かぐや様は告らせたい ✕ 五等分の花嫁   作:キャメル16世

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第21話「生徒会は見舞いたい」

「……」

『今日の最下位はごめんなさ〜い!牡羊座のあなた』

「……」

『友達と会うと運気アップ!風邪が流行っています、人と会う際はしっかり対策を!』

「確かに…最下位で異論はないな…」

 

上杉風太郎

現在、入院中

 

林間学校が始まる前にらいはの風邪が既に移っていた上杉

それに度重なるような災難が

彼の風邪を悪化させ、林間学校明けすぐに入院する羽目になったのだ

 

「……ハァ…ハァ」

すると、上杉の病室に息を切らした二乃が入って来た

 

「…っ…二乃…」

「誰もいないわね…」

「な、なんだ…俺の部屋だぞ」

「いいでしょ…誰がお金払ってると思ってんのよ」

「これは大袈裟だろ…看護師の間では、委員長の隠し子じゃないかとの噂で持ち切りだ」

「仕方ないでしょ、あの子たちあんたが死ぬんじゃないかってくらい心配してたんだから……っ…」

 

二乃は気付いた

林間学校最終日に渡したミサンガを、上杉が付けていた事を…

 

「入院費を払ってくれたのもどうせお前たちの親父だろ」

「そうよ!つまり私たちが払ったも同然よ!」

「うわー…お嬢様っているんだ…」

「……」

「…どうした?」

「…いや、なんでもない…良い?私がいる事は黙ってなさい!」

二乃は病室のカーテンに隠れた

 

「……?」

「上杉さん!ここに二乃さんが来ませんでしたか!?」

「……藤原…」

「お久しぶりです、上杉先輩」

「石上…なんでお前らが…」

 

《…ったく…誰が来いって言ったよ…》

 

「上杉さーん!」

「やっほー林間学校ぶりだね〜」

「……体調はどう?」

次々と揃う生徒会のメンバー達

 

四葉は元気ハツラツな笑顔で上杉に近付いた

 

「良かった!生きてて一安心です!」

「勝手に殺すな」

「…ん?やはり二乃の匂いがします」ピコーン

「本当ですか!?四葉さん!」クンクン クンクン

「…あいつそんなに体臭がキツイのか…可哀想に…」

 

四葉の匂い嗅ぎの跡をおう藤原

その二人を見た上杉が放った言葉に二乃が反応した

 

〔香水…っ!〕

 

「上杉先輩、聞きましたよ?林間学校前から体調悪かったらしいですね」

「まぁな……そういやぁあの二人は?」

「二人はまだ仕事があるみたいで…もう少ししたら見舞いに来てくれると思いますよ?」

「そうか……」

上杉と石上の会話もままならず、一花と三玖が割って入ってきた

 

「いや〜一時はどうなるかと思ったよ〜」

「…回復して良かった」

「おう、一花も具合治ったのか?」

「うん!もうバッチリ!あ、あと、これ休んでる間のプリント。預かっちゃったけど渡せて良かった」

「ふーん…」

「安心してフータロー、一花ちゃんと学校行ってるから」

「ちょっ!三玖ぅ〜!」

「ふっ…所詮その程度の覚悟か」

「もー!また意地悪言うんだからぁ…」

 

〔学校なんてつまらないとこ、すぐ辞められると思ってたけど…もう少しこのままで…〕

 

「……」

 

〔未練が、出来ちゃったから…〕

 

「……なるほど…結構数学の範囲が広いな…」

「……」

 

〔無愛想で、気が利かなくて、意地悪……なんで、キミなんだろうね……〕

 

「あ!二乃いた!」

「二乃さん見つけました!」

「あんた達犬か!」

「ほら行きますよー!」

「じゃあ私たちも…」

「フータローも早く治るといいね」

「上杉先輩、お大事に」

6人は病室を去って行き、上杉は再び一人ぼっちになった

しかし

 

「……」

 

《…あれっ……なんだ…?少し楽になってる…》

 

彼の心の中は、いつもより晴れていた

 


 

「中野五月は聞き出したい」

 

「勉強が遅れて不安かな?君は学年三位の秀才らしいじゃないか、少しくらいわけないだろう…」

「そうですね…俺は良いんですが……俺が教えてやらないといけない馬鹿たちがいるんです」

 

診察室にて、上杉は問診を受けていた

 

「…そうかい、じゃあ診察はこれで…」

「お、押さないでよ!」

「……ん?」

廊下を見ると、先程の6人が揃っていた

 

「あいつらまだいたのか……」

 

《一応礼くらい言っておくか…》

 

「もー!注射で怖がってたらいつまでたってもピアス開けられないよ?」

「うっ…」

 

「ん?注射?」

 

「あ、上杉さん」

「お前ら…ここに何しに来たんだ?」

「あぁ…予防接種ですよ、生徒会で受ける事になったんです」

「それなのに五月さんと二乃さんが逃げ出したんでよ!」

「痛いのは嫌なの!」

「確かに嫌かもしれないけどさ〜()()()()フータロー君のお見舞いも出来て良かったじゃん」

 

《……ついで…?》

 

「……この裏切り者!」

「こらこら!病人は大人しくしてる!」

「え?はぁ…」

 

病室に連れていかれる上杉

すると、先程の診察室から声が聞こえた

顔はちゃんと見ていないからよく分からないが

その声だけは、彼には聞き覚えがあった…

 

「上杉君…これからも励みたまえよ」

 

「……」

結局病室のベットに横たわる上杉

目を閉じて先程の先生の事を考えていた

 

《あの人…どこかでみたような…》

 

彼の遠い昔の記憶

しかし彼の中に強く記憶に刻まれている景色…

 

『私がみんなのお手本になるんだ』

 

《そう…あれは……》

 

『上杉風太郎君、バイバイ』

 

「…っ!」バッ!

ベッドから勢い良く起き上がる上杉

 

「……なんであの時の事を…」

上杉が左に振り向くと、そこには『あの子』がいた

 

「あっ」

「…っ!?」

「……なんだ五月か、脅かすなよ」

 

《寝ぼけて見間違えたか…》

 

「それはこちらの台詞です!いきなり飛び起きて…」

「藤原たちが探してたぞ」

「はは…なんのことでしょう」

 

〔……〕

 

「……ここには…お尋ねする為に来ました…教えてください」

「……っ」

「…あなたが勉強するその理由を」

 


 

五つ子豆知識!

 

以前、二乃は上杉にピアスを開けてもらおうとしたが、結局断念しているぞ!

その詳細は原作を読んでくれ!

 


 

「ありし日の上杉の京都の凶と共」

 

「……」

「……」ムムッ

「……」

「……」ムムッ ムムッ

「…何してんの?」

「あなたが勉強する理由を教えてくれるまで睨み続けます」

「あっそ…なら俺はお前が諦めるまで睨み続けようか!?」

「…っ!…い、良いでしょう…どちらが先に音を上げるか勝負です」

「その辺にしておけ、上杉」

「っ!…白銀!」

「白銀君!?」

病室に入って来た白銀御行

生徒会の仕事を終えて来たようだ

 

「教えてあげろよ、お前が勉強するきっかけになった話を」

「…勉強をするきっかけ…?」

「あ、あれは…!」

「……上杉」

「……っ」

「生徒の頼みだぞ…?」

「……あれは……小六の時、修学旅行の話だ…」

 

 

 

「これ、いらね」

新幹線の客席

当時13歳の上杉は、金髪にイヤリングと

悪ガキの見本のような見た目をしていた

それは性格も同じで、彼の横暴な態度は周りと比較すると目立つものだった

 

「よっしゃー!勝ちィ!」

同じ班の2人とトランプゲームをしていた上杉

トランプを1枚引き抜き、フルハウスを完成させた

 

「風太郎君強いなぁ」

「ほんと、馬鹿なのにこういうのは得意だよね」

「あー!?うっせー!」

「風太郎!こらっ電車の中だから静かにしなさい!」

「オラ竹林!つまんねーこと言ってないでお前も参加しろ!」

「いやーっ!もー仕方ないなー」

彼女は竹林

上杉の同級生であり、班の班長でもある少女だ

 

「その代わり…真田君も誘ってあげなよ、私たち五人班なんだから」

「え…僕はいいよ…」

「……あ?」

竹林は同じ班の真田を気にかけたが、上杉はそれよりも気に触ることがあった

 

「お前、算数ドリルって…逆に馬鹿か!」

「ああっ」

そう言うと、上杉は真田から算数ドリルを取り上げ

辺りにばらまいた

 

「修学旅行にこんなものはいらないだろ!不要な物は捨てていけ!俺はこれだけで十分」

すると、上杉はバックから一眼レフカメラを取り出した

 

「わー凄いね」

「カッケー」

「親父の仕事道具からパクって来たぜ!どーだ竹林、お前も撮って…」

上杉が振り向くと、ばらまかれたプリントを拾う真田と竹林がいた

 

「……」

「あの二人、幼馴染らしいよ」

 

「……」カシャ

「風太郎も写真撮ってないで行くよー!」

「お、おう」

 

『二人とも学級委員でお似合いだね』

 

駅でクラスが解散され、班行動へと移行した時

上杉は突然前屈みにしゃがんだ

 

「……いたたたた」

「…どうしたの?」

「急に腹が…腸の野郎、いい仕事しやがる…便所行ってくるから、先に行っててくれ」

「なんで?待ってるよ」

「見くびるな!恐らくモンスター級…長期戦になりそうだ…」

「最悪…」

「風太郎君がそう言うなら先に行こうぜ」

「う、うん…ちゃんと追いついてね」

「……」

 

上杉から離れて行く班の同級生たち

しかし、実際彼は腹痛など起こしていない

それなのに何故仮病までして班から離れたのか…

その理由とは…

 

《不要な物は捨てていけ!》

 

「……俺じゃん…」

上杉は自分が不要な存在だと思い

班から逃げ出した

 

「…貴方、何してるの?」

「……え?」

上杉が顔を上げると、黒髪の少女が立っていた

 

「……別に…」

「…カメラ…写真好きなの?」

「ま、まぁ…」

「…ねぇ、見せてくれない?」

「…え?あ、あぁ別にい……あっ」

上杉は思い出した

このカメラの中には、竹林を隠し撮りした写真が詰まっている事を

 

《こんなの誰かにバレるのはまずい…!》

 

「……どうしたの?」

「いや……えっと…」

青ざめる上杉

少女の目は疑いの目へと変貌する

 

「……もしかしてそのカメラ…貴方の物ではない…?」

「い、いやそれは…!」

「そうじゃないよ」

「…っ!?」

途端に、上杉の背後から声がした

階段の上、明るい髪色の少女が上杉を見ていた

 

「私見てたもん」

「……そう…まぁいいわ」

黒髪の少女はその場を立ち去った

 

「……」

「……ふふっ」

それが、あの子との出会いだった…

 

 

 

『緊急ニュースです!未確認飛行物体が日本上空に出現!国会が占拠された模様です!』

『我々ハ将棋星人、日本デ最強ノ棋士ヨ、地球ヲ懸ケテ勝負シロ』───……

 

 

「……こうして、俺の修学旅行は終わったんだ」

「……」

「……」

「なんですかそれ!そこからが聞きたいのに凄い雑に終わりましたよ!地球はどうなったんですか!?」

上杉の唐突の話の切り替えにより、五月は驚きが隠せず

白銀は鼻で笑っていた

 

「別に話すとは言ってねー…というか話したくない」

「……」

「少し言うことを聞いたのは…この間の礼だ」

「……いまいち伝わりませんでしたが…昔のあなたと今のあなたが大きく違うことはわかります。その子との出会いが、あなたを変えたんですよね」

「……」

 

 

 

「わーっお守りだって!買っていこうよ!」

「なんで付いてくるんだどっか行け!」

「人を捜してるんでしょ?私もなんだ」

「…一人でできる。他を当たってくれ」

「他じゃだめだよ」

「…っ」

「お互い一人で寂しい者同士仲良くしようよ…私には君が…」

 

 

 

「私も変われるのでしょうか…もし…できるのなら…」

「……」

「変われる手助けをしてほしい…あなたは…私たちに必要です」

「…っ!」

 

『君が必要だもん!』

 

『ねぇ写真撮ってもらおうよ!』

『おい!勝手に触んな!』

 

「……」

「……こっち見ないでください」

「…俺に教わってどうにかなるのか?平均29.6点」

「どうにかします!やれる事はなんでもします!見てください!昔持ってたお守りを引っ張り出してきました」

「…神頼みかよ」

五月が取り出したのは赤い巻物状の御守り

しかし、上杉にはそれに見覚えがあった

 

《そういえば、あの子も似たような物を買ってたな…アホみたいにたくさん、五つも──》

 

「それ、どこで買ったんだ?」

「これですか?買ったのか…貰ったのか…よく覚えてませんが、確か……京都で五年前…」

「……」

「……っ」

「…それって」

「あ!五月!なんだここにいたんだ!」

「…っ!?」

すると、上杉の病室に先程の6人が入って来た

 

「余計な所捜しちゃったね」

「あ、会長も来てたんですね」

「お、おう」

「みんな揃ったから今度こそ行くよ」

「ぐぬぬ…」

「五月さーん!行きましょ行きましょー!」

「ま、待ってください!心の準備がぁ〜!」

 

「……」

 

《五年前……京都…》

 

「……」

 

(……まさか…)

 

「……」

 

《偶然…だよな…》

 

本日の勝敗結果

上杉の勝利

(後日、体調が治り復学出来た為)

 

 

「……おや…かぐや様、何をご覧になってるんですか?」

かぐやの就寝前、早坂はベッドで「なにか」を見つめるかぐやに質問した

 

「……これって…」

「……」

かぐやが見詰めていたのは、赤い巻物状の御守りだった

 

「…五年前…京都であの子から貰ったものよ…」

「……懐かしいですね…あの時のかぐや様、とても楽しそうでした」

「……えぇ……また、会えるかしら」

 

窓から夜空を見上げるかぐや

今日の月も、酷く輝いていた

 

あの日のように




次回

第22話「四宮かぐやは極めたい」
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