャリアから情報を洗っても当たり障りのない内容ばかりでした。本当に……普通なんです」

 

「普通?」

 

「普通の上弦衆のスタッフの日常の延長線にしかないんです。この後外出しているんですが……」

 

 スズモリが動画ファイルを切り替えさせると、次は喫茶店の監視カメラとなった。そこには制服を着た斉藤真太郎が注文を取っている。

 にこやかな笑顔や動きが板についており、一日二日始めた人間の動きでは間違いなくなかった。

 

「アルバイトしているのか」

 

 意外と言えば意外だ。

 何せ親が親なのでそのようなことをする必要はまるでない。上弦衆としての給料だってあるはずだ。ただタカマルの知る『彼』らしいと言えばらしい。良くも悪くも小市民だ。

 

「彼自身、する必要はありませんからね。経歴上アルバイトをしていた形跡もありませんでしたし、ご両親との関係が悪化したというわけでもなさそうです。それに彼の口座の父親から贈られた莫大な貯金額にはほとんど手を付けていませんでした。上弦衆からの給料についても同様、生活費程度で、アルバイト代で遊興に当て込んでいたようです」

 

 やはり、アキラの言う斉藤真太郎と自らが知る斉藤真太郎のギャップが酷くなっていく。スズモリが次々と流していく映像の中には上弦衆の他部署で力仕事を手伝ったり、一人で焼肉をたらふく食ったり、一心不乱に一人鍛錬を行ったり、オロナミンCをぐびっと呷ったり、ガンプラを組んだり。

 

 どうしようもないほどに映し出される斉藤真太郎はタカマルの知る斉藤真太郎であった。

 ただし何度か、何者かに尾行を妨害されていた点を除いて──だが。

 

 何が斉藤真太郎を変えたのか。いわゆる仮面ライダーという奴か、それとも──そもそも仮面ライダーとは一体何なんだ。

 仮面ライダーと斉藤真太郎の豹変はほぼ同じタイミング。となれば関係を疑わずには居られないわけで。

 

 仮面ライダーとは一体。

 

「仮面ライダー。何なんだろうな」

 

 日本語と英語のハイブリッド。随分と珍妙奇怪な名前だ。

 ルー◯柴じゃああるまいし何なんだその名前は。マスクドライダーとかあっただろ。そんなツッコミも斉藤真太郎が眠っている以上その答えを知る者は──

 

「仮面ライダー……1971年4月3日に放送開始した特撮テレビ番組の主役の名前です」

 

 意外にも近くにいた。スズモリはタブレットを叩くと画面からダークグリーンの仮面を被った戦士の姿が映し出された。ピンクがかった複眼、そして頭から伸びる触覚。まるでその様はバッタを思わせる。

 赤いマフラーがたなびいており、それはまるで深紫の忍びを彷彿とさせた。

 同時に撮影スタッフの名前が次々と映し出される。40年ほど前だ、今となってはもうお爺さんだろう。

 1971年と言うとタカマルもスズモリも生まれていない。親が生まれているかどうかぎりぎりだ。

 

 

「確かに昔変な子供向け番組が沢山あったけどそれもその一つって感じか」

 

 一部の物好きによって掘り起こされたものもあれど歴史の陰に消えた子供向け番組なぞ掃いて捨てるほどある。

 その一つが『仮面ライダー』のようだ。

 

「えぇ。ただこの手の番組はたいてい半年は放送するものでしたが、この番組は撮影中の事故で半年も経たずして終了しています」

 

 近年動画サイトの隆盛で、チャージマン研! のように古い作品が何故か掘り起こされている*1傾向にあるが、これもその一つになるのだろうか。

 そんなタカマルの返しにスズモリは困ったような笑顔を浮かべる。

 

「はい。その為DVD化はされず。この映像そのものも辛うじて再生出来るVHSをジャンクショップを梯子して入手し、データ化したと言う形です」

 

「それは……頑張ったな……」

 

 そこまでやる必要あるか? と一瞬だけ思いもしたが、斉藤真太郎の謎を追う上では必要なことだ。

 仮面ライダー。あの斉藤真太郎の深紫の忍びから端を発した3人の戦士──大蛇丸の新緑の忍び、ハルカが出会い都市伝説となっている橙色の忍び、そして正体不明の戦士。

 直近で現れた戦士、斉藤真太郎曰くアナザーアギトの方はたしかにあの映像の仮面ライダーに似ているがあまりにも生物的過ぎる。似て非なる別物と言ってもいいだろう。

 

 それにしても40年近く前だからか映像が粗い。保存状態も劣悪だったようで走るノイズが開幕1分足らずで酷くなっていく。そしてナレーションが流れ始めた所で────

 

『仮面ライダー・本郷猛は改造人間である。 彼を改造したショッカーは世界征服を企む悪の秘密結社である。 人間の自由ををををををををまままままままままままままままもももももももももももももも』

 

 映像が──止まった。

 0.1秒の世界をループさせ牧歌的な歌声が忽ち騒音、雑音へと変わる。もう限界のようだ。仮面ライダーの姿を中心にノイズが走りその姿を曖昧にしていく。

 

「あれっ、おかしいですね……ちゃんと映るってお店の人が言ってたんですけど。データ化の時にトラブったのでしょうか……」

 

 スズモリが不思議そうに再生機能を弄るが依然として止まった映像が元に戻ることはない。保存状態が悪かったツケが今この瞬間回りに回っている。

 もうこれ以上何か得られるものはありそうになかった。

 

 あとは、本人の口から聞き出すしかないだろう。

 

「あれ、どこに行くんですか?」

 

 司令室から出て行こうとするタカマルに、スズモリが呼び止める。するとタカマルは振り向き口を開いた。

 

「彼の──()()()()()の所だよ」

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 鷹守ハルカにとって、斉藤真太郎という男は下衆という言葉がよく似合う男であった。

 時渡りで現代に行きついたばかりの頃、今のようにスズモリやアキラのいるノロイ党対策チームが結成されてはいなかった。

 

 まず結成前に行われたことは上弦衆の上層部との顔合わせだ。当然だ、文献こそあれど騙りである可能性も考慮したのだろう。

 上弦衆とて一枚岩ではないのだから。

 

 

 その上層部の中には斉藤儀助……出資者の一人と、その息子斉藤真太郎の姿もあった。

 アキラと出会ったのもその時期からだ。

 

 戦国時代と平成の世とでは生活様式も異なるものだ。

 言葉遣いもまるで異国の言葉のよう。更なる鍛錬を行いながらこの時代で生きていけるように学ぶことを絶やさなかった。

 

 とはいえど。数百年の時の流れというものは残酷であった。

 顔合わせから数ヶ月、違い過ぎる世界に悪戦苦闘するハルカのことを、事情を知ってもなおも奇異の目で見る者も少なくなかった。けれどもアキラのように味方をしてくれたものも沢山いた。

 

 その中に、斉藤真太郎という名の一滴の悪意が混ざり込んでいた。迷惑な話だが彼のお眼鏡に適ったのだろう。

 最初こそは生活も覚束ない自分を助けてくれる1人だと思いもしていた。だが、最初に特段悪意もなく好意を向けてきた上弦衆の一人をいともたやすく首を飛ばした。勿論、物理的にではなく社会的にではあるが。

 

 今思えばその上弦衆の一人が投げかけたのは告白だったのだろう。その時理解していなかったハルカは、彼の言葉をただ笑ってはぐらかすことしか出来なかった。

 だが斉藤真太郎は彼を『ハルカ自身に好意を向けた』それだけの理由で彼を追い詰めた。無論そんな建前では上弦衆とは言えど追い出せはしない。

 だが、斉藤真太郎という男は出資者の息子であるが故に、そして父親が彼にだだ甘だったが故にそう易々と逆らえるような人間ではなかった。

 

 そして好意を向けてきたスタッフはその後、『ハルカに肉体関係を迫った』『忍びとしての素質に欠ける』という名目で上弦衆を追放。ハルカも事実無根と否定したが無意味に終わった。

 追放から1か月後、駅のホームで自殺したと聞いたときは彼に少なからず怒りを覚えた。

 

 とはいえど斉藤家は上弦衆の資金提供を行っている以上、変に彼らの機嫌を損ねることは出来なかった。

 ノロイ党に立ち向かえる勢力は現状上弦衆しかいない以上出奔なんて真似も当然出来る訳もない。それに真っ当に使命のために仕事をするスタッフたちの姿たちがいるのもまた、現実なのだから。

 

 

 

 

 

 

 だが──それは斉藤真太郎を避けることが出来ないのと同義。

 暫定的に住処としていた宿舎で暮らしていたハルカのもとにあざ笑うかのように斉藤真太郎は現れた。当然、彼を無碍にすることは出来ず部屋に上げてしまったのが運の尽きだった。

 

「苦労しているな、鷹守ハルカ。ろくな龍輪功もせずによくもまぁやってこれたわけだ」

 

「……あなたには関係ありません」

 

 思わず邪険な返事をしてしまう。すると彼はそのことを意に介していないようで鼻で笑った。

 その時、タカマルと出会う前のハルカはまだ軽く触れる程度のものしか過去の頭領と行っていなかった。完全に操を捧げたのはタカマルからだ。

 

 それでも過去の頭領は快く許した。本当に身も心も預けられる者のためにとっておきなさい。と

 

「いずれ現れる頭領候補サマのために操を立てておく、とでも? 随分と見上げた忠犬ぶりだ」

 

 斉藤真太郎はハルカに詰め寄り、壁際まで追い込むと手をハルカのすぐ後ろの壁についた。

 

「お前……俺の女になる気はないか。俺はいずれこの上弦衆連中の次代の王となる男、使えないお前を護ってやることも出来る。それに次期頭領サマの前で恥をかくこともない」

 

 空いた手でハルカの顎を持ち上げ、その唇を近づけた。

 奪う、と形容した方が正しいだろう。強引に重ねられた唇にハルカは眼を見開いた。

 私は今──無理やり接吻させられているのか。

 頭の整理が追いつかずされるがままであったハルカは藻掻くものの斉藤真太郎も腐っても忍びだ。力一杯暴れ藻掻くハルカを抑え込んでいた。

 

「んっ……んんんんッ!?」

 

 やっとこさ離れた時に、ハルカの頭の中が一気に冷えた。

 この男、何をするつもりだ。私服の胸元に手をかけてきた時、やっとこさ自らに置かれている状況を理解した、今この瞬間、この男は自分を犯そうとしている。

 

「なっ……何をするんですかッ! くっ!」

 

 力の限りの平手打ちだった。

 パン、と乾いた音が鳴り響き斉藤真太郎の顔は横を向いていた。……そして、横向きの顔からでも分かるようにその表情を醜く歪ませ、再びハルカの方を向く。

 その表情はプライドを傷つけられた自らが被害者だと言わんばかりの表情であった。

 

「お前……自分が何をしたのかわかっているのか? これ以上盾突こうならお前がこの上弦衆を滅ぼすことになるぞ……! おい、聴いているのか……ッ!」

 

 鬼気迫る勢いでハルカに掴みかかる。

 斉藤家が離れれば上弦衆も大きく傾くこととなる。そんなことをすればノロイ党打倒の宿願が潰えてしまうこととなる。

 ならば自分の操程度、下衆とはいえ捧げても──

 胸元がはだけ、白い下着が露わになる。

 少しだけの我慢だ。暴れる体から力を抜き、抵抗をやめると斉藤真太郎はほくそ笑み、耳元で囁きかける。

 

「やっと諦めたか。大人しく上弦衆の次代の王になる男に貞操を捧げておけ。なに、お前は俺の好みの身体だ。永くそばに置いておいてやる」

 

 彼の吐息が耳をくすぐり、ぞわりと背筋が震えた。今思えば生理的な嫌悪があったのだろう。

 そんなハルカの怯えを他所に斉藤真太郎の手が彼女の下半身に伸びる。……次の瞬間だった。

 

 

 

 斉藤真太郎の体が、横殴りに飛んできた何かに吹っ飛ばされた。

 そのまま床を転がり壁にぶつかった所で苦悶の表情を浮かべる。明らかに何者かに殴り飛ばされたような様子にハルカは慌てて視線を殴り飛ばした側へと向ける。そこには──同じ宿舎に住まう男がいた。

 

「おい──バンバンガタガタとうるせえと思って調べて見れば随分とまぁ下衆な真似をしているじゃねえか。斉藤真太郎さんよ」

 

 助けてくれたのか。

 悪態をつくその男は、仕事は最低限やるが勤務中にパチンコに行くわ、キャバクラで女遊びをするわと上弦衆きっての素行不良とされる男だ。その名も──

 

「現世イサミ……!」

 

 忌々し気に斉藤真太郎はその男の名前を呼んだ。そう、今はもう斉藤真太郎にあらぬ罪と存在しない借金を押し付けられ追放された上弦衆の若き忍びの一人が、殴り飛ばした拳を開きひらひらと振って痛みを誤魔化していた。

 

 ……よそう、これ以上思い出すのは。最終的には斉藤真太郎は捨て台詞を吐いてから逃亡し事なきを得たとだけ。

 これだけは言える、あの男──斉藤真太郎は最悪だった。

 目的の為に罪もない者を理不尽に排除し、弱者を足蹴にするその人間性は上弦衆にいていい者では本来ないとすら思う。その結果、次期頭領に不安すら覚える始末だ。

 

 まぁ、杞憂に終わったのだが。

 

 

 

 あの出来事以来彼から何かをされることはまるでなかった。ハルカは極力彼を避けようと努めたのもある。

 アキラですら排除できない以上距離を取り続けるしかない。だが斉藤真太郎に異変が起きたのもそこからだ。

 

 

 

 閂市のノロイ党対策班が正式に結成されたとき、斉藤真太郎の名前があったときは心底落胆した。当然だこれから先陰湿な嫌がらせ、権力にものを言わせた悪行に見舞われると思うとノロイ党と戦っていけるかどうか不安ですらあった。

 だがしかし、斉藤真太郎が対策班と合流した時には既に現在の斉藤真太郎であった。

 

 周囲のスタッフたちも彼の噂は聞いていたようで少しばかり警戒していたが、ある日一人のスタッフからの聞いた話で耳を疑った。

 

「風の噂じゃアイツは碌でもないという話だったが真面目じゃないか。まぁ知識が無さすぎるのは少し問題だが……勉強する姿勢もあるしあとは我々の手で教えていけばいい」

 

 そんな馬鹿な。

 まさか現世イサミに殴られて反省でもしたというのか。

 

 実際、その疑念を裏付けるように斉藤真太郎は裏方の護衛役として立ち回り、こちらをどうこうしようという素振りは皆無であった。

 それどころかタカマルやナリカたちと親しくしており、『もんすたーはんたー』なるゲームをやる始末。

 

 不気味とすら思える豹変ぶりは、深紫の忍びの正体が明らかになったその時極まることとなる。

 これまで身を挺して助けてくれたのが斉藤真太郎だとしたら。──ハルカの知る斉藤真太郎ならばそれを出汁にして何かを要求していただろう。

 

 が、今日びに至るまで何もしてこなかった。それどころか勝ち目のない戦いで割り込み最悪死んでしまう可能性があったであろう攻撃からハルカを庇ったのだ。

 

 誰だ、あの男は──誰だ。

 

 

 

 

 はっきりさせなくてはならない。スバルのことも、何もかも。

 

 

 上弦衆司令室から、病室まで伸びる通路がやけに遠く思えた。迷っているのか、真相に近づくことが怖いのか。

 そんなハルカが奇異に見えたのだろう、通りがかった一人の男性スタッフが声をかけた。

 

「ん? ハルカ殿、どちらへ?」

 

 

 呼び止められたハルカはくるりと男性スタッフの方を向く。開こうとした唇が鉛のように重く感じられた。

 

 

「彼の、──()()()()()()()です」

 

 

 

 

*1
現実の話になるが2008年当時某サイト黎明期だったのもあり、上述のチャージマン研!や東映版スパイダーマンなどと言った作品が掘り起こされた。後の歴史に大きな影響をもたらしていることが、分かるだろう?(馴レーション)




 仮面ライダーもある意味シュタインズゲートみたいなネーミングではあるかも
 けれどアレが世に出るのにはもうちょい先なので例えに出せんかった模様


 次回『異邦人、斉藤真太郎』

 斉藤真太郎、迫真の四者面談。
 斉藤真太郎(A)のせいで身に覚えのない罪状を押しつけられるわ、タカマルに竿役扱いやらエロゲの親友枠扱いされるわ。見知らぬ天井で目覚めた彼の明日はどっちだ!
 


・ここまでの謎

Q:斉藤真太郎(B)について。アイツなんなん? なんで蓮太郎じゃないのにシノビに変身できとん? ジオウの延長線上ならアナザーじゃないんか
A:禁則事項につきあまり深くは話せませんが、罠を結構仕込んでます。
 あと別に本人じゃなくても加賀美とか京介、さらにはアナザーアギトの前例があるんで出来ないことはないんです。というか蓮太郎や鏡真司本人でもアナザー化しているんで何とも言えんのですアレ……

Q:そもそも真太郎が見てるあのスレッドってなんなんだ
A:禁則事項(ry。ただ、ちゃんと設定はあるのでこの先ちゃんと説明します。しますってば

Q:斉藤真太郎(A)はアイツ何なん?
A:凌辱ゲーあるあるの竿役であり爆弾。

Q:そもそもあの2008年って本当にハルカの世界なん? 原作通りちゃうやん
A:ハルカの世界ですが、コミカライズ要素も入っている上に、そもそもシノビが介入し、『仮面ライダー』という存在してはならないものが侵食してしまった時点でその前提条件はとっくに崩壊してるんで……

Q:なんで変身忍者嵐の要素が混ざっとんや。アレ仮面ライダーちゃうやん
A:小説版響鬼参照。それにアナザーシノビのデザイン元が……ね?
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