NURUTO   作:ONE DICE TWENTY

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原 作 破 壊


ターニングポイント

 さて、時間はまたちょっと飛ぶ。

 というのもサスケェ! 奪還編の後に始まる角都飛段戦はほとんどやることがないのだ。俺の介入余地が無い。あいつ等自体が特別なだけで、特別なエネルギーを持ってるってわけでもないしな。ジャシン様が実体として存在するなら食べてみたいが。

 転生者的目線で見ればアスーマの死を救う、という展開がありそうなもんだけど、俺は死に際大好きマンな上アスーマの死はシカマールの成長に必要不可欠なので無し。

 ナルートの新術、風遁螺旋手裏剣は原作ファンとしては生で見たい感はある……が、まぁ原作終盤で嫌というほどみられるだろうし。まだ未完成だし。いいかなって感じ。

 アニメでいうところのこっからあるだろう三尾編も六尾編も尾獣絡みだ。手を出すつもりはない。

 

 となってくると、驚く事に俺がやるべきこと、というのが定まってくる。

 

 それは少し前の約束。

 その力を、ワシを守るという目的のために使ってくれ──とかいう、今考えても変な力を思わせる約束。

 

 つまり、ペイン襲来編の序章、自来也の死である。

 

 どうしようかな、って。

 ホントに悩んだんだよ。だって自来也の死は結構重要なイベントだ。木ノ葉に絶望を齎すものであり、ペイン六道への憎悪が高まるキーポイントでもある。だからこそ痛みの話になってくるのだし。

 原作の、今後の展開に関するあまりに重要な分岐点だ。原作を壊さない、原作通りのハッピーエンドを迎える、というのを謳い続けてきた俺からしたら、絶対関わっちゃいけない案件。

 

 なんだけど。

 

「……なして俺は雨隠れの里にいるんだろうなぁ」

 

 関わるべきじゃない。関わっちゃいけない。やば案件オブやば案件だ。

 ここを変えたら、もうどうなるかわからない。

 

 ただ……ちょっとね。ちょっとだけね。

 カチンときた部分は、確かにあったのかもしれない。

 

 それは黒ゼツに言われた言葉。

 ──何をしても、何も変えられない。

 

 そりゃ変える気がないんだもん、当然だよ、って思ってたけど。

 

「やるな、って言われたらやりたくなるのが俺でさ。行くなって自戒しててもフラっと行っちゃうし、喋っちゃダメだって思うほど本心が口を突いて出る。はは、天邪鬼ここに極まれりってな」

 

 なしても何も。

 俺が来たのは、約束を守るためだ。

 

 さぁ――覚悟を決めて行こうか。久方ぶりの、原作破壊だ!

 

 

 

 

 

「口寄せの術!」

「呼ばれて飛び出て!」

「!?」

 

 畜生道のペインが口寄せしたカニ――に合わせて、俺も【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を展開する。したものはヌル遁アーマーと塗流槍。槍はカニを貫き、畜生道をも……といったところで華麗に避けられる。

 チッ、泡は吐かれたか。ドイールが動き出すな、コレは。

 

「な、ヨゴシ!?」

「来たぞ、自来也の爺さん! 約束通りにな!」

 

 出てくるタイミング早すぎた気もするけど気にしない! あんまり放置しておくとドイールに見つかりかねなかったし。

 ……ただ、このままだとペインの目的とかそういうのすっ飛ばしちゃうな。まぁ俺が後で説明すればいいか。

 

「何をしに来た……帰れ! 今、ワシは己の過去と」

「アンタの窮地を助ける約束をしただろう? ほら、とっととガマケンさん口寄せしーな。俺は今からアンタを全力で生かすから、アンタも全力で情報を木ノ葉に持ち帰れ。わからんことあったら俺が後で教えてやっからよ」

「何を……お前が何を知っているというのだ」

「全てを」

 

 深く追求される前に、畜生道の口寄せしたバジリスクみたいなカメレオンみたいな爬虫類に突っ込む。

 チャクラコントロールはお手の物、体術もそれなりに覚えた俺にとってこの程度の穴は縦横反転同然!

 

 突き刺すは中心、食らえヌル遁・塗流槍!

 

「邪魔をしないで……」

「出てくると思ったぜドイル!」

「……? 私は小南……」

「あーよ、気にしなさんな。俺は適当人間でね。んで、アンタ紙使いだろう? ──ぬるぬる、ベトベトしたものには弱いんじゃあないのか?」

「!」

 

 紙が受け止めた塗流槍は、しかしそこから形状を変え、五指で掴むかのような形に変形する。そこから滴り落ちるは【緑色の眩いぬるぬるしたもの】。油でバラけられなくなるなら、こっちでもできようさ!

 ……うわ、テンション高いな俺。

 

「小南……下がっていろと言ったはずだ」

「ごめんなさい、ペイン」

 

 ……かと思われたが、ぐしゃぐしゃと色を失っていくドイール。紙分身か。

 

「待て、ヨゴシ! ワシは此奴に聞きたいことがあるのだ!」

「コイツの知ってる事は俺が全部知ってる! だから存分にやれる! アンタに教えるのは一部! だからアンタは生きて帰る!」

「くそっ、話を聞け! 乱獅子髪の術!」

 

 追い縋る髪の毛をものともせず、口寄せカメレオンに突貫する。

 俺の視線の先、カメレオンはペイン畜生道を飲み込み、周囲との同化を始めた。──が、関係ないね!

 

「ヌル遁・苛伏四怨の術!」

 

 それは盛り狂うマグマのように。あるいは灼熱を吐き出す火山のように。

 円錐台に形成した【緑色の眩いぬるぬるしたもの】の中にこれでもかと【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を詰め込んで、その蓋を取り除く事で発生させる【緑色の眩いぬるぬるしたもの】の大噴火。隠し味に魍魎の力を添えてv。

 回収がクソ面倒なので平地ではやらない術だけど、ここは都合よく穴になっているのでラッキーってことで。

 

 さぁ向かうのは無数の礫。けれど一つ一つが絶対の破壊力を持つ死の逆さ雨だ。

 

「口寄せ……!」

 

 口寄せされるは茶色のワン公。

 それはこの逆さ雨に突撃し、しかし増え、さらに増え、ペイン畜生道に向かう【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を受け止めて行く。

 いやはや、ジラーヤも言ってたけど、マジでどこで見つけてきたんだろうねこの動物たち。俺も欲しい。

 

「こんだけいるなら一匹残せばいいよなァ! ──ヌル遁・堆鳬哩! 飲み込めや!」

 

 ぐわっと大口を開く【緑色の眩いぬるぬるしたもの】。

 それは増えに増えたワン公を片っ端から掴んで引きずり込み、噛み砕いて咀嚼していく。悲痛な断末魔が聞こえる。おーおー、かわいそーになー。

 一応一匹残したのは、残しておけば増やしてペイン襲来の時に使えるんじゃないかと思ったからだ。使えなかったらごめんな。木ノ葉の被害が減るだけだ。

 

 ワン公を食べ終わると、ズズズ、と透明になっていた畜生道が顔を出してきた。

 

「面倒だな……」

「誉め言葉か。ありがとうよ」

「無剣鐘のヨゴシ。何故貴様が俺達の前に立つ? 自来也に何の義理がある」

「義理はないけど、約束しちゃったんでね。薄っぺらい口約束でも守るのが人ってもんでしょ」

「ヒト……人か。貴様は、自身を人だと?」

「あるいは神に届き得るかもね?」

 

 逆鱗を踏み割る。

 

 まぁ実際そうなのだ。もう下級の奉仕種族とはいえない段階に来ている。様々なエネルギーを取り込んだ【緑色の眩いぬるぬるしたもの】は、もうその"域"に届きつつある。

 そんなのNARUTO世界では関係ない話かもだけど。

 

「口寄せ!」

「いいのか、珍しい動物を口寄せすればするほど、俺の食料が増えるだけだぜ!」

「やはりお前は人ではない……」

 

 千鳥にも似た、ものすごく甲高い声が響き渡る。

 それは空。天空。上空。現るるは嘴が硬そうな鳥。鳥? 三本足の?

 

「ヌル遁・ぬりかべの術!」

 

 ならばこちらも硬質化だ。

 ほんとは素の状態の【緑色の眩いぬるぬるしたもの】で衝撃吸収が良いんだろうけど、ちょっと試してみたい部分もあってこっちを選ぶ。

 果たして――わお。

 

「溜める暇もなく破られるか! いいね、鬼鮫といいアンタといい、段々インフレしてきたねぇ!」

「これも飲まれるか……口寄せ」

 

 飲む。中で糞なのか卵なのかよくわからんものを生んでそれを爆発させてくるけど、それさえも飲む。というかそういうエネルギー塊こそ主食だ。

 そんな俺に、影が差す。

 

 次の口寄せはデカいサイ。サイゾーの方じゃない。

 さて、ワン公に始まってずっと空中にいた俺だけど、別に飛べるようになったわけではない。ので――自由落下を始める。今までは跳躍の滞空時間だっただけだ。その間に食べてただけ。

 

「ヨゴシ、お前には色々言いたいことがあるが、とりあえず変われぃ!」

「あれ、ガマケンさんは?」

「どうしてお前がワシの口寄せ契約を知っとるのかは今はどうでもいい。いいか、ヨゴシ。これはワシの問題だ。お前が約束を守ってくれるのは嬉しいが、後にしろ! 後でならいくらでもピンチになってやるからのぅ!」

 

 その後が無いから今来てんだよ、なんて言葉は流石に飲み込む。

 俺と入れ違いになるように宙へと舞うジラーヤ。その目は横に伸び、両肩には蝦蟇を二匹乗せていた。

 

「かーちゃん、アレなんだと思う?」

「とーちゃん、ありゃ目を合わせちゃいかんもんだよ! 知らないふりしてな!」

「でもかーちゃん、アレ野放しにしたらあのペインとかいうのよりも危険な気が……」

「お二人とも、今は目の前の敵に集中を」

 

 空中で【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を体に吸収し、地面に着地。

 咀嚼してはみたものの、やっぱり大したエネルギーじゃあないな。元の動物の性質と肉体改造、そこに輪廻眼から与えられた様々があってようやく成立してる化け物か。

 単純な腹ごしらえとしてもあんまり美味しくない。戦闘特化生物ってなー、筋肉ばっかで脂少ないんだよね。

 

 ギャーギャー煩い蝦蟇二匹になんか失礼なコト言われた気がしたけど、さてはてこのままジラーヤを戦わせていいものか。

 

 いいワケあるか。

 俺はジラーヤを安全に帰すために来たんだぞ。

 

「来るか……口寄せの術」

 

 カメレオンの背中にまた二人、ペインが口寄せされる。餓鬼道と人間道だ。

 

 ……いや。

 

「修羅道もとは、気合入ってんねぇ!」

「どうやらお前が俺達の事を知っている、というのは本当のようだからな」

 

 対ジラーヤ用にはカメレオン上の二体。

 そして俺対策には修羅道の一体。

 

「そんでもって、対処が的確!」

「無剣鐘のヨゴシ。エネルギーや生物を捕食するその生態は、反して機械の類を飲み込むと聞いたことはない」

「そりゃアンタが聞いたこと無いだけさ。空中要塞とか戦艦とか、機械の類もバリボリ食ってるぜ、俺は」

 

 聞いたこと無いのは簡単、伝えるものがいないから。

 さぁて修羅道。ナイス采配だ。何故って、ペインvsジラーヤでの決定打とでもいうべきものは、ジラーヤの左手の喪失。つまり修羅道による不意打ちが原因とみる者も少なくない。ならばコイツを壊すなり食らえるのなら、ジラーヤを救う手立てにもなろう。

 

「……って考えてたら、ダメなんだよな。俺の悪いトコは詰めの甘いトコ」

「ほう?」

「そんでもって、俺の良い所は──」

 

 展開する。

 ここが雨隠れの里だというのなら、その雨量さえも超す勢いで。修羅道ペインなんか一瞬だ。ミサイルやら何やらを撃たせることなく【緑色の眩いぬるぬるしたもの】の濁流がそれを飲み込み、割り、砕いていく。

 

 同時、壁に這っているカメレオンに対し、壁中からヌル遁・得塗流塔が突き刺さる。餓鬼道が手を当ててくるのならゲレルの石の力を抜くだけだ。そのまま【緑色の眩いぬるぬるしたもの】が餓鬼道に覆い被さり、圧死させていく。

 仙人モードにまでなったジラーヤには悪いけど、俺は約束を守るんだ。

 約束した本人にその意思がなくとも、守る。そう、俺の良い所は――。

 

「自分勝手なトコ!」

 

 ジラーヤの胴体に【緑色の眩いぬるぬるしたもの】の縄を巻き付けて、引き戻す。

 して、俺は既に尾の数えられない尾獣モードだ。

 敵は雨隠れの神なれば、こちらは古のものに反抗した造られし生物なりて!

 

「だからこれは変化でなく! 解法・処漉!」

 

 怪鳥の鳴き声が響き渡る。ティキリリティキリリと、既存の生物にはあり得ない鳴き声が。

 天から引き摺り下ろしたジラーヤを奮割堤込で受け止め、その辺においておく。酸素穴アリの【緑色の眩いぬるぬるしたもの】ボールだ。

 

 ハッハー、漫画違うけどコレは言いたかった台詞NO.1!

 

「驕りが過ぎるぞ、ペイ竹。──これからは俺が天に立つ」

 

 普通にペイン、って言った方がカッコよかったなって。

 

 

 

 

「尾の数えられない尾獣……無剣鐘のヨゴシ。まさか、自来也を守るために顕現するとはな」

「そっちこそ、良かったの? さっき潰した餓鬼道と修羅道はともかく、畜生道人間道地獄道天道と、要らない術使う奴まで勢揃いじゃんか。言っておくけど人間道と地獄道は俺に対して何の意味も無いよ。俺も自来也の爺さん連れ帰ったらそそくさ撤退するからさ、そん時までに地獄道は安全なトコにおいときなよ。でないと」

 

 雨隠れの里を無数に走るパイプ。

 その中から【緑色の眩いぬるぬるしたもの】が飛び出し、彼らを襲う。避けられたら変形し、更に追う。板野サーカスだ。天道以外を追い縋る【緑色の眩いぬるぬるしたもの】は、どれほど逃げても追い続ける。勿論絡まったりしない。元々同一だからな。

 

 その最中にも会話が続く。

 

「お前は随分と六道に詳しいらしい」

「そりゃそうだよ。俺は最終的に六道仙人がどこぞに封印したっていう外道魔像を食べる気だもん。六道については詳しいさ、そりゃ」

「そうか」

 

 え、そうなの。

 俺外道魔像食べる気だったんだ。知らなかった。

 

「再度聞く。何故お前が自来也を守る」

「再度言う。昔約束しちゃったから」

「過失に思っているのか」

「思ってる。けど、それを果たさなきゃ──そろそろ本当に踏み外しそうだからね」

 

 瞬間、圧死していた餓鬼道と修羅道を含め、天道以外のペインが消える。

 

 ということは。

 

「いいだろう。ならば戦ってやる。かつて自来也に救われた身として、今自来也を救わんとするお前を撃滅する……!」

「あぁ上等! 下級の奉仕種族が神を倒すときが来たってな──反逆の狼煙を上げようさ!」

 

 もう原作破壊なんてレベルじゃない。

 この場でペイン襲来が――ワンチャン、地爆天星が起きるレベルだけど。

 

 いいさ、ここまで来たらカット無しだ。ガチ戦闘してやらぁ!

 

「神羅天征!」

 

 いきなりの神羅天征。咄嗟に周囲の建物へ【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を吐き出し、蜘蛛の巣のように体を突っ張る。耐えきれば本人がぶっ飛ばされる読みでのアンカーボルトは、しかしその建物を粉砕する威力だった事を理由に失敗。コイツ、自分の里を破壊しやがって!!

 が、ぶっ飛ばされるのなんて慣れてる。問題ない。

 地面に抑えつけられたまま【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を建物内に這わし、斥力の外から攻撃する。先端を槍のようにしつつ、回転も加えたドリル仕様。Mr.ドリラーと呼んでくれていい。

 

 ただし、これは本人が移動する事で避けられた。代わりに俺を抑えつける力も無くなったので、露出している部分である尾獣モードの俺からも同様のドリルを出す。

 

 ふわり、飛びあがるペインに殺到する俺の触腕。ただ、長年無視してきた速度という弱点が仇となり、捉えることができない。

 

「遅いな」

「なら面だってな! ヌル遁・緑雹!」

 

 先ほどまでペインたちを追っていた【緑色の眩いぬるぬるしたもの】。そのまま空中で固まっていたソレが、先の苛伏四怨の術のような礫となって降り注ぐ。軽く放っただけで岩をもぬるっと貫いた【緑色の眩いぬるぬるしたもの】の礫。それが数千、数万と降り注ぐ様は壮観。

 なお俺やジラーヤを囲う【緑色の眩いぬるぬるしたもの】にあたっても癒着するだけなので安全面も問題ない。

 

「──万象天引!」

 

 言葉と共に、ペイン天道の掌、その先に向かって緑雹が集い始める。雹と雹がくっついて球になり、さらにくっついて大玉となる。幾千、幾万と降り注いだ【緑色の眩いぬるぬるしたもの】は、全てがペイン天道の手元に集い。

 

「返すぞ」

 

 神羅天征によってものすごい速度で返って来た。

 

 が、吸収!

 

「ヌル遁・粘水塊!」

 

 返って来た量を逆さ雨にして返す。ただし、今度は礫でなく――。

 

「……!」

「神羅天征はインターバルが必要なんだよなぁ!」

「粘性の液体かっ!」

 

 取り付けた【緑色の眩いぬるぬるしたもの】は、ペイン天道の腕や足に絡みつき、離さない。斥力はインターバルによって使えず、その隙を逃す俺ではナァイ!

 グンッと引っ張って降ろす。ほら、化け物を見下すなよ、神。一緒に堕ちようぜ。

 

「く……地爆、」

「危ない術使おうとしてんじゃないよッ! ヌル遁・ヌル牢の術!」

 

 その身体に巻き付いた【緑色の眩いぬるぬるしたもの】がバクンと膨張する。

 完全な球体にまで成長したそれは、中にいるものの身動きを許さない。どころか口や鼻から喉に入り、耳から鼓膜を潰し、筋肉という筋肉、骨という骨を潰していく。

 

「緑粘星……!」

 

 圧力はさらに増す。圧縮圧縮圧縮圧縮ゥ! プラズマは出来ないけど、代わりにミンチが出来上がりまァす!

 とはいかない。何故なら神羅天征のインターバルは五秒だからだ。ずるい。はやい。

 

 バチン! と音を立てて弾け飛ぶ【緑色の眩いぬるぬるしたもの】。……神羅天征の斥力には耐えられないか。気を付けなきゃだな。そのまま口からも【緑色の眩いぬるぬるしたもの】が吐き出された。うわ、俺もよくやるけど、人がやるの見るとキモいな。

 ……一応アレもやっとくか。

 

「意味があるのか知らないが、ヌル遁・脳朽知由の術!」

 

 操るのは残っていた耳の中の【緑色の眩いぬるぬるしたもの】。遠隔じゃ操れないので、極細の【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を通したうえで、だ。

 それは耳から脳に達し、脳を破壊する――直前でそれも引き抜かれる。

 

 ふむ、脳を破壊するのは意味があるのか?

 

「……まだやるか」

「あら、気付かれた?」

「そもそもお前の目的はお前が言っていた。──自来也を安全に帰すこと。それを目的としているお前が、この戦場に自来也を置いたままにするはずがない」

 

 そうだ。

 だから、逃がさせてもらった。ジラーヤは拒否するだろうから、わざわざ【緑色の眩いぬるぬるしたもの】に包み込んだんだ。アレは敵からの攻撃を防ぐためだけでなく、内側からも何もできない状態にするって理由があった。

 そして、何度も言ってるけど遠隔の【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を操ることはできない。だからずっと、地面の下に伸ばした【緑色の眩いぬるぬるしたもの】でジラーヤを運んでいた。俺がペイン天道に向かって飛ばなくなったのはそういう理由につき。

 ヌル遁・魚侘洲雷陀の術ね。前も使った奴。

 

「まーそういう事。だから、あえてこっちからも聞くよ。まだやる?」

「……お前は危険だ。余計なことを知り過ぎている。だが、完全に木ノ葉に与する気はないと見た」

「そりゃそうだよ。俺に火の意志なんてないし。アンタらがやろうとしてることも否定はしないよ。肯定もしないけど。俺は波の国出身でね、波みたいに状況や環境に流されやすいのさ。今回ばかりはまぁ、喉の奥に引っかかった魚の骨のために、こうして出張って来たわけだけど」

 

 俺ももう目的は達成している。

 だからここにいつまでも留まる気は無い。

 

 無い、が。

 

「瞳術は本人や血筋がなければあんまし意味が無いからね、食べる気は無いけど──」

 

 全身から出した針をペイン天道に向けて、言う。

 

「アンタの座ってるその生命維持装置には興味あるかなー。もしかしたら今度、食べに行くかも」

「……やってみろ」

「そんじゃ、その時まで! アデュー!」

 

 どろり、と溶ける。

 全身が、俺ごと、全てが溶けて行く。それは床やパイプ、通路に流れ込み、染み込み。

 

 最後には何もなくなった。

 そこは雨が降るばかり――。

 

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