褪せ人レーナーと霊バのトレセン生活   作:狸より狐派 ハル

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飽きて放置してたらもう10ヵ月以上ほったらかしてたとか・・

たまげたなぁ。

感想に待ってくれてた方がいたので初投稿です。


トレントと夏合宿

《浜辺》

 

合宿とは参加するウマ娘たちが、次なるレースに向けて誰よりも成長するための、トレーニング専用行事である。

 

この合宿に参加したメンバーは様々で、強豪チームのリギルやスピカ、G1制覇のためにカノープスなど個性豊かなウマ娘がここにいた。

 

もちろん、あの二人も・・・

 

「えぇ!?なんだそのトレーニングは!?」

 

チーム【ファースト】メンバーのビターグラッセが、トレントとそのトレーナーの【褪せ人】にそう驚いた。そのトレントらが行っていたトレーニングにチーム【ファースト】のトレーナー樫本理子はつい、こう叫んだ。

 

「ヒトを背負って全力疾走・・・!?」

 

彼女の言うとおり、トレントは褪せ人を背負って走っていた。

 

ウマ娘と言う種族は只でさえ本気で走れば、自動車と同じスピードで走ることができる。

 

そんな生き物の背に乗って走らせたらどうなるか。乗ってる者の体重である程度は減速するだろうが、それでも力の強いウマ娘の走りは、普通の人には感じれない風圧を体感出来るだろう。

 

だが思い出して欲しい。【おんぶ】と言う不安定な体勢を。

 

親が小さな子供を背負う時は、特に問題はないだろう。走るわけでもない、そもそも軽いのだから。

 

だがウマ娘とは言え、自身よりも体が大きくて体重も重い人物を背負った状態で走ってしまうと荷重移動、つまり重さに対する繊細なコントロールがより必要になってくるのだ。

 

背負うウマ娘も、背負われている人間も倒れてしまえばただ事ではすまない。

 

しかしトレントは臆することなく、走っている、全力で。

 

そんな光景に、チームファーストのメンバーは目を離さずにはいられなかった。

 

 

 

______________

 

 

 

「ふむ・・・可能な限りの負担を掛けた状態での走行ですか・・・」

 

トレントらの休憩中、樫本トレーナーは褪せ人にあのトレーニングについて聞いた。

 

本来以上の体重を感じた状態での走行。今までありそうでありえなかった、ウマ娘のトレーニング法を聞いて斬新だと彼女は思った。

 

ヒト同士なら全然わかる。しかし背負っている者がウマ娘なのだ。樫本理子はさぞ不思議に思った。怖くなかったのか?と。

 

そう聞かれた褪せ人は、「昔の経験で慣れている」とだけ答えた。

 

トレントもまたこの日のために、(トレーナー)のためだけに幼少期のころから、このような訓練をしていたと言っていた。

 

なるほど、とだけ答えた樫本理子は考える。自分のチームにこのトレーニングを採用していいのかを悩んでいた。

 

前述の不安定な要素、ウマ娘の安全のために徹底管理を心がける樫本理子にとって難しい選択であった。

 

ウマ娘のためとは言えど、リスクが高い。けがをすれば最悪選手生命を失ってしまう。

 

そう悩んでいるところ、ファーストのメンバー【リトルココン】がこう言った。

 

「トレーナー。私はやってみたいです。危険を承知だとはわかっていますし、トレーナーの方針を否定するつもりは一切ありません。

 

ただ・・・リスクというものは、どうあがいても直面してしまうだと考えます。

 

様々なトレーニングを参考にするのは、決して悪いことではないはず・・・

 

樫本トレーナー。どうか、許可をお願いします。」

 

メンバーの中で最も優秀な競争ウマ娘が求めた。

 

他のメンバーもまっすぐな眼差しで、見つめてくるのに対し

 

樫本理子は反対しようにも、その真剣な求めに答えざるを得なかった。

 

「・・・分かりました。しかし、条件があります。」

 

メンバーの真正面に立ち、彼女は決してひるむことなくそう語りかける。

 

そして一番大事なことを、誰よりもウマ娘の安全を心がけるトレーナーはこういった。

 

 

 

「・・・私を

 

・・・私だけを背負って走ってください。絶対に」

 

「えっ」

 

 

 

_______________

 

 

 

 

まず結論から言えば・・・

 

理子ちゃんがとんでもないことになった。

 

念のため説明すると彼女はとてつもない貧弱体質兼、運動音痴なのだが普通自動車第一種免許をしっかりとっている。(余談だがそれもマニュアル。筆記はともかく実技はヤバかった)

 

そのため車での移動時は時速50kmで走行するし、タクシーなど自分で運転しないときでも特に恐怖せずに乗車している。

 

・・・が、もう一度伝えるのだが、ウマ娘に背負われて走るのだ。

 

不安定で、常に揺れ、その中で常にしがみついていないといけない。

 

ウマ娘が走る時に受ける風圧を(じか)に感じ取った樫本理子は、一瞬にして全身が凍った。

 

一流のトレーナーである彼女は、ウマ娘について誰よりも知っているつもりだった。

 

だがその時は激しい衝撃を色んな意味で受けた。

 

こんなにも・・・こんなにも速いスピードで普段から走っていただなんて・・・!

 

恐ろしかった。百聞は一見に如かず、百見は一触に如かず。

 

こんな殺人的なスピードをこの子たちは出してしまうのか。

 

樫本理子は思い知らされた。ウマ娘というヒトより強くも脆い存在について、本来こんなスピードを出してはならないのだと。

 

彼女は心の底から恐怖したのだった。

 

 

 

体験後、その時の彼女は「生まれたての小鹿よりもスッゴイ震えていた」と、とあるウマ娘が言っていた。

 

だがトレーナーとしての面子を保てていた彼女は過去イチ踏ん張り、心配してくれる担当たちに見た目以外決して弱みを見せないよう平気だと伝えた。

 

 

 

後日、各トレーナーらに下記の注意喚起が知らされた。

 

『ウマ娘に任意の人物を背負った状態でのトレーニングは、細心の注意を払い決して目を離すことなく監督すべし。

 

理事長代理より』

 

何というか、説得力が違うなぁと、褪せ人は呑気にそう思っていたのだった。




理子ちゃんはね・・・頑張ればできる子なんですよ・・・

ちょっと他の子より少しだけ不器用なだけで・・・

ほら、アプリのサポカイベントでもゲーセンのダンスゲームを出来るまで続けてたらクリアできたし・・・

だから見守ってあげましょ・・・?ね・・・?

コラそこ!ポンコツ理子ちゃんシリーズとか言わない!
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