いいや、お待たせしすぎてしまったのかもしれません
この節は誠に申し訳ありませんでしたm(_ _)m
この度より、今作の連載を再開したいと思います。以前のような投稿スピードとはかなり違くなると思いますが、なるべく早いペースで書きたいと思っております。
よろしくお願いしますm(_ _)m
「……」
《最悪だ……》
あの時、足を踏み外した一花を庇った上杉
斜面を転げ落ち、小川に着水
上杉は軽いケガで済んだが、その代わり冷水を浴びてしまい体調が優れていないのだ
《……最終日か…だるいし寝よう》
「上杉さん!」ガラッ!
「うおっ!四葉!?」
「自由参観だからって逃がしませんよ!スキー行きましょうスキー!!」
部屋の中に突然入ってきた四葉
上杉を無理やり連れ出して外へと出て行っしまった
「さぁ!滑り倒しますよーっ!」
「寒いし寝かせてくれ…というか俺滑れねーし」
「…何故俺まで……」
通りすがりにいた白銀も巻き込まれた
「藤原さんに頼まれたんです!白銀さんのスキー特訓は任せましたって!」
「……」
白銀は捨てられた
「つーか、四馬鹿はどうした?」
「一花は体調を崩して五月が看病してくれてます」
「あんな目にあったんだ、当然といえば当然か」
「…?」
「…上杉、五月から聞いたが……大丈夫なのか?」
「何がだ?」
「……いや、なんでもない」
「…お二人共何言ってるんですか?それより二乃はもう滑ってて私が教えるのは……あ、来た」
四葉の目線の先、ゴーグルとニット帽を被った女が立っていた
「……?」
「どーも」
「……」
「…誰だ!?」
「……三玖」
「み、三玖か…顔だけだと本当に分からないな」
「…っ」
〔……ち…近い…〕
「普段教わってばかりの私ですが今日は教えまくりますよ!」
昨夜──
「…フータロー君…?」
「……」
「…フータロー君!!」
「一花!?」
「五月!」
「……大丈夫です。息はありますし、怪我もそこまで酷くはないように見えますが…」
「……フータロー君…」
「…一花…貴方は上杉君の事を、どう思っているのですか?」
「……え?」
「…初日の旅館での……あれは一花でしょう?」
「……バレたか……いや!変な意味があってやったんじゃ無いよ!?ちょっとイタズラしたくなっただけって言うか…」
「変な言い訳はやめてください。分かりましたから」
「……」
「…ですが、私たちがこの方と仲良くなるのは、少々早すぎるのでは?」
「…え?」
「この方と出会って約半年……あの日食堂で勉強を教えてもらおうとした時には考えもしませんでした…」
「……そんなにフータロー君は悪い奴に見えるかな?」
「そ、そういう訳では…」
「……」
「…ただ男女の仲となれば話は別です。私は彼のことを何も知らなすぎる…」
「……」
「……男の人は、もっと見極めて選ばないといけません」
「……ん、ん〜…」
「ハッ!?フータロー君!?」
「……運びましょう。2人なら何とかなる筈です」
「……お、おぉ…」
《初めて滑るが……なかなか行けるな…》
「うわっ!」ドテーン!
「……大丈夫か?白銀」
「……問題ない」
《頭から雪被ってんぞ……》
「わーぎこちなー」
「……?」
「やっほ〜寒いね〜」
上杉の前にゴーグルと深く被ったフード、そしてマスクをつけた女が現れた
「……ほんとに誰だ!?」
「あはは…一花だよ」
(……!)
「体調はよくなったのか?」
「っ…ゴホゴホッ…まだ万全じゃないけど心配しないで」
「一花ー!この三人全然言ったこと覚えてくれない!」
「「それは俺がいつもお前に思ってることだよ!」」
同時にツッコむ上杉と白銀
「…っ!じゃあ楽しく覚えようよ」
「…?」
「おいかけっこ、上手な四葉が鬼ね!」
「お、おい!」
「はーい!」
「……っ」
《いや待てよ…これは三玖の好感度を上げるチャンス!ならば俺がする行動はただ一つ!》
「三玖!俺と一緒に……って、あぁっ!」
「……」
しかし、三玖は先に行ってしまった
「……く…くくっ…!」
そんな最中、苦戦する白銀に誰かが忍び寄る…
「…っ…なんだ一花か…」
「……いいえ、私は一花ではありません…」
「…その口調…まさか五月か!?何故一花の変装を…?」
「私は彼を見極めなければいけません……白銀君…私に少しだけ協力していただきませんか?」
「……」
五つ子豆知識!
中野五姉妹の得意技!それは姉妹への変装!
特に、三玖が1番得意としてるぞ!
「中野二乃は探したい」
「…げっ!…会長…!」
「げっ!…とはなんだ、藤原書記」
「いえいえ、ただの挨拶の一種ですよ~…」
「それが挨拶とカウントされるなら、欧米のキッスはどういう扱いになるんだ?」
「……友達契約交渉?」
「……はぁ…」
大きな溜息を付く白銀
「…そういえば、四宮は…?」
「あ~四宮さんなら友達と滑るみたいですよ!良かったですね~一緒に滑る羽目にならなくて~…」
「ん?そうか?」
「…今のはかぐやさんに向かって言ったんです。ところで会長、私に何か用ですか?」
「…あぁ、ある奴から依頼を受けてな…お前も協力してくれないか?」
「…はぁ…」
〈結局一人になってしまいました……でも、今会長と顔を合わせたら…〉
昨夜、白銀とかぐやは事故でありながらも
キス寸前まで行くという大イベントが発生!
一晩たってもかぐやの中に刻み込まれた記憶は何度も反芻し、かぐやの脳内は白銀御行によって浸食されてしまったのだ!
「…ちょっと!待ってよ!」
「…っ!」
かぐやの前を通り過ぎる中野二乃とフードを深く被った男子生徒
「……」
〈今走っていったのは、二乃さんと…上杉さん?なぜあの二人が追いかけっこを?〉
「キンタロー君!!」
「…?」
〈…はて、キンタロー…?……これはまた、良くないことが起こりそうですね…〉
様子を探るため、かぐやは二乃の後を追うことにした
「…あれ~…どこ行っちゃったのかしら…」
「二乃さん」
「うわっ!四宮さん!?」
「人探しですか?お手伝いしますよ?」
「ほんと!?助かるわ」
〈…二乃さんは恐らく上杉さんをキンタローなる人物と勘違いしている。これは秀知院学園生徒会副会長として、偵察する必要がありますね!〉
ホントは独りにならない口実が欲しいだけである
「…ところで、その人はどのような特徴があるのですか?」
「えぇっと…」
「……」
〈見た目で間違えたとは思えません……もしや上杉さんも中野さんたちみたいに変装するスキルを身につけたのでしょうか…?〉
「金髪でぇ、頭が良くてぇ、優しい人!」
「……金髪で…頭が良くて…優しい…」
「…白銀の事じゃ無いわよ」
「…え、えぇ!分かってますよ!?勿論!」
「…成程、つまり上杉さんのご親戚の写真を見て、更に実際に彼が現れ、貴方はその彼に想いを伝える為に、ダンスに誘った訳ですね?」
「えぇそうよ、完全なる一目惚れ。好きになっちゃったものは仕方ないわ」キリッ
「凛々しい顔で言ってますけど…貴方も結構乙女ですね…はぁ…キンタローさんですか…」
「えぇ、いい名前よね彼!」
「…は、はぁ……」
〈風太郎とキンタロー…安直すぎやしません!?〉
「…そういう四宮さんはどうなのよ?」
「…え?」
「白銀と踊らないの?」
「…っ」
途端に脳内に再生される記憶
かぐやは恥ずかしくなって手で顔を覆ってしまう
「……っっ///」
「…えっ?何!?何なの!?」
「…い、いいえ…お気になさらず…」
「……はぁ…で、彼を探すの手伝ってくれるんでしょ?」
「…え、えぇ!勿論です!」
「…彼の行きそうな場所って何処かしら…?」
一方その頃
「…おかしい…ここに五月が居ないとは…」
「……失礼…」
一花からの依頼で五月を探すことになった上杉と三玖
「…お…上杉、三玖」
そこに白銀が現れる
「白銀…五月を見てないか?」
「……いや、見てないな。」
「……そうか…」
「会長〜!」
食堂を出ると、そこに藤原が走って来た
「五月さん、どのコースにも居ないです〜!」
「…残るは上級者コースだけか…上杉」
「…ハァ…ハァ」
「…おい上杉!汗が凄いぞ?やっぱり昨日のが…」
「…大丈夫だ、この位なんて事ない」
「……だが」
《…やはりらいはから貰ってたか、という事は一花のも…悪いことしたな…》
「…会長…これでホントにいいんですか…?」ボソッ
「…あぁ、多分な」
(…さて、あとはお前次第だ…五月)
「…上級者コース?」
「えぇ、これだけ廻っても会わないのであれば、そこにいるのが妥当かと…」
「じゃあ早速向かって見るわよ!」
「あ、待ってください!」
キンタローを見つける為、二乃とかぐやは上級者コースへと向かった
「……居ないわねぇ」
「そうですね……ん?」
〈…あれは…?〉
「…あれ?一花!?」
「あれ、二乃?…と、四宮さん」
「どうしてこんなとこに居るのよ?五月から聞いたわよ、あんた昨日小川に落っこちて風邪引いたらしいじゃない!病人は寝てなきゃダメでしょ?」
「ごめんごめん、私はその五月ちゃんを探してたんだ」
「…五月?……そういえばずっと見てないわね…」
「最後に見たのはいつですか?」
「あたしは朝一で出て来ちゃったからよく分からないわ…一花、あんた確か五月に看病して貰ってたんでしょ?何処にいるか分からないの?」
「…うん…だったら探してないし…」
「…そ、そうね」
「…あの、二乃さん?キンタローさんは探さなくて良いのですか?」
「何言ってるのよ四宮さん!家族の方が心配になるのは当たり前でしょ!?」
「…っ」
「一花!四葉と合流して皆の元に帰るわよ!」
「え?う、うん!」
「……」
〈……〉
「白銀御行は見届けたい」
「……遭難?」
「…あぁ、いくら広いゲレンデとは言え、八人がこれだけ動き回って会わないのは不思議だ」
上杉たちと合流した二乃、一花、四葉、そしてかぐや
そこで、ここにいる誰もが五月と接触していない事に気付き、上杉は妙な胸騒ぎを感じた
「…ちょうど入れ違ったのかも、私見てくるよ」
「ここ、まだ見てないかも」
去ろうとした一花を他所に、四葉が上杉が開く地図に指を指した
「…えっ」
「…こっちは…」
「えっと…最初にカイチョーが教えてくれたよね。まだ整備されていないルートで危険だから立ち入り禁止って…」
「……」
(……)
「……ホントに居ないかコテージ見に行く」
「私は先生に言ってくるよ!」
「ちょっと待って!もう少し捜してみようよ」
《……一花…》
「なんでよ…場合によってはレスキューも必要になるかもしれないのよ」
「えっと…五月ちゃんもあんまり大事にしたくないんじゃないかなーって」
《……》
「大事って…呆れた……五月の命がかかってんの!気楽になんていられないわ!」
「……ごめんね」
(……二乃…)
「…何処にいる…五月…」
「フータローもう休んだ方がいいよ」
「……っ」
「聞いてる?フータロー…フータロー…!」
「…っ!」
(…上杉……そうだ、導き出せ…)
「もういい、あたしが先生を呼んでくるわ」
「待ってくれ、俺に心当たりがある」
「心当たりって…」
「大丈夫だ、恐らく見つかる」
「……信じていいのよね?」
「あぁ……一花、付いてきてくれ」
「…っ!」
一花連れて行く上杉
そんな彼らを見て1人男が微笑んだ
「……もう大丈夫のようだな」
「大丈夫って何よ?まだ分からないじゃない…」
「いや、あの一花の正体は五月だ」
「えぇ!?」
「証拠に、一花に電話をしてみろ」
「……」プルルル
『…二乃?どうしたの?』
「一花!あんた今何処にいるの!?上杉と一緒!?」
『…え?何言ってるの二乃?私は三玖に言われて部屋に戻ったし、フータロー君も居ないよ?』
「…嘘じゃないのよね…?」
『なんで二乃に嘘を…ゴホッゴホッ…ごめんごめん、まだ治ってなくて』
「…いや、部屋にいるのならそれでいいわ。安静にね」
『うん、心配掛けてごめんね〜…』ピッ
「……なんで教えてくれなかったのよ」
「それが彼女自身の願いだったからだ」
「…え?」
「どういう意味?カイチョー…」
「……あの時…」
「……上杉を見極める?」
「はい、彼は私たちと関わりはじめまだ約半年…しかしその関係は少し深く行き過ぎてはいませんでしょうか?」
「…と言うと?」
「…薄々気付いてはいましたが、私たちの姉妹は彼に心を開き始めています」
「いい事ではないか?」
「そうですが…男女の仲となると話は別…もっと彼を見極めなければいけないんです」
「……それがお前の責任か?」
「…え?」
「…ならば…周知院学園生徒会会長として、役員の責任は会長の責任。俺もそのお前の責任、担ってやるさ」
「……白銀君…」
「……はぁ…馬鹿ねあの子は…」
「馬鹿にだって考えはある。俺は五月のその責任感の強さに惹かれて生徒会メンバーへと選出した…なんだか五月が入って来たばかりの頃を思い出してな、未熟ながら協力させて貰ったよ」
「…あんたも大概バカね」
「え?」
「…まぁでも……納得だわ」
「……」
(生徒会会長として、生徒たちの成長を見届けるのも俺の責務……五月、あとは頑張れよ…)
その後、風邪が悪化した上杉が連れ込まれ
白銀たちは不穏な空気のまま、3日目(最終日)の夜を迎えた
本日の勝敗結果
四葉の負け
(自力で全員を見つけられなかった為)
次回
第20話「四宮かぐやは踊りたい」