かぐや様は告らせたい ✕ 五等分の花嫁   作:キャメル16世

4 / 30
第4話「四宮かぐやは理解したい」

四宮かぐや

彼女には友人バロメーターが存在し、友人となり得る人材を見定めてきた

彼女のやり方は非常に冷酷なものである

その為、彼女の試験を合格した者は数少なく、彼女における親友や友人とは、かけがいのないものだった

 

しかし、これまでの方法で彼女が失敗してしまった事

それは、相手を理解しようとしていなかった事

四宮かぐやにとってそれはとても難しい事だった

 

「…中野二乃…ですか」

「えぇ、全く困ったものよ…会長に対してあんな失礼な態度…副会長として見過ごせません」

その日は四宮別邸にてかぐやと早坂が話していた

 

「……そうですね…ですがかぐや様、彼女は貴方が思う程失礼な方ではないですよ?」

「……もう偵察済みってこと?」

「えぇ、私のギャルモードで」

 

早坂愛

四宮家使用人 かぐや専属近侍(ヴァレット)

その多彩な能力で、かぐやの身の回りの情報を集めている

 

ギャルモード!

早坂が普段秀知院で行動する為の形態

 

メイドモード!

四宮家の使用人で活動する為の形態

 

その他彼女は様々な人物になりすます事が出来るのだ!

 

「彼女は同種である私には友好的な態度を取ってきました。それは故に、かぐや様、貴方は異分子と思われているようです」

「それはそれでどうかと思うけど……え?それって私に問題があるの?」

「いいえ、ただ…彼女だけの問題で無いことを忠告しておきます」

「……ふんっ!…誰があんな自己中心的な人と仲良くするもんですか!」

「……かぐや様、会長をオとしたいんですよね?」

「……まぁ、会長に告白させるのが私の目的ですから」

「…でしたら、少しでも人の気持ちに気付いてあげないと、会長は振り向いてくれませんよ?」

「…っ」

「完全に理解するのは非常に困難です。人の気持ちを理解するのは、不可能に近いです。ですが…」

「……」

「…思いやることなら、誰だって出来ます。もちろん、かぐや様にも」

「……」

 

 

 

「……」

 

〈思いやること…私に出来るのでしょうか…〉

 

「まずは人を観察する事です。その人が何を考えているのか、行動、口調、眼なんかを見ると分かりやすいと思います」

「どうして眼なの?」

「眼は人の心を映す鏡みたいなものですから」

 

〈人を観察……〉

 

「……」

「……」ジーー

 

(四宮がめっちゃ見てくるぅ!?俺何かした!?)

 

白銀は勘違いをした

 

(いいや待て白銀御行!最近あった事を思い出すんだ…最近なにか四宮の気に触る事をしたのか……)

 

「……」

 

(いや、したー!三玖と放課後2人で話した!藤原書記に特訓してもらった!)

 

「……」ジーー

 

(ま、まずい…もしあの事がバレたら……)

 

「会長、浮気性だったんですね……数々の女性に言い寄られて鼻の下を伸ばして……お可愛いこと……」

 

(それだけはダメだ!ってか事実とは違う!)

 

〈会長……何か焦っている…?もしや何か言いたい事が……まさか!今朝早坂につけてもらったネイルに気づいたのかしら!?〉

 

四宮は勘違いをした

 

〈んもぅ!そうならそうと言ってくれればいいのにっ!〉

 

四宮は今朝、オシャレに疎い四宮にオシャレを教えこもうと、ネイルをしてもらっていた!

 

〈そんなに見たいなら…見せてあげてもいいけど…?〉

 

(どうする?白銀御行!?)

 

すると、生徒会室のドアを誰かがノックした

 

「失礼しま〜す」

「…君は確か…一花か」

「お!ようやく覚えてくれたんだね?カイチョー君」

 

秀知院学園高等部二年、中野(なかの)一花(いちか)

五姉妹の長女である

 

「…ん?今日はお前らは家庭教師の日じゃ?」

「あ〜それなんだけどね〜…」

 

「……なるほど、中野二乃にな…」

「フータロー君も大変だよ〜、五人を受け持つうえに二乃の妨害まであるからね」

「……はぁ…やはり、あの子は邪魔ですね」

「…ん?なにが?四宮さん」

四宮の言葉に反応する一花

 

「彼女は貴方達の成績向上を妨害する邪魔者です。会長、早急に対応する必要が…」

「その必要は無い」

「…っ?」

 

〈……会長…?〉

 

白銀御行の表情は、曇っていた

四宮の言葉に彼は反応したのだ

 

「…四宮、なぜ中野二乃が彼の妨害をすると思う?」

「……さぁ、単に目障りなのでは?」

「…それだけじゃないさ、俺は数日だが…中野二乃という人間がどんな人間なのか把握出来ている…つもりだ」

「……?」

「…お前にも次期にわかるさ」

「……」

「…ところで一花、今日は何の用だ?」

「五月ちゃんを待ってて──」

 

 

 

「……」

学校の帰り道…

かぐやは1人で校門を後にした

 

〈会長の眼……あんな眼、久しぶりに見たわ……私がまだ、人を知ろうとしていなかった時期の……〉

 

「…白銀さん、私は人との関わりを良しとしません。1人にして貰えますか?」

 

〈……思い出すだけで…〉

 

「眼は人の心を映す鏡みたいなものですから」

 

〈……あながち間違いじゃなかったわ…やはり、早坂が言っていることが正しいのかしら…〉

 

「しーのみーやさん!」

「…うえっ!?」

「一緒に帰りましょっ!」

「……藤原さん…」

 

「なるほど〜、中野さんの次女さんに…」

「…私、彼女を理解するのが難しくて…」

「そんなの当たり前じゃないですか!」

「…え?」

「かぐやさんだって、たまに自分がわからなくなる時ありません?」

「……あります」

「でしょ!?それと同じように、人には分からない事があって当然なんです!かぐやさんは天才だから、そんな事も気にした事ないと思いますけど!」

「…そんなことは…」

「それでいいんです!むしろ羨ましいですよ、人間関係に悩まないのは…」

「……藤原さんも、悩んだりするんですか?」

「その通りです!私はもうしょっちゅう!」

「……」

「……ふふっ」

「……な、なんですか…?」

「…こうやってまたかぐやさんとゆっくりお話するのが楽しくって……」

「……」

 

〈藤原さん……〉

 

「…かぐやさん、私…かぐやさんと出会えて幸せです!」

「……私もよ、藤原さん」

「はいっ!」

 

四宮かぐや

今まで友人と認めた者は少なく、藤原はその少ないうちの1人である

しかし、彼女にとって友人とは

本人が嫌う四宮かぐやという人間を認め、敬う

そして何より、思いやってくれる

そんな存在なのである……

 


 

五つ子豆知識!

 

二乃は五人の中で一番ツンツンしてるが、実は可愛いが好きなのである!

 


 

「四宮かぐやは話したい」

 

「…いらっしゃい、二乃さん」

 

秀知院生徒会室

その日、四宮かぐやは中野二乃を呼び出していた

 

「急に呼び出してなんの用?あたし、これから買い物があるのよね」

 

秀知院学園高等部二年、中野(なかの)二乃(にの)

中野家の次女であり、五人の中では上杉を一番毛嫌いしている

 

「まぁ、軽い雑談を……」

四宮は二乃に紅茶を淹れた

 

「……まぁ…それくらいなら…」

ソファに向かい合って座る2人

その空間は2人だけのものであり、何者にも邪魔は出来ないのである

 

 

「…かぐや様…上手くやってくださいね…」

 

 

 

「……」

「……美味しい…」

「それは良かったです、紅茶を淹れるのは自信があるんですよ?」

「…そうね、あたしもそれくらいは出来るわ」

「……ふふっ」

「……で?その作り笑いはなに?」

「……やはり、貴方には解るのですね…」

「当たり前よ、あんたがあたしにそんな顔するわけないじゃない」

「……」

 

四宮かぐや

彼女は生まれてからここに至るまで、四宮家の思考を植え付けられて来た

それに変化を与えたのは…紛れもない、白銀御行

この1年で彼女は友人が数人出来る程に人として成長していた

しかし、彼女の“それ”は仮面を被った偽りの姿…

 

「……では、ここからは本音で話し合いましょうか」

 

そしてかぐやは…リボンを解いた

 

 

 

「……」

「…どうかなさいましたか?二乃」

「……なんでもない。五月、今日も生徒会?」

「えぇ、会計の方がよく働くおかげで、私も忙しいいんですっ」ニコッ

「……楽しそうね、あんたは」

「……二乃も生徒会に入ってみたらいかがですか?」

「はぁ!?あたしが!?なんで!?」

「…だって二乃…寂しそうです」

「…っ」

「一花はバイト、私は生徒会、四葉や三玖は上杉君の家庭教師……今の二乃は独りではありませんか?」

「……バカ言わないで…私が寂しがってる…?冗談じゃないわ!」バン!

「…っ!」

机を強く叩く二乃

 

「あたしはね!あんな奴があたしたち五人の家に入る余地なんてないと思ってるだけよ!勝手に他人の家に上がり込んで……だからあんた達の事なんてなんとも……!」

「……二乃…?」

「……なんでもない!」スタスタスタ ガチャッ!

「………二乃…」

 

 

 

「……ん?」

「白銀、ちょっと話があるんだけど」

「……」

廊下で鉢合わせした白銀と二乃

 

「俺に話とはなんだ?二乃」

「……あんた…四宮さんに何吹き込んだの?」

「…なんの事だ?俺は何も…」

「嘘つかないで!あたしには分かるわ!」

「……あいつは…お前の事を心配して…」

「それも嘘ね、あの人はあたしの事なんて心配してない」

「……仲良くなりたいと…」

「それも嘘!だったらあんな眼しないわ!」

「……」

「…っ」

 

(……ここまでか…)

 

「…そんな事を聞かずとも、もう答えは出てるんじゃないのか?」

「……え?」

「…四宮の家はとても複雑でな、腹違いの兄が3人いるそうだ」

「……」

「……これはあくまで推論だが……四宮は…お前が羨ましかったんだろう」

「…羨ましい…?なんで?」

「……家族に愛を注ぐ事が出来るからだ」

「…っ!」

 

「二乃さん、貴方にとって家族とはなんですか?」

 

「……」

「…五つ子であるお前たちは、互いに互いを支え合ってきた。お前たちの固い絆は強く結ばれていた…しかし、上杉風太郎の介入により、その絆が解かれようとしている……違うか?」

「……」

「俺は家族が大好きだ!その気持ちに嘘偽りは無い!お前もそうなんだろう!二乃!」

「……」

「…四宮はそんなお前が羨ましかったんだろう。誰よりも家族を愛し、誰よりも愛されるお前が……」

「……」

「…お前は間違ってなんかない。お前はお前なりに家族を思っていればいいんだ…どんな方法であろうと、家族なら、それを受け入れてくれる。それが家族、それが姉妹だ」

「…っ」

「……」

 

(一体四宮が二乃にどんな話をしたのかは知らないが…この反応を見るに、おそらく図星だろう。それ且つ、四宮の本音を聞いたのだろう……)

 

「…四宮さんに、言われた…」

「……え?」

「……」

 

「二乃さん、私には家族の何がいいのか分かりません。家族というのは、どれだけ自分の利益になるかどうかで存在価値が変わる。そんな存在です」

「……っ」

「それの何がいいのか……やはり私には貴方が理解出来ません……」

「あんたね!いい加減に……!」

「理解出来ないからこそ!……知りたいんです」

「……え?」

「家族というものの何がいいのか、家族というものは己にどんな効果を見出すのか……私に教えてください……」

「……っ」

「二乃さん…私は貴方が理解出来ません……でも、貴方の事をもっと知りたいです」

 

「……」

 

(四宮がそんな事を……)

 

「あたしにも、四宮さんが何考えてるかなんて分からない……だけど!」

「…っ」

「あたしも!知りたい!四宮さんの事!」

「……」

「…あたしも!生徒会に入る!」

「……あぁ、歓迎する」

 

本日の勝敗結果

二乃の勝利

(生徒会への参加を認められた為)

 

その後……

 

「二乃さん、これお願い出来るかしら?」

「分かったわ、これをボランティア部に渡せばいいのね」

生徒会へ加入した中野二乃

 

「……」

 

(四宮と二乃の関係が良くなってよかった…俺には女子の事は分からんからな…)

 

「…あ、そういえば白銀…会長」

「…ん?」

「…あたし、あいつの事認めないから!それであの子達に嫌われようともね!」

「…そうか、考えものだが……勉強は生徒会室でするといい」

「それは遠慮しとくわ、あたしまず勉強が無理だし」

「……」

「二乃さん、それはそれで困りますよ。生徒会として示しがつきません」

「別にいいじゃない、減る物じゃないし!」

「減る物です!」

「なによ〜!」

「あの〜…お二人共静かにして貰えますか?」

「「うるさい!」」

「それはこっちのセリフです!」

 

「……ふっ」

 

(まったく……また、賑やかになるな……)

 

 

そして次回──

 

「だから!何回言ったら分かるんだ四葉!ライスはLじゃなくてR!お前シラミ食うのか!」

 

「……上杉風太郎…本当に大変だな…」

 

この二人が、交差(クロス)する──




次回

第5話「五つ子ちゃんは生徒会に入りたい」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。