NURUTO   作:ONE DICE TWENTY

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忍術(魔法)

 何もなく過ごせている。

 ……何って、波の国から誘拐されて以来の話だ。

 任務中に見つけた孤児として報告を上げられたらしい俺は、どこぞの機関にたらい回しにされる──かと思いきや、あれよあれよの間に忍者学校ことアカデミーへの入学手続きが済まされ、なんか今アカデミーで学生っぽい日常を過ごしている。

 とはいえ。

 

「……チャクラ、なぁ」

 

 チャクラコントロールは忍術のようにチャクラを放出しないため色々できた。できていた。

 んだけど。

 

 まずね、印覚えられねーって。

 というかそんな一瞬で組めねえ。多分幼児の頃からアカデミー通ってる子達は日常的にやらされてるから覚えてるんだろうけど、俺はやばです。漫画として読んでた頃だって別に意味理解して真似とかしてなかったからなー。カエルとかキツネ作るくらいだ、せいぜい。

 

 そんでそれ以上に、チャクラを放出するってのが難しい。

 自分の体の内部であれば動かせる。簡単だ。意識向けるだけでいい。

 けど体外放出や纏って変化させる、となると……ウパー。もとい、ぬおおお。難しい。授業中とか休み時間とかにずーっと練習してるけどかなりムズイ。【緑色の眩いぬるぬるしたもの】なら簡単に操れるのに、チャクラ……ヌヌヌ。

 これを乱回転させて球体の形保って相手にぶつける、とか絶対無理。

 

 とまぁ今んとこ忍術の進捗はこんくらい。変化の術も分身の術も未だ成功していないし、サスケェ! が卒業前に習得していた豪火球の術とかもうできる気がしない。というか性質変化がまず無理。俺のキャパはヌル遁に支配されているんだと思う、って言い訳したくなるくらい。

 ちなみにだけど、ヌル遁……【緑色の眩いぬるぬるしたもの】はチャクラを通さない。覆って強化はできるけど、浸透はしない。敵のチャクラを完全遮断できる、ってことでもありつつ、これ以上強度を上げるのはキツいってことでもある。まぁ上げる必要ないと思うけど。

 

 で、次。

 体術。

 これも……ん-。

 

 いやね、体育レベルのことならできるよ。あと咄嗟の避けとかね。

 でもキックだのパンチだのの型を覚えて連打連打連打……となると話は変わってくる。

 ごっちゃになるねん。いやだから格ゲーのコマンドとか覚えられる人マジで凄いっていつも思ってるんだけど、そんな指だの足だのをガチャガチャやったらごっちゃになるじゃん。なんでならないの?

 プラスして忍具もやっぱりダメだった。狙ったトコに行かねえ。無理無理。早々に諦めました。

  

 で最後幻術。

 これは素直にありがたかった。解除方法はすんなり教えてもらえたし、幻術返しも……まぁ習得できたとは言い難いけど、仕組みはわかった。ちなみに忍術同様俺から幻術を相手に、ってのは難しい。最悪【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を見せつけて発狂狙いでいいだろって思ってる。

 

 こんな所が現況だ。

 あ、座学は全然イケた。難航したのは地理くらいで、他は一般常識に近いし。

 

「ヨゴシ、そんなところで立ち止まってどうしたんだ?」

「大地を感じてるんです」

「そうか。でもここ廊下だぞ。あと授業始まるぞー」

「……はい」

 

 イルカ先生はイルカ先生だった。

 いや先生、なんて呼ぶのは上っ面の時だけだけど、なんつーか、マジ良い人なんだなぁって感じる。

 良い人はまー生き残れないだろうからアカデミーなんかで授業してるんだろうな。そんなに実力無いってのもありそうだけど。

 

 さてはて。

 原作通り、もうそろ中忍選抜試験……通称中忍試験が始まろうとしている。が。

 当然のことながら俺は参加できない。卒業資格なんて満たしているはずもなく、そもそも外部の人間だ。アカデミーに入れたこと自体奇跡に近いのに、他里の人間が集まる場所に行けるはずもない。なんでって、そこで合流を果たして情報共有とかするかもしれないから。

 

 そもそも俺のできることなんかないだろうし。NARUTOってけっこーなバランスの上に成り立ってる部分がある。針の上でブレイクダンスして脳髄に針がぶっ刺さってる、みたいな。例えクソ下手だったな今。

 その中でも大蛇丸と三代目、サスケェ! そんでカブトに我愛羅。

 こいつらは今後の展開に強く強く影響し、誰が欠けても、誰が信念を変えてもいけない。原作の展開が完全なハッピーエンドだったかって言われたら微妙だ。死ぬほど死者出てるし。

 けど、最終的にBORUTOに繋がる世界平和──BORUTOが平和とは言ってない──を為し得たのはああいう展開であればこそ。

 

 ならやっぱり邪魔しないのが良いだろう。

 死に際大好きマンなので原作死亡キャラを助けたい、とかもあんまり思って無いし。まぁ死体損壊はちょっと気分悪いので白い子は守り申したが。

 つまり……なんだ。

 

 転生者でありながら、俺はいる意味があんまりないのである!

 

「ヨゴシ。さっき言ったよな? 授業始まるぞー?」

「あら素敵な笑顔」

 

 殴られた。

 体罰反対!!

 

 

 

 

 中忍試験予選が始まった。

 今頃ペーパーテストでもしてるんだろう。

 一応聞いてみたところ、授業の無い日であれば本選の観戦は自由らしく、俺も行っていいらしい。行かないけど。

 ウォロチマールに出会ってしまったら不味すぎるし。そもそも木ノ葉崩し企んでる連中に関わりたくないし。でもテマリは可愛いです。

 そんで、なんでも中忍試験含めた前後期間は警備の関係上教師も少なくなって授業も減るとかで、いやマジで暇な日がいくつかある。なんなら昨日も暇だった。

 

 こう暇だと……まぁいつもやんないことをしてみたくなるのが人間のSAGAだろう。ロマンシングだ。エストポリってもいい。

 たとえば、いつもは行かない場所に行ってみたり。

 

「二代目様の顔岩の上におかしな気配を感じてみれば……なんじゃ? お主は」

「わお三代目」

 

 そういうことするといつも裏目に出るんだよ。俺知ってんだよ。

 

 

 

「成程、暇か」

「いやまーみんな頑張ってんのは知ってるし、知ってる奴ら応援しに行くとかはあるとは思うんだけど、どーにもね」

「気が乗らんか?」

「気が乗らないのもそうだし、……やんなきゃいけないことと、やっちゃいけないことが被ってるというか。つか、三代目もいいの、こんなとこいて」

「第一、第二は観戦に向かんからな」

 

 確かに。

 まさか死の森の巻物から三代目が出てきても困るだろうし。

 

「ヨゴシ」

「んぁ?」

「お主はこの国の者ではないな」

「ああ、波の国の孤児だよ。はたけカカシに連れられてここに来た」

「……そうか、お主が」

「なんか報告行ってる感じ?」

 

 木ノ葉崩しによって死ぬ三代目。まぁよって、というか終わらせるために、というか。

 なんぞ情が湧くわけでもないものの、死ぬ前に話すってのはあんまりいい気分じゃない。ここで三代目の考えが変わってしまったら、とか、死に際に余計なコト思い出しちゃったら、とか、色々考えてしまう。

 だからさっさと俺ははけた方が良いとは思うんだけど……。

 

「ヨゴシよ。お主はこの国をどう見る」

「ああ質問には答えない感じで」

「お主が親に捨てられ、それでもその歳まで生き抜いてきたことは知っておる。その上で問う。完全なる外部の子供から見て──この国は、この里は。どう映る?」

 

 この国。この里。

 平和な国、だと思う。富の格差は確かにあるけれど、波の国のようにそれを救う手立てがない、ということもない。貧富の格差が小さいのかな。ご令嬢ご子息が庶民を虐げていないというか、良くも悪くも一般人でいる。それは日向然り猪鹿蝶然り他固有忍者然り。

 それはある意味で突出したものがいない……これから先を担うリーダーに欠ける、ということでもあり、だからこそナルトが目立つ存在となったんだろうけど。

 

 猿飛ヒルゼン、綱手姫、はたけカカシ、うずまきナルト。

 ここから続いていく火影の面子は、そういう時代の遷移の表れでもあるのだろう。

 

 ならば。

 

「危ない国、だと思うよ」

 

 そんなこと、口走るべきではないのに。

 つい、本音が出てしまう。

 

「危ない……この国がか?」

「こんなに狙われやすい国はない。こんなに悪目立ちしている国はない。優秀で数がいて平和。そんなの格好の的すぎる。仲間を大切にするような教育方針……スリーマンセルの仕組みのせいで、一人釣ったら他がおまけでついてくる。ついてこなくても揺らぐ。固い友情。絆。それってつまり、誰かが欠けた時の損失が大きいって事。泣いて、苦しんで、その後に立ち直れるのかもしれないけど、その間は確実な隙になる」

 

 ……というのが暗部の考えではあるのだろう。もっと冷酷だろうけど。

 だってこんなに楽な国は無い。勝手に優秀な人材、血統を育て上げてくれて、その上で管理が甘いんだ。盗むのも奪うのも、崩すのも容易い。

 

「誰がそれを為すと考える?」

「悪意がある人。復讐心がある人。野望がある人。あるいは里」

「……そうか」

 

 そうだ。

 んで、それが起きようとしている。

 そんなこと欠片足りともいうべきではなかった。言っちゃダメだった。だってこれを言ってマジで起きたらこれもう完全に内通者じゃん。

 あー、何してんの。いやさ、木ノ葉の忍になるつもりはなかったとはいえ、アカデミーでぬくぬく過ごすかぁ、とか思ってたんだよ。これもう絶対木ノ葉追われるルートだって。えー次どこ行こう。滝とか行ってみる?

 

「そろそろ、時間じゃな」

「本戦の説明?」

「お主も来るか?」

「行くワケ」

 

 

 

 

 さて──本戦へ向けた準備期間。一か月の準備期間である。

 この間他里の忍がわんさか来るし、各国の大名なんかのお偉いさんもわらわら来る。つまり思ったことが全部口に出る俺がほっつき歩くと百パーやば案件になるわけだ。

 んじゃまーどこに身を隠すかって話になる。アカデミー内を安牌として、危険牌は当然他里の忍の宿泊所。及びその周辺。現物は……まー、顔岩の上とか? あそこで遊んでりゃ三代目の目につくってわかったし、なんかあったら飛んできてくれるだろ。実はあそこ立ち入り禁止だったりはするんだけど。

 

 他は……ラーメン屋とか?

 ナルート大絶賛のラーメンは確かに食べてみたい。けど俺くどいモン苦手なんだよな。

 

 ……木ノ葉崩し。

 正直、誰が生き残っても誰が死んでも、原作通りでなければならない舞台。

 となれば……もう今の時点で里を抜けるのはアリか? どうせ木ノ葉崩しが起きた瞬間に俺の立場は怪しくなる。あ、でもどうなんだろ。俺の話を聞いた三代目はあそこで死ぬんだから、大丈夫なのか? 三代目がそうペラペラと俺の事喋るとは思えないし。

 だとしても、長くは居られないって予感はしている。そうぬくぬくと生きられる程甘くないというか。

 

 んで、それだけじゃない理由がもう一つ。

 

 足にチャクラを溜めて、吸着と剥離を故意に繰り返し走力を高める。足の方が速く動くので、腕を振ってる暇がない。いわゆるNARUTO走りって奴ね。

 それで向かうのは三代目の家の方。なんでって──なんぞ、殺気に似たものをひしひしと感じるから。

 誰だろうねー俺を狙うのって。暗部かなー、不穏分子だもんね。それとも他里かなー、ブラックボックスだもんね。

 

 それとも。

 

「そんなに急いでどこへ行くんだい?」

「トイレ」

「そうか──なら、僕と共に来るといい」

「連れションお断りです」

 

 額当てには音符。きらりと光るメガーネ。まるメガーネ。

 銀に近い髪。カモメヘアー。そして──纏う殺気は、カカーシにも勝るか。

 

「ヨゴシ君……で合っているかな」

「そういうアンタはカブトであってる?」

「へぇ、僕を知っているのか」

「だって中忍試験出てたでしょ」

 

 さて──回り込まれてしまった、の状態だけど。

 どうするか。

 えーなんだよ。マジで目ぇつけられてたの? 苦しいわー。

 逃げ系の術……というか俺が覚えられた忍術って隠れ蓑の術と幻術を解く奴くらいだぞ。どっちもチャクラをほとんど使用しないから。

 攻撃系は勿論一切覚えてない。落ちこぼれと言われていたナルトでさえ使えた変化の術や分身の術も使えない。

 

 使えるのは──。

 

「おや、殺気が強くなったね。もしかして僕とやる気かい?」

「そっちこそ、俺とコト構える気あるのは驚きだよ。こんな街中で……」

 

 幻術を──解く。

 靄となって消えた木ノ葉の街並みは、代わりに鬱蒼と茂る森に変わった。俺が向かおうとしていた三代目の家などどこにもない。というか里から離れる方向を向いている。

 

 これだから幻術は!

 

「中々聡いね」

「ホントに聡かったらもうちょっと早く気付いてるよ」

 

 さて──なんで狙われたのか、なんで俺の秘密が露見したのか、とかは後々考えればいい。

 生き残る、というか生け捕りにされずに逃げ出す方法を考えよう。

 選択肢がある。1.カブトを殺して逃げる。2.どうにかカブトを退けて逃げる。3.逃げる。

 

 あー。

 

「逃げる!」

「逃がすと思うのかい?」

「アディオス! 水遁・天泣!」

「クッ──まさか、そんな高等忍術を」

 

 口の中から【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を高速で打ち出す。針の形に形成したわけじゃないけど、威力は申し分ない。避けられはしたけれど、事実カブートの背後の木に穴が開いている。木さんごめんよ。

 うん、やはり水遁はヌル遁と相性がいい。発想は全部水遁か、一応土遁寄りで考えて行くべきだろう。特にこの術は高速も高速だから【緑色の眩いぬるぬるしたもの】が視認できないというメリットもある。何より扉間ァ! が使っていた術なのでものすごく使い勝手がいい。トビラーマの作った術は全部使い勝手が良いんだよね。

 

「僕の調べでは、君はアカデミーの基礎忍術も使えない落ちこぼれ……だったはずなんだけどね」

「ああうん、何百年経っても習得できる気がしない」

「それに今の術……チャクラを一切感じなかった。どれだけ効率化を図っているのか知らないけれど、その量のチャクラでこれだけの威力。君は()()だよ」

「ああそういうこと、ね!」

 

 つまりまぁ、これはテストだったのか。

 それにまんまと乗っかって、合格してしまったと。

 

 ハッハー。

 

「そりゃ──まぁ、やばだわな」

「おや、観念したのかい?」

 

 さてはて、カブトが、あるいは大蛇丸が俺に興味を持った可能性がある、と言う事だ。

 実験体としてだろう、流石に。転生体ではないと思う。

 それは不都合だ。だから──忘れてもらうのが一番良い。

 

「んじゃま──健忘症を引けるかどうかだなぁ」

「健忘症?」

「水遁・大瀑布の術!」

 

 言いながらカチ上げるは【緑色の眩いぬるぬるしたもの】。鬱蒼と木々の茂る暗い森の中で、眩く輝く緑を見よ! そして発狂しろ! 忘れろ!

 

「──」

 

 よし固まった!

 多分今幻覚とかなんか色々よくわかんないものを見ていて脳の処理が追い付かなくなっていると願う!

 

 逃げる!!

 

 

 

 

 

 

「ヨゴシ……お前、なんだって休日にアカデミーに来ているんだ」

「せめて変化の術くらいは覚えておきたくて」

「お前は……普段の授業は遅刻常習者のくせに、休みの日だけ勤勉なんだな」

「普段はホラ、考える事あるから」

 

 やっぱり俺は変な事考えずにこういう安全地帯にいた方がいいな、うん。

 そんでもって、やっぱり【緑色の眩いぬるぬるしたもの】だけじゃ無理だと理解した。チート能力なだけあってピーキーすぎるんだ。攻撃も防御もできる代わりに0か100しかないってのは問題。

 だからこういう小回りの利く忍術を覚えたい。

 

「けど、センセも休みじゃないの?」

「それはそうだけど、俺も別にやること無いからな。折角だ、付き合ってやるよ」

「良い先生かよ」

「良い先生だろ?」

 

 にっこり笑うイルーカ。

 良い先生だなぁ。

 

「よし、どこがわからないんだ? どうせ今日は誰もいないし、みっちり教えてやる」

「まず体の外に出たチャクラを操る感覚がわかんない」

「あー……だけど、チャクラコントロールに関しては常にトップだったよな、お前」

「うん」

「なら全身から滲み出すようにチャクラを纏ってみたらどうだ。分身の術は少し違うが、変化は、」

 

 なる、ほど?

 要はヌル遁アーマーと同じか。……うん、できるな。体内でチャクラ動かす分には簡単だ。で。

 

 で?

 

「そうそう、良いぞ。そうしたら……たとえばこの黒板をイメージして」

 

 イメージして。

 

「それになるんだ」

「無理だろ」

 

 無理だった。

 そこがわかんないんだよ。何、手裏剣とか黒板に変化するって。身体どうなってんの。痛いだろ普通。

 ……あー、うん。

 

「センセ、無理だわコレ」

「諦めが早すぎる」

「原理がわからなすぎる。いや忍術に原理とか言ったらもう何にもならないんだけどさ」

「チャクラを変化させるんだ。身体にチャクラを纏っただろ? その形を変えたら、中の肉体も変わる」

「変わんないよ」

 

 変わったら怖いよ。

 

「あー、でも」

「お、やる気になったか?」

 

 身体から滲み出したチャクラ。それは体の形を取っている。

 だから、このまま動けば……。

 

 身体の輪郭に沿ったチャクラが残った。

 

「……」

「……ダメだな、これ」

 

 当然着色なんかされていない、ただのチャクラ。俺にしては体外放出したチャクラを上手く固められている方、という評価が下せるものの、決して分身ではない何か。

 ん、でもまてよ?

 チート能力である【緑色の眩いぬるぬるしたもの】はチャクラを通さない。チャクラを通り抜けない。いやまぁ破壊力に物言わせたらぶち抜きはするんだけど、通常状態ではチャクラに阻まれる性質を持つ。

 んだばここに、このチャクラの型に【緑色の眩いぬるぬるしたもの】を入れるべさ。

 そんだば……えー、一応ヌル遁・ヌル分身の術ができるんじゃね?

 

「ダメだなー。やっぱり小さい頃からやってないと無理な気がする」

「そんなことはないさ。ヨゴシには才能がある。毎日練習すれば、いずれは強い忍者になれるぞ」

 

 なる気がないからね。

 

 でもま、これ感知タイプとかには効くんじゃないかな。……目で見られたら一発アウトなんだけど。

 

「ありがとう、イルカ先生。俺は他の術を試すよ」

「だが、その二つができないと卒業もできないぞ?」

「足切りになったらそれはそれ。元より根無し草だからね、そこまで気にしないよ」

 

 とにかくレパートリーを増やしたいんだ。

 できないものをできるまで頑張ってる時間は無い。文字通り魔の手がすぐそこまで迫って来てるんだから。

 

 ……そういえば、結局どうしてバレたんだろ?

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