かぐや様は告らせたい ✕ 五等分の花嫁   作:キャメル16世

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第3話「中野三玖は恋したい…?」

秀知院学園生徒会室はどんな者でも入室が許可されている

生徒会メンバー以外の秀知院の生徒、更には中等部の生徒までもが入室可能である

その日もまた、白銀の元にお客様が来ていた…

 

「……君は確か…」

「……中野三玖…また忘れたの?」

「…いや、すまない!なんせ顔が同じだからな…」

秀知院学園高等部二年、中野(なかの)三玖(みく)

中野家の三女、姉妹の中では1番の引っ込み思案である

 

「…それで、俺に何の用だ…?」

 

(中野三玖……少し暗めのタイプだが、接するうちに仲良くなるだろう。多分石上会計と同じパターンだ)

 

「……うん…カイチョーは…」

「……」

「……好きな人いるの?」

「…え」

 

(今、こいつなんて言った?好きな人?なぜそんなことを聞く?)

 

「……ゴクッ」

「……」

「……と、突然来て…突拍子もない質問をするな…三玖」

 

(一体何が目的だ…?四宮とは違い計算され尽くされていない表情、多分今のは素に近い状態での質問……だとするとなんだ?……もしかして…俺の事好きなのか!?)

 

白銀はモンスター童貞であった

 

「……うん…私はね…」

「……」

「……(すえ) 晴賢(はるかた)とかいいと思う」

「……ん?」

 

(…すえ…はるかた…?)

 

陶 晴賢!

戦国時代を生きた武将!

大内家の家臣である!

が、知る者は多くない!

 

(なぜそんなマイナーな武将を!?)

 

「カイチョーはもちろん知ってるよね」

「…あぁ、まぁな」

 

(危なかった…たまたまこの間読んだ本に載ってたんだよな……だが…)

 

「……」

「…好きなのか?武将」

「……」コクッ

「……なぜ今まで黙っていた?隠す必要などないだろ」

「…カイチョーには分からないよ、人には知られたくない事もある」

「……」

 

(知られたくない事、か…)

 

「…だが、なぜ俺には打ち明けた?」

「……試そうと思って…カイチョーで」

「…え?」

「…私、今度フータローを呼び出す」

 

(フータロー…上杉の事か)

 

「…今朝、厳島の戦いで毛利元就を破った武将を問題に出されたけど、姉妹(みんな)の前だから言えなかった」

「……」

「……でも、私もそれくらいは分かる。だからちゃんと言いたい」

「……強いな、三玖は」

「……え?」

「……俺にも、誰にも知られたくない事はある。そして決して誰にも打ち明けるつもりもない。だがお前は、その壁を乗り越えようとしているんだ……俺からしたら、お前は誇らしい度胸を持ってる」

「……カイチョー…」

「…呼び出してどうするんだ?」

「問題の答えを言って…それだけ」

「本当にそれだけか?他にも言いたい事があるんじゃないのか?」

「……」

 

 

 

その日の放課後、三玖は上杉を呼び出し…

 

「…陶 晴賢!」

「…陶 晴賢…!!」

「……よし」グッ

「…??」

「…言えた、スッキリ」

「ちょ、ちょっと待て!捻った告白…じゃないよな!」

「うるさい、問題の答えだけど──」

 

 

 

「…隠れてみてるなんて、趣味悪いね」

「……」ギクッ

中野三玖と上杉の接触の最中、白銀は影で様子を見ていた

 

「……ば、バレてたのか…」

「……バレバレ…はいっ」

「……ん?これは?」

「……抹茶ソーダ」

「…え」

「……今日はありがとう、おかげで話す事が出来た」

「……」

「……」

階段を降りる三玖

そんな彼女を白銀は引き止めた

 

「……ま、待て!」

「……なに…?」

「…上杉とは話せたのか?その…家庭教師の事とか」

「……あぁ…話したけど、大した事なさそうだったから…いいかなって…」

「……」

「……それとも何?カイチョーも私たちをフータローに習わせたいの?」

「……それは…」

「……やっぱり……私の気持ちなんて……誰も分かってくれない…」 ガチャ

「……」

 

白銀は思った

人の気持ちを理解するのは、不可能に近いと

勉学の出来る出来ないに関係なく、人の心を読み解くのはそう簡単なことでは無い

現に白銀は、四宮かぐやの気持ちを理解するのに苦しんでいる

人には出来ないことがある

向き不向きなど関係ない…だがしかし…

その矛盾が、白銀の心に火をつけた…

 


 

五つ子豆知識!

 

三玖は五人の中では一番料理が苦手!

三玖が作る料理は全て“石”みたいになるぞ!

 


 

「白銀御行は教わりたい」

 

「……」シュッ

 

「……」フワッ

 

「…ふんっ!」ゴッ! バゴッ! ドン! ズシャァァ…

 

「……」

 

(あとちょっとだったのに……!)

 

運動音痴!!

 

白銀が今やっていたのはバレーのサーブ

勉学に関しては非常に秀でた白銀であるが、こと運動全般に関しては人様にお見せできない程の壊滅ぶりを見せる!

長年の新聞配達、夏場の引っ越しバイト、毎日往復15キロの自転車通学は平気でこなす!彼は決して身体的能力が低い訳では無い

彼の運動音痴の原因……それはひとえに

 

「……」ズルゥン! ゴッ!

絶望的運動センスの無さ!

いまさっきも転がったバレーボールで横転する程である!

 

リフティングが2回以上続いた事がなく、跳び箱を1度でも飛べたことがない

そんな彼が秀知院で地位を守るには、日々並々ならぬ修練が必須なのである!

 

(まずい…人並みには出来ていないと…このままでは…)

 

「お可愛いこと……」

 

「ダメだー!ぐわーっ」ブン! ビターン!

バチーン!

 

「なぜ上手くいかない!」

「会長、大丈夫ですか?怪我ないです?」

「あぁ…問題な……藤原書記!?」

 

(見られた…今のアホみたいな動きを見られた!?)

 

「……グッ」

「…ん?」

 

(終わった…文武両道、なんでも出来る白銀会長のブランドが……!別になにかしてるワケでもないのになんでもソツ無くこなしちゃう俺のイメージが……!)

 

「……へあっ…へあっ……あわあわ……ボール!たのしい!」

バレーボールで遊ぶ藤原

それは無邪気以外の何者でもない

 

(まーいっか、藤原書記相手なら。コレに何思われても大してダメージ無いわ)

 

「実は諸事情で俺の苦手分野を克服したくてな、どうもサーブが苦手でな」

「あ〜なるほどです〜。私でよければ教えましょうか?」

「はぁ……お前なぁ、人に教える時には自分が出来てなきゃ駄目なんだぞ?」

「私だってバレーくらい普通に出来ます!」ムゥ

ベシッ ポーン

藤原はいとも簡単にサーブを入れて見せた

 

「ねっ!」

「……す…すげぇぇぇぇぇ!※会長基準なんて洗練された美しいサーブなんだ!※会長基準

「むふふー」ドヤサッ

「お……お前にこんな特技があったとは……!!」

「私に教わったらきっとすぐ上手になっちゃいますよ〜。会長、人に教えを請う時はどんな態度が適切ですかね〜」

「……お…おえてください」

「はいっいいですよ!」ニコニコ

 

(俺が藤原書記に頭を下げる日が来るとは……!)

 

その後、藤原と白銀の地獄の特訓が行われた……

 


 

生徒会豆知識!

 

白銀は意外とポンコツであり、カナヅチ、虫嫌い、音痴などの特性があるぞ!

 


 

「白銀御行は分からしたい」

 

「……なに…?」

「急に呼び出してすまない、三玖」

白銀はバレーボールを片手に、コートに向かってサーブを打った

バレーボールはスピードを出しながらコートの枠内に入り、サーブは成功した。これが藤原と培った努力の証である

 

「……上手だね」

「…昨日まではボールに手も当てられないド素人だったがな」

「……」

「……三玖……俺はな、大抵の事を努力して掴み取った。地位も、名誉も、俺は全部自分の努力だけを頼りに生きて来た。だがな、藤原書記に教わる中で、いつしか思った。教わるのも…悪くない!」シュッ バシ!!

「……っ」

「…俺には出来ない事が沢山ある。だがな、お前の姉妹に出来る事がお前に出来ないわけが無い」

「……っ!」

「だってお前らは、五つ子なんだろ?」

「……」

「俺にも妹がいてな…互いに出来ないことは、2人で補い合えって父さんに言われた事がある。お前達五つ子もそうだろ?足りない所は五人で補い合い、支え合う、それが…お前ら姉妹に出来る事だ…」

「……ふふっ」

「……」

 

(……笑った…?)

 

「……今日…フータローにも同じ事言われた…フータロー…私が出した問題の答えを図書室で調べたんだって…それで…一人で出来る事は、全員出来るって言われた」

「……そうか」

「…私達の五人は全員で100点…だけど、それはつまり…全員が100点を取れる潜在能力があるって事だって…」

「……」

「……私、フータローともう一度話してみる」

「…あぁ、それがいい」

 

後日──

 

「……」

「…図書室で勉強なさってたんですね」

「…あぁ、そのようだな…って四宮!?」

「会長ったら、昨日は生徒会室に来なかったですから…」

「す、すまん…」

「許しません!」ムゥ

「……」

「……ふふ…なんちゃって!」

「え!?」

「早く行きましょう!会長!」

「……はぁ、わかったよ…」

 

(やはり俺には四宮が考えている事が分からん……だが…)

 

「……フータロー…ここ教えて欲しい」

 

(三玖の事が段々分かってきた……それに……)

 

「…あぁ、そこか…ここは三角法の定理を…」

 

「……」

 

(上杉風太郎という人間の事もな…)

 

 

 

 

「……うん…私今、フータローに教わってる」

「…そうか、これでお前の問題も解決したな」

「……私は元々問題なんて無い……問題有りなのはフータローの方…」

「その通りです!彼は私たちの事を全く分かっていません!」

「それにしても〜…上杉君も大変ですね〜、五人も受け持つなんて…」

「……今はまだ3人」

「……推測するに、三玖、四葉、五月の3人か?」

「私は彼には教わっていません!認めた気もございません!」

「……今は一花と私と四葉、あと勉強に全く手をつけてないのは二乃くらい…」

「……中野二乃か…あれは確かに堅物の匂いがするな」

「誰が堅物ですって?」ガチャ

 

(……げっ!)

 

「…二乃!」

「言っておくけどね!私はあいつのこと大っ嫌いだから!あいつの指導なんて死んでも受けるもんですか!」

「…二乃さん、なるべく静かにして貰えますか?勉強中なので」

 

(…四宮…!?)

 

「あら四宮さん…そんな貧相な体型で可哀想ね〜?」

「あなたこそ、校則ギリギリの格好でよくもまぁぬけぬけとしていられますね」

「…はぁ?オシャレって知らないの〜?」

「オシャレなど必要ありません。美貌は備わっているものですから」

「……チッ……帰るわよ!三玖!五月!」

「……う、うん」

「…あ、あの…本日は穏便に済ませてくださいね!皆さん!」

「…お、おう」

「……」ムカムカ

「……」

 

本日の勝敗結果

白銀の負け

(人に弱みを見せたうえ、微妙な空気になったから)




次回

第4話「四宮かぐやは理解したい」
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