皆の傷になって死にたい転生者がベルの兄で才禍の怪物なのは間違っている 作:マタタビネガー
次回あたりから書くためのカロリーが凄そう‥‥‥‥‥
もう一人の『化物』────アルは、目の前の光景に目を見開く。
傷だらけの姿で短剣を構えるラーニェ、四肢があらぬ方向に曲がっているフォー、全身に浅い切り傷を負いながらも気絶しているフィア。
少し離れたところに岩盤へ叩きつけられたのかそのままの姿で意識を失っているクリフとオードの姿もあった。
一瞥しただけで状況は把握できた。
いずれもが血を流している。それもかなりの深手で、明らかに戦闘によるもの。
そしてそのどれもが致命傷ではないが、放っておけば死ぬであろうことが見て取れる。
傷に何者かの手加減が垣間見えることから、おそらくは殺す気はなかったのだろう。
高速で思考を働かせながら半ば無意識のうちに詠唱を口ずさむ。濁流のような魔力が吹き荒れ、瞬く間にアルの周囲一帯を覆い尽くす。
緋色の魔法陣が浮かび上がり、魔力が循環し、魔法が発動する。付与魔法の光がラーニェを含む全員を包み込み、瞬く間に癒していく。
アミッドやヘイズのそれには及ばぬものの全癒魔法の領域に指を掛けている治癒能力。
その光を浴びてラーニェは自分でも気が付かぬ程に焦燥した顔から微かな安堵の息を漏らすと、その場に膝を折る。
アルは自分が今どんな顔をしているのか分からなかった。
ただ、魔法によって温まる外気に反して手足が凍えそうなほどに冷たい。脊髄に氷柱を差し込まれたような悪寒にも似たナニカが背筋を走る。
思考が冷め、冷静になっていく。
同時に、頭の中で様々な可能性が浮かんでは消えていく。
何故、誰がこんなことを。
いや、そもそもこの階層に【イケロス・ファミリア】以外の敵はいないはずではなかったのか。
ラーニェ達を攻撃した者の正体は?
目的は?
ラーニェ達を殺さなかった理由は?
ウィーネはどこだ?
攫われた?
なぜ?
誰に?
疑問が次々に浮かんでは答えが出ないままに泡沫のように消える。分からないことばかりで苛立ちばかりが募る。
しかし、今はそれどころではない。
アルは冷静に状況を把握しようと努める。
まずは、とアルはラーニェに視線を向ける。
「·········ぅ··············」
ラーニェは呼吸を整えていた。外傷は完全に治り、痛みも引いたはずだがそれでもラーニェは動けずにいた。
─────怯えている。
そう、ラーニェは震えているのだ。
身体ではなく心が、恐怖で。
先程の人型にも劣らぬ激情の奔流、初めて見る眼前の英雄の怒気に気圧されて。
「何があった」
静かだが有無を言わさぬ威圧感を帯びた声がラーニェの耳に届く。思わず身震いしそうになるのを堪えて、ラーニェは言葉を絞り出す。
アルは、ラーニェの言葉を聞いて僅かに眉根を寄せた。ラーニェの語った内容はおおよそアルにとって信じがたいことだった。
「そう、か」
呆然としたラーニェの視線を受けて、アルは静かに静かに冷たく重い感情を押し殺す。
悔恨にも近い怒りが胸中に渦巻く。
それは紛れもなく自分に対する憤りだった。
─────しくじった。
【イケロス・ファミリア】の掃討を優先した判断が間違っていたとは思わない。
あれはあれで今しか出来ない最善の行動だった。
しかし、その結果がこれ。
【イケロス・ファミリア】さえ片付ければ問題ないと高を括っていた。
それが、この結果だ。
油断していた。
慢心していた。
冷えていく、熱が引いていく。頭が、思考が、酷く、冷めていく。
まるで自分のものではないかのように、どこか遠いところで思考している感覚。
久方ぶりの激情の後に訪れる、自己嫌悪に近い感情。
おおよそ、アル・クラネルが抱くには最もふさわしくない感情。自分勝手で下劣で下種な、醜悪極まりない我欲を抱えたアルには相応しくない。
倫理も道徳も全て投げ打って享楽に生きるアルだが、それ故にその享楽が原因での失態は想像以上に重くのしかかる。
ましてそれが弟に縁深い少女のこととなればなおのこと。
それでも、アルは湧き上がる自責を自覚しながらそれを飲み込んで冷徹に思考を重ねる。
まず、ウィーネが攫われてフィアやラーニェが攫われていないことから相手は【イケロス・ファミリア】の密猟者ではない第三者。
その時点でだいぶ限られてくるがそもそもの話、理知を持ったモンスターである異端児の存在を知っていることでそれ以上に限定される。
加えて鍛錬と深層の魔石を大量に食らったことで第一級冒険者と遜色ない実力を持つフォーを筆頭に、ラーニェやフィア達を制圧できるほどの実力者。
そこらの冒険者では手も足も出ないそんな彼らをまとめて相手にしてなお、一方的に制圧できるほどの実力者など、それこそ都市でも数えるほどしかいないだろう。
つまり、敵は少なくともLv.6と同等以上の力を持っていることに他ならない。
そこまで考えて、アルは思考を止める。
「─────いや、それ以前になぜ、気がつけなかった?」
流石に曇らせのためとは言うものの、ラーニェやフォーが死ぬのは許容できないと思って【イケロス・ファミリア】は倒したからラーニェ達が襲撃されるはずがないんだが··········。
他にも【イケロス・ファミリア】のハンターがいた?
··········いや、ないな。
仮にいたとしてもフォーは俺のブートキャンプで第一級相当まで強くなってる、ディックスでもない限りは相手できないはずだ。
それ以外の闇派閥のものはそもそも襲撃するメリットがあまりないはず。
·········いや、それ以前になぜ、気がつけなかった?
同じ階層内での戦闘なら【直感】を使うまでもなく、まず間違いなく感じ取れるはずだ。だってのにここに来るまで精霊すら何も騒がなかった。
精神干渉ってわけじゃないだろうし探知阻害か?
俺に効くレベルの探知阻害?
今の闇派閥にそんなの使えるやついるのか?
安く見積もっても推定レベル6以上で超抜級の透過スキル持ち、ってとこか。
···············いたか? そんなやつ?
初めて見るアルの静かな激情に気圧されてラーニェは固まったまま動けず言葉を発することすら出来なかった。
そうしている間にも不死鳥の付与魔法が傷や疲労を癒していく。軋むような痛みも倦怠感も消えていき、傷が癒えていくにつれて次第に意識がはっきりしてくる。
霞がかった思考が鮮明になり、頭が冴えてアルの様子も目に映るようになる。
アルは怒り以上に動揺を抑え込んでいるようにラーニェの目からは見えた。
「─────いや、それ以前になぜ、気がつけなかった?」
ポツリと誰に聞かせるわけでもない呟きが漏れる。その声音はアルらしくもない困惑に満ちたもので普段の彼を知る者からすれば違和感しかないものだった。
アルから溢れていた魔力の奔流が収まる。戦慄と畏怖すら覚える圧倒的な魔力が消えたことによりラーニェの緊張も緩み、思考が巡る。
確かに近くにいたはずのアルが事が終わるまで全く気がつくことが出来なかったのは今にして考えてみれば確かにおかしい。
あの化物の魔力の奔流が間近にあってアルが気がつかないはずがない。
─────アル・クラネルは必ず『間に合う』。
呪いじみた異能とも言うべきアルの英雄性はどんな事態、どんな危機であっても必ず間に合うところにある。
全てをすくい上げられるほどの力があったとしてもその場に居合わせなければ何の意味もありはしないからだ。
第一級冒険者としての磨き上げられた五感の鋭敏さは勿論のこと、【直感】の発展アビリティによる第六感的知覚が周囲の危機に対して敏感に反応してアルの行動を先んじさせる。
また、大気中に漂う名もなき精霊達との親和性の高さと【幸運】の発展アビリティがそれらを感知する手助けをする。
ずば抜けた感知力に加えてそれらの補助によりアルはたとえどんな状況下にあろうとも必ず駆けつけることができる。
『都市最速』と謳われる第一級冒険者の脚ならば尚更だ。
それをラーニェもある程度知っているが故にアルの困惑と疑問は理解出来た。
常のアルならばあれほどの怪物が自分たちと相対した時点でそれを感知できたはずだ。
しかし、今回に限ってはアルはその気配すら察知できなかった。あれほどまでに横溢した魔力の波濤を感じ取ることができなかった。
「─────悪い、俺がしくじった」
だが、そんなことよりもラーニェは普段の鉄仮面を崩して悔恨の表情を浮かべるアルの姿こそが信じられなかった。
感情を解さぬ冷血漢、感情を発さぬ英雄、感情を測れぬ化物。アルに対するラーニェの評価は概ねそのようなところだった。
底知れぬ実力と感情を一切感じさせない無機質な言動はまさに怪物と呼ぶに相応しかった。
だからこそ、おおよそアル・クラネルという人間が浮かべるにはふさわしくない感情の乗った表情を見てラーニェは絶句していた。
それは驚愕であり、困惑でもあった。
同時に、ラーニェはアルのことを少しだけ見誤っていたことを理解した。
アル・クラネルはただの人間だ。
それもまだ若い、未熟な子供だ。
その強さや肩書きの重さで誤魔化されがちではあるがアル・クラネルはまだ少年に過ぎないのだ。
フォー達の治療をしつつもアルは思慮を重ねていた。
その襲撃者の存在を感知できなかったこと自体もそうだが、それ以上に今もなおその相手の行き先が読めないことに困惑していた。
都市に潜む闇派閥の構成員の炙り出しは大方終わっている。その中で異端児達の誘拐を企てている者がいるとすればそれは既に潰した組織の残党や知らない別の派閥ということになる。
だが無名の派閥にそれほどの実力者がいるとも思えないし仮にいるのならば既に前線に出ているはずなのだ。
そんな者はアルの知識にも存在しない。
だが何よりも今もなおその相手がどこへ向かっているのかがわからないことがアルにとっては一番の問題だった。
大気中に大量に残っている魔力の残滓や【直感】の発展アビリティによって強化された第六感から本来であれば簡単に捕捉できるはずの存在の影が全く見えない。
まるでその存在が最初からそこにいなかったかのように。
精霊に呼びかけてもなにも反応が返ってこない。
ウィーネを攫った謎の存在の痕跡を追おうとしても煙のように消えてしまう。アルはそれがどうしようもなく不思議だった。
今までの経験上、この手の異常事態に遭遇した場合はまず間違いなく【直感】が働く。
だが、今回ばかりはアルの第六感は何も告げない。むしろ、何も起こらないことを警告するように疑問だけが膨れ上がっていく。
突き止めようとする思考にすら靄がかかっていくような感覚を覚えながらも、それでもアルは思考を止めることができない。
「(─────エイン、か?)」
ラーニェの言葉や大気に残っている微かな魔力の香りからして恐らくは間違いないだろう。
強さという意味でもそれ以外でもエイン以外にラーニェ達を制圧できるだけの力を持った闇派閥に属する者など思い当たらない。
その目的は測れないが、少なくとも今回の一件に関しては確実に何かしらの意図が絡んでいることだけはわかる。
ラーニェ達が襲われたことも、アルが感知できなかったことも、そしてその目的も。
疑問は尽きない。
何よりここまでの物的証拠が揃っておきながら今の今までエインが襲撃犯だと気がつけなかったことにアルは愕然としていた。
「(精神異常の呪詛······? いや、俺に効くはずもないし、かけられた自覚もないな)」
真っ先に候補として上がるはずの存在が出てこなかったことにアルは更なる違和感を覚える。
ソーマの神酒をがぶ飲みした状態でフレイヤの全力の魅力を食らっても二日酔いで済ませられるアルの精神状態はあらゆる精神干渉の影響を受け付けない。
常軌を逸した自我の強さの他にもあらゆる状態異常をはじく付与魔法や精霊の加護、Lv.8のステイタスによる耐性。
そんなアルを惑わすことが可能ならアルだけではなく、都市の全てが既になんらかの呪いの影響下にあってもおかしくはない。
しかし、それらしいものは一切感知できない。
呪いが発動した痕跡もない。
ならばアルがどうこうされたわけではなくエイン自体が自分に対する何らかの認識阻害のアイテムかスキルを持っていると考えるべきだ。
だが、アルが知る限りエインにそんな力はないはずだ。
「(何にしろ一旦地上に戻るべきか)」
エイン及びエニュオの狙いもウィーネの行方も分からないがダンジョンにとどまるのではなく何が起きてもいいように地上に戻ってファミリアと合流すべきだろう。
フォー達を他の異端児たちと合流させてから自分は早急に地上へ戻る。
そう決めたアルは早速、眼晶を起動させた。
「(なによりなんかもう考えるとめんどくなってきたわ)」
──────翌日の早朝。
アクセサリや軽食の露天商が立ち並び、大派閥に属さない鍛冶師が作った武器防具を取り扱う店なども既に開店して客を呼び込んで大通りを賑わせている。
商店から聞こえてくる、その店の大小を問わずに張り上げられた声が活気に満ちた街の雰囲気を作り出していた。
これからダンジョンに潜りに行く冒険者達を目当てに、都市中の店がこの時間から営業を開始して人の流れを作っている。
そんな喧騒の中、レフィーヤは突如として街中にけたたましく鳴り響いた鐘の音と拡声の魔石製品から発せられた緊急放送を聞いて驚いて足を止める。
『────緊急警報!! 繰り返します! 緊急警報!!直ちに全ファミリアはギルドの指揮下に入ってくださいッ!!』
「ギルドのミッション·······?」
突然の出来事に呆然とするレフィーヤ。鐘の音とアナウンスを聞き付けたのか、周囲で同じように足を止めた冒険者が集まってくる。
ざわざわと騒めき出していた大通りは徐々に静まり返り、冒険者達の間に緊張が走る。
『─────ギルドからミッションを発令します!!』
『ギルドからミッションを発令します!!』
「───ッ?!」
「ミッション?!なんで?!」
【ロキ・ファミリア】ホーム、黄昏の館にもその放送は届いていた。館内にいた団員達が一斉に驚きの声を上げ、食堂に集まった幹部達の間で動揺が広がる。
ティオネとティオナはその放送を聞くなり、すぐに駆け出して中庭に飛び出した。そこには既にフィンやリヴェリアを始めとした主力メンバーが集まりつつある。
鐘の音が中庭まで届き、皆一様に驚く中、フィンだけが表情を変えず静かに佇む。
ギルドからのミッション、それもオラリオに所属する全冒険者に向けてのものなど滅多にあることではない。
よほどの異常事態が起きたのだろう。誰もがそう思うと同時に、ある者は表情を引き締めて、またある者は不安げな面持ちを浮かべながら続々と集まってくる。
屋内では聞きにくいだろうと外に出てきたのだ。
鐘の音を耳にしたアイズ達も広間に集まり始め、ちょうど幹部全員が揃った頃にアラート内容の詳細が説明された。
『18階層───リヴィラの街が下層より現れた武装したモンスターにより壊滅させられました!!上層種から深層種までの様々な種族の『強化種』が百近く確認されています!!』
ギルド職員の言葉を聞いた途端、幹部達の表情が強張る。
リヴェラの壊滅、それだけならばこれまでに何百回も聞いた話だ。
モンスターの発生しない安全地帯とはいえ上下階層からモンスターは当然のように湧いてくるし、ダンジョンに異常事態はつきもの。
何回も壊滅しては復興を繰り返しているリヴェラの壊滅は決して珍しい事ではなかった。
しかし今回は事情が違う。
上層から深層に至るモンスターの強化種が百以上。それが地上に向かって進攻してくるなどここ100年余りなかった未曾有の異常事態である。
複数の階層域のモンスターが一堂に会するというだけでまずあり得ない状況であり、ましてや強化種の群れがダンジョン内を闊歩するなど、もはや前代未聞であった。
「モンスターが武装·········?」
「おい、冗談じゃねぇぞ·······」
ポツリと呟かれたアイズの疑問とベートの驚嘆が重なる。モンスターは武器を扱うことはできるが、それはあくまで天然武器を振るうだけで冒険者のように装備を身に着けたりはしない。
何よりも恐ろしいのは進攻しているモンスターが強化種であるということ。
同胞であるはずのモンスターの魔石を喰らい続け、いわばダンジョン内での生存競争に打ち勝ってきた異常個体である強化種。
ダンジョンで時折起きる異常事態の中でも強化種の発生は最悪の類であり、そのまま冒険者の死に繋がりかねない危険なものだ。
その個体にもよるが他のモンスターの魔石を喰らうことで自己強化を果たした強化種の恐ろしさは最大派閥の【ロキ・ファミリア】の面々は深く理解している。
例としては『血濡れのトロール』。
レベルにして5、第一級冒険者相当まで己を強化したかの怪物はギルドに泣きつかれた【フレイヤ・ファミリア】の幹部陣に討伐されるまでの間に50名以上の上級冒険者を殺めている。
魔石の味を覚えた強化種は元となったモンスターとは全く別種の、元の認定レベルでは測れない上位亜種ともいうべきものなのである。
─────それが百体近く。
ギルド職員の報告を聞き終えた幹部達はその数に改めて息を呑む。リヴェラの壊滅からまだ数時間ほどしか経っていない。
地上にたどり着く前に倒さなければ甚大な被害が出る。
仮に守る対象が多くある地上でそれほどの数の強化種に暴虐を許してしまったら······想像するだけでもその恐ろしい光景に背筋に冷たい汗が流れる。
【ロキ・ファミリア】や【ガネーシャ・ファミリア】を筆頭に組織だって対処しなければ七年前の大抗争並み、あるいはそれ以上の被害を巻き起こしかねない。
『現在、ギルドは冒険者を招集しています!!Lv.2以上の上級冒険者を含むファミリアはセントラルパークに集合して下さい!!それ以外のファミリアは市民の誘導や避難のサポートを行ってください!!』
火急の招集に、フィンに幹部達は視線を向ける。
「皆、早急に装備を整え───」
『─────えっ?······あ、いや、そんな···········りょ、了解しました!!』
フィンの指示を遮るようにギルド 職員の困惑した声が拡声の魔石製品を通して響き渡る。
そして、再び拡声の魔石から声が発せられる。
「─────先ほどの指示を訂正します。冒険者のダンジョンの侵入を全面的に禁止します!!ギルドからの指示があるまで待機していてください!!」
フィンを含め、その場にいた全員の顔が驚愕に染まった。切迫し、錯綜する状況の中での急遽の指示変更に動揺が走る。
「指示の変更とは指揮系統が混乱してるのかの?」
「或いは大物から横槍が入ったとかな?」
何の根拠もない勘ではあるがこの騒動はより大きな事件の発端に繋がるとフィンの直感が告げていた。
これはただの大捕物では終わりそうにないな、とフィンは小さく溜め息をついてじくり、と疼く親指を握り込む。
「どう思う、アル? ···············アル?」
·········よし、よし。
フェルズからの返答待ちだけど大体原作と変わらない感じに落ち着きそうだな。
エインの目的は読めんが最悪、ベルが折れないように立ち回る必要が有りそうか。
···········めんどくせぇけどあと少しだしな。
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エインの認識阻害に関しては後々詳細を書きますが今はアルに感じられにくい(直接相対したら無理)程度の内容で大丈夫です。
アル「曇らせていいのは俺だけ!!死んでいいのも俺だけ!!死ぬなら俺と一切関係ないところで死ね!!」
─────を徹底してるだけでドクズはドクズ、アストレア・レコードifのアルはこの範囲がもう少し狭い。