【ライダー】負けたら陵辱される変身ヒロインものエロゲーの世界の竿役モブに憑依した挙句、忍者の仮面ライダーになっていた【助けて!】   作:ヌオー来訪者

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 お待たせしました(´・ω・`)


08 とにかく拷問だ! 拷問にかけろ!

 料理の残り香が仄かに漂っている。

 水と洗剤を含ませたスポンジで皿についた汚れを拭い落とし、水で流す。

 まだシンクには汚れた食器が山積みされている。下手な一般家庭より多い人間が屋敷に住んでいるのだ。こうもなろう。

 

「ごめんね、お手伝いまでさせちゃって」

 

 ナリカが隣で同じ工程を繰り返しながら申し訳無さそうに言う。それを真太郎は首を横に振った。

 あの先の操り糸の事件から時間など経ってはいない。

 彼女の精神的なダメージを考えれば少しくらい凹んで休もうが誰も文句など言いはしない。

 好きでもない男に操られて貞操まで奪われかけるその怖さは想像でしか真太郎には分からないけれども。

 

 この皿の上にあった料理を用意したのもナリカなのだ。

 

「……バイト、やってたからさ」

 

「そっか。助かるぅ」

 

「…………」

 

 何か気の利いた言葉が思いつけるほど真太郎は器用な生き物ではない。

 皿がぶつかるカチャカチャ音と蛇口から流れ落ちる水の音、キュッキュッと拭き取る音だけが聞こえる。

 悲しいかなタカマルも同じ人種だった。今はお茶の間を掃除している真っ最中だ。

 無言が続き真太郎はややあって重く口を開いた。

 

「……大丈夫なのか」

 

「ん? 何が?」

 

 主語が足りなかったからこんな返事になったのか、それとも気にしてないふりをしているのか、本当に気にしていないのか。あっけらかんと言い放つ彼女に真太郎は口を噤む。

 

「いや、何でもない」

 

 ──下手くそが。

 自己嫌悪して拭き取った皿を重ね続ける。年齢と皿は重ねても人としてはまるで重ねきっちゃいない。

 

「あんまり気にしないでよね。気にされると私も気にしちゃうっていうか」

 

 そんな心情を察したのか逆に気を遣われ、凹むべきナリカより真太郎の方がなぜか凹んでいた。

 普通逆だろう。

 

「あの時はありがとね。私のために色々無理させちゃったみたいだし」

 

「必要経費だ」

 

 クチオなる男に足蹴にされて罵倒された所で折れる程ヤワな生き物ではない。

 横柄な取引先にボロカスに言われたりクソみたいな上司に因縁つけられて無駄な仕事を増やされまくったりした事を根に持った事はない。

 あぁ無いとも、全然無いとも。…………嘘だ、ちょっと根に持った。

 とはいえ今回の場合ナリカに対して何か思ったことはない。もっと言えば被害者だろうに。

 

「やっぱいーなーって思うよ。佐藤さんの力。いつの間にか手に入れてたって言うんでしょ?」

 

「斉藤です」

 

 ナリカは閃忍候補だ。

 口悪く言えばハルカが過去の時代から時渡りで現れなかった場合のスペアでもある。

 当然ハルカと同じ力を手に入れることはその気になれば出来るのだろうが、何度も言うがそうするには当然……そういうことをしなくてはならないわけで。

 

 その点で言えばそれを踏み倒して戦えるシノビの力はナリカからすれば喉から手が出る程欲しい力だった。

 タカマルの意志に左右されない力だ。

 

 くそっ……じれってーな! 俺ちょっとやらしい雰囲気にして来ます! とか言いたくもなるがその辺あれこれ横槍入れるのも変な話だ。

 

「別に戦えたら偉い訳じゃないって。俺と鷹守さんだけじゃこの戦い成立してないんだから」

 

「それは……」

 

 そんな正論で納得出来るなら世界はもっと器用に出来ている。それが出来ないのが人間という生き物だ。

 ナリカの瞳に影が差す。

 

あいつ(タカマル)は戦えないからって見損なうようなろくでなしじゃないことは多分俺より知っているでしょ」

 

 とても、ずるい言い方だった。

 自分で言っていて最悪だ、と自己嫌悪してしまう程度には。

 それにタカマルの矢印がハルカの方に向いている事を思えばこんな物言いした所で彼女のモヤモヤが払拭される訳もないという事も。

 

 食器を洗うナリカの手が止まる。

 

「それに、シノビは本当はいちゃいけなかったものだって俺は思う」

 

「どうして?」

 

 ナリカからすれば。もっと言えばこの世界の人間からすればこの街を守るヒーローなのだろう。真太郎からすれば異物だ。

 全てが終わった時シノビの力は本来あるべき場所に返そう。

 あのオロチの瓢箪もシノビの瓢箪も。どうやって返せばいいのか行先不透明だがきっとあの虚無僧は知っているはずだ。

 

「俺の勘」

 

 けれども全てを話せはしない。だから真太郎は誤魔化した。

 するとナリカが「なんだぁ」と安心したような、がっかりしたような。それらすべてが綯交ぜになったように眉をハの字にした。

 キュッ、と蛇口をひねる音がした。流れる水の音が止まり拭き切った食器の山を一瞥する。

 後はこいつらを仕舞うだけだ。

 

「所で……加藤さんって」

 

「斉藤です。なに?」

 

 会話が止まった所で切り出したのはナリカの方だった。

 一方の真太郎は名前の方はそろそろ訂正するのやめようかな……と思い始めていた。

 もう誰も直してくれないし、呼ぶ事に変わるのは『そういう仕様』として諦めるしかないのだろう。

 

「ちょっと怒らないで聞いてね。噂と違っていい人だなーっていうか、それ通り越して卑屈な気もするけどちょっと安心しちゃった」

 

「え、噂?」

 

 真太郎はあまり人付き合いは得意ではない。他人の噂話は旬の過ぎたころに耳にする程度には。

 それに今の真太郎の周囲は基本悪口を言いたがるタイプじゃないのもあり、ちょっと肩がびくっと跳ねた。この言い方だとかなりろくでもない噂に違いない。

 

「噂と違ったのよ。自分の出身を使って女を手籠めにするってそんな噂聞いていたからちょっと警戒してたんだけど。まるで違ってびっくりしちゃった」

 

「……えぇ」

 

 基本職務に忠実な生き方をしてきたつもりだ。社畜時代から今に至るまで。

 それに彼女いない歴=年齢の男がそんな事出来るはずもなし。故にそんな噂をされている事は心外もいいところだった。誰だそんな噂を流した輩は。

 まさか一時期ハルカが警戒していたのはそれが理由だったのか。

 

「とんだバケモンだな。噂の俺……」

 

「まぁ噂は噂だし。今こうして話してるとそれはないわーって感じ」

 

「そっか。……ありがと」

 

 悪い気はしない。

 だが──何かが引っかかって仕方がなかった。喉の奥に魚の小骨が引っかかっているような感触。

 

 ──俺は何かを……見落としている。

 

 食器を棚に仕舞いながら答えを必死に手繰り寄せているとドタドタと台所の外から誰かが駆け寄る音がした。上弦衆の忍びのものではない。──タカマルだ。

 

「どうしたのタカマル。血相変えて」

 

 ナリカの指摘通りタカマルの息が上がっていた。相当慌てていたに違いない。

 電話すればいいのに……と思いもしたが今はそんな事よりこうして慌てて台所にやってきた理由を聞くのが最優先だった。

 

 

 

 

 

 

 

「……大蛇丸が目を覚ました!」

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

111:一般エロゲ竿役忍者 ID:20sNB2kmn2 

 大蛇丸、無事上弦衆に連行された。

【連行されるグレイ型宇宙人みたいに連れていかれる大蛇丸の画像】

 一応尋問しようにも口を割る気はないっぽい。くっ殺せして来やがるこいつ……

 飯も食いやしねえ

 

 

113:名無しの観測者 ID:gStMyDdH9

 ぐへへへへ

 上物じゃねえか……

 

 

114:名無しの観測者 ID:o9tEzSKEJ

 ムッワァァァァァァァ……

 

 

115:名無しの観測者 ID:pyXYqCHse

 この荒くれ者スケベすぎる! 

 

 

118:名無しの観測者 ID:KJff6fMyt

 これはいやらしいことをするフラグですね……

 

 

121:一般エロゲ竿役忍者 ID:20sNB2kmn2 

 する訳ねえだろ

 男やぞ、というかそもそもそんな事やる訳ないやろ。仮にも正義の組織やぞ

 ……多分

 

 

122:名無しの観測者 ID:AVECA8+/2

 でも口を割らない以上多少はね……? 

 

 

123:名無しの観測者 ID:+N8P5el4+

 とに拷

 

 

126:名無しの観測者 ID:eweCZsEtK

 とにかく拷問だ、拷問にかけろ! 

 

 

128:一般エロゲ竿役忍者 ID:20sNB2kmn2 

 なんでガチムチのCV阿◯井〇次っぽいやつ拷問にかけてぐへへしなくちゃならんのだ

 やらねぇよ……

 

 

130:名無しの観測者 ID:URIDIfJ5a

 どうしてホモが湧いてるんですかねえ……(困惑)

 

 

132:名無しの観測者 ID:T9lrGmvCh

 イッチの正義の心が邪魔をする

 

 

134:一般エロゲ竿役忍者 ID:20sNB2kmn2 

 あれ? 

 アキラ先生のオーソドックスな拷問プランは蹴られたけど、タカマル君? ナリカちゃん? なんかこの人たちがやるつもりらしい拷問に乗り気なんだが? 

 何? 悪い笑み浮かべてるんだが? 

 俺たち正義の味方だよね? そうだよね? 

 

 

138:名無しの観測者 ID:IDtzgHOmc

 あーあ……闇落ちルートかぁ壊れるなぁ

 

 

141:名無しの観測者 ID:i2OAa/3WV

 お ま た せ し ま し た え ろ い や つ

 

 

142:名無しの観測者 ID:agCqS0yyE

 キタ──────────ー! 

 

 

145:名無しの観測者 ID:5GdUEsyyB

 キタ──(゚∀゚)──!! 

 

 

149:名無しの観測者 ID:/9vOYzfYw

 お前ら精神状態おかしいよ……(困惑)

 

 

153:名無しの観測者 ID:WY1/bS+Tf

 大蛇丸が泣きながら快楽に屈する画像ください

 

 

155:名無しの観測者 ID:xFt/OkSRA

 い、いらねえ……

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

「ヘッ……お前らの施しなぞ受けるかよ」

 

 ベッドに横たわった荒くれ者が1人。

 荒くれ者とは言わずもがな大蛇丸の事だ。ギン、と彼を見下ろす真太郎を睨みつける。

 今の大蛇丸は無力だ。上弦衆の術により赤子程度の力しか出せないし、変身のための瓢箪もすでに没収されている。

 ほぼ詰みと言っても良い状況で反骨心を剥き出しにするのは筋金入りと言ってもいいだろう。

 

 真太郎もうんざりしたように口を開く。

 

「とか言ってあれから2日経過してるがお前下手したら餓死するぞ。点滴くらい受けろやタコ助」

 

「へっ、こんなんで死ぬかよ。それにお前らの出す飯に毒が入ってたら堪らねえからな」

 

 警戒心の塊である。

 とはいえど真太郎も同じ目に遭えば大蛇丸と似たような事をしていたかもしれない事を考えるとどうこう言えたものでもなかった。

 

「もうっ、いい加減にしてください!」

 

 そしてそれを見ていたハルカが反抗的な大蛇丸にマシンガンのように煮物を摘んだ箸を繰り出す。

 大蛇丸は口をつぐみ左右に避けている。まるで苦手なものを嫌がる子供のそれだ。術のせいで出来る抵抗がそれだけなのだ。

 

 療養中ながらも無理して尋問に参加するあたり真面目が過ぎる。

 タカマル直々に出撃禁止令こそ出してはいるが、あれも駄目これも駄目としていたらしていたで自責の念で駄目になりそうなのでお目溢しを貰っている。

 ハルカにもしもの事があった場合は真太郎が大蛇丸を叩き切る手はずとなっているが出来ればやりたくはない。

 

「あのなぁ、なんでわざわざ毒殺なんて回りくどい真似しなきゃならないんだ。普通に殺す気なら今のお前の首フツーに吹っ飛ばせばいいだろ」

 

 真太郎は自分の首を手で跳ね飛ばすような仕草をする。

 念を押すようだが今の大蛇丸は赤子に毛が生えたような力しか出せない。殺す事など容易だ。

 拷問することも。

 このまま抵抗すればどうなるのか。先日見たタカマルとナリカの邪悪な笑みが物語っていた。

 

「……それは…………そうだが」

 

 流石にそんな警戒心バリバリの大蛇丸でも分かってはくれたようだ。真太郎が内心ホッと胸を撫で下ろす。

 このままタカマルに道を踏み外させるわけにはいかない。

 

「あ」

 

 が、その短いナニカに至ったような声がその安堵をぶち壊した。

 

「ジハクザイって奴だな!」

 

「お前は飯で薄まった自白剤がそんなお前みたいな筋肉ムキムキマッチョマンのバケモンに効くほど超絶便利なものだと思っているのかバカチンめ」

 

 ビシッ、と真太郎に指をさして得意げに言い放つが当の真太郎は冷ややかだった。

 今の大蛇丸は上弦衆の術で力を幼児並みに抑え込まれているとはいえ、根本的な部分が弱くなっているしている訳ではない。

 自白剤というのは嘘をつく能力を低下させる事は出来ても完全にだんまりの下手な人間以上の精神力を持った超人に効く保証などありはしない。それに注射じゃない上に飯に混ぜ込んでも効果が薄すぎる。

 

 この手の相手の場合、物理的に痛めつけた方が速いまである。実際アキラはそういったプランも辞さないでいるようだがタカマルが反対している以上は不可能だ。

 

「誰が馬鹿だ!」

 

 流石にここまで言われて血の気の多い大蛇丸が弛緩させられた体で額に青筋立てながら喚くと、真太郎も無遠慮に大蛇丸にビシッと指さした。

 

「お前じゃい!」

 

「このヒョロガリモヤシラーメンが何をほざきやがる!」

 

「うるせぇ! てかラーメンってなんだよ! どっから出た!?」

 

「知らねえよ!」

 

「知らねえって、脳みそまで筋肉とプロテイン詰まってんのかおんどりゃあ!」

 

「筋肉とぷろ……なんだ? どっちにしろ褒められていないのは確かのようだなァ、ヒョロガリモヤシラーメンの分際でよぉ!」

 

「おぉん!?」

 

「あぁん!?」

 

 傍から見ればただの見苦しい子供の喧嘩そのものだ。

 お互いガンを飛ばし合うチンピラ二名に見かねたハルカが割り込んだ。

 

「やめてください! 二人とも!」

 

 

 

 

 

「はい、すんませんした……」

「チッ……」

 

 おずおずと引き下がる真太郎と露骨に舌打ちして引き下がる大蛇丸。今の状態で不利なのは大蛇丸の方だ。どうして捕虜相手にこんな喧嘩をしているのか。

 とりあえず一旦軌道修正と、ハルカが口を開く。

 

「大蛇丸、一つ聞いていいですか」

 

「ノロイ党の事なら一つも話してやらねえぞ」

 

 取り付く島もない。タカマルとナリカの考える拷問とやらが決行されれば終わりだ。そうなる前に喋らせなければと真太郎の眉間に皺が寄った所でハルカが首を横に振った。

 

「いえ、私が聞きたいのは貴方のことです」

 

「俺だぁ?」

 

 流石に自分自身の事とは思わなかったのか大蛇丸は鳩が豆鉄砲を食ったように目を見開く。

 

「えぇ。貴方は何故、ノロイ党に組したのですか? 目的はどうあれ、貴方は卑劣な戦いをしなかった。怪忍と違い武の心を持っているとも言えます。それなのに何故ノロイ党に……」

 

 言われてみれば大蛇丸の存在はこれまでの怪忍たちと比較すればまだまとも寄りと言えるものだった。業岡一全、ルリー・ジョー、茸群道人、奇々怪々な人外魔境まみれだったが大蛇丸はまだ人間だ。

 

「理由なんざ簡単さ。人に価値なんざない。そう思っただけの事だ」

 

 だがその逞しい体躯に似合わず、深い絶望と失望、あらゆるものを伴って吐き捨てられた言葉にハルカも真太郎も言葉を返さなかった。

 

「おい、ヒョロガリモヤシラーメン──蜘蛛を食った事はあるか?」

 

「俺は──ない」

 

 ふと、蜘蛛やらナメクジやらゴキブリやらをムシャムシャ食う動画配信者を思い出しかけたが普通ならば食べないものだ。真太郎の記憶の中で浅倉威が「お前……泥を食ったことがあるか」と質問してくるが関係はないはずだ。多分、恐らく、きっと。

 

「オレはある。蜘蛛だけじゃねえ、バッタだろうが花だろうが、木の根っこだろうがな。美味いか不味いか、そんなモン、俺には一切関係なかったからな。……まぁ……つまんねぇ昔話ならしてやるよ」

 

 




 大蛇丸の蜘蛛云々の発言、私がライダーネタをぶち込んだ訳じゃなくて実は原作からあるんですよね……
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