「花見の視察には来たはいいものの、どこがいいかな…」
そう呟きながら歩いていくと、ある公園へとたどり着いた
この公園では毎年お花見をする人たちが多く集まっているらしく、今年もすでに多くの人が集まっていた
「うわぁ……すごいな……。さすが有名なスポットだ……」
思わず感嘆の声を上げてしまうほど見事な景色だった
そして何より驚いたことは、もう既に多くの人で賑わっていたことだった。
「いやー、それにしても本当に人が多いですね!これじゃあ場所取りとか大変そうだなぁ……」
隣にいる龍くんが少し不安そうな表情を浮かべる
確かにこれだけ人が多ければ席の確保は難しいかもしれない
「まあまあ、そんな心配しなくても大丈夫ですよ。ほら、あそことか空いてませんか?」
そう言って指差した先にはぽっかり空いた空間があった
どうやらまだ誰も来ていないようだ
「おおっ!!ラッキーじゃないですか!」
龍くんの顔がぱっと明るくなる
「よし、早速座ってみようよ」
2人はレジャーシートを敷いて腰掛ける。
「ふぅ〜、ようやく一息つけますね〜」
「うん、そうだねぇ。それにしてもこんなにたくさんの人が来てると思わなかったからびっくりしたよ」
周りを見渡すと家族連れやカップルなど老若男女問わず大勢の人達が集まっており、みんな楽しげな雰囲気に包まれていた
「えへへ、なんかこういう雰囲気好きですよ。なんだか心が落ち着くっていうか……」
「ああ、わかる気がするなぁ。自分も結構好きだよ」
普段仕事に追われているせいかこういったゆったりとした時間を過ごすことがあまりないので、こうして自然に囲まれて過ごす時間は貴重だと感じる
しばらく2人とも無言のままぼんやりとしていたのだが、龍くんの方を見るといつの間にかウトウトしていた
「あれ?龍くん寝ちゃったのか……」
すやすやと眠る彼の顔を見ているうちにこちらも眠たくなってきた
「……んむぅ……zzZ」
ーーー
……気づけば自分も眠りについてしまったらしい。
目が覚めると辺り一面真っ暗になっていた
「あっ!?まずいっ!!」
慌てて腕時計を確認する。時刻は既に午後だった
幸い今日は花見の視察以外に仕事がない日だったことを思い出して、ほっと胸を撫で下ろす。
だがしかし、このままではせっかくの視察なのに何もせずに終わってしまうことになる。
それはあまりにも勿体無い事をした気にもなったが、たまにはこういう日があっても良いのではなかろうか。
「あっ、プロデューサーさん!目が覚めましたか?すみません俺、いつの間にか眠っちゃってたみたいで…あはは」
と龍くんが申し訳なさそうな顔をする
「いや、こっちこそごめん。まさか2人で同時に寝てしまうとは思ってなかったよ」
お互いに謝り合いながら笑い合う。
「とりあえずそろそろ帰りましょうか」
「はい!」
花見の視察としての成果はあまりなかったが、久しぶりに十分な睡眠が取れて疲れが取れた気がする。
これで明日からの仕事も頑張れそうだ。