何卒よろしくお願いいたします!
鎧を纏った人型の魔物は少年にこう言い放った。
「ここまで育ててやったのだ。恩の一つくらい返してもらわんとな?」
「はい」
「お前には期待などしておらぬ。我が息子のために魔物を減らしておけ。間違っても逆らおうなどと考えるな。」
「…はい」
去っていく魔物。
一人になった少年は俯きながら、
「強くなろう。道具だって使いようだ。」
自分を励まし、準備へと戻った。
温かみなど感じられないやりとりの後、少年は魔界から姿を消した。王を決める戦いに参加するために。
[日本]
太陽が照りつけて肌が痛いくらいの中、少年は行動にでることにした。
「まずはパートナー探しだな…」
青い本を持って人々に声を掛けるがパートナーは中々見つからない。何日も過ぎ、空腹を満たすため食料がありそうな場所を探す。
たまたま入ったスーパーで、冷凍食品を見つけたがお金を持っていない。いっそ盗んでしまおうかと考えるが、すぐ捕まってしまうだろうと考え直し、店を出た。
夏に飲まず食わずで行動していたため、意識が朦朧としてきてふらついてしまう。
「結局役立たずの道具のままだな…」
自嘲気味に呟きながら歩いていると、人にぶつかった。
本来ならば謝るところであるが、フラフラな状態であるため、倒れてしまう。
「どこ見て歩いてんだこのガキっ!!クソっ!どいつもこいつも俺の邪魔しやがって!」
くたびれた中年の男性に蹴飛ばされ、持っていた本を落としてしまう。
落とした本の先には20歳くらいの男性がおり、本を拾って汚れをはらう。
「弱っている子供を蹴るなんて何考えてるんだ。八つ当たりもそこまでにしろよ」
「あぁっ!?誰だお前!?お前も俺の邪魔すんのかよ!!汚ぇガキ蹴って何が悪ぃんだよ!こいつからぶつかってきたんだろ!?」
逆上して掴みかかろうとする中年の男性。
「イラついて前を見てなかったあんたにも責任はあるだろう」
「うるせぇ!!」
怒りのあまり殴りかかろうとしていたその時。
「試しにギコルって言ってみてくれ」
少年は起き上がって本を持つ若者に喋りかける。
一瞬迷ったようなそぶりを見せたがとりあえず言うことにした。
「ギコル、これでいいのか?」
すると、目の前には2m程の氷がいくつも現れ、中年男性の前に突き刺さる。
「ひぃぃぃっ!?何だこれ!?化け物じゃねぇかっ!!」
パニックになり叫びながら逃げていく。
「やっと見つかった。お前が俺のパートナーだ。俺はレイコム。魔物だ」
若者は驚きながらも、
「急展開すぎるだろう。理解が追い付かない」
冷静にツッコミを入れた。
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