【ライダー】負けたら陵辱される変身ヒロインものエロゲーの世界の竿役モブに憑依した挙句、忍者の仮面ライダーになっていた【助けて!】   作:ヌオー来訪者

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 タイトルが我ながらほんとに最低だと思う

 原作ゲームが激烈に安くなってたので初投稿です。1265円っておま……


ヒーロー!! 俺?

 800 一般エロゲ竿役マン ID:20sNB2kmn2

 で、すごくアッサリ見つかったっぽい。

 あのメカ蛙、奴の転移をある程度まで探知できるくせえ。やたらハイスぺじゃねえかこれぇ! 

 

 あとシノビー鬼はええ! 

 このままノロイ党のところまで追跡していこうぜ!

 

 

 802 名無しの観測者 ID:itoAPp3GQK

 >>800

 ハヤスギィ!! 

 

 

 803 名無しの観測者 ID:MXYJbjTImG

 完全に井上ワープですね……間違いない。

 

 

 805 名無しの観測者 ID:qLezj5w4xG

 >>803

 誤用なのか微妙に判断に困る言い方やめろ。

 

 

 806 名無しの観測者 ID:NFSvKgtJtm

 なぁイッチよ。変身して呑気にスマホぽちぽちしてスレ書き込んでるんか? 

 

 

 809 名無しの観測者 ID:hvdeeyx5wp

 >>806

 もしそうならはよ助けにいけタコ助

 

 

 811 一般エロゲ竿役マン ID:20sNB2kmn2

 >>809

 ちゃんと追ってる真っ最中だから許して……

 今スマホは持ってない。変身したままなんか脳で打ち込んでる。

 普通にカメラも撮れるっぽい。シノビの視界が写真になる感じ。

 

 走りながら今投稿してるゾ。

 

 

 815 名無しの観測者 ID:TvvWX6A3Fn

 >>811

 はえ^~すっごい便利。

 

 

 817 名無しの観測者 ID:5QoRgyiFnK

 しかも脳波コントロールできる! 

 

 

 838 一般エロゲ竿役マン ID:20sNB2kmn2

 てすと

 

 

 840 一般エロゲ竿役マン ID:20sNB2kmn2

 ちょい離れた十字路でハルカさん確認。

 現在ギロチン台みたいなのにかかってて身動きが取れなくなってる。

 忍者装束はビリビリに破かれてて、ほぼ裸。明らかに今始めますよって感じだ。

 

 

 842 名無しの観測者 ID:aniawJdTGt1

 >>842

 抱けえ! 抱けっ! 抱け──ーっ! 

 

 

 843 名無しの観測者 ID:ziA9upwQwz

 >>840

 混ざれイッチ! 特に怒られんぞ! 

 童貞卒業のチャンスだ! どさくさに紛れてハルカさんを犯すんや! 

 

 

 845 名無しの観測者 ID:iw5c9p4w2t

 つらぬきの刑か。原作通り、ハルカさんを拘束。

 民衆を人質にしてそいつらに輪姦させて犯させるつもりだろうな。

 

 

 850 一般エロゲ竿役マン ID:20sNB2kmn2

 >>845

 戦うわ、俺。

 

 

 852 名無しの観測者 ID:s8ckrbuReD

 >>850

 どういう風の吹き回しや? 

 戦わないつってたやろ。変にヒーローになることはないってゆーとったやろ。

 

 

 853 名無しの観測者 ID:ziA9upwQwz

 >>850

 え、混ざらんの? 

 

 

 855 一般エロゲ竿役マン ID:20sNB2kmn2

 そうだよ(真顔)。

 正義の血が燃えたとかそんなんじゃない。そんなキャラってわけじゃないし。今更こんな捻くれた汚ねえ大人が正義のために戦うなんて言えやしないよ。(´・ω・`)

 

 でもこのままじゃ後味が悪いんだ。嫌なんだよ、こういうの。吉良吉影じゃないが安眠して爽やかな朝を迎えられた方が一番いいのに、これほっとくとなんかむしゃくしゃするっていうか、モヤモヤするっていうか、安眠できないっていうか。とにかく嫌だ。

 

 昨日まで笑っていた奴があんなふざけたやつのせいで泣くのもムカつく。

 

 とにかく仮面ライダーとかヒーローとかそういうのじゃなくて一人のその辺にいるやつとして殴りに行く。

 

 

 

 857 名無しの観測者 ID:zyp8Ws5gKY

 >>855

 イッチ、行ってきな

 

 

 

 859 名無しの観測者 ID:g5voIgfGSZ

 >>855

 頑張れイッチ

 

 

 

 860 名無しの観測者 ID:tncgYIpQa5

 物語の結末はイッチが決めろ

 

 

 

 862 名無しの観測者 ID:hvdeeyx5wp

 死ぬなよイッチ

 

 

 

 865 一般エロゲ竿役マン ID:20sNB2kmn2

 サンクス。ちょっとお代官様モドキ野郎をシメに逝ってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 867 名無しの観測者 ID:X7gSi53b8D

 イッチ、口は悪いけどそれはもうライダーの思考なんだよ……

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 斉藤真太郎はシノビとなった瞬間、「変身」とはいえなかった。

 シノビの変身システムは何となくこれまで見てきた特撮のセオリーに沿ってみれば簡単になることができた。瓢箪の中にベルトと手裏剣型のスタートキーが仕込まれていて、それを瓢箪の栓を抜いて解放。

 

 そのままスタートキーをベルトに装填し、手裏剣部分を回転させれば出来上がりだ。

 

 

 けれども、仮面ライダーとしてではなくただの人間として抵抗しようと思った。

 何せ、あの瓢箪を手に入れた理由は知らないが、自分にそこまでの資格があるかどうかが疑わしかったのだ。故に仮面ライダーの代名詞である変身とはいえなかった。

 胸を張って「俺は仮面ライダーだ」と剣崎や士、翔太郎のように言えるのならどれだけよかったか。

 

 

 それに日和ったことでハルカをこのような公衆の面前に柔肌を晒させる恥辱を味わわせた罪ははっきり言って許されるはずがない。

 腹が立つ。日和った自分に。

 腹が立つ。昨日まで笑っていたあいつがこんなふざけた理由で泣くなんて。

 ああ、腹が立つ。

 

 

 シノビの力がどこまでノロイ党に通用するかは分からない。

 下手すればゲニンすら倒しきれず終わるかもしれない。

 

 けれども自分が逃げたらきっと後悔する。後味の悪い一生をきっと送ることになる。

 シノビは走る。

 ゲニンや業岡一全の待つ裁きの場へと向かって。

 

 

 ノロイはできたら潰す。

 助けられるのならば助けてみせる。ハルカも、この街に生きる人々も。そんな想いを抱えて。

 

 

 

 シノビは往く。

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 

 体が動かなかった。

 鷹守ハルカは身動き取れない身体を捩らせるも、動くことすら叶わない現状に自らが置かれた状況を悟った。

 自分は負けたのだ、と。

 

 見れば四肢はゲニンが痛いほどに巻き付けたワイヤーで縛られており、体の自由が利かない。

 縛られたまま今この瞬間、道路の上を引き摺られている。

 

 

 司令室から自分を指揮し、支えていたタカマルの声は聞こえない。おそらく瘴気が念話を阻んでいるのだ。

 最後に聞いたのは自分の名前を呼ぶ悲痛な叫び。

 タカマルの声が聞こえないことに心許なさを感じる。彼の声にどれだけ励まされ力になっていたのか。今になって気付きそうになる。

 

 怪忍の力は想定以上だった。

 先の交戦で気付いたが、以前。時渡りでこの時代に来てタカマルと出逢う前。

 数百年前の世界で交戦した怪忍はこれほどの力は持っていなかった。だというのに何故、この業岡一全はあれほどの力を手に入れたのか。

 

 

 自分の知らないところで何かが始まろうとしている。

 そんな嫌な予感がして、ハルカは僅かに身震いした。

 

 

「うわぁぁぁ! 怪人だ! 怪人が現れたぞ!」

「ノロイ党だわ! 助けてぇ!」

 

 道行く人々が悲鳴をあげる。

 恐怖が、絶望がこの街を覆う。

 情けない。悔しさでいっぱいだった。自分がもっとしっかりしていればこんな風に不安がらせることはなかっただろうに。

 

 わたしは、どうしてこうも。

 ハルカの脳裏にはかつての仲間の姿が浮かぶ。厳しさも強さも兼ね備えた、そんな仲間がいた。

 その仲間を半ば見殺しにする形でこの現代に来て、こんな。

 

 

「この辺だな。ゲニンども! イキの良さそうな男を4、5人攫ってこい!」

 

 ちょうど十字路。

 人々が疎にいる路上でハルカは転がされた。業岡一全の命令でゲニンたちが男たちを捕まえてハルカの近くまで強引に連れて行く。

 

「く、業岡一全……何をする気……!?」

 

 苦悶に満ちたハルカの問いかけに業岡一全は鼻を鳴らす。

 

「何をだと? 決まっている。お前のような女戦士には最も重い罪……つらぬきの刑を執行するッ!」

 

 つらぬき。一体何のことだ。

 名前からだけでもイメージすることは憚られるそれは、業岡一全の指示に従ってゲニンがどこからともなく木材を持ってきて組み立てて行く。組み上がって行くそれを見たハルカの眉は歪んだ。

 これは──首枷のついた処刑台だ。

 

 慣れた手つきで作り上げられたそれは20分も経たずして完成した。

 きっとこの手のものを考えたのは業岡一全なのだろう。恍惚とした笑みで出来上がったそれを見て自らの顎髭を撫でた。

 

「ふむ、見事な出来栄えだ。あとはあのくノ一を組み込むだけだな。ゲニンども! やれぇっ!」

 

 その業岡一全の指示が飛んだ瞬間──ゲニンはその腕でハルカの纏う忍者装束の形をしたスーツを掴み──文字通り引きちぎった。

 

「きゃぁぁぁぁぁっ!」

 

 ハルカの本来見せてはならない、タカマル以外には見せたくはない部分が、外気に晒される。

 本来このスーツは銃弾だろうが弾いてみせるような上弦衆の技術の結晶のようなものだ。しかしこれはハルカの力あってのものだ。今の力を使い果たしたハルカではスーツはただの布切れ同然であった。

 

 ゲニンに服を裂かれ、街と月明かりの下で首枷に繋がれ自由を奪われた挙句見せたくはない部分が晒されている。

 

「ん! んんんんんんっ! 動けない……っ!」

 

 必死に力をこめてみたもののぴくりとも動かない。

 ゲニンにすら抵抗できない上に、ゲニンが作った首枷すら壊さずにいるという事実はハルカの心をいためつけるには充分過ぎるものだった。

 

 

「おい、あの女の子は」

「ノロイ党と戦っていた忍者だよな? 負けたのか……あんな格好にされて」

 

 ごくり、とゲニンに連れられたイキの良い男とされた者たちの固唾を飲む音が聞こえた。

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁ! 皆さん! みないでくださいっ!!」

 

 ハルカの悲痛な叫びに男たちも流石に良心が咎めたか慌ててそっぽを向いてみないふりをする。そんな彼らにハルカは安堵したのも束の間。

 

「目を逸らすな人間ども。我が裁きを見届けるのだ。逃げる者、目を背ける者、いずれも後ろから刺し殺すっ!」

 

 絶対的暴力が絶望を彩った。

 男たちは互いを見合わせてから再びハルカに視線を戻す。一瞬だけ彼らを恨めしく思えたが彼らをどうして責められようか。もしここで抵抗しようなら殺されてしまうというのに。

 

 業岡一全は懐から何か壺のようなものを取り出す。それをじっくりとハルカに見せつけるように近づける。

 

「……こ、これは」

 

「上弦衆よ。これが何かわかるか?」

 

「まさか、毒……!?」

 

「その通りっ! だがただの毒ではない! お前の苦痛も苦悶も快楽に変え、この男たちに犯されずにはいられんようになる。そう、これこそが我が業岡裁き、つらぬきの刑っ!」

 

 なんて恐ろしいことを考えるのだ。

 ハルカは業岡一全の所業に恐怖した。このままでは恥辱を味わう羽目となるのは明白。だがしかし脱出は叶わない。

 最悪舌を噛み切って自決でもしてしまうか。そんな黒々とした考えがハルカの脳裏をよぎる。

 

「自害しようとは思うなよ? かのようなことをすれば彼らの命はないと思え」

 

 そんなハルカの思考を読み取ったのか逃げ道を業岡一全は潰してくる。

 

「──タカマル様」

 

 ハルカの脳裏に短い間ながら献身的に支えてくれた青年の姿が浮かぶ。

 耐えるしか、ない。腹を括ったその時だった。

 

 

 

「ヌンジャァァァァァ!?」

 

 ゲニンの断末魔がこだました。

 

 

 

 

 

 

「何奴ッ!?」

 

 業岡一全の驚いたような声が響く。ゲニンを倒せるのは閃忍かもしくはそれに類推される戦士しかいないはず。

 彼の視線の先にいるもの。それは素肌が一切見えない深紫の装甲だった。首元から伸びる紫色のマフラーをたなびかせ、黄金色の眼光を放つそれは上半身を微動だにさせずに、尋常ならざる脚の速さで地面を無機質に蹴り続け業岡一全のもと目掛けて走る。

 字面にしてしまえば最早妖怪だ。

 

 狂気すら感じられる勢いで迫るそれはハルカの意識を呼び戻すには充分すぎるインパクトであった。

 その動きには明確な殺意が込められているような、そんな気がした。

 

「ぬう……もしや……ッ! ゲニンども! 奴を抑えろ!」

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 

 870 一般エロゲ竿役マン ID:20sNB2kmn2

 ノロイ殺すべし。慈悲はない。

 

 

 871 名無しの観測者 ID:g5voIgfGSZ

 デーレーデーレーデッデデデッ

 

 

 

 872 名無しの観測者 ID:zH4ZPWnv68

 アイエエエエ! シノビ!? シノビナンデ!? 

 

 

 

 873 名無しの観測者 ID:fG8m3tpFCf

 >>871

 トラウマBGMはヤメロォ! 

 

 

 ヤメロォ! 

 

 

 874 名無しの観測者 ID:aniawJdTGt1

 >>871

 経験値(能力値)とフラグ(鬼畜ルート)返せ! 

 

 

 875 名無しの観測者 ID:KKRsi2PZ3I

 ニンジャの……ライダー! 

 

 

 876 名無しの観測者 ID:N+mIbUfyI0

 アカン! このままだと業岡一全とノロイ党ゲニンがネギトロめいた惨状にされるゥ! 

 

 

 877 名無しの観測者 ID:5XXQ4OdBob

 ドーモ、ゴーオカ=サン。

 ノロイスレイヤーです。

 

 

 879 名無しの観測者 ID:D5GqvQTCF0

 陵辱開始タイミングで突然現れてエロシーン滅茶苦茶にするのきたないなさすが忍者きたない

 

 

 880 一般エロゲ竿役マン ID:20sNB2kmn2

 行くぞこの変態拷問野郎! 

 ゴーオカとかほざきやがるならちったぁまともな正義のロードを突っ走れやゴルァ! 

( ゚д゚)ゴルァ! 

 

 

 881 名無しの観測者 ID:0+wJMavrrL

 イッチそれゴーオカちゃう! ゴーオンや! 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 ゲニンの対処はシノビにとっては然程難しい話ではなかった。

 いち早くシノビの乱入に気づいた個体は既に頭を掴まれ地面に叩きつけられており、その次に現れた個体は即座にラリアットで轢き倒す。忍者らしからぬアクションだがそんなことに構っている暇はない。

 

 3体目が背中に背負った太刀を引き抜き飛びかかってきたところでカウンター気味にアッパーカットを叩き込む。

 

「ヌンジャ!?」

 

 ゲニンの体が浮き、重力に従って落ち始めたところを追い討ちにパンチを連続で叩き込む。

 シノビの力は真太郎が生身の時より軽やかに動き、そして戦車砲のように重い1発1発はゲニン程度を挽き肉にするには充分すぎるものだった。

 トドメに蹴りを叩き込まれたゲニンは吹き飛び、奥にいた業岡一全の足元に転がる。

 

 ゲニンはただの人間では倒すことはできない。

 だが今この瞬間、シノビに轢き倒されている事実は彼が理の外にいることを雄弁に物語っていた。

 それを見ていた業岡一全は苦々しげに舌打ちする。

 

「貴様、上弦衆か」

 

 業岡一全の問いかけにシノビは片手間に背後からやってくるゲニンを裏拳で沈めながら、返事になっていない言葉を返す。

 

「俺は……ヒトだ」

 

 独特の返しに何か思うことがあったのか、業岡一全は顎髭を撫でながら口を開いた。

 

「ヒト……ほう、人間か。ただの人間かっ! なればそこで我が裁きを黙って見ているがいい。今なら邪魔をした罪、不問としてやるぞ?」

 

「それは──出来ない」

 

 シノビは構えを取る。特別に格闘術を学んだわけではない。憑依元が体で覚えている戦い方とクウガの構えのような何かを融合させたようなツギハギの構えだった。

 

「ふははははははは! 閃忍ですらない貴様に何が出来るというのだ!」

 

「……そこで捕まっている奴を助けることくらいなら出来る。多分な」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 妙に自信のない物言いに捕らえられていたハルカも目を丸くしていた。

 助けに来たという意志はなんとなくわかったが、上弦衆にあんな装備聞いたことがない。それにあんな構えはどこの流派にも存在はしない。この忍びは一体何者だ。そんな疑問に誰もが答えることはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 シノビが通り魔的に討ち漏らしたゲニンたちが各々シノビに向かって飛びかかる。

 すると即座にシノビは腰から何かを引き抜いた。

 

【忍ポォォォォウ・キリステ!】

 

 引き抜いたものは刃渡り腕一本分の長さの小太刀。シノビブレードだ。

 ゲニンが太刀を振り下ろすよりも先にシノビは懐まで飛び込んで通り抜けざまに一閃していく。

 スピード面でいえば圧倒的差は一目瞭然だった。

 

 シノビブレードが別のゲニンが放つ太刀を受け止めている隙に更に生き残った個体が襲い掛かる。

 しかし蹴りでいなしてみせる。

 そしてシノビブレードが受け止めていた太刀も力任せに跳ね飛ばし、勢いよくゲニンの心臓めがけて突き刺した。

 

 

 ゲニンとは、ノロイの瘴気で精製された存在だ。

 致死レベルの攻撃を受けた個体は黒い霧となって消え失せる。

 一連のシノビの大立ち回りを見た業岡一全は忌々し気に口を開く。

 

「ぬぅ……貴様、目的と名はなんだ!」

 

「……シノビだ」

 

「忍び! 自らの名を捨てて忍道に全てを捧げたか!」

 

「え、あっ、あの……ちが……」

 

 何か違う言葉に変換されたらしい。

 真太郎はシノビと名乗ったつもりだったのに業岡一全には忍びと聞こえていた。

 慌ててシノビが訂正しにかかったが、2秒で諦めた。もういいや、なんて。

 

「我が裁きを邪魔だてしたこの罪は重いぞ、80ゴーオカだ! 背中のミルちゃんもこれ以上になく怒っているぞ!」

 

 また独自の罪の基準を作って裁こうとするその姿勢はある意味では清々しくも邪悪であった。

 しかしながら彼を怒らせた以上恐らくここまで来て負けようならきっと生きて帰れないと仮面の下の真太郎は思ってはいた。

 けれども不思議と恐怖心はなかった。戦いの中で頭に血が上りすぎているからか、それとも。心のどこかで勝ちを確信しているからか。

 

「これ以上お前と話す舌は残っちゃいない。……ここで終わらせてやる!」

 

 先に飛びかかったのはシノビだった。

 3m近くの巨体に、まずはパンチ。回し蹴りを連続で叩き込む。

 

「ぬぅ!? 速いっ!」

 

 業岡一全も慌ててシノビを振り払い、『罪状』と書かれた紙をシノビ目掛けて投げつける。

 まるで別の生き物のようにシノビを襲うと、その装甲に命中。血飛沫のように派手に火花を散らす。

 

「……フン!」

 

 が、ダメージを受けたとはいえシノビも棒立ちではない。紙をその手で捕まえてビリビリに破り捨てた。

 再び追撃で飛んできた紙も、手刀で引きちぎり格闘戦に持ち込もうとした矢先だった。

 

「なれば業岡一全、自慢の剣術で貴様を裁こう!」

 

「ん?」

 

 業岡一全は腰を深く落とし、腰にぶら下げた太刀に手を伸ばし、居合の構えを取る。すると僅かに鞘と鍔の間から覗かせた刀身が鋭く輝いた。

 瞬きをした瞬間、ごうっ!! と風が捩じ切られる音がした。

 

「うわっ!?」

 

 太刀そのものを受けることはなかった。

 しかし風圧そのものはシノビを大きく吹き飛ばした。

 まるで大きな風船でぶん殴られたような衝撃にシノビの仮面の下で真太郎は目を白黒させた。

 

「なんて馬鹿力だ……ハルカさんよく耐え切ったな……」

 

 あの戦闘服が守ってくれたのか、彼女の戦闘力がそれ相応にあったからなのかは分からない。

 いくらシノビでもあれを連続で受けては耐えきれない。しかし──

 

「必殺技? ……わかった。こうすればいいんだな」

 

 ……何かを聞いた真太郎は()()()()()()()()()に語りかけながら無造作にベルトの手裏剣に手を掛け、力一杯に回した。

 

【フィニッシュ・忍POW!】

 

 シノビを中心に風が舞う。

 紫色の風がシノビの脚に、腕に、力を与える。

 その動きに何かを感じた業岡一全は近くにあった運転手と客が慌てて乗り捨てたバスと車の後ろに立ち、太刀を再び閃かせた。

 

 ごうっ! と今度吹き飛んだのは車とバスだった。更に追い討ちをかけるように『罪状』と書かれた紙も飛んでくる。

 それでシノビを押し潰すつもりなのだろう。しかし、その程度ではシノビは止まらない。

 

 まず手始めに飛んできた車に飛び乗りそれをそのまま踏み台にし、罪状を回避しながら次の車へと飛び移る。次にフロントから飛んできたバスにはフロントガラスを蹴破り、追加の罪状を避けながらバスの中を駆ける。

 

 今のシノビは木の葉よりも軽く、風よりも素早いのだ。

 バスのリアガラスをぶち破り飛び降りた勢いのままに風を纏ったパンチを叩き込む。

 流れるように飛び蹴り、回し蹴り、と放つと痺れを切らした業岡一全は再び太刀を閃かせた。

 

「離れろっ! 小童が!」

 

 それをシノビは跳び避けた。しかし業岡一全の真上を飛んだまま、太刀から放たれる風圧はまるでものともしていない。

 そんな状況に驚愕したのか業岡一全は声を上げる。

 

「馬鹿な……何故飛ばされん! まさか!」

 

 今この瞬間、放った風圧がシノビが放つ風とがぶつかり合い無と消え失せている。

 それゆえにシノビは無事でいられていたのだ。そしてもう一度、ベルトの手裏剣を回転させた。

 

【フィニッシュ・忍POW!】

 

 後は一撃を叩き込むだけだ。

 頭上で右足を突き出し、そのまま業岡一全目掛けて落雷する。

 今のシノビは風のように素早く、炎のように熾烈な弾丸であった。

 

「まっ……まさかっ……この俺が裁かれる日が来ようとは……」

 

 業岡一全の胸部に叩き込まれた脚はそのまま体を仰向けに轢き倒し、路上に小さなクレーターを作る。

 そして彼を踏み潰す形となったシノビはそのまま脚を退けて、背を向けた──。

 

「ノ……ノロイ党に勝利あれえええええええ!」

 

 既に勝利は決していた。

 それを証拠に、シノビが少し離れた所で業岡一全が呪詛と共に爆発四散。黒い霧となって消滅していた。

 

「永遠に来ねえよ……来させねえよ」

 

 溜飲が下がるどころか余計に琴線に触れたのかシノビ、否、真太郎は吐き捨てる。

 既にこの十字路にいるノロイを殲滅したシノビは無機質に首枷に嵌められたハルカに向かう。

 既に業岡一全につれられた男たちはどさくさにまぎれて逃げてしまったようだ。

 

「あなたは……一体」

 

 ハルカとしても急に現れた挙句一方的に怪忍を殴り倒すなどという不条理と理不尽の塊が現れては気になるというものだ。

 しかしシノビとしてはあまりべらべら喋ることができる状況ではなかった。というか真太郎自身がシノビについてよく知らず、カンと得体の知れないスレ民たちの助言で成り立っているようなものなのだから。

 

 スーツは破かれ、あまり見ない方がいいであろう部分が露わになったハルカが今シノビの眼前にいる。

 とはいえ、この緊張状態で思うことは正直なく真太郎の脳裏にはハルカを自由にしてさっさとこの場をズラかること以外頭には入れないように雑念を捨てようとしていた。

 なにせ目を閉じて首枷を取ろうとするとうっかりハルカの腕までへし折ってしまいそうだったのだから。

 

「ごめん。ちょっと目は閉じられない」

 

「あっ……」

 

 先の戦闘でさっぱり忘れていたらしい。比較的顔色がよくなっていたはずのハルカの顔がサッと青ざめそして──

 

「きゃああああああああああああああああっ!」

 

「ごっ……ごっ……ぐぉめんなさああああああああああああああああいっ!」

 

 自分に置かれた状況を思い出したハルカは青ざめた次の瞬間耳まで茹蛸のように顔が真っ赤になり悲鳴を上げる、それを打ち消さんばかりの勢いでシノビも謝罪の言葉という名の悲鳴で返す。

 慌てまくったシノビは首枷を力任せに砕き、物陰までハルカをかかえて運ぶ。

 これでもう大丈夫だろう。まるで危険物を触るかのような動きで手を放して踵を返し、撤収しようとした次の瞬間だった。

 

「あ、ありがとうございます……助けていただいて。えっと……忍びさん?」

 

 シノビからは敵意も何もないと判断したハルカは腕で乳房を隠しながら礼を言う。……なぜか疑問符を浮べながら。

 

「…………忍びじゃなくてシノビなんだよなぁ」

 

 ハルカまで勘違いしていた始末。シノビは掻けない頭を掻く。

 これ以上何か喋ろうならボロが出てしまいそうだ。そのまま勢いよく地面を蹴り、シノビは夜空の闇に消えた。

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 900 一般エロゲ竿役忍者 ID:20sNB2kmn2

 てな訳で、勝ち申した。

 通信聞くとタカマル君もめちゃくちゃ安堵して喜んでらっしゃる。別に歪んでないよ。

 

 

 901 名無しの観測者 ID:tncgYIpQa5

 >>900

 乙

 

 

 902 名無しの観測者 ID:iw5c9p4w2t

 >>900

 ナイスでーす♂

 

 

 903 名無しの観測者 ID:zH4ZPWnv68

 >>900

 ワザマエ! 

 

 

 906 名無しの観測者 ID:ziA9upwQwz

 >>900

 ヤれよ童貞

 そんなんだから一生童貞なんだよ。

 

 

 908 名無しの観測者 ID:5XXQ4OdBob

 >>902

 ブレない陵辱兄貴に草生える

 

 にしてもタカマルくん正気かぁ……もしかして敵の方が原作より強くなってる、とか? 

 

 

 910 名無しの観測者 ID:B6bGXr8xwj

 突然ピンチの前に現れて敵をボコっていなくなるとかそれもう平成の1話あたりなんだよなぁ

 

 

 912 名無しの観測者 ID:l4LzZmqnLs

 イッチちゃんと撤収できた? 

 

 

 916 一般エロゲ竿役忍者 ID:20sNB2kmn2

 でけた。自販機で買ったキンキンに冷えたオレンジジュースが美味しい。

 お腹すいたし家帰ったら焼き肉も食べよっと(`・ω・´)

 

 

 920 名無しの観測者 ID:rGgiWqAE3s

 美少女助けて飲むオレンジジュースと焼き肉は美味いか? 

 

 

 923 名無しの観測者 ID:aBQy9Unf57

 >>920

 美味いに決まってるんだよなぁ……

 

 

 930 一般エロゲ竿役忍者 ID:20sNB2kmn2

 なんか色々あって疲れたからそろそろ落ちるけど、多分今後も独自に動いて戦おうと思う。

 

 

 934 名無しの観測者 ID:IITSPSIzn9

 何故? 

 

 

 938 名無しの観測者 ID:PPnNGE3dnz

 >>930

 正義に目覚めちゃった? 

 

 

 940 一般エロゲ竿役忍者 ID:20sNB2kmn2

 自分で少しでも何とか出来るってのがわかったから。

 それがわかってんのに怯えて何もしないのも絶対後味悪いし。でもシノビの力はよくわかってないし明らかに異物っぽいから下手に誰かに託すことは出来なさそうだし。

 

 

 あとハルカさんめちゃくちゃかわいいしかっこいいので、可哀想な目に遭うの辛いし推していきたいよね。是非タカマルくんと幸せになっていただきたい

 でも赤面したハルカさん、かわいそうだし申し訳ないけどクッソかわいかった(小並感)

 どっかのドルオタの気持ちがちょっと分かった気がする。

 

 

 942 名無しの観測者 ID:X7gSi53b8D

 >>940

 正体現したね

 

 

 946 名無しの観測者 ID:s8ckrbuReD

 最後のそれさえ無ければニューヒーローの誕生祝ってたのにお前さぁ……

 

 

 948 名無しの観測者 ID:N+mIbUfyI0

 >>946 ニキに代わってワイがやるわ

 ハッピィバァスディ! 

 新しい忍者ヒーローの誕生だ! 

 

 

 951 一般エロゲ竿役忍者 ID:20sNB2kmn2

 もしかしたらまたスレ立てるかもしれない。その時が来たらまた皆のお世話になるかも

 

 

 954 名無しの観測者 ID:3pxYCK0APP

 ええんやで(ニッコリ)

 いつでもきいや

 

 

 960 名無しの観測者 ID:lzPDkS0ykF

 生存報告でもええから待っとるで。

 

 

 962 名無しの観測者 ID:itoAPp3GQK

 そろそろ1000行きそうやし潮時やしね

 

 

 970 名無しの観測者 ID:fG8m3tpFCf

 元気でなイッチ。体には気を付けるんやで

 

 

 989 一般エロゲ竿役忍者 ID:20sNB2kmn2

 またね! あでゅー! (=゚ω゚)ノシ

 

 

 992 名無しの観測者 ID:DCJxiW8SdD

 ノシ

 

 

 995 名無しの観測者 ID:ox+kN799YA

 じゃあな! (ゆうさく)

 

 

 998 名無しの観測者 ID:wILLqRw2pP

 1000なら天津垓参戦

 

 

 999 名無しの観測者 ID:ziA9upwQwz

 1000なら鬼畜ルート

 

 

 1000 名無しの観測者 ID:0000000000

 運命が廻り、時計は回る。

 未来は過去に、過去は未来に。

 

 

 

 1001 

 このスレッドは1000を超えました。 もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

 

 

 




 一全の目的と名前の問いかけに「正義・仮面ライダー」と名乗らない名乗れないのがイッチクォリティ

 イッチ的には自らが「仮面ライダー」とは名乗れない何かのこだわりがあるみたいです。



 怪忍をシノビがシバいた以上、ハルカさんやタカマルくんも見せ場をこれから先作っていく。そんなバランス感覚

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